2018/04/29 のログ
ご案内:「常世公園」に椰月文霞さんが現れました。
■椰月文霞 > 深夜の公園に何の迷いもなく足を踏み入れる。
動機は単純。涼しく穏やかな風が漂う中、ベンチに座って読書をしたいから。
「やっぱりこの時間が良いですね。今が最高の時期です。」
適当なところのベンチに座ってバッグを下ろす。中から1冊の小説を取り出して、可視性を確かめる。
「これだったら、……んぅ、うん。何とか読めますね。
それでは秘密の読書タイムの始まりです……!」
一度ベンチに本を置くと、自室で使った、虫刺されのためのスプレーを改めて露出した肌に吹きかけて準備も万端。
■椰月文霞 > 誰もいない、とても静かなノイズに包まれている。
何のストレスもないこの状況でただ自分の趣味に没頭できる幸せを好きなだけ味わう。彼女にとって至福の時間。
「……ふふっ。」
時折本の内容に笑み、声が漏れるが、そんなことはまったく気にしない。普段なら、例えば電車の中ではあまり自由にならない表情の変化も発声も、今のこの場所に限っては誰も咎めないし、見ていない。見られていなければ気を使うことはない。……という思い込みのもと、彼女は好き勝手に小説を読み続ける。
■椰月文霞 > 「音楽、聴いちゃいましょうか。」
数枚の紙をめくった頃、そこに栞を挟んで本を閉じ膝の上に置いた。ちょっとした"味変"に手を出そうとバッグの中から音楽プレイヤーを取り出す。
耳にイヤホンをつけるとランダムで音楽を流し始めた。
「もう、私を邪魔するものは誰もいません。」
音楽を聴いて読書を進める。目も耳も外界から背けて脳まで小説の世界に入り込むと、今彼女にとって自分が存在する世界はここではなくなった。
■椰月文霞 > 『次はどんな国に辿り着くだろうか。』
ある章の終わりまで読んだところで現世界に戻ってくる。
栞を挟んで閉じた本と再生を終了した音楽プレイヤーをバッグの中にしまい、読了感に溜っていた息を吐くと上を向いた。
目を閉じると先ほどまでのシーンが映像になって甦る。そんな反芻も幸せな時間。
ふと、今になって肩や腰が痛くなってしまったことに気づいた。
読み進める中で力の入るシーンがあったために猫背になりすぎたせい。
「今日はここまでですねぇ。んっ、んぅぅ……!」
大きく伸びをしてから何度目かの大きな息を吐いた。満足してにやけそうになるのを理性で抑えつける。
どれだけの時間が経ったのだろう。帰ろうと立ち上がった瞬間に立ちくらみが起こった。
■椰月文霞 > 「ふぇっ、ぁ。」
全く情けない声が出てその場にへたり込んだ。
頭が重くて仕方がない。支えていられなくて俯いてしまう。
何も考えられなくてじっと目を閉じる。真っ暗闇の中、無の状態で時間が過ぎていく。
「立ちくらみ、本当にどうにかなりませんでしょうか。」
血が足りない。私吸血鬼なのかな。
妄想捗るほどに復活したところで、寮の自室に向かって歩き出した。
ご案内:「常世公園」から椰月文霞さんが去りました。