2015/07/19 のログ
園刃 華霧 > 「アー……なんだろナー……アンタもそーだけド、ウチにもサー、無茶に突っかかったのいてネ。
 ソイツは女で、腕どころかまあ……アレをアレされちまったンだけド……
 性分ってノも、行き過ぎるとロクなことないゾ、マジで」

やれやれ、と肩をすくめる。
なんでまあ、こういう連中が多いのだろうな……と、思う。
適当に流せばいいのにねー

「こりゃまタしっかりした義手だネ。確かにこりゃマッサージは不要だナ。
 しかし……なんダ。案外こってる理由の一つはコレじゃないのかネ?」

そう言いながら、面白そうにコンコンと義手を叩いていた。
遠慮する気はないようだ。

「いやー、一応報告はしたゾ? 魔王の案件がメンドーだからスルーするワケにいかんかったしネー。
 まあされたモンをどー考えたかは知らンけどサ?」

「アー、要するに、アレか。門から次々に湧いてくる謎せーぶつと、血みどろの殺し合いをしてるってワケかー。
 そりゃ大変な話だナ……」

ウィリー > 「……零の妹の事か。話には聞いてる。
 もう傷は癒えたのか? 身体も、心も」眉間に皺を寄せて不快そうな表情を浮かべつつ。
そこには蛮行に対する怒りと、向こう見ずをした少女に対する苦々しさがあった。
あれは、いずれ誰かに――少なくとも正義ではなく力を欲するものに――狩られるべきものだから。

「おいおい、あまりいじくるなって。……異能と魔術を使いやすくする為に随分と無茶に作りこんであるからなあ……
 確かに身体のバランスを崩すくらいには重い」
黒光りする繊維の下には鉄のような素材の骨格がちらと見えるだろう。
そして、処々に円柱状の鉄片が埋め込まれているのもわかる。

「全部おえらいさん任せか。だから魔王さんも怒るんだろうよ、えらい奴が陣頭に立つ必要も時にはある……なんてな」

「そう、そういうわけで。ここまで話を聞いたならもう逃げ場はないって言うことにはお気づきで?」

にたりと笑った。

園刃 華霧 > 「ン……まあ、一応……癒えた、っぽくハ、ある……ケドなー。
 まだまだ、怪しいトコはあるナ……っていうか、なンだ。
 アイツのニーサンと知り合いなのカ。変なトコで繋がってるナぁ……」

妙なもんだな、と肩をすくめる。
不愉快そうな表情は横に流す。特に突いてもいいことはないだろうし、
面倒なことを引っ張りだしても面白くない。

「心配するナって。ちょっと叩いてるだけだから、そんな程度で壊れないだロ?
 それこそ、それで壊れるヨーなら色々と考えなおさないとダ。」

面白そうに見ながら、やはりコンコン叩いている。

「そりゃダッテ。組織の体質だ何だ、なんて話。下っ端のアタシにドーコー出来るモンじゃなかロー?
 上にいって、上が考えないなら、マー、しらン。で、どーせナニもしないから説教されるんだろ―けどサ?」

そういうもんだろ?と興味なさげにいう。

「……ッテ、待て待テ。アタシはしらん、知らんゾ。
 なんダそれ、ずるくナイか、オイ」

にたりと笑う笑いに、思わずツッコミを入れた。

ウィリー > 「元々は零とだけ知り合いで、妹の話は後から聞いた。
 あのきょうだいはどうにも騒ぎの渦中にいざるを得ない口らしい。
 俺もそのタイプだから、それも縁なんだろ……職業柄仕方のない話だが」
随分と楽になった身体を少し弛ませた。
「いずれにしても、あの化け物には従来どおり手を出すなよ
 気の合いそうな可愛い女の子が次の日死んでました、なんてのはごめんだ」からかうような笑みは、とても優しく見えた。

「んん……そりゃそうだが……好きにしろ、細かいところは触るなよ」

「一揆でも起こせば違うだろうがな。この都市の組織はそういうもんじゃない。
 頭が動かないなら手も動かない。結局割を食うのは下っ端てか
 ……のらくらやってても、苦労はあるもんなんだな?」

ツッコミに、更ににっと笑い返して。
「ずるいものかよ。俺は最初にきちんと聞いただろう?
 まあどうしてもいやだって言うなら……そっちの上司から
 お小言が定期的に飛ぶ回数を増やす努力をしよう」

付け足すように。
「……何より、俺はお前ともう少し話がしてみたい。
 珍しく興味がもてた相手だからな」小さな声でそう言った。

園刃 華霧 > 「ハー……しかしまあ、あの子、やっぱいもーとキャラだったんだナー。
 騒ぎの渦中にいザるを得ないってーカ、ありゃ単に騒ぎに突っ込むタイプだロ。
 もしくは、自分で騒ぎを起こすカ……」

やーれやれ、と肩をすくめる。
黙って一人で落第街にいっていた姿を思い出していた。

「あー?その『可愛い女の子』とヤラがアタシのコトなら、へーきじゃないノー?
 まだ一回も会ったコトないけど、実際あったらサッサと逃げるサ。割に合わンしネ」

実際に指令が出ているとはいえ、実にドライというか無責任な発言であった。

「まー、ネー。しょうがナイんで程々にハ仕事するってモンさ。
 給料と単位も貰ってるしネー。あと、同僚に小言言われるノは、流石に辛イ」

地味にみみっちいというか寂しい理由だった。

「うっわ、ずっけぇナー!? 大体、アンタ、聞くか、くらいシカ前置きしてなかっただロ?!
 ……ったく……っていうかサー。アタシにソレ振ってナニさせるつもりだヨ。
 話してテモわかるだロー。アタシはサボり屋の、適当主義者だゾ?
 期待ハズレもいいトコなんじゃないノ?」

小さな声で紡がれた声は、聞こえているのか聞こえていないのか……何も反応はしない

ウィリー > 「いずれにしてもタチが悪いには違いない」
憮然とした態度で、大きくため息をついた。友人の妹である以上あまり悪し様には言えないのだが……

「……そいつは重畳」ドライというより、大雑把で適当なのだろう。こう云う人間は非常に気楽だ。

「職務怠慢でクビにならない程度に頑張れよ。その同僚だって手が回らないからこっちにお鉢が回ってくるんだ。
 同僚と仲良くしたいなら必死に働くことをオススメするが」お冷をぐっとあおって、皮肉げに笑う。

「性根がひん曲がってるんでね、褒め言葉として受け取っておく。
 ……まあ、特別何をさせようって訳じゃない。あんたが戦闘要員になるかどうかも知らないからな。
 サボり屋で適当主義者なら尚更だ」

桜井たちとの共闘で怪異《蟻人》を打ち滅ぼしたあと、新たな怪異の存在が再び確認されているという。
これからウィリーはそれに備えねばならない。
不安が、あった。人の心を維ぎとめておけるかどうか。
闘争のたびに失われる理性、先鋭化する闘争心。
いずれはこの身も、魔術に飲まれて人では失くなるかも知れぬ。

だからはっきりと口にするしかなかった。彼が彼であるための楔を得るために。初対面の、だのに信頼できてしまった人へと。

「あんたに、俺が人間でいられるよう維ぎとめておいて欲しい」

園刃 華霧 > 「まー、ナー……しょうがないカラ、周りが気をかけてやらンといけないんだろーネ。
 その辺は、あの子の周りには優秀なル隣人がイそうだかラ多分平気じゃないかナ。」

周りにいた人間、彼女を大事にする人間を思い出してそう答える。
一人で奔放に放置されなければまあ、大丈夫だろう。

「ま、ソイツは精々頑張るヨ。流石にクビってのは困るしナ。
 同僚……は、まあちと真面目すぎンだヨ、アレ……最近姿見ないのが不安なんだけどナ。」

けけ、と笑う。皮肉も対して堪えていない模様だ。

「あン?じゃあ、どういうつモり……って……はい?」

思わず間の抜けた声をあげる。
どうせ流れとしちゃ、敵を狩るのに手を貸せ、とかそういう話だろうと思っていた。
ところがどうだ。「人間でいられるように継ぎとめておいて欲しい」ときたもんだ。
なんだそれ。まったく意味がわからない。

ウィリー > 「問題があるところには、えてして解決する人間も沸いて出てくる。確かに、何とかなりそうな気もしてはくるが」
目は離せない、というところだ。零への助力も忘れてはなるまい。

「姿を見ない? それこそクビの候補に上がりそうなもんだが
 ……いや、お前と違って真面目だっていうなら目こぼしもあるだろうが。
 風紀の人間がふらっと姿を消すって言うのはあまり、尋常沙汰じゃないんじゃないのか」
違反学生や浮浪者が消えるのとは訳が違う。
果たしてこの学園は、本当に危機意識というものを持っているのか――

「どういうつもりか? ……ああそうだな……わかりやすく説明しとくか
 異能と魔術、俺はどちらかというと魔術に傾倒してる。
 ガキの頃、ある魔法を得るために一つの試練を受けた」

明後日の方向を向く。

「試練の内容は……まあ、いずれ話すさ。それで得た魔法は、
 確かに強力無比で万能の代物だった。まともに使ってれば頭から理性が磨り減って、最終的に「俺自身」じゃなくなる点を除けばな」

一つため息をついて、向き直る。
「戦いは終わらない。この島にいる限り、そして俺の問題が解決するまではけして終わらない」

ウィリー > 「そんな事を考えるうちに、ここで眠っちまってたらしいが……」
周囲を見渡す。店員以外は誰もいない。

「……そうしたら初対面から、起き抜けにおちょくられた。
 奇妙なことに不思議と安心してたよ。正直妙な感じだったさ。
 何で、こんなに落ち着いていられるのかもさっぱりわからなかった。
 軽く言えば、きっと一目惚れなんだろう。外見も、何よりその中身にも」

「――突拍子もないことを言ってるのは百も承知だ。
 だから、あんたがどういう答えを返してくれてもいい」

「頼む。俺が俺でいるために……側にいてくれないか」

告白とも哀願ともつかぬ言葉を、うつ向いて言った。

園刃 華霧 > 「支える人間がイるヤツはまあ、それなりに強いサ。
 失敗しても、割とどーにかなるしナ。ま、それでも助けてやるのは悪くナイ。」

人が集まる人間っていうのは大抵それでなんとかなるものだ。
いわゆる人徳ってやつ。アタシにはないけどね。

「ン……まあ、そうなんだよナ……たダ、たまたますれ違ってルだけかもしれンし……
 いや、ちと探してみちゃいるンだが……ううン」

どうにも歯切れが悪い。
気にはなるが、アクションが起こしにくい、そんな感じだ。
要するに、単なる気のせいなのかもしれないし、よくわからない。
そういうことなのだ。

「ンー……要する二、理性を代償にした魔術って感ジ?
 使えば使うほど、人間を辞めていクってワケか。
 ロクなモンじゃないナ、ったく……」

どうしてまあ、自分の身を犠牲にする奴が多いのか。
こいつら、自分が可愛くないのかね。
まあ、それが人間ってモンなのかもしれんけれど……

「……あ? ちょ、チョ、ちょっと、まテ?
 は? え? あー……おい、アンタ、その、なンだ。
 正気か? 魔術で理性削らレてソレこそ狂ってないカ?」

いや、何言ってんだこいつ。
いや、言ってる意味は理解できる。理解できるが、納得出来ないっていうか、なんでこうなる。
一目惚れって、ちょっとおい。誰か、解説しろって、これ。なあ、おい

ウィリー > 「単なる家出か、それとも……か」ほんの散歩に出た人間に、捜索届を出すのは気が退ける、といった程度の理由であればよかったろう。
恐らくは、この都市の特性――異能に関わる問題――に違いない。二の足を踏むのはそこにあるはずだ。
「いずれにせよ、そのあたりは俺も調べてみよう。乗りかかった船だ」

理性を代償にした魔術。その言葉に、ウィリーは小さく頷いた。
「どちらかといえば、この魔術を得たときの反動がずっと続いている……とでも言えばいいか」

手のひらを閉じて、開いて。
「これを使うたびに、自分の闘争本能が先走っていく」
「勝てる見込みもない相手を、倒そうと身体が動き出す」

「それに飲まれるたび思う。このまま行けば、俺は俺ではない何かに、すげかわってくだろうってな」
掌をみつめて、また目をつぶる。

「正気じゃあないかもな。とっくにいかれてるだろう。
 俺が俺であるために、誰かを道連れにするなんて身勝手もすぎる」

「だけど、やっぱりあんたがいいんだ。
 初めて会ったばっかりで、大して話もしていない。
 人をおちょくるのが好きそうな、手抜きばかりの。
 それでもどこか、安心させてくれるあんたに」

「俺は側にいて欲しい」
ウィリー本人ですら、この気持ちがどこからきているのかわからなかった。
この手のことには非常に冷めているという自覚があったのに。

園刃 華霧 > 「あー、風紀の佐伯貴子って子ダ。それなりに知ってるヤツも多いんじゃないカとは思うケド……
 まあ、探してくれるナラ助かるヨ」

ちょっとだけ真顔になって頼む。
それだけ気にしてははいるらしい。

「ンー……アー…………………
 よーするに、アレか? 使えば使うほど、戦闘狂みたいになってクってことカ。
 で、なんダ。人を辞めていくノが怖いし、どうにか留まりタイ、と。
 それで、何。楔がアタシだっテ?
 だカラ、側にいて欲しい、って?」

とりあえず、ちょっと混乱状態を元に引き戻した。
というより、話を整理していくことで混乱を無理やり落ち着けたのだ。

ウィリー > 「ああ、名前は聞いたことがある……会ったことがあるかは覚えてないが」
あまり気分のいい話ではない。なるべく早く、見つけ出すべきだろう。――研究機関、秘密組織、その他衆々ごろごろとしている気味の悪いものの手の中にあったりでもすれば……。

目の前の女が必死に内容をまとめているのを、題に皺を寄せて待っている。怒っているとかではなくて、
自分でも突拍子のないことを言ったと自覚しているからである。

「おおよそは、そんなところだ。使わなきゃならない事態
 この島の中のいつでもどこにだって転がっている。
 ……だから、この力を使わない選択肢はない
 使うべき時には、惜しまず使ってどこかの誰かを守りたいと思う」
理由を訥々と語る。なにより、この魔術を得た事情を鑑みても、これを封印するつもりはさらさらなかった。
「……ここまでが、魔術の話。難しいことはここまで」

「楔……ああいや、これも言い方が悪かった。すまない。
 俺はどこかの誰かを守るために、力を使う。
 そのことに何の疑問もないし、これからもそうありたいと思った」

「でも、あんたとほんの少しの時間を共有して……気楽に、肩の力を抜いて生きてる姿を見ていたら……」
めったに見せない表情。少し照れたような笑顔で頬をかいて。

「あんたの隣を、歩いてみたくなった。あんたと一緒に笑いたくなった」
「そう思ったら、不思議と気持ちが穏やかになったんだよ」
「楔なんて難しい言葉抜きで言えば、いまこんなに人らしい感情を引き出してくれてるのははあんただって」

「まあつまり、一目惚れで、好きになってしまって。
 そのおまけが魔術に影響を及ぼしてるとかそういう事
 なんだと思う……え、ええと……
 どうだろう、多少はわかりやすくなったか?」
普段自警団として町を闊歩している、強面の男の影はそこにない。
あるのは、年頃よりも少し若い思春期の青年の姿だった。

園刃 華霧 > 「ま、そこそこ有名だろーからナ……うン、そこは頼むヨ」

ちょっとだけ手を合わせる。

「はン……まー、魔術をを手に入れた事情、とかは、まー聞かないケドさ。
 ふーン……なるほどネ……」

語られる言葉を吟味して考える。
まあ難しい話は……分からないではないけれど、面倒だからシャットアウト。
要するに中身はとてもシンプルで……

「まア、言いたいことハよくわかっタ。
 そーだナ。ンー……」

少し、考える素振りをする。

「答えは、お断り、ダ。
 そーンな重い話、いきなり一女子にふられてもナー」

ざっくりと切り捨てる。容赦も何もなかった。
しかし、顔は、といえばニタリ、と面白そうに笑っている。

「……ケド、ま。それもかわいそーダ。
 アンタは、アタシに何を与えられル?
 なにしろ、聞いてリャ、アタシがソッチに施すような話ばっかりじゃナイかネ」

そう、問いかけた。

園刃 華霧 > 「……」

しばし、返答を待つ。
待ってみる……が、まあ……そうそう返事できないよな、これ。
第一、いきなりお断り宣言を出したわけだしなあ……
ショックで飛んでたりする可能性もあるわけだし。
実際どうだかは、相手の様子からはよくわからない。

「ま……いーヤ。
 なーんカ、答えがデたら教えてヨ。
 まあ答えがデません、でも構わんけどサ。」

そろそろ助け舟を出さないと、このまま睨めっこのような何かが続くだけだ。
それはさすがに色々と気まずい(特に店員に向けてだ)。
それと、あんまり長引きすぎて知り合いにでも遭遇したら、それはそれで……その、なんというか……恥ずい。

「ほレ、連絡先。やるからサ。
 まあじっくりデモ、さっくりデモ……好きに考えてクレ。
 んじゃ、お先……ナ。」

連絡先を書いたメモを押し付け、後は相手の顔も見ずに席を立つ。
一瞬考えたが流石に自分の伝票は持って出て行く。

「…………」

店を出るとき、振り返ろうか考えたが……しかし、それはやはりやめにした。
ま、頭を冷やしたら気の迷いだったって分かるかもしれんしね。
今は変に引っ張らないようにしよう。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から園刃 華霧さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からウィリーさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にウィリーさんが現れました。
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