2017/05/06 のログ
ご案内:「常世公園」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 片手にはゴミ袋、もう片手にはゴミを拾う火バサミ。
そして両手に軍手をはめた男がいる。
異様に長く白いタオルを風もないのに靡かせた男だ。

「この!体に溢れる倦怠感!!心がモヤモヤした感じ!!
 さては五月病だな!!」

いや、そうじゃない事は自分で分かっている。
この感じはこのまえとある先生に言われた言葉がきっかけだ。

『助けた相手が本当に助けられたと思っているのか?』『お前は救った分だけ人を腐らせる。』

言われた時には知らないのに何をいきなり!と思ったが
ゆっくり落ち着いて考えてみれば確かに理解できる。

「…うん!普段より!圧倒的に元気がない!!
 完璧に五月病だなこれは!!」

他のボランティアから向けられる『どこが?』と言いたげな視線も気にせずに!
手を動かしてゴミを拾い続ける!凄いスピードだ!他の参加者よりも圧倒的に拾うスピードが速い!!
ただし!無駄な動きが多すぎる為そこまで拾った量が多いわけでない!!

ご案内:「常世公園」にニコラスさんが現れました。
ニコラス >  
それで五月病なら、普段どれだけ元気だっつー話だけどな。

(隣で苦笑しながらツッコミを入れる。
 制服とタオル以外は彼と同じスタイルでボランティアに参加なう。
 こちらは無駄な事はせずに黙々とゴミを拾っている。)

なんかあったか、先輩。

(ゴミを拾う手を休めてそう問いかける。
 確かに声はうるさいしいちいちポーズ決めるしでいつもと変わらない気はするけれど、それでもなんだか元気が無いような気がした。
 なんと言うかこう、動きにキレが無いと言うか。
 勘違いかもしれないけど。)

真乃 真 > 「…それはあれさ!ニコラス君、僕の演技力がなせる技だね!!
 五月病に掛かっていることをひた隠しにして他人に心配をかけまいとする
 僕の健気さの成果さ!!」

五月病って言ってるのでその健気さは十分に意味をなしていないかもしれない。
それなりにカッコいいポーズをとるがまたゴミを拾い始める!
全くゴミ拾い向けの異能だ!!一瞬でゴミがゴミ袋に!

「…鋭いな君は!流石狩人だ!
 あれだろ、動物の足跡とか痕跡とかも見つける続けてただけの事はあるね!
 探偵も目指せるんじゃあないかな?うん!いけると思うよ!!」

普段と変わらない口調でそんな風に言って。

「…何ていうんだろう。
 もしかしたら今まで僕がしてきたことは全部無駄だった
 無駄どころか結果的に見れば害でしかなかったかもしれない。
 そんな風に思うような事が最近あったんだよ。
 ああ、いや、思うじゃなくて思いそうになることだね。」

わざわざ言い直す。
無駄だったなんて思ってない。思ってない。

「それでちょっと考えちゃったんだよ!」

大した事じゃない心配しなくていいという風に自信ありげに笑って見せる。

ニコラス >  
確かにマコトがしょげてちゃ、心配はするけどさぁ。

(その返事にもう一度苦笑。
 仮にこの島の住人の全てがこの世の終わりみたいな顔をしていたって、彼だけは普段通りの振る舞いを見せている気はする。)

いや、それだけ大声で普段言わねーようなこと言ってりゃ誰だって気が付くだろ。

(さっき自分でモヤモヤすると言っていた。
 五月病とは無縁そうな彼のそんな言葉を聞けば誰だって何かがあったと思うに決まっている。)

――そんなん、当たり前の事だろ。
自分がやってきた事全部が全部無駄じゃなかったなんて、あるわけねーじゃん。

(彼の言葉からすると、きっと今までの自分を否定されたような事があったのかもしれない。
 そこまでではなくとも、そんな弱音を吐くぐらいだ、彼なりにショックを受けているのだろう。
 その上で。
 何を言っているんだみたいな顔をした。)

今こうやってゴミ拾ってんのだってさ。
こんなことしたとこで街のゴミが全部なくなるわけでもねーし。
そもそも綺麗にしたって誰かが捨てりゃ一緒だよ。

(茂みの中を火箸で探れば、空き缶が落ちていた。
 それを掴んでゴミ袋に放る。)

でも俺らがこうしてゴミを拾ってんのはなんでだ?
やってもやってもゴミは後から増えるし、世界からゴミが消えるわけでもないのに。
こうやってせっせと無駄な努力をしてる理由はなんだ?

真乃 真 > 「くっ!そう言えば言ったな!
 五月病の症状に上手く混ぜたつもりだったのに!」

混ざってないし、そもそも五月病が真と混ざらない。
水と油!ともかく合わさらない!

「いや、分かってるんだよ。
 分かってるけど…。」

分かってるそれでも少しグラつく感じがする。
きっと、あの教師のそれなりの経験からの言葉だったのだろう。
それだけに力はあった。

「そりゃあ、ゴミが落ちてない方がいいからに決まってるじゃないか。
 一瞬でも、短い間でも綺麗な方がいいからさ。
 それに、こんな風に綺麗にしてるところをみたらゴミを捨ててた人だってゴミ捨てにくいだろうしね!」

別の茂みを探せば、いくらでもゴミが出てくる。
…本当に驚くぐらいだ。

ニコラス >  
そうだ。
そこにゴミがあるからだ。
そこにゴミが落ちてるから拾うんだ。
無駄でも害でも、そこにゴミが落ちてるって事が我慢ならないから拾うんだよ、俺達は。

(彼とはまだ数えるほどしか会っていない。
 だけど彼の事はよく噂で聞いている。
 きっと、彼は自分と同じ人種なんだろう。
 困っている人が居たら、首を突っ込まずにはいられない、そんな人間なんだろう。)

逆に俺らが拾うから、拾うヤツが居るから捨てるってヤツも居るのかもしれないけどさ。
だからって、捨てっぱなしにされてるゴミを見て見ぬ振りなんて出来ないんだろ。

(今度はベンチの下に落ちている吸殻を拾う。
 それもまたゴミ袋に放り込む。)

だったら拾うしかねーだろ。
それが誰かの害になるかもしれないって言うなら、まず目の前のゴミを拾ってから考えればいい。

(そう言って、にっと笑う。
 無駄でも何でも、それで誰かが困っているのであれば、行動する事に何の躊躇いも無い。
 それで別の問題が生まれるというのなら、もう一度動けば良いだけの話だ。)

真乃 真 > 「そうか、そうだな。うん!」

それはとてもシンプルだ。
今までと変わりない事だ。
手が届くなら手を伸ばす。
どんなに深く考えても例えどんな結果が待っているのだとしても。
手を伸ばさない事なんて真には出来ないのだから。

「流石にそんなに歪んだ人間はそうそういないさ!
 まあ、いたとしても変わりなく拾うんだけどね!」

まるで隠れるようなゴミたち。だが!逃がさない!!
雨水の溜まったペットボトルを拾う、片方だけの軍手を拾う、真新しい筆箱を…。
いや、これはゴミじゃないな!とりあえずベンチの上に置いておく。
誰かが落としたのだろうか?いや普通通らないなこんなとこ!

「その通りだね!ああ、全くもってその通りだ!
 それが手の届く所にあって僕の視界に入ったらそれはもう片付けるしかないからね!」

視界に入ったのが運の尽きだ!
手の届く所にいたのが運のツキだ!
そうなったらもう助けるしかない!
真はそうすることしか出来ない!どこまで行ってもそんな人間なんだ!

ニコラス >  
それが原因で無駄に厄介な事になることもあるけど――な、っと。

(茂みの奥深くに転がっていたビールの空き缶を苦労して拾い上げる。
 飲むならちゃんと捨てろよな、なんてぼやきながら、袋にポイー。)

世の中にはこっちの想像を超えた奴等がいるからな――ん?

(幸いにも直接会った事はないが、居たとしても不思議じゃない。
 ふと、彼が拾い上げた筆箱に目が行く。
 どこかで見たような気がする。
 どこだったか。)

お節介な野良猫に絡まれたと思って諦めてもらうしかねーな。

真乃 真 > 「うんうん!良くあるよね!」

幸いなところ厄介な事に巻き込まれるのは全体の百分の一くらいの確率である。
いや、数撃つからしょっちゅう当たってる気もするけど…。

「ホント、意味が分からないよね!
 そんな生き方何が楽しいんだろう?
 うん?これニコラス君のなのかい?」

何かをするために例えばお金などを目的に人に悪意を向けるのはまだ理解できる。許さないけど。
だが、ただただ悪意を向けるだけの連中というのは理解できない。想定すらしていないほどである。

その筆箱は恐らくここにあってまだ日はあまり経っていないだろう。
持ち主がここで落とした事に気がつけばいいが…。

「まあ、多少五月蠅いけど我慢してもらうのは仕方ないね!」

ニコラス >  
俺らだって人助けばっかりして何が楽しいんだ、って思われることもあるだろうけどな。

(楽しい、とは少し違うけれど。
 むしろ勝手に身体が動いてしまう感じだ。)

いや、俺のじゃねー、けど。
なんかどっかで見たことあるんだよなぁ……。

(筆箱を拾い上げてまじまじと観察。
 名前は書いていない、シンプル極まりない筆箱である。
 シンプル過ぎて逆に特徴が無い。)

いやうるさいのはマコトだけだからな?
俺は別にうるさくしないからな?

(そうだと思う。)

真乃 真 > 「うーん、何が楽しいんだろう?」

…考えても思いつかない。
人助けをしないって言う発想もない。

「じゃあ、同じ学年の人のとか?
 いや、こんな筆箱どこにでもありそうな感じするけどね。
 この無駄を良しとしないシンプルな感じ!多分、男子だ!
 ああ、間違いないね!もし、間違ってたら逆立ちで校内一周するよ!!」

女子だったらもっと可愛いの使うだろうし!多分!
きっと、この分だと中の文房具もシンプルなものだろうし名前も書いてないんだろうな。

「まあ、静かに助けられるよりはマシ…。
 いや、どうだろう?」

静かに助けた方がいいのだろうか?
いや!場合によるな!

ニコラス >  
同じ学年……あぁ、多分そうだ。
そうだと思うんだけど……。

(そういえばこの筆箱を見たのは授業中だったような気がする。
 が、いくら考えても思い出せない。
 思い出せる限りのクラスメイトの顔を思い出しても、それとこの筆箱が結び付かない。)

だめだ、思い出せない。
つーかなんでこんなトコに落ちてたんだ?
――いや女子でもこんなの使ってるヤツは居るだろ。

(こんなところで筆箱を出す用事も思い付かず。
 ペン一本ならまだしも、筆箱丸ごとなんて。
 男子のものだと断言しているが、そう決め付けてしまうのは早いのではないだろうか。
 もしその前提で動いて女子のものだったら、これが持ち主のところに届くのが遅くなってしまうのだから。)

静かに助けりゃいいじゃねーか。

(なんで騒がしくしたいのだろうか。)