2016/09/07 のログ
■滝川 浩一 > 「やっぱりか」
腕を組んで、ワンテンポ遅れて反応した彼にうんうんと頷く。
先ほどからちょいちょい気になっていたがやはりレスポンスに少し時間が掛かるようだ。
「修繕かぁ…」
ほう、と感心したように声を出す。
その後子供のように楽しみという彼に笑顔で返す。
「あぁ、わかった。…なら、連絡先交換しないかい?あっ、携帯端末とかそういう機能があればだけど…」
そのように話す彼にそう申し出る。
自身のスマートフォンを取り出し、連絡先を見るもこの島に来てまだ2件しか登録されてない。
■クロノ > …っふふふ。 …そんなに歳取った覚えは無いんだけどなー。っていうか、少年系のAIに母性本能なんてプログラムされてるのかなー。
(こうして会話を重ねていくと、笑い方や表情のパターンは人間よりもずっと少なくて、寸分違わぬ全く同じ挙動が何度も繰り返される“機械らしい”違和感が徐々にはっきり見えてくるだろうか。)
外科手術も日曜大工も、あとこう見えてお料理とかも、それなりに得意だよー?
(笑顔の彼に、今度は男の子の方が、先程彼がしたように腕をグッと掲げて得意気なポーズ。)
… ん、了解。浩一の連絡先、見せて? …僕は通信回線も内蔵してるから、電話とメール折り返ししてみるね?
(そう言って、彼の連絡先を教えて貰ったら、男の子は自身の機体に内蔵された回線を使ってすぐに1コールの電話と1通のメールを送り返す。)
(件名:【はじめまして!クロノだよー♪(^-^)v】本文:よろしくね! あと、僕が壊れちゃうから、コンピュータウイルスは絶対に添付しないでね!! …と記された、まるで人間の少年が打ったようなちょっとお茶目なメールが数秒のうちに届く。それを見届けて、ちょっと得意気にニコニコ顔の男の子。)
■滝川 浩一 > 「……」
遅れる反応。機械らしい同じパターンの笑顔や表情。
その光景にあまりいい心地がしないのか表情が少し陰る。
人型ロボットが目の前にいて、会話できるのは夢のようだが、友達として接するようになれば少し複雑な気持ちになる。
考えても仕方ない。それを振り払うように頭を振ると笑顔に切り替える。
「家庭科系ロボットか。見た目、完全に戦闘とか土木作業に向いてそうなんだけどね」
得意げなポーズを見せる彼にクスリと笑い、そのように返す。
「ん?あぁ、これこれ」
連絡先を教えると数秒後に電話とメールが一件づつ届く。
メールの内容を見ると小さく笑う。
「ウイルスを扱えるほど賢くはないよ。…っと悪いな。時間だ。…また機会があったらな、クロノ」
笑顔でそう返すとスマートフォンと小説をポケットに仕舞う。そして時計を見ればベンチから立ち上がりリュックサックを背負う。
手を振って彼に別れを告げれば、炎天下の下に出て歩き始めるだろう。
ご案内:「常世公園」から滝川 浩一さんが去りました。
■クロノ > (彼の表情が一瞬曇ったのは、男の子は認識出来たのか、果たして。何かの疑念でも振り払うように見せた彼の些細な仕草、男の子は少し心配そうに見守っていたけれど。)
… っふふふ。当たり~。僕、昔はそんな感じのお仕事もしてた事もあったよ。すっかり型落ちになっちゃった今じゃ、最新型には到底勝ち目はないけど。
(おおよそ何でもそつなく器用にこなすけど、その道一筋の職人や、最新鋭のロボットから比べればやっぱり力不足は否めない。そう話す旧型の男の子は、ちょっと寂しそうな表情を一瞬だけ浮かべる。)
… ぁ、うん。今日はありがと。楽しみにしてるよ。… 水分補給、忘れずにねー!!
(立ち上がって、リュックを背負って歩き始める彼を見送って。同じようにゆらゆらと手を振り返しつつ、かげろう揺れるその背中にまたお母さんくさいお節介を添えて。彼の姿が見えなくなったら、男の子もまた、来たときと同じようにどこかへと歩き出す。)
ご案内:「常世公園」からクロノさんが去りました。