2017/04/18 のログ
ご案内:「常世公園」に宮比 奏楽さんが現れました。
宮比 奏楽 > 幼女は悩んでいた。
至って、まじめになやんでいた。

笑って、踊って歌ってを実行していれば供え物がくるのがあいどる、というものだったはずだ・

早朝9時から、現在、夕方の3時。いわゆるおやつ時というものまで
笑って、たまに気が向いたら舞って。

たまに気が向いたら歌ってをしていたのに――

――お供え物が一向にない!

「……どういうことじゃ……これは一体」

むしろ、人が遠ざかっているようにも見える。
これなら地蔵のほうがまだいいのではなかろうか。

「ぐぬ、ぐぬぬ……」

これでは骨折り損ではないかなどと、どうしたものかと途方に暮れる

ご案内:「常世公園」に久世藤士郎時貞さんが現れました。
久世藤士郎時貞 >  
「社におらんと思ったらなにをしておる?
 呆けた顔をしおって」

公園の位置口から楊枝をくわえて現れる
その姿は着流しで腰に大小
時代にそぐわない以下にも侍、浪人と言った出で立ち
いかにもさっき遅めの昼餉をとってきたといったふうである

「お前が調べてこいというから図書寮にいってしらべていたというに
 探すはめになったぞ」

といいつつゆったりとした姿には本気で探しているようには見えなかった

宮比 奏楽 >  
「あ、ずるい。なにか食っておるな。よこせ!おなかすいた!!」

両手を差し出して、さぁ今すぐよこせといったようである。
今日は供え物を当てにしていたがゆえに、何も食べてないのである。

何も、食べてないのである。

「……ん? そんなこと言ったか。あぁ、言ったような言ってないような……というかまじめに探したのか?」

怪しそうに見つめつつ。
はよ、なにかくれとひな鳥のように口を開ける

久世藤士郎時貞 >  
「お供え?そんなもんはない
 いつでもぽんと飯が出てくると思うな?

 それとも腹でもかっさばくか?」

ないものはない
そろそろ自分の飯ぐらい用意できるようになってもらいたい

こいつは信者がどうの言う前に自分がいなくなるだけで餓死するのではないだろうか

まぁ、本当は懐に握り飯を隠し持っているのだが

「貴様・・・・・・命令しておいてそれか
 まぁいい」

懐からメモ用紙を取り出す

裏には特売の大文字
・・・・・・裏が白紙のチラシの紙束であった
主婦の知恵である

宮比 奏楽 >  
「ない!? ないとはどういうことだ!! はらへったー、おなかすいたー!! おーなーかーすーいーたー!!」

じたばたしつつ。腹を掻っ捌くかと言われれば……

「……へぇ?」

急に無表情になった。
のも一瞬。
メモを取り出されれば……

「なんじゃ、それ?」

きょとん顔。
なんだってそんなものといった表情だった。

久世藤士郎時貞 >  
「あん?
 留書きだよ」

チラシを切って束ねてあるそれを振ってみせる
何というか貧乏くさい侍であった

「図書寮で本を借りようとしたら学生証?とか言うのを出してくれっていわれてなな
 持ってないっていったら問い詰められるわ同心がわらわらやってくるわで借りられなんだ
 しかたないから留書だ」

さらっと言っているが逃亡劇を繰り広げたわけである
さりげにもう一度忍び込んでメモを取ってきている当たりアホなのかも知れない

宮比 奏楽 >  
「ほーへーふーん……」

話を聞けば、なるほどねるほどとうなずく。
聞いているような聞いていないようなそぶり。

「ということは、調べてきて。書いてきた、ってことか
なるほどよくやった!」

さぁ、読めと。静かに腰を下ろした。
良くある鉄棒に。

「……口が寂しいぞ、信者」

ついでに、ご飯をまた求めている

久世藤士郎時貞 >  
「ないといっておろう」

ペラペラとメモをめくっていく

「えーと・・・・・・あいどる
 こんぴゅーたぁが電源が入っているが使用されていない状態
 偶像 崇拝される人物・もの
 憧れの的。熱狂的なファンを持つヒト――」

宮比 奏楽 >  
「――嘘をつくなよ」

じぃっと見つめる。
それはいつか、斬ったと思ったはずなのに切れていなかった時と錯覚するような。
そんな雰囲気があった。

――気がした。

「……ふぅむ、そのままなら全部満たしてるはずなんだがなぁ……なんで、供え物がもらえないのか……」

久世藤士郎時貞 >  
「ウソデハナイゾ」

かたことであった

襲ってくるならば来るがよい
剣の腕もだがそれよりも機転と足の速さに自身があった
国では足の速さで負けたことはなかったのである

剣が効かないとなれば逃げの一手
化物がひしめく戦場で生き残ってきたのは伊達ではない

とはいえ嘘がド下手くそであった

ちらちらと確認しながらメモを読み上げる

「あせるでない
 ちゃんと続きがある
 あいどるの歴史――はひつようなかろう

 あいどるへのなり方
 ――養成学校に通う
 ――こんてすと・おーでぃしょんをうける
 ――事務所にすかうとされる

 だそうだ」

宮比 奏楽 >  
「……そうか」

頷いて、襲い掛かってくるのかと思えば……

ないのか……とすごく、すごく。
悲しそうな雰囲気。
今にも泣きそうであった。

「よう、せいじょ? こんてすと? すか、うと?」

鼻水をすすりながら。
なんだそれはと、聞いているようで――

というか、どこからどう聞いても、泣いているようにしか……

久世藤士郎時貞 >  
「あいどるを管理する事務所というのがあって
 そこが見込みのあるものを定期的に探す催しや人身を用意しておるようだな
 ――む」

おのれ涙とは卑怯なり

だがこれは愛の鞭なのである
自分で飯も用意できなくてどうするのか

ここはこちらも涙をのみ心を鬼にするのだ

いや実はたかられるつづけてめんどくさい わりと

宮比 奏楽 >  
「……そう、なのか」

もしかすると、自分と想像しているのと違うのやもしれない。
聞いている限りだと、想像よりも斜め上のモノであるようだ。

「……あいどる、というものをもっとしるひつようがあるかもな」

ぐすぐすと、鼻をすすりながら。
さて、どうしようかと考える。

「その、あいどるとやらを直接見る方法は?」

ぐすんぐすんっと、すすり泣きながら。
今後のことを考える。

久世藤士郎時貞 >  
「うん?
 あれだ、ものが映る箱があっただろう
 えーとたしかてれびじょんだ

 アレに毎日のように映っているそうだぞ
 だいたい芝居に歌――芸事だな――をやっているらしいが」

あいにくじっくり見たことがない
何しろ社にテレビがないのである

「ええい。鼻水ぐらいかまんか」

ちり紙を取り出して鼻をかんでやる
裏には特売の大文字
スーパーのチラシであった

鼻のかみ心地は想像に難くない

そして近づけば懐から五目飯の匂いがかすかにかおるかも知れない

宮比 奏楽 >  
「……てれびじょん……?」

ふむっとうなずいて。
指だされたチラシを手に取る。

そして。ちーんっとかんだ。鼻が痛くなるとかは関係ない。
それよりも――

「すんすん……」

鼻が通ったことで。
なにやらにおいがする・

「すんすんすん……」

それにつられていけば、侍の懐に顔をうずめて。

久世藤士郎時貞 >  
ぽすっと懐に顔を埋める

――前に手が間に割り込んでいた
そのまま顔面を鷲づかみにする

「商店街なんかにあっただろう
 小さい箱にヒトがはいってたりする――」

宮比 奏楽 >  
「――おい、お前。食べ物持ってるじゃないか!!」

うぎゃーっと、プラーっとなりながら喚く。
嘘つきめと罵り、がるるるっと狂犬のように。

「……あぁ、あれか。ふむ、なるほど?」

なるほどとうなずいて。

久世藤士郎時貞 >  
「うむ。あれだ」

足が浮いて頭蓋骨からはミシミシという音が響く
こんな状態でよくうなずいたものである

そのまま懐から握り飯を取り出す
包みを開けばかすかだった匂いがはっきりと感じられるだろう

それをそのまま口に運び――
ばくっとひとくちで食べてしまった

宮比 奏楽 > 「あーーーーーーーーーー!!!!!!!?」

目の前で食べられた。
ぐぎゅるるるっとなった音と一緒に。
絶望の叫びが公園を満たして。

訪れた静寂――

「…………」

そして――

「うぇえええええん……」

まじなきがはじまった

久世藤士郎時貞 >  
「・・・・・・」

なぜこうもこの神は食い意地が張っているのか

「はぁ・・・・・・
 ほれ」

ふところから残りのおにぎりをとりだし口に詰め込む

宮比 奏楽 >  
「むきゅ……」

もぐもぐもぐ……

「おいしいっ♪」

その時の表情は、”あいどる”にも見えて……

久世藤士郎時貞 > だがその顔はアイアンクローで全く見えないのであった

「帰るか・・・・・・」

疲れた顔でアイアンクローをしたまま歩き出す

宮比 奏楽 >  
「んぎゅあああああ!!!! ぶれいものっ、このてをはなせえええええ。はぁなぁせえええええ」


そのまま、ぷらんぷらんと運ばれていく様は――

なんともみじめであった

ご案内:「常世公園」から宮比 奏楽さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から久世藤士郎時貞さんが去りました。