2018/08/17 のログ
ご案内:「常世公園」にアガサさんが現れました。
■アガサ > 夏祭り。この国では盆踊りとやらも兼ねる夏の一イベント。
祭囃子と踊りをもって、先祖の霊を迎えたり送ったりするのだけど、
生憎と私含めて訪れる大半は、煌びやかに飾り付けられた電飾も眩き屋台群に心を捉われる。
「何となくこう、レトロな雰囲気かな?風情があって宜しい……ってやつ?」
日が落ちた頃に催される、常世公園にて開催中のお祭りもこの島でのそういったイベントの一つ。
広場の中心に櫓が組まれて紅白の垂れ幕が囲い、2段式の中心、一番高い所に和太鼓が置かれている。
それを見るも見事な男前が叩いている。……私個人としては、もう少し線が細い方が好みかな。
周囲を見回したり見上げたり、そんな事をしながら私の足は広場の外周へと向かう。
中央に櫓を設えた広場は、その外周に様々な出店を並べているのだ。
■アガサ > 「くーださーいな」
大判焼きの屋台を出しているのは獣頭人身よろしくの狼男さんだ。
普段は異邦人街で菓子屋さんをやっているとかで、屋台の骨組みにお店付近の地図が貼られている。
具の種類は定番を抑えつつ、何やら不可思議な耳慣れない名前の植物のジャムがあり、
それを頼んだ所、ちょっと青臭いけど割とイケる。今度行って見るのもいいかもしれない。
「くーださーいな」
その次に訪れたのはコットンキャンディーの屋台。綿飴という奴で様々なフレーバーの表札が並んでいる。
屋台を出しているのは人の良さそうな茶髪のお兄さん、なのだけどシャツの襟首からカラフルなタトゥーが覗いている。
私があんまり見ていたからか、『綺麗でしょ?』なんて笑いかけられてしまって、少し言葉に詰まる。
綿飴は美味しかった。ちなみにバナナ味を頼んだ。
■アガサ > 出店を巡りつつ時折級友と出会い、他愛の無い話をしたり最近の噂話を交換しあったり。
聞けばなんでも、落第街のほうでB級ホラー宛らにゾンビが徘徊しているのだと知る。
「あれだよね。大型ショッピングモールに立て篭もって安全!と見せかけて人間同士の戦いが始まる奴だろう、それ」
落第街にはあっても精々モールの廃墟くらいな印象だけど、それはそれ。
所謂映画のお約束を友人と話して笑い合い、別れた後は噂の真偽に頭をかたりと傾け、隣を歩く蒼鱗麗しき爬虫系のお姉様にぶつかる。
頭を下げると頭を撫でられて、ちょっと恥ずかしい。
「……それにしても映画の御約束なら彼方此方が大変な事に。とかだけどねえ。今度行ってみようかな?」
落第街にある、お気に入りのドライフルーツを取り扱う乾物屋の爺様の事が少しばかり気にもなった。
仙人みたいに長いヒゲと、真夏でも被りきりのフードローブが印象的な好々爺。
買いに行くといつもオマケしてくれる彼が被害を被ってないといいなと、虹色のカキ氷を買いながら思う私なのであった。
ご案内:「常世公園」からアガサさんが去りました。