2017/07/24 のログ
藤巳 陽菜 > 「私は、私はそんなに強くないわ…。
 戦い続けられるほど強くない…。」

小さく、呟く。

いきなりこんな姿に変わってしまって。
悩んで、努力して、何度も諦めそうになって
それでももがいていた所に付きつけられた現実。

4月までどこにでもいる普通の少女だった彼女には余りに酷。
…少なくと今はそれを直視することは出来ない。

…逃れる事が出来ないのは分かっている。
それが常に影の様に後ろを付いてきているのは分かっている。
それでも今は向き合えない。

…。

「……あら、どうしてかしら?もしかして泳げなかったりするの?カナヅチ?」

切り替えて、努めて明るく。
普段のように言葉を返す。

筑波 察 > 「知ってる。僕なんかに嫌味を言われて泣いて逃げるような君だ。知ってて言っている。
――だから今から強くならなきゃいけないんだ。
おそらく君は一生その体や、変化や、力と付き合うことになる。墓場まで持っていくことになる。
そしてこの数か月が一瞬に思えるような時間を過ごすことになる。」

(異能や魔術を手に入れて、初めから強いやつは少数だ。大抵は悩み、落ち込み、うつむく。
そこまでは皆同じだ。そして一生をかけて力と付き合う覚悟を持てるかが、分かれ道だ)

「だから、その覚悟をゆるぎないものにするために、休むべきだ。
もし落ち込んで仕方がない時はいくらでも嫌味を言ってあげるよ。
あの時は確かに僕を嫌って決意したんだろう?」

(その先の付き合い方は彼女次第だ。
でも、付き合い始めるまでの気持ちの持ちようは案内できる)


「僕だって万能じゃないからね。苦手なことくらいあるさ。」

(つまり泳げない。>

藤巳 陽菜 > 「一生…。」

戻らないという事はそう言う事だ。
つまり、生きている限りずっと…。
今は今だけは確かに見ない事に出来るだろう、でもその今だけがずっと続けば
きっと、いつか溜まりに溜まった見なかったものに圧し潰されてしまう。
見ないふりが出来なくなった時に叩きのめされてしまう。

きっと、それを分かってて彼は言ってくれているのだ。
何て、不器用な言い方なんだろう。

「…本当にあなたは嫌な人だわ。
 いつも厳しくて、優しさとか思いやりとか全然足りないし…。
 私が、落ち込んでても嫌味しか言ってくれないし…。
 
 本っ当、筑波君なんて大キライよ。」

その言い方に腹が立つやら可笑しいやら。
その彼のいつも通りに不器用な言葉に悪戯っぽい笑顔で大キライだと言い放つ。
それから今の顔を見られないように後ろを向くと目の辺りを袖で拭って聞こえないくらいの小さな声で
「ありがとう。」なんて呟いた。

「分かったわ、戦ってやるわよ。
 そう、初めからそのつもりでこの島に来たのよ。」

思い切り、自らの尻尾を地面に叩きつけてそう宣言する。
こんなものに負けてたまるか。
こんな理不尽の為に人生を不幸にされてたまるか。

「…大丈夫?私が泳ぎ方教えてあげようか?」

ニヤニヤと笑いながら言う。

筑波 察 > 「実際問題、僕だって未だにわからないことばっかりだ。10年近くたった今でも」

(逆に数か月で異能の正体がはっきりとわかったなら、僕は彼女を妬んだかもしれない)

「繊細さも誠実さもないってことはもとより承知だろう?
それに何度も言わせないでくれ。僕は無責任なことを言いたくない。
君が嫌ってくれるならそれは光栄だ。」

(もちろん、初めて会った時のような憎悪ではないだろう。好意であるかは微妙だが。
何にせよ、興味がないとは言えない仲だ。興味があると言ってしまった以上、
目の前で廃人になられても目覚めが悪い。あくまで自分の発言には忠実でいたい)

「どうせ教えるって言いながら仕返しでもするつもりだろう?さっきから感情が駄々洩れだ。」

(少し、うざいな、と感じたのは事実だ>

藤巳 陽菜 > 「…嫌ってくれて光栄とかそう言うところが…。
 …もう、いいわよ。」

相変わらずだけど嫌われたがるその考え方はどうかと思うが
まあ、前と比べたら嫌いじゃない部分も見えてきた。
…好きだとは言わない。口が裂けても言わない。

「いえ、善z年普通に優越感に浸ってただけよ。
 まあ、よく考えると私も今は泳げるかどうか分からないし…
 でも、泳ぎたかたのアドバイスくらいはあげれると思うわ。」

中学生の頃はそこそこ上手く泳ぐことが出来た。
この足になってからは一度も試してないから何とも言えないけれど。

筑波 察 > 「君が好いてくれるならそれも光栄だ。僕は常に誰かにとって特別でいたい。
その特別が嫌悪でも好意でも構わないってだけさ。」

(この話をするのも何度目だろう。別段嫌われたいわけではないのだ。
しかし、嫌われていたからこそ、彼女に声をかけることが出来たと、そう思う)

「その優越感に溺れてしまわないように気を付けるんだね。
むしろ蛇って泳ぐの得意なイメージあるけど、実際どうなんだろうねぇ?
別に泳げなくて困っているわけじゃない。何よりも君に教えられるのは少し癪だ」

(僕は岸からみんなを眺めているだけでいい。そう言って頑なにうなずかない>

藤巳 陽菜 > 「…ありえないわ。」

強く言い切った。
好いているとかそういう言うのはもう少し自分の態度を改めて欲しい。
…もう少し優しくしてほしい。

「蛇…どうなのかしら?まあ、一応試してはみるわ。」

泳げるのだろうか?
元とは全然違う泳ぎ方になりそうな気がする。

「…もしかして水が怖いの?
 でも、まあそう言う事なら仕方ないと思うわ。」

分かったと言うように頷く。
…実際はなにも分かっていないけれど。

「…あなたと話してたら少しマシな気分になってきたし
 そろそろ帰るわ。…またね」

腰をかけていたブランコから降りてそんな風に言って去っていく。

例え元に戻らないとしてもこれから自分の異能にどう向き合っていくか…
これからどんな道を選んでいくのだろうか。

ご案内:「常世公園」から藤巳 陽菜さんが去りました。
筑波 察 > 「なら嫌ったままでいい」

(あり得ないと言い切られてしまったが、これと言って気にする様子はない。
どちらに転んだって本望なのだ。とても都合の良い生き方をしていると、われながら思う)

「僕の勝手なイメージさ。蛇って言ったって色々あるだろう。
怖いってわけじゃないけど、泳ぐのは苦手だ。ゴーグルも濡らしたくない」

(ゴーグルを濡らしたくないというのは、
大きな矛盾を抱えているようにも思えるが、しかたがない)

「嫌っている人と話して気分がマシになるっていうのもなかなか面白い冗談だ。
まま先は長いんだ、ゆっくり休むといいよ」

(この言葉は純粋に気遣いから出た言葉なのか、それとも嫌味か。
口にした本人にもわからなかった>

筑波 察 > 「さて、今度は僕が悩む番だ。相も変わらず感覚は戻ってこないし」

(人のいなくなった公園。そのベンチの背もたれに身体を預けると、
息を吐いて見えもしない空を仰ぐ)

(ここ数日、温度を感じ取れなくなっている。
さらに言えばおよそ肉眼で見えないものも見えるようになってしまった。
そのくせ暗くなればいつも通り視力は低下し、何も見えない。
なんとなく、なんとなく見当はついているが、はて、いつ実証実験をしようか。
夏休みなら時間が取れるだろうか。ならテストを片付けるのが先決だな。
と予定を組んでいく>

ご案内:「常世公園」から筑波 察さんが去りました。