2015/08/10 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」にやなぎさんが現れました。
やなぎ > 昼下がり。
青年が一人、蒸し暑い中ここへと避難してきた。
少々こんでいるものの、すんなりと隅の二人席に座れた。
すぐにアイスティーを頼んで待つ。

ある人物を探しているのだが、
軽く聞き込み調査をしてみても有力な情報は得られなかった。

「まぁ、世間は夏休みだよなぁー…」

やがて運ばれてくるアイスティーを片手に、ためいきをついた。

やなぎ > 予定はないし、昨日一晩で起こった出来事をゆっくり考え直してみようか。
紙とペンをとりだして書き込みはじめる。

『・不審者の格好したアヤシイ少佐から女学生の秘密捜索依頼。(スキャンダルか!?)
 ・なんか消えるかもしれない。消えたらあの部屋にいけと言われた。(まさか見つけたら一緒に遠くに逃げる気では!?)
 ・話してる途中に知らない人が来た。
 ・逃げろと命令を出された。
 ・花火大会?銃弾痕?血?(でも少佐はあやしい)』

「・・・・」

ここまで書いたのだが、やはり情報不足なのと脳が足りてないのと…
何よりもきたない自分の字を見る気になれなかった。

やなぎ > どんなに考えても『少佐がアヤシイ』にしかたどり着かない。
それに悪い予感しかしない。自分の悪い予感はだいたいあたると自負している。

…まずは一つ、争いが起きたことは事実。
それには少佐もかかわっている。

重く、ため息をついて冷たいアイスティーを飲み干す。
少しばかり頭がきーんとした。

自分の身内が、平和な学園内で何をしたのやら。
わたしの給料はどうなるんだ。
…いや、確かに問題だがそれはおいといて。

わたしの立場はどうなる?

もし彼女(探し人)の手掛かりを入手したとして、
それを少佐に報告してもいいのだろうか?

ご案内:「カフェテラス「橘」」にヨキさんが現れました。
ヨキ > (チャラい。
 チャラいとしか言いようのない様相の男が、カフェテラスへ入ってくる。

 アイスティーとチョコレート入りのスコーンが載ったトレイを手に、店内をぐるりと見渡す。
 ひとり肩を落とす少年の姿を見つけて、歩み寄る)

「おや、君……。
 確かシインのところの、補佐の子ではないか。今日はひとりかね?」

(普段と服装がまったく違うことも気にせず、気さくに声を掛ける。
 『相席、いい?』とばかりに言外に小首を傾げる動きも、またチャラい)

やなぎ > もうだめだ、オシマイかもしれない。
それならいっそ自分だけ帰ってしまおうか?
しかし他人に迷惑をかけるのは嫌だ。でも…

などと一人悶々としていると、自分のよく知る人物の名が出て来て顔をあげる。

声の主の全身を眺めて…

「あ、はい。やなぎです。席あいてますのでどうぞ。」

ちょっと青ざめながらそう言った。

ヨキ > (了解を得て、では、と椅子に腰を下ろす。
 紅茶で一口喉を潤して、相手の尋常でない様子を見遣る)

「美術のヨキだ。
 …………、どうかしたか?
 飼い主に捨てられた犬のような顔をしているぞ」

(犬がヒトを犬に喩えた。
 『自分が教師であること』は、生徒を蒼褪めさせる要因の範疇からはまるきり外れているらしい。
 その語調は、友人のように気安い)

やなぎ > 「よ、ヨキさん…先生。」

上官が軍の授業を行っていることは知っているのだが、自分は補佐どころか教室にすら入ったことがなかった。
おまけにこの学園の教師の名ですら頭にない。

…このチンピラめいた人は生徒ではなく先生だったのか…

「…そんなふうに見えますかね。」

声を落としてそれだけ言った。
それは自分の結末の一つなのかもしれない、とそう予感させる言葉だ。

ヨキ > (名を呼ばれ、頬をスコーンで膨らませながら頷く。
 もそもそと咀嚼し、飲み込み、紅茶を飲む)

「ン。そうだ。シインと言えば、あれでなかなか目立つであろう。
 その補佐役と聞いていたから……着任の頃、君も随分と印象に残った」

(少年の声が暗い。
 ううん、と低く唸って、じっと相手を見る)

「どう見てもな。
 あるいは空が丸ごと落ちてきたか、明日世界が破滅すると言い渡されたような顔だ。
 花の夏休みに、何か悪いことでもあったか?」

やなぎ > 「そうでしたか…」

さぼって顔すら出していなく、自分の存在もほぼ残ってないだろうと思っていたため、わりと名前が浸透していたことに驚く。

つまりは、シイン少佐の補佐として。

「夏休み…そうですね、世間は夏休みです。
そんな日に世界が終るだなんて誰も考えたくないものでしょうね。ですが…
……ヨキ先生はご存じですか?ある生徒の身に何かあったのを。」

沈む気持ちをおさえる。まずは情報あつめだ。

通りかかった店員にアイスティーを追加で注文した。

ヨキ > 「ずっと見ているとも、この学園のことはな。
 学園に一度でも籍を置いたものは、みなヨキの仲間だ」

(穏やかに笑う。
 割ったスコーンからひときわ大きなチョコレートの欠片が覗いて、一瞬だけ顔が輝く。
 うまそうに頬張って、『ある生徒』の話に視線で天井を見る)

「……うむ?
 この学園は、いろんな生徒にいろんなことが起こるからな……。

 直近の回覧で回ってきた、あの話のことかな。
 二年の四十万君という女の子が、『公園で事故に遭って入院した』と。

 詳細や経緯は調査中、と書いてあったな。
 それのことか?」

やなぎ > 図星だ、と言わんばかりにわかりやすい表情をした。

「そうですっ!何か他に知っていますか?例えば……」

途中で頼んだ物が来る。
それを手に取りながら少しばかり沈黙して

「…その女学生がどこで入院しているとか。」

焦りと不安を隠すように、アイスティーを半分まで一気に飲み干した。

ヨキ > 「入院先?
 詳しいことはヨキも聞いておらんが、どうやら重症だったらしいからな。
 この辺りで大怪我といえば、あすこではないかな。学生街の……」

(言って、学生街にある病院の名のひとつを口にする。
 地元民らしく、迷いのないチョイス)

「何だ、君も四十万君と知り合いか?
 ヨキも見舞いに行こうとは思っているのだが……、何せ落ち着いてからがよかろうと思ってな」

やなぎ > 「なるほど、学生街にある……ですね。ありがとうございます。」

飲み物を置き、すかさずメモをとる。
きっと詳しい人なのだろう、その病院に彼女がいる可能性は高いとみた。

「その、知り合いではないのですが、いち先生として知っておくべきだと思いまして。補佐と言っておきながらロクに仕事をしてませんでしたから…」

なんて誤魔化すように笑ってみせる。
全く本心ではないのだが。

ヨキ > 「ヨキも働きづめで倒れたときには、あの病院に世話になってなあ。
 君のところのシインは、機械の身体なのだろう?
 手入れは必要であれ、倒れる心配がなさそうで羨ましい……」

(……などと、やなぎがメモを取る様子を見ながら、中身のない話をつらつらと並べる。
 少年の心中など、知る由もなしに)

「ああ、結構結構。よいことだ。
 教師として、その補佐として、生徒の身を守り、案じることはいちばんの仕事であるからな」

(笑う。最後に残った二口分を、大きな口が一口でぺろりと頬張った)

やなぎ > 「そうらしいですね。実のところ詳しくは知らなくて。見た目なんて人間となんら変わりはないですもん。ヨキ先生はええと……この夏休み、ごゆっくりなさってください。」

それに返事をしつつ、メモを書き終えてポケットに突っ込んだ。

「かれらを守れるのはやはり、わたしたち先生の役目ですからね。
…さぼってる自分が言うのもナンですけど」

何かを美味しそうに食べてる彼の顔を見てうわべだけの笑顔を見せた。
ずきりと、心が痛む。

ヨキ > 「はは。あれは女の髪を植えて作ったように、綺麗な姿をしているからなあ」

(陰りのない顔で評し、気遣いの言葉に礼を言って紅茶を飲む)

「その『サボっている』という自己評価、もしやシインを基準にしているのではあるまいか?
 彼はなかなか有能に仕事をこなしていそうだから。

 ……君は、彼の補佐の任に就いて、どれくらいになる?
 機械が人間のサポートをするのはよくある話だが、その逆ともなれば、違った苦労も多かろうと思ってな」

やなぎ > 「ええっと…」

思わず言葉をつまらせた。

「補佐になってからは日は浅いのですが、人だろうと機械だろうと同じ仲間ならば常に追いついてないと…。それ以前にわたしは出気が悪いものですから、余計に。なので心配ご無用です」

たははと短く笑う。

ヨキ > (ゆったりと笑いながら、会話を続ける。
 近くの給仕を呼び止めて曰く、『白玉ぜんざい一つ』。まだ食べる気でいるらしい)

「そもそも……機械が本当に有能ならば、補佐など要らんはずだ。
 機械とは、人間のサポートのために、あるいは人間を不要とするために発展を続けてきた代物だからな。

 ヨキはシインのことを、未だほとんど知らぬが……危惧はしている。
 君のような歳若い少年を『補佐』に使っていること、学内で軍事の授業を行っていること」

(やなぎの笑い声につられて、ふっと笑う)

「まあ、彼のことだからな。杞憂に過ぎんだろう。
 君とて今のところ、上官について心配していることは特にないのだろう?」

やなぎ > 彼の発言にはそういえば、と納得がいくものがあった。
物を頼まずに話を続ける。

「確かに。むしろわたしみたいなのがいたら足手まといですよね。わたしが補佐というより、シイン先生が補佐かもしれませんけど。
授業内容については…ううん」

そこまでは聞いたような聞いてなかったような。
心配している事はないのだろうと言われれば、、

「…今のところはありません。誤動作とかそういうのもなく、完璧ですから」

ばかでかい心配のタネが1つあるのだが、それは言うべきではないと飲み込んで。

ヨキ > 「逆に言えば、『君のような人間こそが、彼にとって必要だった』とは考えられんかね?
 軍のように統制された組織が、君を彼の補佐に配したのだ。
 足手まといとは思わず、誇りにしたらいい」

(間もなく運ばれてくる白玉ぜんざいに、隠すでもなく表情を輝かす。
 抹茶アイスと小豆に白玉を混ぜ込んで、ぱくりと一口)

「うむ。美味い。
 ……ふふ、完璧か。君が言うなら、そうなのだろう。

 ほれ。つい最近、そういう映画を観たばかりでなあ。
 世界を統治するマザーコンピュータが、突然暴走を起こして人間を襲い始めるとかいう……パニック映画」

(一緒にしてはシインに失礼か、などと笑いながら、甘味に顔を綻ばせた)

やなぎ > 「ええっ!?いやいや、きっとそんなんじゃないですって!……自分のできる精一杯で努力します。」

もしそうだったら。少し嬉しくなってくるのも事実。

でもあの少佐の事だから―

「あぁ、SF映画でたまにあるような。
突然といっても原因はあるわけで、ウイルスでも送り込まれたりとか……。でも脳ともいえるコンピューターが暴れだしたらわたしたち人間に止められるのでしょうかね?」

ちら、と時間をみる。
そろそろ夕暮れ時だ。

ヨキ > (やなぎが慌てる語調に、可笑しげにくつくつと笑う)

「そう、大体は人災であったりとか、思いもよらないウィルスや、バグであったりする……
 止められるかどうか、って?

 はは、平凡な人間の集まりならまだしも、ここは映画に勝るとも劣らぬ常世島だよ、やなぎ君。
 一騎当千の武芸者から、ハイパーでクレバーなエンジニアまで選り取り見取りだ。

 それに現実ならば……犬が零すコーヒーや小便に、コンピュータは勝てない、と相場が決まっている」

(冗談めかして肩を竦める。
 時計を見遣る彼を横目に、ぜんざいを一口、二口。
 しばらくはゆっくり味わって、独りでも居座る心積もりであるらしい)

やなぎ > 「…そうですね。龍の尻尾を持つ人や獣人、魔法のような能力を持った人たちが集まっています。皆で協力すればマザーコンピューターにも勝てるかもしれません。」

薄くわらって。でもそれが本当ならば…
とても恐ろしい。

「犬って…防水加工ぐらいきっとされてますよ。」

次は声に出して笑った。

「…と、もう少し話していたかったのですが、
わたしはそろそろこのへんで。」

ヨキ > 「勝てるかも知れない、ではないさ。勝つ。
 コンピュータのソフトウェアが、チェスや将棋にどれだけ強くなろうとも……。
 機械は、人間に勝てるものではない」

(やなぎと異なり、何も心配することのない、勝算ばかりが浮かぶ表情で大らかに笑った)

「ああ、また話でもしよう、やなぎ君。
 君のところのシインにも、よろしく伝えておいてくれ。
 このヨキが、世間話をしたがっていたとな」

(話を止めるやなぎに向けて、ひらりと手を振ってみせる。
 未だ彼らに何が起こっているかも知らず、のんびりと穏やかに。
 白玉ぜんざいに舌鼓を打ちながら)

ご案内:「カフェテラス「橘」」からヨキさんが去りました。
やなぎ > 「ええ――
伝えておきます。それでは」

丁寧に礼をし、その場をさった

ご案内:「カフェテラス「橘」」からやなぎさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に派鉄さんが現れました。
派鉄 > 男が、カフェで本を読んでいる。
本というよりは、何かの手帳のようにも見える黒い本である。

「…………。」

その顔は無表情であり、考えを窺い知ることは出来ない。
時折、手元のフォークをくるくると弄んでいる。

派鉄 > (……はて、さて。
 あの二人は何やら面倒事に巻き込まれているようだ、という情報は収集できた……
 が、そこからどう収束すべきか?)

ぱらぱらと、ページを捲る。
頼んでいたケーキが届いてから、しばらく経ってしまっている。
その表面のクリームは少し乾き、この男がどれだけ長時間店に居座っているかを示す。

「……全く、面倒なことを……。単純なフォローだと思っていたのに。」

派鉄 > 男の名は、『時雨間 派鉄』。
この島に訪れたとある軍人と同軍に所属している、特殊部隊の隊員である。
と言っても、潜入などが主な任務でそれ以外の軍人じみたことはほぼしていないのが実態だが。

本来ならばこの二名のフォローのために派遣されるはずだったのだが……
そのうちの一人が、何やら問題を起こしたご様子。
それでもフォローを行わなければならないのが、仕事の辛いところである。

「やっぱり、あの方の脳天に鉛球打ち込んだほうが早く済むのではないかな……」

ぽつりと、本音かジョークか分からない言葉を漏らした。

派鉄 > 数分後、唐突に本を閉じる。
そしておもむろにケーキにフォークを突き刺したかと思うと、そのまま丸ごと持ち上げて逆さに持ったまま食べ始めた。まるで串カツである。
その合間にすっかりぬるくなったコーヒーで喉を潤す。

「まったくもう。」

そのまま、料金を支払ってカフェテラスを後にする。
あの二人は会ったら何度かぶん殴ろう。そんなことを適当に考えながら。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から派鉄さんが去りました。