2015/06/25 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に遠峯生有子さんが現れました。
■遠峯生有子 > 中間考査が間近に迫ったとある夕刻。
授業を終えて、放課後のあれこれも終えて、
よくあることとして、ひとりの女生徒が店の扉をくぐる。
「ええと、オレンジケーキと…あ、このルビージュースっていうの下さい。」
ケーキのセットを注文すると、店内をぐるりと見回せば、そこにいるのは談笑するもの、黙々と勉学に励むもの、腹を満たすもの。
そして彼女がよく使用している窓際の席が占められていることを確認する。
■遠峯生有子 > 一度ぷくーっと頬を膨らませ、
しかしすぐに軽く肩をすくめて、
「しょうがないよね。こんな時期なんだし。」
呟くと、店の奥まった場所に店員が台拭きをかけている姿を見つけ、そこへ向かう。
「ここ、もう座って大丈夫ですか?」と尋ねてから席に着き、
ばたばたと、片付けられてゆくラーメンのセットを見送った。
■遠峯生有子 > 「おいしそう、ラーメン。」
呟くが、こんな時間の彼女には出来ない選択だ。
そこまですれば晩御飯が入らない。
「今日の寮食なんだったかなー。」
ラーメンだったら偶然だが、カレーか何かだった気もする。
「ま、いっか。」
■遠峯生有子 > 「先にこれ直しちゃおう。」
隣の椅子に鞄を置き、中から裁縫セットを取り出す。
「ほんとにもう、どこで引っ掛けたんだろう。やだなぁ。」
通学に使う革鞄だけでは容量が足りないので、
補助鞄として愛用している布の手提げ。
コットンニットのうさぎのアップリケが施されているが、
そのうさぎさんが外周半分ほど、手提げに別れを告げていた。
手提げ鞄からもノートとかテキストとか携帯端末のケースとか、内容物を全部取り出して、
先ほど拭き清められたテーブルにきれいに並べた。
■遠峯生有子 > 裁縫は嫌いではないけれど、お気に入りの手提げがこのような姿になっている事実が悲しすぎる。
まずはリッパーではがれている箇所に残った糸を丁寧に除去。
細かく千切れいているはずなのにこれが案外手間がかかる。
そうしている間に先ほど注文していたケーキのセットが届いたが、
残念ながら後回しだ。
■遠峯生有子 > 余分な糸を除去し終わると、ようやくジュースに手をつける。
ルビーと名づけられているが石榴のジュースだ。
ただ、石榴というわけではなく、赤いベリーが氷と氷の隙間に沈められている。
「これ、あとで拾おう。」
一口だけ飲んで、ほっと息を吐くと、また手を裁縫セットへと伸ばす。
何色かの糸が一緒に巻かれた手軽なセット特有の糸巻きから、ピンクの縫い糸を選び出し、
糸を通すとちくちくと縫い始める。
■遠峯生有子 > (小人の靴屋さんがちっくんちっくんとんとんとん♪)
どこで覚えたかわすれてしまった子供用の歌を
脳内で歌いながら針仕事。
さすがに店内で歌い出さない分別は覚えた。
かわりに足先が、それにあわせてぱたぱた揺れる。
大きめのアップリケ半周分とはいえ、そう大した長さでもないのだが、
再度はがれてほしくないというつもりで、
少し丁寧に掬っては刺し、刺しては返しを繰り返しているため、
どうしても時間はかかった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 本土の高校生のスケジュールに合わせた試験日程で組まれている講義の試験が近い中、蘭は比較的マイペースだった。
日頃から最低限の予習復習をしているため試験前にカリカリする必要がないのもあるが…それ以前に、蘭が受講している講義の多くは本土の大学と同様の二期制であるため、試験自体がもう少し先なのだ。
それでも、日頃の予習復習や課題はある。
蘭は、気晴らしを兼ねてそれらをカフェテラスでこなすつもりでやってきたのだが…
「…あら、生有子さん?」
何やら手元でやっているらしい生有子を見つけ、そちらの方に近づいていく。
■遠峯生有子 > (月夜の窓辺でちっくんちっくんとんとんとん♪)
「痛。」
あっと思ったときには指先に細い痛みが走り、
思わず口に含んだところで、
知った声、知った顔が意識に入る。
含んでいた指を離し、
「蘭ちゃん。こんにちはー。今まで学校だった?」
人懐っこい笑みで呼びかけた。
■美澄 蘭 > 「こんにちは…ええ、政治学概論の講義があったから」
挨拶を返されれば、にこ、と柔らかい笑みを返す。
「何してるのかと思ったけど…お裁縫?
器用ね…
…相席しても、大丈夫かしら?」
空いている椅子を指差して尋ねた。
■遠峯生有子 > 「蘭ちゃん、難しそうな講義取ってるんだね。」
生有子は案外社会系の講義に興味がない。
それでも幾つかは、卒業単位として取っておかねばならないのだが。
そんな独り言をもらしてから、
「授業長引いたの?お疲れさま。
いいよ、座って。一人だし。
それで聞いて! これが…」
これが、といって、縫いかけのアップリケされた手提げ袋を持ち上げて示し、
「…取れちゃってて、どこかに引っ掛けたんだと思うんだけど、
今日一日、全然気がついてなかったの。
お昼は大丈夫だったと思うんだけど。
どこでやっちゃったんだろう。
それで直してたんだけどね。」
■美澄 蘭 > 「公民の授業の代わりのつもりで取ったんだけど…追いつくのはちょっと大変ね。
授業の後、ちょっとだけ先生に質問したりしてたの…あと、購買部で文房具補充したりとか」
苦笑まじりにそう答えた。
蘭は、他にも社会系の科目として世界史に相当する科目や、法学概論を履修している。
「ありがとう」
歓迎されれば礼を言って腰掛け、店員にアイスティーとレアチーズケーキを注文する。
「………あら、アップリケの付け直し?
のり付けタイプじゃなかったのね…それにしても、アップリケだけ引っかけるなんて、変な感じね」
首を傾げて、こちらも不思議そうに。
■遠峯生有子 > 見かけによらず、外国語の講義のほかは地学や天文学が好きなのである。
蘭の指摘に笑って答える。
「あー、ほら、これニットだから、
引っかかりやすいんだと思う。」
たぶんね、っと、付け足した。
コットン糸の細編みでぐるりと丸く編み上げてあるうさぎさんである。
「けっこう手が込んでるんだよ、これ。」
そういいながら、片手で先ほど手提げからテーブルの上に広げた携帯端末のケースの裏から絆創膏を引き抜いて封を切る。
先ほど針で刺したところに巻くと、袋と剥離紙を小さくまとめてトレイの隅に置く。
続いてちっくんちっくん、ふたたび針先を動かした。
■美澄 蘭 > 「…ふぅん、凝ってるのね…
私、手芸はそこまででもないからあんまり詳しくないけど…」
普通のものとはやや勝手が違うアップリケと、生有子がそれを付け直す様子をまじまじと見つめながら。
■遠峯生有子 > 程なく全て縫い直し終わる。
ところどころ、縫い目が曲がって表に見えてしまっているところはあったが、
はがれてくるということはなさそうだ。
縫い終わりを玉結びにして、針をケースに戻す。
「できた!」
外に出していた荷物の上に袋を乗せた。
■美澄 蘭 > 「お疲れ様…でも、うさぎの形に沿ってそこまで綺麗に縫えるの、すごいわね。
私じゃきっと不格好になっちゃうわ」
苦笑まじりにそう言ったところで、頼んでいたものが届いた。
「ありがとうございます」
店員にそう一言言ってから、一口。
「お金がかかるから毎日とはいかないけど…たまの一息には良いわよね、ここ」
■遠峯生有子 > 「えー、けっこう曲がってるよ。」
けらけらとわらい、
先ほどから忘れ去られていたオレンジのケーキに手を伸ばす。
「私けっこうここには来てるよ。
却って集中できる気がするし。テスト範囲が発表されてからは特によく来てるかも。
こんなに通うことになるなら、
なにかアルバイトでもした方がいいのかなーなんて、ちらっと思ったりしてるんだけど。
あ、ほら、社会勉強になるって言うし。」
えへへと笑って。
「でもその前にテスト勉強だねー。」
■美澄 蘭 > 「でも、そもそも縫い目を目立たないようにするのが技術が要るでしょう?
私はそこまで出来る気がしないもの…」
そう言って苦笑いすると、こちらもチーズケーキを一口。
「私は、図書館で勉強する事が多いのよね。
資料も一杯あるし…お金かからないし」
寮じゃないから切実なのよね、と肩をすくめる。
「アルバイトかー…私は今のところは考えられないわね。
結構勉強と魔術の練習に時間取られるし…ピアノは続けたいし」
時間がいくらあっても足りないわ…と、困ったように笑う。
「…まあ、まずは学生の本分よね。
私のテストはほとんどは7月だからまだ気楽だけど、普通の講義に追いつくだけでもそれなりに大変だし」
ちょっと欲張っちゃったかしらね?と、少し悪戯っぽく笑った。
■遠峯生有子 > 「んー、図書館は、静か過ぎてテスト勉強には却って気が散っちゃう。」
えへへと笑って。
図書館といえば、思い出すことは他にもあるがそれはとりあえず脳から追いやる。
ケーキのオレンジの乗ったあたりは少し切り分けづらいため、
そちらに気を取られながら蘭のことばに、んーとかそう?とか相槌を打ち、
ピアノという話題に反応して顔を上げた。
「あ、ピアノやってるんだ。
やってるというか、続けられるんだ、ここ。
ピアノ教室とかがあるの?」
■美澄 蘭 > 「私、周りが静かでも五月蝿くてもあんまり気にしないのよね…
勉強に限れば得な性質(たち)かしら」
そう言って、くすくすと笑う。
生有子の脳裏に浮かんだ事については、知る由もない。
「ええ…ピアノの実技講義がレベルに応じていくつかと…それに、音楽系部活もあるじゃない?中には、ピアノが置いてあるような部活もあるんじゃないかしら。
それぞれ善し悪しだけど…音楽の実技講義を取れば、ジャンル関係なく音楽実習棟が24時間使い放題で、練習室にはアップライトピアノが1台ずつ置いてあるから。」
部活に馴染めるか不安だったから、実技講義を1つ取ったの、と。
ピアノについては、そう説明した。
「まあ、営利系のピアノ教室がどこかで開かれてても全然驚かないけどね。
この島も広いから」
■遠峯生有子 > 「蘭ちゃんらしい気もする。」
にこにこと。
目の前の少女は、生有子から見れば一本筋が通っているというか、
ゆるがない空気感をたたえているように見えていた。
そうはいっても、別の点では人を気にするというか、
すこし臆病な面を感じないではなかったが。
「あー、そっか。講義でそういうのがあるんだ。
わたしもそういうのを探せばよかったかなー。
でもそうなると本当に時間が足りなさ過ぎるかも。」
ちょっと厳しいなあ、と笑う。
何せ週一コマの講義のみ楽器を触るだけで足りる状況とも思えない。
そしてたとえば気になるのは目の前の相手が
部活に馴染めるかなんて気にしているらしいところ。
そこをあえて話題にすることはしなかったが。
ケーキを食べ終わったので先ほどテーブルに出して並べていた荷物を手提げ袋にもどしながら、
「なんでもあるよねー。」
びっくりするよね、と笑う。
■美澄 蘭 > 「集中のスイッチを入れやすい…って感じかしら?
おかげで周囲の動きに気づくの遅れる事がたまにあるから、本当に善し悪しなんだけど」
そう言って肩をすくめつつ、アイスティーをストローで少しすする。
「まあ、シラバスも量が多すぎるし…全部チェックは無理よ」
おかげでカリキュラムがすごい事になっちゃったもの…と笑う。
「音楽のプロとか目指したいならともかく…そうでないなら、他の講義を犠牲にしてまでは触れないものね」
私も講義以外だと実習棟で週2くらいよ、と苦笑する。
「ええ…日常のものなら本土並みに揃うし、そうでないものもたくさんあるしね。
流石に、魔術とか異能関連のものに手を出す気は、まだないけど…」
あちこちで好奇心をそそられるわ、と笑った。
■遠峯生有子 > 集中のスイッチ。そんなの「あったら欲しいなあ」などと笑いつつ、
「うーん。プロとか目指したりするのはたぶん無理なんだけど、
たまにちょっとピアノ触ったりしたいなーって思うことがあるんだ。
そのほうが難しいのかもしれないけど。」
手提げの中身を片付け終えると、こんどは革鞄のほうから、
テキストやノート、ペンケースを取り出す。
「ほんとに色々あるよね。
商店街とか…異邦人街にもこのあいだ行ってみたけど、
見てるだけで時間が過ぎそうな気がしたよ。」
そこで一旦言葉を区切って、
「さて、勉強。」
まずは昨日行き詰っていた物理の問題を解き直そう。
■美澄 蘭 > 「あったら欲しい」発言に、
「…何か、自然に入らない?」
と、不思議そうに首を傾げる。こういうものは、たいてい本人は無自覚だ。
「たまにちょっと、か…
ゆるめの音楽系部活を探してみると良いかもしれないわね。
本当に趣味のサークルみたいなところ、どこかにあるはずだし」
そして、生有子から異邦人街の話を聞けば
「………そっか、異邦人街、か………
………うん、私も今度遊びに行ってみよう」
妙に間がありながらも、そんな事をぽつりと。
「…そうね…おしゃべりばっかりしてるのもね」
そう言って微かに苦笑まじりに笑うと、こちらも勉強道具を取り出す。
魔術理論概説のノートと、そこで使われている魔術入門のテキストだ。
■遠峯生有子 > 魔術関連らしい蘭のノートにちらりと目をやるも、
それは一緒に履修している講義のものとは別のもののようだ。
気にならないではなかったが、
なにせ昨日半時間悩んで解けなかった問題に取り掛からねばならない。
それは別に課題でもなんでもなかったが、
テスト範囲として示されている内容の、関連問題として解いているので、
どこかに自分の不理解が潜んでいるはずなのだ。
お互いが、別々の学習を顔を突き合わせてやる。
たまに相手の様子を伺っては自らのやる気を補充しつつ、
そんな時間が過ぎていくのだった。
■美澄 蘭 > 魔術理論概説は、
「魔術とはどのようなものか?」
から始まり、魔術の行使方法のメジャーなものについて解説していくという、魔術の入口としての比較的易しい講義だ。
そして、それ故に若年層の履修が想定されており…結果として、蘭がこの時期に試験を控える数少ない講義の1つだった。
易しい講義故に本腰を入れる必要こそないものの、今後の魔術学習を考えると落とせない要素が詰まっていた。
ちらりと、生有子の学習内容に目をやる。
(…物理、か)
蘭の物理は現在中学レベルで止まっているが、更に高等な内容を学習すれば、それは魔術への理解を深める助けになるのは違いないだろう。
以前、訓練施設で出会った女性の話していた事を脳裏に浮かべつつ。
(…来年物理履修する時には、ちょっと助けてもらう事もあるかしら?)
しかし、今話しかけて集中を散らさせてしまうのはもったいない。
蘭も、自分のノートとテキストに集中する事にした。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から遠峯生有子さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から美澄 蘭さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にウィリーさんが現れました。
■ウィリー > 「ジンジャエールの濃いヤツとベーコンサンドを頼む」
珍しくシンプルな注文を済ませて、空いているテラス席に腰掛けた。
ぼんやりと空を眺める。今日もいい天気だ。
■ウィリー > ふと、街をゆく学生たちに目が行く。弾む会話に楽しげな笑顔、
異能や魔術が当たり前である環境を除けば至って普通の日常。
もしかすれば、あそこにいる彼らもまた超常的な力による事件と
何らかの関わりを持っているのかもしれない。
ならば、今ここにある平穏は取り繕われた上辺だけのそれなのか?
ぼんやりと思考を重ねている内に、そういった問題に近い人間の事を思い出す。
(そういえば桜井たちの懸案、『怪異』はどうなってるんだろうか)
■ウィリー > 掲示板ではいくつかの情報を得られた。
それは怪異と称されるモノと学生との戦いの痕。
もっとも、それらは個人を特定するには至らない曖昧なもの。飛ばし記事の可能性もある。
「ううん直接聞いてみたほうがいいか……ああ、どうも」
頼んでおいた軽食が差し出されると、それを受け取って口に運ぶ。
やはりファミレスよりも味がいい。自然と顔もほころんだ。
■ウィリー > 食事、とりわけ美味しいものをゆっくりと腹に入れることは精神の賦活に重要だ。
(他にあったこと……ああ、路地裏にいる怪しいヤツ。
まともに話もできないくらい警戒されてることを考えると、
やっぱりロクでもない物を捌いているんだろう)
顔は朧げにしか覚えていないものの、独特の語尾と治安維持者への敵意はしっかりと記憶に残っている。
何かしらの商品を薦められていた少女は無事に日常に戻れているだろうか?
そして、2回目に出会った時に居合わせた公安や女の待ち人。
あの時は冷や汗をかいた。囮作戦とはいえ、自分商品を買おうと立ちまわっていたのだ。
(冗談抜きで危なかったよな……気をつけないと)
天を仰いで、ため息をついた。
■ウィリー > ブツブツ言っているのを店員に見られて、卑屈に笑い頭を下げた。
色々な情報をとりまとめて、すぐに動けるようにするのは大事とはいえ
少し不調法だったか。そう思って、頭を冷やすようにジンジャエールを飲んだ。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にウィリーさんが現れました。
■ウィリー > 「さて……どうするかな」
暇を持て余しているといえばそうだが、かと言って大騒ぎに首を突っ込む気もない。
何より今のところ、そういう知らせもない。
「あちこちうろうろしてみるか」口元を拭いて、お冷も飲み干して。
とりあえず伝票を手にレジへと向かい、支払いを済ますと
カフェを後にした。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からウィリーさんが去りました。