2015/07/06 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に狛江 蒼狗さんが現れました。
■狛江 蒼狗 > テラス席でテーブルに突っ伏す白髪長身蒼眼の彼の名は狛江蒼狗。
テスト明けである。
「……………………」
■狛江 蒼狗 > 死に近い沈黙のままぴくりとも動かない。
睡眠時間を摩耗させた過密なスケジュールは終焉を迎え。
それと共に、極度の緊張状態にあった精神は学園からの帰路の最中で限界を迎え意識を途切れさせた。
端っこの席ではや数時間、既に夕刻である。
「………………ふふ」
目を醒ましてはいるが、一歩も動けない。
だが表情は明るい。それは僅かな、薄明のようなものだが。
確かに彼はテストをやり遂げていた。
■狛江 蒼狗 > 「……………………とりあえず、これで」
今年度終わりには無事四年生である。
修得単位数からして、来年度も恐らくは安泰。
卒業への道は拓けたと言える。油断は禁物だが……。
「……………」
ガーデンチェアを軋ませ、上半身を起こす。
茜色の光が眩しく眼窩の奥を刺した。
空は光と同じ色にきらきらと染まっている。
もう陽は沈みかけて、すこしすれば一番星──宵の明星──が望めるだろう。
■狛江 蒼狗 > 通りがかったウェイトレスにホットコーヒーを頼む。
今日は、なんだか肌寒い。それが逆に夏の前触れであるように感じられた。
そういえばもうすぐ、海開きだそうな。
「…………どうも」
暫くしてコーヒーが届く。
カップは陶器で、ソーサーと揃いの鈍色である。
添えられた木製の匙がなんだか風流だ。
口元に近づけて傾け、熱く湯気の立つそれを舐めるように味わいながら息をつく。
「…………」
ちょうど一年前の事を思い返してみる。
前年度は、故意的に留年をした。
■狛江 蒼狗 > 東棟3組の皆に置き去りにされた気持ちで、そのまま前進することが躇われたのだ。
“事件”を忘れて、4年になり、本土に戻って神社の宮司を継ぐための勉強を始めてしまえば。
きっと、これだけ悲哀に満ちた思い出でさえも、すり減って棘をなくして想起することが苦もない事に成り果てる。
『時間が必要だった』と言い訳をして1年をある目的のために使い尽くしたが、本当のところはそれを恐れていただけなのだ。
「………………」
コーヒーの水面に顔を映してみようとするが上手くいかない。
細かに波打った黒い液体は依然もうもうと湯気を立てている。
「………………」
テストに注力して進級の準備を済ませた自分は、あの頃から一歩踏み出せたのだろうか?
コーヒーを一口飲む。とても熱いが、こくんと飲み下した。
「………………否」
自分の背を押す何かに押されて、意志と関係なく踏み出したにすぎない。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に御扇楓花さんが現れました。
■御扇楓花 > 「喉が渇いたのです」
楓花は店内をキョロキョロ見渡し、空いている席を探す。
青年の隣が丁度空いているのを発見するなり近寄った。
「ふーか、お隣に座っても大丈夫ですか?」
■狛江 蒼狗 > 親しい友人や恩師を失った。
肉親である兄も失った。
この常世で、狛江蒼狗は天涯孤独のようなものだ。
「………………」
けれど。
本土では狛江神社の面々が自分を待っている。
宮司の父親にその妻の母親に、無道双牙流の総師範たる叔父に、祖父母……。
常世に来る前からの友人も居る。そこまで懇意な付き合いでないにしろ、確かに居るのだ。
いつかはこの常世島で見た全てのものを思い出にして帰る時が来る。
“現実と折り合いをつける”時が……。
「? …………ああ、どうぞ」
何時の間にやら。周囲は蒼狗と同様にテスト終わりの生徒達で埋まって賑やかになっていた。
四人席を一人で占領するのも心苦しい。
快く席を────その、やたら小さい娘に勧める。
「…………?」
(五歳児?)
未就学児に見えるが、制服は着ている。
この学園に幼年部はあっただろうか。
そもそも、そのあたりの区別はなく皆一律4年だったような。
そういうカリキュラムが存在するのだろうか。
疑問は尽きない。じっと見ている。
■御扇楓花 > どうぞと言われてにこにこと笑顔で答える。
「ありがとうなのです!」
背丈が若干足りない為、風を操って身体をヒョイっと浮かせて椅子に座る。
メニュー表を見て定員を呼ぶとオレンジジュースを注文したところで青年の視線に気づいたようだ。
「……ふーかの顔に何か付いているですか?」
■狛江 蒼狗 > 「………………混んでいるからな」
仕方がない。当然のことだ。この四人掛けのテラス席は蒼狗の所有物でも予約物でもないのだから。
問題の焦点はそこにはない。
【異能】の力が空気を捏ねて、小柄な童女の身体を浮かす。
『空気椅子』と陳腐な感想が浮かんだ。
とにかく、彼女も立派な常世学徒だということは確かなようだ。
蒼狗は見咎められて、戸惑った。
答えに窮したのだ。鋭い瞳を泳がせ、無表情のまま俯き加減に童女の顔を見る。
「………………その」
改めて見ても小さい。自分の半分程しかないような気がする。言い過ぎか。
ただ、それを上手くオブラートに包み口当たりを良くして伝える方法が蒼狗の脳裏に浮かばない。
結果的に。
「小さいな、と、思って」
詰まりながらそう言う。
言った後で、失礼なのではないか? と恥じ入り耳を少し赤くしながら。
■御扇楓花 > 言葉はストレートではあったが、詰まり気味に答えた青年を見て、楓花のことを気遣っているのを理解したのか楓花は怒ってはいないようだ。
「ふーか、見た目は小さいけど15歳なのです。
見た目は小さいけど、食べる量は負けないのですよ!」
ちょっと誇らしげに胸を張る。そして改めて青年を見て言う。
「それにしても身長大きいのです。ふーかに分けて欲しいくらいなのです」
■狛江 蒼狗 > 「そうか……」
機嫌を損ねなかったようで、安堵する。
カップの把手を摘み上げて緊張に乾いた喉を潤した。
スムーズにかつダイレクトに気管へ流れ込むコーヒー。
全力で噎せ返った。
原因は童女から出た台詞である。
「ごふ……じゅ、……じゅう……十五だと?」
童女は胸を張る。第二次性徴は程遠く、水平線の向こうである。
可愛らしいがどう見ても女子高生ではない。
「おっ、俺も……。昔は小さかった、からな。伸びたのだ、すごく……」
布巾で溢したコーヒーを拭いながら、平静を装って答える。
(15? 15……? 亜人、か……? エルフ、とか、妖精、とか……)
耳も尖っていないし羽もない。
外見上は幼い地球人そのものである。困惑する。
■御扇楓花 > 「驚きすぎなのです。大丈夫です?」
噎せている姿を若干心配そうに見上げる。
希望ある言葉を聞き、目を輝かせる。
「ふーかも、そのうち伸びるかもしれないのです。
やはり牛乳を飲んだりしているのです?」
楓花は興味深々だ。
店員が持ってきたオレンジジュースをストローで啜る。
■狛江 蒼狗 > 「いや、すまない。取り乱した……」
見下ろすとぽわぽわした碧色の髪の毛が見え、どんぐり眼がこちらへ上目遣いに向けられている。
幼さが残るというか、幼さそのものというか。その愛嬌は童女特有のもので。
(やはり、どう考えても十の位がある年齢に見えんが?)
「そうだな。一年前は確か150cmだったから、あれからここまで伸ばすのに随分苦労をした……。
やはりものを言うのは、適度な運動と22時に眠りにつき成長ホルモンを活性化させること。
そして牛乳だ……良質な蛋白がとれるから鶏胸肉も良いぞ」
昔を懐かしみ、多弁に身長を伸ばした経緯を語る。
実に活き活きとしている。
「………………」
そして。
その時期に齧ったスポーツ栄養学で、人の成長について障りだけ学んでいたことを思い出す。
女性の背の成長は大抵中学時代に終わっていて、身長は高校入学あたりで打ち止めなのだと。
「ふーかとやらも……伸びるさ、きっと」
慈愛の微笑みである。
嘘をついた。
まあ、たぶん、成長期とか、来るだろうし……ほら……。
■御扇楓花 > 楓花の成長が止まっているのは恐らく神隠しに遭ったことが発端なのは間違いはない。
ただ、原因が何か分からないし、どうすればまた再び成長するかも分からない。
だから今の楓花が牛乳を飲んでも無駄であることのは楓花は百も承知だ。
この学園に来た理由のひとつはこの呪い(?)の解消の為でもある。
原因が解消すれば、きっと成長すると信じている。だから楓花は絶望しない。
楓花の心の中に温かいものが流れる。
「ありがとうなのです!優しいのですね」
笑顔で返す。ジュースも底を尽きた。
「ふーか、そろそろ行くです。
合い席ありがとうでした!」
風を使いひょいっと椅子から降りると軽く会釈して店を後にした。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から御扇楓花さんが去りました。
■狛江 蒼狗 > 「うむ、それでは……」
小さな背を見送る。
髪の毛のボリュームのせいか、背後から見ると筆先が歩いているように見える。
空のカップをソーサーに置いて、苦い香りのする息を緩やかに吐いた。
もしも先天性の分泌異常で背が低かろうとも、現代医学ならばホルモン剤の処方で解決を見ることができる。
詳しくは聞けなかったが、恐らくは何かしらの事情があるのだろう。
「………………」
嘘も方便とはいえ、無責任な事を言ったかな、と自責の念を覚える。
しかし最後に向けられた笑顔を思い返せば、気持ちは少し軽くなる。
(なんだか知らんが、気持ちはわかる。頑張れ)
と、遠目にエールを送るのだった。
「……………………」
一年前の自分。
小さい自分が嫌だった。
小さい自分では駄目だった。
小さい自分のままだとまた後悔をする。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」
席を立ち鞄を持って街路へ歩み始める。
「俺には、まだ……」
輝きを散らし始めた夜空へ呟きは消えた。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から狛江 蒼狗さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に神薙 結弦さんが現れました。
■神薙 結弦 > 「………。」
静かに瞳を閉じて、少し開ける。
ほんの少しだけうたたねをしていたのか。
読みかけの本を開くと何処まで読んだだろうかと、少し思案して。
■神薙 結弦 > 本を開く。
ちょうど、今読んでいるのはすすめられた恋愛小説。
中身は少女が何故か家の前にあったトマトで転んで、異世界にトリップし、そこで巻き起こるラブファンタジー。
突拍子もない始まりだが、何処か面白い
「…、この巻は此処で終わり、か。…ふむ、次も読むか
少し、気になるな」
■神薙 結弦 > 「………すー…すー…」
結局、気持ちよくなって
すやすやと寝息を立ててしまった。
暫くは起きる気配はないだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から神薙 結弦さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に渡辺慧さんが現れました。
■渡辺慧 > 「ブレンドのホットでー」
「……あ、あとオムライス」
時間帯が時間帯なのか、席がすいている。
贅沢に、どうせだからと4人席のテーブルを選んだ。
試験期間。残りは2日。
――と、言っても、あと2日の科目は、緩く単位を取れそうなものばかりだ。気分はほぼ試験終りだった。
一応のごとく。明日に備えて。
勉強道具自体は持ってきてはいるけれども。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に阿賀佐 メアリさんが現れました。
■渡辺慧 > 小さく鼻歌を鳴らす。いつもの下手くそな鼻歌。
試験が終わったら、またいつものように気ままにあそぼっと。
等と、考えてはいるが……。
どうにも。ここ最近、増え始めた交流に、なんとなく気がそれる。
■渡辺慧 > ――変だねぇ……。
独り言を漏らすわけでもなく、ただ思う。
海開きもある。――海に思いっきり流されたあの件は、海開きにはカウントしないでおこう――。
水着あったかどうかすら定かではないが。
一人で行く、という選択肢以外に。
誰かと行く、というものも生まれてしまったのは、どういう変化なのだろうか。
――どちらにしても、一人で行くしか選べそうにないのだから、苦笑するほかないのだけれども。
■阿賀佐 メアリ > 気分が憂鬱でも試験は受けなければならない。
残りの科目は得意でも苦手でもない。
だからといって気分を変えるようなものではない。
試験は集団で受けるのだ、それだけで憂鬱になるのは十分であった。
せめてもの気分転換で空いているカフェへと足を運んだ。
混雑している時には帰宅もない場所ではあるがこの人数ならひっそりと休むことが出来る。
アイスカフェラテを注文して一人の席へと足を運ぶ。
途中四人席に一人で座る慧の隣を通り過ぎようとする。
一人で独占するなんていい御身分だなと頭を過る。
しかし『不運なことに』床が濡れていた。
「へぁ!?」
慧の目の前で素っ頓狂な声を上げてその場で尻餅をつき……。
手にしていたアイスカフェラテを頭から盛大に被ることとなった。
■渡辺慧 > 「……んぇ?」
ぼぅ、と思考に耽り届いたコーヒーをなめるようにしていた。
すると。
突如として目の前で転げた少女。
見覚えはない。
「…………天然ドジっ子、なるほど」
なんだか楽しそうなことが転がり込んできたかのように思えなくもないが。
しかしながら――。
「ごめんなさーい、店員さーん。タオルもらえますー?」
このままを眺めるのは、いささか気になるというもの。
対応がいい。タオルをすぐ持ってきてもらった。
「へい、そこな少女の君。使いなー」
なんて言いながら、それを渡し――。
■阿賀佐 メアリ > 「……」
阿賀佐にとってこれは日常である。
不意なことで不幸な目に見舞われる。
それが阿賀佐の持つ異能の力であった。
「……別にいらない」
自らハンカチを取り出して頭を拭くが当然、ハンカチでは足りない。
いつものことだから自分で後始末はしよう、普段ならそう思うところであった。
しかし、以前に悲惨な目にあってからは衰弱していた。
精神を落ち着かせる薬を処方してもらってようやく生活できるようになったのだ。
「まって……やっぱ……使う」
しおらしくタオルを受け取ると荒い使い方で濡れた髪を拭く。
少しはマシになったが、キャミソールにシミが残り、髪の毛からはカフェオレの香り。
そして飲むはずだったカフェオレは台無しになってしまった。
「ぁ……りがと……」
阿賀佐は人に礼を言うのは大変珍しいことであった。
■渡辺慧 > 「ん?」
んー……。
あれか。言い方か。
恐らく、物凄くずれている感想を持ちながら。
まぁ使ってくれるならいいか、と一人で納得。
使ってくださいまし、とかの方がよかったのだろうか、の方が気分的にヨカッタカナ、等と考えている少年の思考は、多分。
ずれていた。
心配してる様子は特に見せず、うむうむ、等と言いながら満足げにうなずき、自らは席に戻る。
ついでとばかりに。
「店員さんー、んー、あー……あ、カフェオレか。カフェオレー。多分アイスくださいー」
相手の反応も求めず先に注文。
こういうのは自己満足の類だ。だからこそ、気分もよくなる。
まぁ、相手がいらないなら自分が飲めばいいだけだし、と言うのは少年の常套句だ。
「と、いうわけで、どうぞ?」
どういう訳も何も分からないが。
自らの4人テーブルがあいていることを視線で示した後は。
後は流れに任せ、自分はコーヒーを再び飲み始めた。
■阿賀佐 メアリ > 「……ぇと?」
正直なところ帰りたい気分であった。
服は着替えたいし、汚れた髪は洗い流したい。
それに人と関わっているのは好きではない。
好きではないというよりは関わりたくないという気持ちであった。
なぜなら関わった人にろくな事が起きないからである。
不幸を招く異能は周りにも影響する。
特に関わった人物ほど優先的に不幸が発生するからだ。
だというのに。
「……はぃ」
店員に届けられたアイスカフェオレを目にして。
そのまま流れで相席してしまった。
(どうしよう……)
目の前の少年を上目遣いで見つめる。
慧から見れば睨んでもいるようにも見える。
人との関わりを避けていたためにどうしたらいいのか、話しかけていいものか判断できなかった。
■渡辺慧 > 「うん」
まぁ、正直なところ。
特に何も考えていなかった、というのが少年の弁だろう。
「折角来たんだし、それだけ飲んで帰ればいいさ」
ずず、と。
コーヒーを口に含みながら。
その、睨みのような上目遣いを見ながら楽しげに笑う。
そして、神妙な顔を作ると。
「して。…………君はドジっ子と言われる人種なのかな?」
気になるからと言ってこの質問はないだろう。
等とどこからか、そんな声が聞こえてきそうな。
そんな馬鹿な質問を。実に楽しそうに告げた。
■阿賀佐 メアリ > 「……ぅん、そうする」
アイスカフェラテをストローで飲む。
もともとこれが目的だったのだ、早く飲んで別れてしまおう。
その提案はありがたかった。
そうすれば阿賀佐の異能に巻き込まれることもないのだろうから。
「……!?
いや、ドジじゃないし。そういうのじゃない……」
頬を膨らまして目を逸らす。
「あれは……その……異能のせいだから」
楽しそうな顔とは逆に不機嫌な顔。
ドジっ子と言われたのが心外であったからだ。
「私の異能は……不幸を招く……から」
■渡辺慧 > 「Oh……エクストリームドジッ子……」
多分、あまり理解していないか……または。
さて。その心境は少年にしかわからないが。
あくまで、楽しそうな雰囲気は変わらなかった。
「…………エクストリームドジっ子ってなんだ?」
自分で発言しておきながら、自らの言葉に疑問符を浮かべる。
なんだろう、エクストリームドジっ子。
「あれか。自分だけじゃなくて周りもドジっ子になる感じか」
なぜか頑なにドジっ子説を推す。
――単純に、彼の周りに。余りそういうタイプの人間を知らなかった、というのもあるのかもしれない。
■阿賀佐 メアリ > 「はぁ……?
エクストリーム……ドジっ子……?」
妙な単語が飛び出してきた。
流石にこれには阿賀佐も眉をひそめる。
不幸を招く異能がエクストリームドジっ子?
一体何をどうしたらエクストリームドジっ子になるというのだ。
「……ふふっ。
エクストリームドジっ子って……ふふふっ、意味分かんないっ」
笑った。
言葉を反芻するうちに意味不明さに笑ってしまった。
よほどツボにはまったのかお腹を抱えて笑っている。
阿賀佐にとっていつ以来の笑いであっただろうか。
「全然違うよ……なんで不幸がドジっ子に?
ふふふ……しかもエクストリームっ」
笑いすぎて涙が溢れる。
ボロボロと涙を流しながら笑っていた。
■渡辺慧 > 「お、オォ?」
流石に涙が出るほど笑われるとは思わなかった。
いや本当についさっき思いついた単語をそのまま言っただけ。
――まぁ、なんとなく。気分を軽くしよう、という意図は。
ないわけでも、なかったのだけれど。
「違うのか……どうしたの、笑いすぎてポンポンいたいの……」
え、えぇと……。と少し戸惑い。
「いや、ほら、笑おう? いや、笑ってるね、うん……えっと、うん……?」