2016/08/27 のログ
ご案内:「常世公園」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (比較的涼しい夏の夜。
 本日は花火大会である。
 観覧会場である公園には、
 それなりの生徒たちが集まり始めていた。
 式典委員から手持ち花火が配布されるのは20時からである)


「佐伯パイセン、オレは隠れておくぜ。子供が怖がると面白くなっちまうからな、ケケ」

(風紀委員会警備課のムカデスがそう言うと、
 茂みの中に姿を隠した。
 佐伯貴子は一人会場の端で警備に当たるのだった)

佐伯貴子 > (出店がいくつかでている。
 いい匂いが漂ってくる。
 いつも公園を警らする時はベンチに座っているが、
 こういうイベントでは立ちっぱなしだ。
 軽く食べてきたとはいえ、
 食欲を刺激されないでもない)

佐伯貴子 > 「ほらみんなー、花火を渡すから順番に並んでねー!」

(式典委員が子どもたちに手持ち花火を配り始める。
 火や水の管理は徹底されている。
 フライングで火を点けようものなら水浸しだ。
 そして、水浸しになった子供がいた。
 周囲の子どもたちは爆笑し、
 保護者が当人をハンカチで拭きながら謝罪している。
 式典委員もタオルを用意して子供を拭き始める。
 温風魔術で数分で乾き、その場は収まった)

佐伯貴子 > (点火の時間が来た。
 事前に子どもたちには様々な注意事項が教えこまれている。
 手に持った花火に次々に火がついていくと、
 子どもたちは楽しそうに笑うのであった。
 もちろん年齢制限はない。
 浴衣を着たカップルなども花火を楽しんでいる)

佐伯貴子 > (やけどなどの事態に備えて、
 生活委員会保健課の人員もテントで準備しているが、
 幸いけが人などは出ていないようだ。
 佐伯貴子もこうなってくると警備が嫌になってくる。
 せめて浴衣で来れれば…
 そんなことを思うものの、
 仕事は仕事。
 真面目に全体に目を配っている)

来年は普通に参加したいな…

佐伯貴子 > (手持ち花火の時間も経過し、
 2,3人の子供が軽いやけどを負った。
 すぐに担当者が処置をしたようで、
 大事には至っていない。
 これだけ目を光らせていても、
 火を使う限り手がまわらないこともある。
 打ち上げ花火の方は万が一にも失敗はないはずだが)

たしかここが一番良く見えるように打ち上げるんだっけ…

佐伯貴子 > (プログラムを持ったカップルが、
 手持ち花火をやめて浜辺の方角を眺め始めた。
 21時からは打ち上げ花火だ。
 出店も混雑している。
 飲み食いしながら花火を見ようと言うのだろう。
 いつの間にか人も増えている。
 そろそろ打ち上げ花火が始まる)

佐伯貴子 > (打ち上げ花火が始まった。
 最初は小さいものが1,2発。
 続いて段々と大きく多くなっていく。
 夏の夜空が明るくなる。
 かなりの距離があるのに音と振動が響いてくる。
 これはそう言った魔術によるものだ)

綺麗だな…

(視線が集まる時ほど要注意。
 佐伯貴子は人混みに目を走らせる)

佐伯貴子 > (20世紀では考えられなかったような、大きな花火。
 赤、青、白、緑、黄、紫…
 黒い花火まで上がる。
 科学技術と魔術の結晶といえよう。
 「たまやー」「かぎやー」と騒ぐ客達を、
 じっと見張っているのが佐伯貴子なのであった。
 ちらりと横目で花火を楽しんでいるが)

佐伯貴子 > (花火は打ち上がり続けている。
 色、形、大きさ、動き、音、全てが複雑で飽きさせない)

「ケケそろそろ時間だぜパイセン」

(茂みの中からムカデスの声がする。
 オオムカデであるムカデスは、
 人間より活動時間が長い。
 花火はこのあと23時まで続くが、
 佐伯貴子の仕事はそろそろ終わりだ)

たこ焼き買ってこ…

(首を左右に曲げて緊張をほぐしたあと、
 観覧客に紛れていった)

ご案内:「常世公園」から佐伯貴子さんが去りました。