2016/12/24 のログ
ご案内:「常世公園」に和元月香さんが現れました。
和元月香 > 降りそうで降らない雪、曇天の空の下。
ぎい、ぎいと一人寂しくブランコを漕ぐ。

「…寒い…いろんな意味で…寒い…」

転入後の片付けに追われ、ろくに外出も出来なかった先月。
そしてようやく外出できたのは今日、クリスマスイブ。
寒いし、一人だし、色々と辛い。
オリハルコンメンタルは、傷つくことはないが辛いことはあるのだ。

「…ぼっちって辛いな~」

乾いた笑みを浮かべて、しみじみと呟いてしまう。

和元月香 > 無人の公園をぼんやりと眺めながら、短い間ながらも見てきた学園について考える。
出てきた結論は、至極簡単だった。

「………何か心配だわー、ここの若者…」

鼻水をすすり、ブランコから立ち上がる。
…何か温かい物でも飲もう。

和元月香 > 「…本当に誰も居ないな。カップルぐらい居ても可笑しくないだろうに」

自動販売機に向かう途中、あまりにも静かな真夜中の公園に少しゾッとする。

普通は女の子が出歩く時間では無いなとちょっと反省しながら、自動販売機前でゴソゴソと財布を漁り始めた。

和元月香 > 「………んん?……あれ、……え?」

一定時間漁っていたが、表情が固まり、手が止まる。
硬貨入れを漁る手が空を切るのだ。
…そっと財布を裏返してみて。

そして全てに絶望したかのような表情で呟いた。

「穴が空いてますね、はは」

…どんな漫画だ。辛い。
オリハルコンメンタルは傷つくことはないが、辛いことはあるのだ。

自動販売機の前で思わず財布を非力な力で握り締めたまま、微動だにしない。

和元月香 > 「…………ちくせう…」

迷った末、財布の中、たった一枚入っていた紙幣を取り出す。
何しろ諭吉様だ。お釣りの硬貨の量など考えたくもない。
でも、ココアと寂しさには替えられない。

少々大袈裟な意を決した顔で、紙幣を差し込んだ。

和元月香 > 「…はぁ?」

…しかし、“売り切れ”の文字がボタンに表れて。
それを見るなり返金のバーを引くが、何故かお金は返されない。故障しているのか。

「…………ちくしょうぅう!!覚えてろぉぉぉ!!」

軽く溜め息をつき、まるでやられ役の雑魚のような捨て台詞を残すと、やけくそになって走り出し、公園を出る。

…哀しみを後に引きずらず落ち込みにくいのは、オリハルコンのいい特徴なのかもしれない。

ご案内:「常世公園」から和元月香さんが去りました。