2017/11/13 のログ
ご案内:「常世公園」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
■鈴ヶ森 綾 > 夕方に雨が降った
雨雲が去ってから既に数時間経つが
地面にはその痕跡がありありと残されている
雨の影響か、空気も冷えきっている
吐き出す息は白く濁って夜の闇に溶けていく
むき出しの手先を冷気から守るように軽く握りしめ、公園の中を歩いてゆく
■鈴ヶ森 綾 > やはり今日は出歩くべきではなかっただろうか
歓楽区の方まで足を運んだが、結局何をする気にもなれずに戻ってきてしまった
時折吹いてくる冷たい風に思考がかき乱される
顔や首筋から熱が奪われていくのを不快そうに歯噛みしながら歩いていると
前方に自販機の灯りを見つけて近寄っていく
何か温かいものでも飲めば、少しはこの鬱屈した気分も晴れるだろうか
■鈴ヶ森 綾 > 青いラベルのものは無視し、赤いラベルのものにさっと視線を走らせる
立ち止まっていると足元から冷気が伝わってくる
あまり悩まずに決めてしまうのが良いだろう
「……あっ」
早々と買うものを決め、小銭を取り出そうとしたその時
摘んだ硬貨が指をすり抜け、チャリンと小さな音を立てて地面に落ち、そのまま数メートル程転がってから止まった
■鈴ヶ森 綾 > まったく、我ながら寒さ一つで情けないことだ
小さく嘆息すると面倒そうに転がった硬貨の後を追う
水たまりにはまって止まっていたそれを拾い上げると踵を返して自販機の元へ
濡れたままのそれを投入口へ落とし、購入が可能になった事を示す赤いランプの点灯したボタンを軽く押し込んだ
その直後、派手な音を立てて取り出し口に転がり落ちてきたしるこの缶を拾い上げ
それを両手で包み込むようにして暫しの間に握りしめていた