2017/05/07 のログ
真乃 真 > 「よし!じゃあ連休開けたら全部、回ってみるか!」

凄まじい熱意である!
また、厄介な事に頭を突っ込んでいきそうだ!

「流石にこの茂みで勉強するのは無いだろうしね…。
 誰かが落としてたのをここに投げ込んだとか?」

恐らく知らない誰かが落としていたものを茂みの方へ面白半分で投げ込んだのだろう。
相手の顔が分からないからと言って酷い話だ。
…流石に学校からここまで筆箱を捨てに来るような事は無いだろうし。

「そうだね。その通りだ!女子かもしれない!
 うん!校内一周は無しだ!
 …ふむ、じゃあ全く手がかりは無いな。
 やっぱり地道に探すしかないか。」

流石に連休明けには新しい文房具を揃えているように思うが。
やはり、無くなったものが無くなったままなのは気持ちが悪いだろうし!

「それはそうなんだけどね!
 いや、静かにするって疲れるじゃないか!」

ニコラス >  
全部!?
マジで言ってるのか!?
全部かぁ……。

(全部と言うのは一年のクラス全部と言う事だろう。
 どれだけあると思ってるんだ。
 溜息を吐くものの、なんだかんだやらないという選択肢は無いらしい。)

つっても筆箱茂みに落としゃ流石に気が付くだろ。
誰かが投げ込んだってのは、間違いない――――いや、まさか。

(筆箱が鞄から転がり落ちる状況がよくわからない。
 落とせば結構大きい音はするだろうし。
 茂みに落ちていたことから、誰かがここに投げ込んだか置いたのだろう。
 どこからか、持ってきた筆箱を。
 悪意を持って。
 ――気が付いてしまう。)

真乃 真 > 「大丈夫だ!
 二人でやれば二倍速だぜ!
 そして、他の知り合いにも手伝ってもらえば更に早い!」

生憎、一年生の知り合いは多くないのだけれど。
それでも、ずっと早い!

「酷いことをする人もいたもんだよ!
 せめてベンチに置いておくとかなら落とした人も気づくだろうのにさ!」

真は気がつかない。
そこまでの悪意まで気が回らない。
悪意によって作られた状況に対して弱いのだ。

「まさか?何か思い出したのかい!?
 流石に全クラスは大変だなとおもってたんだよ!」

何も気がつかないまま気軽に言う。

ニコラス >  
――仮定の話だけどさ。

(恐る恐る口を開く。)

これを、誰かが、筆箱の持ち主から盗んで、さ。
わざわざ、ここに持ってきたんだとしたら。

(あくまで可能性のうちの一つだ。
 もしかしたら本当に落としたのかも知れない。
 落ちていたものを、遊び半分で放り投げたのかもしれない。
 それでも充分に酷い話ではあるが。)

この筆箱の持ち主に、嫌がらせするために。
わざと離れたここに、隠したか捨てたか、したんだとしたら。

(あくまで仮定の話だ。
 だけど、一度頭の中をよぎってしまったら、こびりついたように離れてくれない。)

――いじめられてんじゃ、ないのか。
この筆箱の持ち主。

(筆箱が置かれていた場所に、悪意を感じる。)

真乃 真 > 「そんな!そんな事って!」

持ち主がどんな人物なのかは知らない。
それをやったのがどんな相手なのかも分からない。
…だが、そんな事は許されない。そんな事が許されていい訳が無い!

「そんな酷い嫌がらせ!
 どんな恨みがあればそんな事が出来るんだ!」

実際は恨みなんて無いのかもしれない。
ただただ、面白半分で…周りの人がやっているから…
そんな理由でやったのかもしれないが…。

「…今から学校に行って先生に伝えてくる。
 一年生の担当の先生って誰?」

こんな事が許せる訳ない。
例えどんな理由があろうと絶対に許さない。
もしかしたら教師を辿って行けばこの筆箱の持ち主も分かるかもしれない。

ニコラス >  
わかんねぇよ!
本当に落としただけかも知れねぇ!

(叫ぶ。
 腹が立っているのはこちらも同じだ。
 だけど。)

――でも、だとしたら、慎重にやるべきだ。
下手に騒いで、筆箱の持ち主を今より辛い立場にしちまったら、目も当てられない。

(いじめと言うのは、デリケートな問題だ。
 今言ったこともそうだけれど、いじめている側に悪意が無い可能性だってある。
 それはそれで問題だが、だとすればまだ穏便に解決出来る道もある。)

それには俺も賛成だけど。
約束してくれ、暴走はするな。
人の人生に関わる問題だから。

(彼より先に筆箱を手に取る。
 その筆箱を見て、自分の手が震えていることに初めて気が付いた。)

――そんで、もうひとつ。
俺が暴走しそうになったら、止めてくれ。

真乃 真 > 「…そうだね。その通りだ。
 ちょっと気が動転した。」

少し考えれば分かる事だ。
下手に動けば余計酷いことになるかもしれない。
どんどん水面下に潜っていって誰にも分からなくなってしまったら目も当てられない。

「…分かった。
 絶対に一人で勝手に動かないよ。」

きっと、止められてなかったら一人で動いて事態をめちゃくちゃにしていただろう。
真は無駄に目立つ。恐らく被害者を見つけて守ろうとしても余計に目立たせてしまう。
そうなっては何にもならない。
冷製に考えろ。見極めろ。今どうすればいいのか。

「分かった。
 でも、きっとニコラス君の方が近い場所にいると思う。
 何か分かったら僕にも教えて欲しい。」

彼も耐えている。その様子を見れば少し落ち着いて行動できる。
耐えてくれて良かった。
ここで、彼が暴走していたら自分も同じように暴走していただろう。

ニコラス >  
まだ、いじめだって決まったわけじゃねーし。
それが分かってからでも、動くのは――遅くない。

(遅いかもしれない。
 いじめだとして、それがいつから始まったのか分からない。
 入学後すぐか、それとも最近か。
 四月からならもう一ヶ月経っている。
 人の心が折れるには充分な時間だ。)

筆箱は俺が先生に預けとく。
誰の筆箱かわかれば、連絡するよ。

(考えない事にした。
 今やるべきなのは、筆箱を持ち主に返すことと。)

――とにかく今は、公園のゴミ片付けようぜ。

(そう言ってゴミ拾いを再開する。
 終始無言でゴミを拾い続け、しかし眉間には悔しそうな皺を寄せて――)

ご案内:「常世公園」からニコラスさんが去りました。
真乃 真 > 「ああ、そうだね!
 そうやって、決まった訳じゃない!」

もしかしたら空を飛べる誰かが飛んでる途中で落としたのかもしれない。
そんな風に楽観的考える。…そんな訳ないと分かっているのに。
そう考えないと止まってしまう。

「うん、お願いするよ。」

連絡を待つしか出来ないのは歯がゆい。
本当であるなら動きたい。
でも、それではどうにもならないのは分かっている。

「…ああ。」

一度は晴れたと思った胸の中のつかえ。
…もやもやとした感情は始めとは違う形で胸の中に残り続けていた。

ご案内:「常世公園」から真乃 真さんが去りました。