2017/09/30 のログ
ご案内:「常世公園」に和元月香さんが現れました。
和元月香 > いつもと同じ時間帯、いつもの入口から、
少女がいつもの場所に足を踏み入れる。
...しかし、いつもと様子が違った。

「.......まずいなぁ、これ」

ふらふらと覚束無い足取りで歩み、
まるでなだれ込むようにベンチに腰かける。
ぼんやりと空を見上げるその顔は、赤みを帯びている。

いつもの無駄な空元気なテンションはどこへやら。
月香は今、心の底から気だるげな雰囲気を纏っていた。

和元月香 > 喉から何かがせり上がってくるようでこない感覚。
頭の中心と視界が揺れて、物理的にも頭が揺れている気がする。
体が重く、体がかなり動かしにくい。
おまけに常に体温が高く、月香の肌は汗ばんでいた。

そう、これは間違いなく...。

「.....風邪ひいた.....」

月香の掠れた声が、虚しく響く。
一見うんざりしているだけに見えるだろうが、
きっと誰かが今月香の体に触れれば、その温度に驚くはずだ。

数値にして39度以上。
しかし月香は、軽い夏風邪程度にしか思っていない。
にしては、体が重いとは感じているようだが...。

ご案内:「常世公園」に和元月香さんが現れました。
ご案内:「常世公園」に筑波 察さんが現れました。
筑波 察 > 「考えがまとまらないなぁ」

うーん、と唸るようにして公園に入るのはゴーグルを着けた青年。考え事はいつものことだ。考える時間が増えても、増えた分だけ悩みも増える。堂々巡りも良いところ。

「って、あれは確か……和元さん、だっけ?」

公園に入ったところでゴーグルがとらえた人影。良く良く見れば今まで何度か話したことのある相手だ。軽く挨拶をしながら近づくも、その異変に気づくのに時間はかからなかった>

和元月香 > (これは私自身のせいだな...。すっっかり油断してた.....)

別に無理をしていた訳では無い。
バイトはしまくってはいたが、それは他の生徒も同じこと。
ただ月香は運悪く風邪菌をどこぞから頂き、夏の寒暖差や少しやりすぎた運動で弱った体が侵入を許し、結果発熱してしまったのだろう。

更に月香は訳あって体の異常に気づきにくい。
こうして悪化するまで、なかなか気づけない。

月香も程度がいまいち理解できていないのは、悪い傾向だろう。
しかし体の怠さは確かに異常だが、だからなんだというのだ。
例え最悪命を落とすようなインフルエンザを発病しても、あまり怠くなかったというケースさえある。

しんどい、という感覚を感じたことの無い月香にそんな高度な技術を求めてはいけない。

「.....からだおもい.....」

感覚が鈍る。
知り合いに気づけないくらいには、月香の視界と頭は不調であった。

筑波 察 > 「おーい、和元さん?大丈夫かい?僕が解るかい?」

ぼーっとして、意識が薄くなっている彼女の前で軽く手を振る。なんとなくゴーグルをサーモグラフィにして彼女の顔を覗き込むと、やや驚く。普通の人が出歩けるような体温じゃない。

「ちょっとちょっと?何で君はそんな状態で出歩いてるの?」

そんな質問をしたところで、まともな回答が得られるとは思えないが、とりあえずハンカチを公園の水道で濡らし、持ち前の能力で冷やしたものを彼女の額に当てる。>

和元月香 > 「.........?」

声が聞こえる、聞き覚えのある声だ。
一瞬誰だと思ったが、知り合いの名前はすぐ浮かぶ。
幼げな動作でゆっくりと首を傾けて、熱で涙が滲んだ瞳を向ける。

「.....筑波くん.....?」

口を動かすのさえ億劫で。
ひんやりとした感覚に月香は気持ちよさを覚えながら、
薄い笑みをいつも通り浮かべて相手の名前を呼んだ。

筑波 察 > 「そうそう、迷惑をかけるのが好きな筑波くんだよ。
どちらかと言えば今は君の方が迷惑になり得そうだけどねぇ?」

やっとこちらに気づいた彼女に安堵と呆れの混じった声をだす。
病人を迷惑扱いというのもなかなか非情にも思えるが、
非情なのはいつものことだ。

「とりあえずパッと見た感じ君40℃近く熱があるみたいなんだけど。
具合悪くないの?」

そんな見れば一発で解るような質問。
でも彼女自身が体調不良に気づいていないように思えた。
とりあえずハンカチを当てると、今度は首周りに軽くてを当てて血液を冷やす。
自分の能力がこんなにも役に立つなんて、思いもしなかった。>