2016/08/12 のログ
ご案内:「常世公園」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (夏季休暇の中でも、
本土ではいわゆるお盆休みに当たる週末。
昼過ぎの公園はそれなりに賑わっていた。
部活動だろう出店も1つ2つ出ている。
木陰のベンチに座りながら、
その光景を眺めているのであった)
おしるこコーラはやはり美味いな…
ご案内:「常世公園」に滝川 浩一さんが現れました。
■佐伯貴子 > (出店は生活委員会の許可証を確かめたし、
特に不審な人物も、
一人で泣いている子供もいない。
こうやって缶ジュースを飲んでいるだけで仕事になるというのは、
非常に穴場的なものがあった)
■滝川 浩一 > 「……暑い」
そう呟きながら公園へ入っていく。
背中にはリュックサックを背負い、手には買ってきた本を持ち、灼熱の日差しに照らされながら公園内を見渡す。
この日差しで水分補給をしないのは自殺行為に等しい、見渡した時に視界の端に自販機を見つける。
「…よぅ、魔物。元気か?」
自販機に近づき、そう声をかける。
この自販機は以前、ジュースを買おうと1000円を突っ込み、そのまま食われた自販機である。
魔物という名称が他で使われているかは知らないが滝川はこう呼ぶようにしている。
傍から見れば、自販機に話しかけている危ない人だ。
その魔物の自販機でジュースを買おうと500円を取り出し、自販機の硬貨投入口へ入れる。
目当てのジュースのボタンを押す…が、ボタンが点滅した瞬間、自販機に表示されていた500という数字が消え、ジュースは出ることはなかった。
(あぁ…や、やっぱり?)
苦笑いを浮かべ、汗のかいた顔でその自販機を見て、そう思考する。
■佐伯貴子 > 滝川じゃないか。
何をしているんだ?
(自販機の前に佇む青年にそう声をかける。
一部始終を見ていたわけではないので、
自販機で何を買うか迷っているように見えた)
■滝川 浩一 > 「…ん?あぁ、どうも。いえ、少し、ジュースを買おうと思ったら魔物に…ね」
声をかけられた方向を見る。
以前、歓楽街で出会った風紀委員のお姉さんだ。
声をかけられ、自身の行動を問われると、ジト目で自販機を見てそう切り返す。
正直、全部をはっきりと口にするのは少し恥ずかしい気がした。
「佐伯さんは見回りですか?いつもご苦労様です」
汗だくの顔のまま笑顔を作り、佐伯に労いの言葉を飛ばす。
■佐伯貴子 > ジュースを魔物に?
買えなかったってことか?
(ベンチから立ち上がり、
自販機に近づく。
携帯デバイスを取り出して認証させる)
ほら、これでボタンを押せば出るはずだぞ。
見まわりと言っても簡単な仕事だからな。
ねぎらいは必要ないよ。
(軽く首を振ってみせる)
■滝川 浩一 > 「まぁ、そうですね。ハハハ」
恥ずかしそうに頬をかいて笑い声をあげると
携帯デバイスを取り出す佐伯に注意を向ける。
あれは…風紀委員の便利アイテムだろうか?
「すいません。ではお言葉に甘えて…」
自販機で点滅しているボタンを押すとペットボトル入りの水がゴトンッと落ちてきて、取り出し口からそれを手に取る。
冷えているそれを頬に当てて、満足そうに目元を緩ませる。
■佐伯貴子 > 災難だったな。
この島では自販機も客を選り好みするらしい。
初めて見たけどな。
(ちなみに携帯デバイス自体は珍しいものではない。
アンドロイドが闊歩するこの島では、
むしろテクノロジーとしては低い方かもしれない)
まだこの島には慣れないようだな。
徐々に慣れていくといい。
飲むんだったら、そこのベンチに座ろう。
(風通しの良い木陰のベンチに歩いて行き、
先に座る。
「おしるこコーラ」のロゴが踊る缶を傾ける)
■滝川 浩一 > (おしるこコーラ、マジで人気なんだな)
ベンチに座ろうと提案され、それに乗っかりそちらへ向かうとその缶を見て苦笑いする。
背中のリュックサックを降ろし、佐伯の隣に座ると共に自身の足元に置く。ペットボトルの蓋をあけ、ごきゅっと一口水を飲むと蓋をしめリュックサックの中にしまい込む。
(涼しい…ここはもしや公園のベストスポットなのか)
ちょうど木陰にさえぎられてるところや涼しい風が吹いてくる点を考えながら、そんなことを思う。
ここでなら快適にできるだろう。
そう思い手に持ってた本を開いて読書を始める。
■佐伯貴子 > (読書を始める青年を見つめる。
無口な性格なのだろうか。
読書を続ける姿に)
何の本を読んでいるんだ?
(などと尋ねてみる)
■滝川 浩一 > 「えぇ、少し剣技の勉強を…」
佐伯にそう聞かれ、視線をそちらに向けると、
明朝体で「剣技・剣術」と書かれた本の表紙を見せて返答する。
剣のほかにリュックサックの中には、銃、弓、薙刀などの武器から生物、物理、化学などに関する参考書が詰まっている。
「少しばかり、こういうのの勉強しないと、風紀委員に成れないなと思いまして…」
頬をかき、恥ずかしそうに笑ってそう返す。
さりげなく風紀委員を志していることを告白して、視線を本に戻す。
■佐伯貴子 > ふうん、剣術ねえ…
風紀委員に入るだけなら必要ないと思うぞ。
(缶ジュースを飲みながらそんなことを言う)
私は戦闘ができなくてもこうして仕事してるしな。
それに、剣より銃の方が射程距離が長いし、
異能を使えば素手でも十分な戦力になる。
生兵法は怪我の元、とも言うしな。
(やはり風紀委員といえば戦闘なのだろうか。
そんなことを思うのであった)
■滝川 浩一 > 「…そ、そうなんですか?」
顔を引きつらせそう聞く。
風紀委員会は入るのが困難、仕事内容は暴徒の鎮圧や治安の維持、などまるで自衛隊か警察のようなものを想像していたのだが
どうやら違ったようだ。
(そりゃそうか。そんな大役を寄せ集めの志願者だけで構築された委員たちに任せるわけないもんな…)
昨日の決意がまるで折られたようで落ち込む。
でも、とりあえず決意したからには実行する。第一、それらに力を入れないと、元の怠慢な人生に戻るような恐怖があった。
「一応、銃とか弓とかの書籍も購入しました。まぁ、それらの情報を知って100%生かせるかはわからないですけど…」
苦笑いして、そう切り返す。
■佐伯貴子 > そうなんですかというか…人それぞれだな…
そもそも、身体が大きいとか腕力が強いとか、
それだけじゃ戦闘の強さは決まらない時代だろう。
(異能や魔術や超常の存在。
それらに対して多少の腕力の差がどれだけの意味を持つのか。
佐伯貴子は常々疑問なのであった)
そういう技術を身につけるには、
まず委員会に入って、
先輩から指導を受けるという道もあるんじゃないかな。
習うより慣れろともいうだろ。
(銃や弓を本から学ぶ。
それから実践で使えるようになるまでどれだけ時間がかかるのか、
佐伯貴子には想像できないのだった)
■滝川 浩一 > 彼女の言葉が突き刺さる。
自身の学の無さを露呈させたみたいでとても恥ずかしい気持ちになると共に佐伯の言葉の正当性に同意してしまう。
「…俺みたいな奴が、そう簡単に委員に成れるでしょうか」
本から視線を逸らさずにそう問いかける。
どことなくその声は先ほどまでとは声のトーンが違っていた。
■佐伯貴子 > なれるかなれないかじゃないんじゃないか。
なるかならないかだ。
(そう言ってジュースを一口飲む)
最強無敵の大英雄だけが風紀委員になるわけじゃない。
少なくとも、
本を買って勉強しようと言う人間を、
拒むような組織じゃないと思うぞ。
(なんだか青年は思い込みの強いタイプのようだ。
…と佐伯貴子は感じる。
しかし裏を返せばそれが爆発的な成長にも繋がる。
青年の意志次第でどうにでもなるだろう)
■滝川 浩一 > 「…??」
佐伯の言葉に何か引っ掛かったのか。険しい顔をして、そちらを見る。
そして自身が一つの思い違いをしているのかもしれない。という結論に至った。
それを確認するため口を開く。
「えっと…つかぬことをお聞きしますが…風紀委員ってその、入会試験…とかってあったりしますか?」
言葉を若干詰まらせながら、単なる質問になるように佐伯に問う。
そう、自分自身、風紀委員会には入会試験があって、無理難題をこなして厳選な審査の結果初めて入会、風紀委員に成れる。そういう物だと思ってた。
そういえば、委員に何人か出会ってきたがそのようなことは一言も言ってなかった。
■佐伯貴子 > うーん…そこが難しいところだな。
(空になった缶をベンチにおいて腕を組む)
私の時は簡単な面接だけだったが、
試験があったという話も聞いたような。
同僚とそういう話はしないし。
本当に人それぞれなんだと思うよ。
(少なくとも希望者が落とされたという話は聞かない。
戦闘向きの人材は試験があるのかもしれない。
人事課にでも入らなければわからない…と思うのであった)
■滝川 浩一 > 「へぇ~…なるほど」
よかった。自分が思い違いをしてないと知り、胸を撫でおろして安心したように息を吐く。
しかし…人それぞれ。その言葉を聞くと少し不安になる。
自身にはより厳しい試験を割り振られるという予感がしたからだ。
そうして視線を下に戻すと、自身の手に持ってる本が見え、それを持つ手の力を少し強める。
(そうだ。不安ならばそれを打ち消せるほど練習すればいい。
まずは優先順位だ。本を読むのも悪くないが、自身の異能について知るのがベストだ。
剣や銃の正確な扱いはまだ後回しでいい。今は異能をとにかく使おう。
生成を、何百、何千、何万回も繰り返そう。)
そう決意し、本を閉じてリュックサックにしまうとペットボトルの蓋を開け水を一口飲む。
「ありがとうございました。アドバイスは嬉しいですが…
とりあえず、自分が胸を張って誇れるほどの『何か』を身に着けるまで、試験は見送ろうと思います。
でも絶対に受けます。委員に成ります。
その時は…どうかよろしくお願いしますね。」
アドバイスをくれた先輩にそう語り。
最後は恥ずかしそうに笑顔でそう締めくくる。
■佐伯貴子 > (何か決意したらしい。
非常に心情がわかりやすい)
そうだな。
君がそう思うならそうすればいい。
君の人生、君の学生生活だ。
(空き缶を持って立ち上がる)
君の希望が叶うことを祈っているよ。
じゃあまたな。
(空き缶をゴミ箱に放り投げ、
公園から去っていく。
空き缶は見事な放物線を描いてゴミ箱に収まるのであった)
ご案内:「常世公園」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から滝川 浩一さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に羽切 東華さんが現れました。
■羽切 東華 > 「……ハァ、手続きも済んだし、荷解きも済んだけど…噂に聞いてた以上というか、何と言うか…」
そんな独り言を零して常世公園の敷地内へとやって来る一人の少年。黒髪黒目、中肉中背、服装も地味目とあまり特徴が無い。
強いて述べるならば、その前髪の一部が真っ白なのと伊達眼鏡、あとは今も担いでいる紺色の竹刀袋程度か。
「…婆ちゃんに命令されてこっち来たのはいいけど、どうしたもんかねぇ。とはいえ、まだ右も左もよく分からん現状なんだけども。」
眼鏡の奥、お世辞にも目付きが良いとはとても言えない黒瞳を僅かに細めてボヤく。
学園の施設は一通り手続きの時に案内して貰ったが、それでも都市部の方はまだ全然地理関係が把握しきれていないのが問題だ。
まぁ、自分の足で歩き回るのが手っ取り早いし一番なのだろう。案内を頼もうにもまだ友達一人すら居ないのだが。
■羽切 東華 > 「そもそも、俺って友達居たっけかな…鍛錬ばかりで、そんな暇も無かった気が」
あれ、何か視界がボヤけてきたような…汗かな?一度眼鏡を外してゴシゴシと目を擦りつつ。
再度眼鏡を掛け直して公園内を見渡す。と、視界に自販機が目に止まり、そちらへと何か飲み物でも買おうと歩いていく。
「自販機がこう気軽にあちこちあるってのが田舎との違いだよなぁ」
己の故郷は地方の片田舎だ。こういうさして珍しくもない光景が新鮮に映る。
自販機の前で足を止めて、ジーンズのポケットを漁る。小銭、小銭……ん?
「……あ、財布を寮に忘れてきたっぽいなこれ。」
肝心な所が我ながら抜けている気が。多分慣れない環境で疲れてるんだろう、と思う事にする。
ご案内:「常世公園」に化野千尋さんが現れました。
ご案内:「常世公園」にクロノさんが現れました。
■化野千尋 > 「あのう、自販機、お使いになられないんでしょーか」
彼の後ろから、のんびりとした声が掛かる。
手には財布と携帯端末、リュックサックを背負った黒いセーラー服。
わかりやすく女子高生、といった装いの少女が、ひょいと彼の顔を覗き込んだ。
「あだしのも、ちょーっと飲み物を買いたくってですね。
もし使わないのであれば、どいていただいたりとかってできますでしょーか」
申し訳無さそうにゆるりと微笑む。
■クロノ > ……―――― ?
(夏休み中、ということで校医のお仕事は少なめ、その分設備修繕のお仕事がまとまって続く日々。医師でもあり大工でもある男の子は、今日も1日の仕事を終えて気分転換にお散歩なう。そんなところでふと見えた光景。一台の自販機の前に立つ二人の人影、そしてうち一人の背中はなんだかちょっと哀愁漂う雰囲気。)
…どうか、したの?
(ジージー、ヒュンヒュン。身体のどこかが動く度に節々の駆動部品から鳴る機械音と、見た目そのままな溢れたぎるボロいロボ感。公園の片隅、自販機の前に黒髪大集合、そんな光景。)
■羽切 東華 > 「…うぅん、今から寮にわざわざ財布取りにだけ戻るのも面倒だし……ん?」
掛けられた声にそちらへと眼鏡越しの視線を向ければ、財布と携帯を持った、セーラー服姿の少女が居た。リュックも背負っている。
「ああ、すんませんでした。今退きますんで」
少し驚いたが、こちらも愛想笑いというか、曖昧な笑顔を咄嗟に返しつつ竹刀袋を担ぎ直して自販機の前から退いておこう。
…と、思ったら第三者から声を掛けられそちらに視線を向ける。…田舎者の自分でも一目で「ロボット」と分かる相手がそこに居た。
「…あ、どうもっす。いや、ちょっと小銭忘れちゃって飲み物買い損ねてしまって」
と、そちらにも挨拶をしつつめっちゃ簡潔に事情を説明してみる。
まさか、この短時間で見知らぬ相手二人…いや、一人と一体?と遭遇するとは思わなかったが。
■化野千尋 > 「すみません、ありがとうございます」
自販機に小銭数枚投入する。
どれにしようか、と暫く指先が宙を泳いでから右隅に追いやられていたおしるこのボタンを押す。
ガコン、と音がして自販機のポケットに手を伸ばす。
話は聞かせてもらった、と言わんばかりに彼に笑みを向ける。
「それは災難でしたねえ。
おにーさんはどれ飲みたかったんです?」
プルタブを起こしつつ、きょとんとした顔を浮かべる。
目の前にわかりやすくロボットがいた。
アニメかゲームか疑うようなレベルだったが、ここは天下の常世島だと深呼吸をひとつ。
「お知り合いさんでしたでしょーか。
でしたらあだしのは早めに失礼しておこうかと思いますが」
■クロノ > (女の子の方が小銭を入れて飲み物を買う。選んだ通りの商品がちゃんと出てくる辺り、どうやら自販機の故障では無いようだ。女の子のチョイスがちょっと気になったけど、そこはまぁ突っ込まないでおく。)
…ぁ、いや。二人とも、はじめまして。自販機の故障か何かかと思ったけど、大丈夫みたいだね?
(男の子の方が事情を話すのを聞いて、あぁなるほど、と納得したような、そして残念、と彼を励ますように苦笑いして。)
■羽切 東華 > 少女が何を買うのか、何となく横目で見ていたが…彼女がチョイスしたのはまさかのおしるこ。
いや、人の好みにケチを付ける趣味はないのだが、流石都会は一味違うな…!という妙な感想を抱き。
「え?ああ、取りあえず緑茶か紅茶辺りでも飲もうかと…」
田舎育ちなのでまず緑茶が真っ先に出てくるのであった。
彼女の問い掛けに「いや、初対面だけど」と首を振って。
むしろ、こちらに来て知り合った同年代はお隣でキョトンとしてる少女が一人目だ。
「あ、こっちこそ初めまして。まぁ、さっき引越しの荷解きとか終わったばかりで疲れてんのかもっすね。」
己の抜けてる所を疲れのせいにしておきたい。ロボットな彼に笑顔を返しつつ。
それよりも、どうしても気になるので彼に聞いておこうと思う。
「…あの、いきなり不躾っすけど、そちらさんはロボット…さんで?」
■化野千尋 > 「緑茶ですねえ」
にこりと微笑み、また小銭を数枚投入する。
煌々と輝く自販機のボタンを押す。ガコン。繰り返す音。
先程とひとつ違ったのは、ポケットから出てくるのがペットボトルの緑茶だったということ。
「あだしのです。化野の、ちひろと申しますゆえ、どうぞよしなに。
ここは奢りでもなんでも構いませんが、もし気になさるようでしたら、
学校が始まってからでも適当にかえしていただけたら幸いですよう。
あだしのは一年生ですから、お会いすることはまあきっとあるでしょう」
かなり雑ではあったが、彼女なりの気遣いだった。差し出される緑茶のペットボトル。
そして、「ここにいるってことは学生さんですよね、きっと」、と。
「はい、故障ではございません。見ての通り、全くだいじょーぶなものですよ」
そして、彼の言葉は彼女も同じくとても気になっていた。
ゆえ、必死に隠しながら興味津々耳を傾けた。
■クロノ > (彼女が彼にペットボトルの緑茶を手渡すのを見守りつつ、ふと自分に向けられる視線と、彼の言葉にくす、と微笑んでは頷いて。)
…ん。僕はクロノ、医師兼大工の、見ての通りのロボットだよ。普段は学校の寮で暮らしてる。夏休み中も学校の設備補修をしているから、基本的にはずっと学校にいるよ。
(向き合う二人とも、おそらく同じくらいの年齢であろうロボの外顔立ち。尤も、製造からは120年以上の年月を経ているんだけれども。)
■羽切 東華 > 「ああ、緑茶……って、いいのか?」
にこりと微笑んだ少女が、再び小銭を投入したかと思えば緑茶のペットボトルをガコン、と購入してこちらへと差し出してくれる。
初対面の相手に奢られるのは人生初。とはいえ、ここは有り難く貰っておくのだが。
「ん、俺は羽切東華(はぎり・とうか)。昨日こっちに転入の為に引っ越してきたんだ。俺も1年生だよ。」
と、こちらも簡潔に自己紹介をしつつ、この礼は次に会った時にでもきっちりお返ししよう。
こう見えても意外と義理堅い所もまぁあったりはするのだ。彼女なりの気遣いはちゃんと男には通じていた様子。
そして、改めてロボットだと肯定するクロノと名乗ってくれた彼にも視線を向けて。
「ああ、クロノさんな。こちらこそよろしく。と、いうか医者で大工さんって凄いな…あ、俺も一応寮暮らしっす」
実年齢は兎も角、見た目は同年代なので敬語を使う必要も無いのだろう。
が、何せぼっち生活が長かったのもあり、まだ同年代との距離感が掴めていなかった。
■化野千尋 > 「一年生ならきっと会うかもしれませんねえ。
どうぞよろしくお願いします。あだしのも転入生ですゆえ、心強いお友達です。
また学校で会ったら、ですねえ」
彼とロボットの彼を、交互に見遣る。
「お医者さんなんですか。お医者さんのロボットとは、中々に近未来。
補修もなさってるんですねえ。おつかれさまです。
……目上のかたにおつかれ、はだめなんでしたっけ。
ええと、おつかれのでませんように、でしょーか。クロノせんせ」
当初この公園に寄ったのは散歩という大きな目的があったからだ。
彼とロボットの彼が話始めたのを見て、それではと踵を返す。
きっと同学年だからまた会えるだろうという思惑である。
「とりあえず、ここで失礼いたしますね。それでは、おふたりともよい日を」
笑顔を残して、散歩に戻っていった。
ご案内:「常世公園」から化野千尋さんが去りました。