2017/10/14 のログ
■鈴ヶ森 綾 > ラインナップを見てみると、どうも怪しげなドリンクばかり並んでいる。
どうやら風変わりな飲み物ばかりを集めた自販機のようだ。
「…カレーラムネ?」
まったく味が想像できないか、どう考えても美味さとはほど遠いか、
そのどちらかしかない品揃えに硬貨を投入しようとして伸ばした腕が止まる。
そこにきて、ようやくざっくりと裂けた袖口と、
そこから覗く傷口の存在に気がつく。
傷は決してかすり傷と言えるものではなかったが、血が出た形跡は殆ど無い。
「あぁ…」
そう言えばと、腕を斬られていたのを思い出す。
斬られた時はそれなりに痛みもあったが、逃げるのに夢中で忘れていた。
■鈴ヶ森 綾 > 治そうと思えばこの場で治すこともできるが…
試しに軽く手を握っては開き、開いては握ってみる。
特に機能に問題がないようだと分かると、
目立たない場所である事を幸いとばかりにそのまま放置を決め込む。
「それにしても、なんなのかしらこの自販機は…」
むしろそちらの方が問題だとばかりに、憤りの声を上げる。
とりあえず、数ある商品の中から少しでもマシそうな「ペ○シあずき」なる商品のボタンを押した
■鈴ヶ森 綾 > ゴトン、と音を立てて取り出し口にペットボトルが落ちてくる。
取り出して開栓して一口…の前に、匂いを確かめてみる。
しかし今ひとつ判断がつかず、結局思い切って口にする事に。
「…んっ……ぐっ…」
あずきだ、確かにこの味はあずきに間違いない。
しかしあずきの味がする事と美味しい事はイコールではないのだ。
どうにか二口目までは飲み込んだが、それが限界だった。
栓を締めなおすと手にしたそれをそのまま近くのゴミ箱に投げ入れ、
不快な気分を上乗せされてその場を後にした。
ご案内:「常世公園」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に暁 名無さんが現れました。
■暁 名無 > ──夢を見た。
それはお世辞にも「良い」夢とは言えず、むしろ悪いも悪い、最悪の類。
起き抜けに思わず悪態が口を突いて出るほどの、厭な夢だった。
「あー、クソ。せっかくの休日が台無しじゃねえか。」
悪夢の残滓が重く濁って残る頭を持ち上げる様に起き上がったのは、公園のベンチ。
もうすっかり日も落ちて、ついでに夜の帳も降りきった時間帯。まともな公園利用者の姿はほぼないと言っても良さそうだ。
「近頃夢も見ないほどぐっすりだったってのになー……ああクソ、最悪だ。さいっっっあくだ。」
上着のポケットに入れていた煙草を指先で探り出して、一本口に咥える。
指先で熾した火を着けると、俺は再びベンチに寝転んだ。
■暁 名無 > 昔から夢見が悪い時は決まって人恋しくなる。
過去の俺──この時代の俺もそうだし、今の俺も多少はマシになったとはいえだ。
紫煙を眺めながら、そんな感情を誤魔化しつつ、悪夢を見るような原因を考える。
ここのところ仕事も順調で趣味の研究の方も軌道に乗った辺りなので、単純にストレスという線はなさそうだ。
となると呪術的な要因か、となるとそんな痕跡はないし、そもそもそんな呪いを掛けられる覚えはない。
むしろ何か桃色チックな夢を見せられる覚えならある。つかそっちが良かった。
「どうせ見るなら淫蕩に耽る夢が見たいものよな。」
溜息と共に吐き出した煙は、空へと昇る途中で掻き消えた。