2018/06/16 のログ
ご案内:「常世公園」にセシルさんが現れました。
■セシル > 雲が重さを感じさせる天候の昼。
常世公園に、細身の人物が走り込んでくる。
…とはいってもその人物は程よく気の抜けた解放感ある顔つきをしているし、息は荒げながらも均整を失ってはいない。
何かから逃げてきたというよりは、単なる走り込みなのだろう。
「………ふぅ」
公園の中でゆっくりとペースを緩め、その人物…セシルはゆっくりと息を吐いた。
■セシル > 将来に向けての青写真を描いたはいいものの、結果として講義の内容も受けかたも一変し。
風紀委員会の仕事は最低限にしているが、そうでなくても座学やら慣れない機械を使ってのレポート作成やらはセシルの中に確かにフラストレーションを蓄積させていたのだ。
…そんなわけで、時間の浮いた昼間に、トレーニングとはまた別に走り込みなどしていたのである。
(…やはり、身体を動かすと気分が晴れるな)
身体の調子を整えるべくストレッチをして、顔を上げたセシルの表情は、曇天とは対照的な晴れやかさだった。
運動で程よく上がった体温が黄みの少ない肌に赤みを帯びさせ、その前髪にわずかな湿り気を纏わせている。
■セシル > 今は天気が不安定な時期で、今日のように雲が重い日と日照りの日の差が激しい。
(そろそろ、外で身体を動かす時は冷却術式の魔術具の世話になる頃かもしれんな…魔力を補充しておかなければ)
体温の余波を受けて逃げ場を失った衣類の中の空気を逃がすために、風紀委員会の制服の首元のボタンを1つだけ開ける。
それから、自動販売機でスポーツ飲料を購入して、ベンチに腰掛けた。
■セシル > 飲み物の封を切って、一気に3分の1位を飲んでしまうと、息をついて空を仰ぐ。
別に、セシルの気分に合わせて重い雲の狭間から青空が見えるようなささやかな奇跡は起こらない。
それでも、自分の気分というのは割と大事なもので、雲の重さと、そこからくる微妙な薄暗さは、もうセシルには気にならなくなっていた。
(…もう少しで、夏が来るか)
故郷とはまるで違う熱気と水気を帯びた空気に満ちる季節に慣れたかといえば、まるで自信はない。
だからこそ、魔術具に頼っているのだし。
■セシル > しばし、のんびりと身体を休めながら、空を、街の空気を味わい。
合間合間で、水分補給をして。
「…よし」
スポーツ飲料を飲み終えると、セシルは立ち上がる。
ゴミ箱に飲み物の容器を放り込むと、軽い駆け足気味に公園を去ったのだった。
さて、雲の向こうの陽はまだ十分な高さを持っているはずだ。これから、何をしようか。
ご案内:「常世公園」からセシルさんが去りました。