2017/08/10 のログ
和元月香 > エリートな姉だって、底は知れている。
常世学園では、それこそ彼らが宣う【凡人】でしかない。
バケモノ級なやつらなんて、そこらにいる。

「あー、もー...」
軽い苛立ちを感じた。
勿論表面的な、微々たるものだけれど。

恋なのかはどうあれ、大事な人が出来た。
久々に友達とお茶をした。
その大好きな友達に、励まされた。

楽しい数日間だった。
それなのに、ここらで【楽しくない】感情を味わうハメになるとは。

「はぁぁぁぁっ、と」

また溜息をついて、道端の石をこんっと蹴る。
転がった石は、遥か遠くの自販機方向へ飛んでいった。

筑波 察 > 「だめだ。完全に昼夜が逆転してる……」

(久しぶりに早く帰宅できたものの、完全に生活リズムがくるってしまっているのか、
寝付けなくなってしまった。仕方なくいつも思考を巡らせるときに訪れる公園へ向かう。
そこで適当なことを考えれば眠くなるだろう。そう思ったのだ。
しかし公園に近づくと何か声が聞こえた。
ヒステリックに何かを言う女性の声、それを面倒そうに流す女性の声。
これでも能力柄地獄耳だ。なんとなく面倒そうだと思ってとりあえず自販機に向かう。

缶コーヒーを一本かってベンチに向かうと、
面倒そうにしていた方の声がため息を吐いた。
そのため息の主が、以前話したことのある人物だとはつゆ知らず、
ベンチに腰掛けて缶コーヒーを開ける>

和元月香 > イラついた感情が消え失せ、とりあえず鞄に携帯を仕舞う。
そして飛んでいった石を一瞥し、ジュースでも買おうかと考える。
...しかし、気配に気づいて隣を見るとその思考は霧散した。

「あれっ?
え、えーっと君、筑波君?」

素っ頓狂な声を上げて、不思議そうに首を傾ける。
盲目の人には必須な筈の白杖は持っていない。
更に何故かゴーグルつきだが確かに学校で会った彼に間違いない。

筑波 察 > 「……んあ?
えーっと、どこかで会ったことあるかな…?」

(筑波、そう呼ばれた。あれれれれ、どこかであったことがあっただろうか。
面倒そうにしていた声の主がこちらの名前を呼んだ。間違いなく自分のことだろう。
必死に誰だろうと記憶の引き出しをひっくり返していくと)

「ああ、もしかして和元さんかな?」

(ばらばらばらばらと頭の中で今まで聞いた声を記憶する台帳がページをめくり、
声の主を探し当てた)

「和元さんだよね?
おお、こりゃ実質初めましてだ。僕にとって」

(そう、僕にとってこれがある意味初めましてだ。
そして続けて問うのだ「なんか面倒そうだねぇ?」と>

和元月香 > 「あるよー!
...ってやっぱり目見えてるんか。
随分早かったね、えーっと、おめでとう?」

どう言ったら正しいものか、一瞬逡巡した後戸惑いがちに祝の言葉。
めでたいのは確かだ。多分間違っていないはず。
にこにこ、いやどちらかと言えばにやにやとした笑みを浮かべているだろうが通常運転だ。

「正解正解だいせいかーい」

ぱちぱちと拍手。
茶化すように、でも嬉しそうに笑って。

「うん?はじめまして。
どうだいそこそこいけてるだろう私!」

選り取りみどりなここじゃ大したことないかもだけどな、と
地味に自虐を混ぜて、女子力の欠けらも無い謎の決めポーズを取る。

そんな感じで体全体でハッピーオーラを撒き散らしていた月香だったが、続いた問いには「あちゃー」と肩を竦めて申し訳なさそうに頬を掻く。

「あーっと、やっぱり聞こえたか...。
...面倒にも程があるけど、生憎いつもの事さ...」

かっこつけて言いながらも、だらーんと背もたれにもたれて渋い顔をする月香。

筑波 察 > 「ああ、やっぱり。
そりゃあ毎日21時間みっちり考えて改良に訓練とリハビリを加えたもんで。
大分見えるようになったよ。見え過ぎるくらい。
これからもっと見えるようになる予定」

(寝ている間も計算をするありさまだ。
実質24時間頭の中は視界のことでいっぱいだった。
おめでとうと言われれば素直にありがとうと返事をする)

「そうだね、自分で言うだけのことは確かにあるかな。
きっと君ならその辺の奴なら一発で落ちるだろう」

(後半は棒読みも良いところだ。
わざわざ能力で抑揚を殺すくらいに棒読みを決め込んだ。
謎のポーズを決められると、先日カフェオレを奢ってくれた先輩を思いだす。
まま、この島は可愛い子やイケメンが多いのは事実。
その中に彼女が入るか入らないかで言えばきっと入るだろう。
少なくとも四六時中ゴーグルつけて歩き回ってるやつよりは映える)

「あららら?あまり突っ込んだら不味い内容かな?」

(気丈に振る舞って見せる相手にちょっとふざけた風に言ってみる。
でもまぁ、この島にいる人で問題を抱えていない人の方が少ないのだ。
今更誰かに気を使う必要なんてものはないだろう>

和元月香 > 「に、21時間...。
ハードだね、倒れないの?
もっと見えるようになる前に過労死しないように気をつけてね」

なんともまぁ、と少々呆れながら忠告する。
2時間ぐらいやっただけで倒れかけたのがここにいるのだから、説得力は無くはないだろう。

「ちくしょー棒読みかよ!!」

何故か楽しそうに鞄を軽く殴った。
ドMではない。単にノッてくれたのが嬉しいだけだ。
ちなみに、某白マフラーの彼のポーズは参考にさせてもらった。
なかなか顔の広いようだが、月香が気づくことは勿論無かった。

「ん?
あ、別にいいよ。辛いとかそーいうのじゃないから」

常にフルオープンだ。
何を聞かれても基本はホイホイ答えるので、気にしなくていいよと笑う。
情けなくはあるが、今の家族は月香にとっては他人に近い。
いっそら赤裸々に語ってやるのも黒歴史の更なる拡大に貢献できるかもと思考がよぎる。

黒歴史では済まない所まで来てしまっているのだが、月香には関係ねぇし興味ねぇ話だ。

筑波 察 > 「寝ているときも夢の中で計算式立ててたりするから実質24時間に近いけど、
常に全力ってわけじゃないから問題ないよ?」

(実際居眠りしてたりするし。
そんなふうに答えるとケロっとしたものだ)

「まま、誰かに可愛く見られた言って思うのは普通のことじゃないかい?
それこそ誰かの特別になりたいと思うのと同じじゃあないか」

(楽しそうに鞄をポカポカする相手を見て、
一応フォローのつもりでそんなことを言ってみる。
どうやら某マフラーの先輩は相当顔が広いらしい。
でもここでお互いの共通の知り合いであることは、お互いに知りえないままだ)

「あら、結構あっさり?
和元さん自身はあまり関係のない感じのはなしなのかな?」

(意外にもあっさりと教えてくれそうな雰囲気に少々驚いた風に反応すると、
ちょっとした推測なんかも織り交ぜて話を続ける>

和元月香 > 「夢の中で物事考えてる時点でやばいと思うよ君...」

爆睡できてたらまずできないことだろう。
どう考えても普通じゃねぇぞこいつ、と戦慄する。

「...そんなもん?
かわいいって言われるのは普通に嬉しいけど」

鞄を殴る手を止めて、んーと悩んで。
普通に女の子なのでまぁ嬉しいは嬉しいな、と思い返す。
舞い上がるぐらいではないけれど。
それが誰かに特別に見られたいという欲求なのか。

「んー、まぁね。
関係はあるけど、どうでもいいっていうか」

関係どころか血縁もある。でもどうでもいい。
ここに放り出してくれたのは彼らなので、養育費さえ払ってくれればそれで。

もたれかかって見えた空を見上げながら、感情の読み取りにくい笑顔を自然に浮かべた。

筑波 察 > 「だって人間の脳みそなんて普段何割も使ってないんだよ?
半分以上サボってるんだよ?
なら寝てる間に部分的に使ったって問題ないでしょ」

(イルカは右脳と左脳を交互に眠らせるらしい。きっとその類だ。
イルカも人間も同じ哺乳類、仲間だ)

「そんなもんだと思うけどねぇ?
まぁ万人から可愛いって言われるのはある意味…
っていうか全然つまらないだろうけど、
特定の誰かに可愛いとか、かっこいいって思われるのはいい気分だろう?」

(つまり特別になることへの優越感だ。
自分のことを特別だと思ってほしい誰かが存在する場合はなおさらだろう)

「ふーん?
僕とは違う面倒さを抱えてる感じだねぇ?
まとわりついてくる感じの面倒くささ。
まま、面倒ごとは解決させるか気にしないかのどちらかだ。
深刻なものじゃないなら楽しいことを考えていた方がよっぽどいいさ」

(振動を解析できても感情は読み取れないので、
彼女が何を考えているのかは定かではない。
でもそこまで深刻な風ではないあたり、
きっと巻き込まれているというか、そんな感じなのだろうと推測して>

和元月香 > 「使おうって思って使えるもんじゃないということだよ!
...いや、うん!凄いね!」

自分はできない。
素直に賞賛するしかない。
もしかしたら彼にとっては大したことじゃないのかもしれないが。

「特定の誰か...」

ふむ、と考え込んだ月香の脳裏に浮かんだのは例のあの人。
そいつが自分に向かって、「可愛いな」と告げて微笑む。

(...ほう)
顔を上げた月香は、心からの感情を込めて頷いた。

「.......なるほど、納得したわ」

珍しい真顔であった。
【悪くない】。
すっとその言葉が、心に染み入る。

「楽しいことの方が大事なのは分かってるよ。
仕方ないから気にしないようにしてるさ。
でもさぁー、いい加減にして欲しいのはこっちなんだよね...」

愚痴るようにしつけぇんだよ、と吐き捨てる。
そして不意に思いついて、相手の方を振り向く。

「...筑波君とはちょっと似てるかもね。
君はさ、自分の異能を誇れるって言ってたっけ?」

筑波 察 > 「まぁ、普通の人はできないかもね…」

(能力を拡張してからはこんなんばっかりだ。
きっと頭の中身の造りが変わったんだろう。知らないけど)

「そうそう、特定の誰か。
って……?お、おう、納得できたならいいんだけど…」

(あ、この子はきっとそう思ってほしい誰かがいるんだな。
直感的に察した。察したというか、彼女の顔にそう書いてあった)

「ま、しつこいから面倒なんだろうけど。
しつこくなかったらとっくに解決してるだろうしね」

(卵と鶏、どちらが先なのかを問われるような感じだが、
結局解決するのが一番手っ取り早いのかもしれない。
無論、解決の方法はいろいろあるだろう。
相手を殴って事が済むなら話は早い)

「似てる?僕と?
いや、誇れるとは言っていないと思うけど、
少なくとも嫌ってはいないよ?」

(また妙なことを聞いてくる。能力を誇れるか?
正直微妙だが、能力を恨んだことはない。
今まで恨んできたのは息苦しい思いをさせてきた本島の連中だ>

和元月香 > とりあえず、彼の事は頭から追い出す。
最近居座ってやがるが、今は問題じゃない。

「さよならバイバイできたらいいんだけど、私まだ子供だし...。」

独り言のように呟いて、「あ、家族のことなんだけどね!」とからっと笑う。

「嫌いではない、か。
君は特別になりたいんだよね?周囲にとっての特別に。
...あーでもやっぱり、似てるようで対極かなぁ...」

逡巡するように、空を見上げて。
うん、と頷くと軽い笑みを浮かべて相手を見つめる。

「うん、はっきり言うと私の家族はさ。
君と違って、異能を得ただけでもう特別になったって思ってる勘違い連中でさ。
異能を崇めて崇めて崇めまくって、自分の異能をある意味凄い誇りに思ってるんだよね。
...いや、多分自分達は気づいてないだろうけど、まだ特別になりたいって願っているに過ぎないんだと思うな。
特別になりたいって思ってるとこが、君と似てるって感じただけ」

不愉快になったらごめんね、と付け加える。
申し訳なさげに、淡く微笑んだ。

筑波 察 > 「?」

(こりゃだいぶ脳みその中身を相手を考えることに割いているな?
と彼女の様子をみて思う。言い方は安っぽいが恋する乙女って感じだ。
恋する乙女なんて生まれてこのかた見たことなんてないけれど。
いや、今はじめて見た)

「まぁ、似てるかもね?僕も異能を手に入れた時に…
って言うか今もだけど自分のことを特別だと思っていたし、思っているよ。
自分の異能の新しい使い方を考えるだけでわくわくするし、
その考え方やプロセスが誰かの能力を開花させたり、
誰かの能力を暴走させるきっかけになるかもしれないと考えると
もう震えるレベルだ」

(彼女の親の話を聞いて大いに共感する。
今自分が21時間も活動したり、
寝ている間も計算をやめない、その行動理由の根本はそういう部分にある。
しかし言葉を続ける)

「でもこの島に来てからは少し変わったかな。
能力を持っているのが当たり前になった。優劣もないことを知った。
この島の中なら普通の扱いを受けても息苦しいとは思わなくなったよ」

(だから僕が特別に拘る理由は形骸化したし、
特別こだわっているのはもはや意地だ。

そう付け加えて>

和元月香 > 実際に言えば世間一般で言う恋する乙女とは多少違うだろう。
しかしながら、恋している事には変わらない。
想像するだけで頬を染める、なんて領域にはまだ至っていないだけである。

「特別に思うのは個人の勝手だからいいと思うよ?
ていうか異能みたいな超常の力手に入れといて、調子に乗らない方がおかしいし」

ひらひらと手を振りながら自分を特別に思う事は肯定する。
でも、と月香は再び空を見上げる。

「...何事にも限度があるじゃん?
他人様に迷惑かけないとか、他人様に迷惑かけないとか、他人様に迷惑かけないとか。家族含むね」

つまりめちゃくちゃかけられているのだ。
ちくしょうめ、と空を睨む視線はいつになく忌々しげで。
心から憎んでいる訳では無いが、ヒステリックな喚き声を月一で浴びせるのは迷惑でしか無いと分からないのか。

「形骸化するのも問題にもなり得るけどね。
...でも筑波君は良かったよ。
ちゃんと周り見て、何かしら変われたんだね。
本当にブレーキかからない奴は、ここでも自分は特別だって盲目に信じ続ける、周り見えない奴らだからさ」

多種多様の混沌に満ちた、異能溢れる常世学園で過ごしても尚。
自分はそれでも特別だ、と信じ続けたのが自身の姉だった。
全く変わらず、学ばずに。

筑波 察 > (程度は違えどこんなふうに思ってもらえるとは、うらやまし限りである。
そのうらやましく思われる彼というのが意外と知っている人であることは、
マフラーの彼と同様この場では知りえないことだ)

「まぁ、手に入れた能力が実用的なモノなら誰しも最初は調子に乗るだろうねぇ。
そのうち異能が普遍的なものになってくれればそんなことはないんだろうけど」

(残念ながら今は異能に対する理解が広がっただけだ。
普遍的なものではない。異能を持つものは限られる)

「限度、ねぇ。
果たして僕のこの思考と行動原理と行動が節度を持った程度に収まっているのかは、
甚だ疑問だけどねぇ」

(少なくとも自身の発言で何人もの人を不快にさせてきたし、
それで嫌われることもあった。最も、嫌われた場合は喜ぶわけだが)

「理由が形骸化してもこうして行動が変わらない当たり、もはや人間性だと思うね。
まま、僕の場合は意地で通してる部分もあるけど、
それでも大半は望んでやってるわけだし。
たぶん人間性は死ななきゃ変わらない。
そういう意味で僕は君の親に似ているかもねぇ?」

(死なずに変わる性格なんて本性ではない。
場合によっては死んでも変わらないことだってあるかも知れない。
あいにく僕は仏教徒ではない(無宗教である)ので、その辺は比喩的だが>

和元月香 > 意外と世間は狭いものだ。
月香とて、相手の知り合いにまさか例の彼が含まれているなど知る由もないことだ。

「いまだあんまり現実味が無いんだもん、仕方ないよ。
持ってる人も、多いとはいえないし」

掌をぐっぱさせながら、それを見つめる。
異能なのかいまだ疑問な、自分の異能を思い浮かべながら。

「...?
筑波君が周りに迷惑を未だに掛けてるなら、ちょっと困りものかな。
自覚してるなら大丈夫だと思うけど」

何があったのかは分からない。
なので、それだけ言っておく。
というか正直他人事なので、自分に迷惑かからなければまぁいいやという思いもあった。
薄情だと言えばその通りなので、言葉には出さないでおく。

「...私の親と同じものじゃないと信じたいね」

くれぐれも周りには強要しないでね!、と付け加える。
狂うなら勝手に狂ってくれ、意地で通すなら勝手に通してくれ。
それを止める権利は自分には無いし、それも一つの生き方だろう。

巻き込まれて、盛大に迷惑をかけられたら今のように文句は言うが。

筑波 察 > 「でもまぁほら、異能を手にしたって弱っちい人は弱いままだし。
僕なんかは異能が拡張されても不安で不安で仕方がない。
未だにナイフも銃も手放せないでいる。
ゴーグルよりもナイフと銃がないと不安だ」

(ナイフも銃もこの島に来てから持ち始めた道具だ。
目が見えないとどちらも使えないというのに
ゴーグル以上に心のよりどころとなっている)

「特別になるためなら多少迷惑をかけるくらいどうとも思わないけどね。
もちろん、良いことをして特別なれるなら相手を助けることだってやるし」

(そう、特別になる方法なんてどうだっていい。
そこは彼女の親と大きく違うところかもしれない。
自分の中では"そういう部分でバランスをとっている"
と言い訳している部分が間違いなくある)

「僕が特別に拘らなくなったらきっとそれは僕ではなくなるし、
意地を通せなかったらぶんなぐってきそうな人もいる。
何よりも今まで僕を嫌ってくれたり、好いてくれたりした人に失礼だ」

(エゴにまみれた考え方は病的かもしれないが、
それで成立している部分もあるあたりもはや強迫観念で行動しているのかも>

和元月香 > 「異能はピンキリだもんね。
...魔術とか体術の方が、意外と役立つもんだよ」

頷いて、掌を空に翳してみる。
大した攻撃力の無い異能を持つ月香にとって、魔術や体術を習得するのは必然と言えた。

「...なんかもうそっちの方が筑波君らしくていい気がしてきたー。
好きにすればいいと思うよ、其の辺は。
ただし私に楽しくない迷惑はかけないでね!」

うんうん、と納得したあと自己中そのものの発言をかます。
傍から見ても見なくても最低であるが、紛れもない本心だ。
両親のように楽しくない迷惑を押し付けるような真似はやめて欲しい。
...楽しいなら少しは考えるが。

「さっきも言ったけど、筑波君が好きにしたらいいよ、もう。
その辺にあんまり口出しするのは失礼だよね」

くふ、と何故か可笑しそうに微笑む。
少しだけ、羨ましそうに。

筑波 察 > 「そそ、ピンキリ。
僕らはそのピンをキリにするために頑張る必要がある」

(能力や魔術と言っても、それに迷惑してる人は両手の指では足りないくらい見てきた。
それをどう扱うか、それは生きているうちはずっと課題として付きまとうのだ)

「まま、仮に僕が迷惑かけすぎるようなことになれば誰かが止めてくれるさ。
この島には僕を止めるのに十分な力を持った人がたくさんいるからね。
だから安心して迷惑をかけられるし、人助けもできる。
君の親はある意味特別であることに救いを求めているのかもね」

(特別であることに救いを求める。
普通は特別な存在に救いを求めるところだが、そうはならないのが異能の厄介な点だ)

「もし僕が面白くないことをしだしたら思いっきりぶんなぐるか、
思いっきり蹴り上げるかしておくれ。
できないときは出来そうな人を呼んでおくれ。

さて、良い感じに眠気がやってきた。僕は帰るよ。
話し相手、ありがとうね」

(缶コーヒーを飲み干したころに、ちょうど眠気がやってきた。
立ち上がってゴミ箱に缶を投げ入れると、振り返ってお礼を言う)

「ま、君は広い世界を知ってるからこそ、親のことで悩んでいるんだ、
心も広く持って楽しく生きていこうじゃないか」

(そういって、公園を後にした>

ご案内:「常世公園」から筑波 察さんが去りました。
和元月香 > 「この島も、住む人たちのことも大好きな人達が沢山いるからね。
...うん、大好きだから守るんだよねぇ」

大切だから守る。
それは分かる。月香も、大切に思うものは守ってきた。
でもどうして守るのだろう?
喪っても何の感慨も抱かない月香は、何故?
...やっぱり、一番形骸化しているのは自分か。

(あ、ダメだ。これ考えちゃダメなやつ)

あんまり考えすぎると、それこそこの島が【どうでもよくなってしまう】。
普通の人間が急に物事に冷めるのと、同じように。

そうなってしまうと、彼の次の言葉にうなずけなくなる。
思考を停止させ、月香はいつも通り笑って頷いた。

「____.....うん。思いっきりぶん殴ってあげるから。

あ、もう帰るんだ。じゃーね。
こちらこそありがとう」

缶コーヒーを捨てて去ってゆく相手の最後の言葉。
それには呆れたように苦笑する。

「...悩んではいないよー。ただ面倒なだけ」

それから、相手の背中が見えなくなれば。
月香は小さく息をついて、ふふっと笑みを漏らすだろう。
あくまで愉しげに。

「私も自分らしく生きてるからね。
前だけ見て、ちゃんと歩いていけてるかな」

例えどんなに歪な道だとしても。
例えその果てが無かったとしても。
例えその生き方に何の意味が無かったと知ったとしても。


それでも月香は歩む。
晴れやかな笑顔で、歩むことが出来る。

ご案内:「常世公園」から和元月香さんが去りました。