2015/09/13 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に『ウィザード』さんが現れました。
■『ウィザード』 > 他の英霊達は暴れているが、『ウィザード』はまだ大きく動こうとはしない。
故に、今日も単に一人の客としてこのカフェテラスに訪れただけだ。
テラス席のひとつを陣取る『ウィザード』は、りんごジュースが入っているグラスに口を付ける。
『ウィザード』は赤い魔女帽子を深く被っており、その表情が見え辛くなっている。
この平和ボケした空間が気に入らない。
今すぐにでも、ここの人達を殺し尽くしたくもなる。
「『ハンター』の馬鹿はともかく、『モンク』と『プリースト』ですら誰ひとり殺す事が出来ずに逃げ帰ったというのか。
ふん。つくづく思い通りに事が運ばぬものだな」
表情は見え辛いが、静かな苛立ちとも思えるオーラを漂わせている。
だが冷静になろうと、すぐに気を静める。
■『ウィザード』 > 昨日、異邦人街で起こった暴徒の騒ぎ。
あれは『プリースト』の仕業だ。
昼頃、その『プリースト』と接触し、その時得た情報を聞き出した。
「『ハンター』の奴を返り討ちにしたのは、ユキヱという女と破壊神を名乗る者だったか。
そして昨日、『プリースト』の邪魔をしたのがオッドアイの男と破壊神、黒髪のロリっ子に赤髪のショタっ子」
詳しい容姿情報を聞く限り、オッドアイは以前接触したリビドーという男の可能性もある。
ふん。リビドーめ、やはり七英霊に立ちはだかろうとするか。
他の『プリースト』の邪魔をした三人や『ハンター』を斬ったユキヱという女もやはり警戒せねばなるまいか。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にダナエさんが現れました。
■『ウィザード』 > この島には強い奴が大勢いるものだ。
きっと『ナイト』の奴は喜ぶぞ。
りんごジュースに再び口をつけると、そのすっきりとしたあまさが舌に伝わる。
「これ程に美味なりんごジュースを提供できる店だ。
そんな店での虐殺の快感は、さらに美味しいものとなる。
早く私も、それを味わいたいものだが、今は我慢をせねばなるまいな。
一時の感情に任せて暴れまわるのは、『ハンター』のような馬鹿のする事だ。
私には計画があるのでな。
策の準備が出来き次第、じっくりと人々が阿鼻叫喚し、死にゆく様を楽しむとしよう」
誰にも聞こえない声で、そう呟いた。
■ダナエ >
──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス
引きつった顔の店員に案内され、店内を歩いてくる異形の騎士。
テラス席に案内され、赤い帽子と服の少女と相席になる。
少女の不穏な発言は聞き取れないものの、何か呟いたのは見て取れた。
少女の斜め向かいの椅子を引きかけた手を止めて、
「相席しても……良かっただろうか?」
■『ウィザード』 > そこにやってきたのは全身鎧の人物。
マントはなぜかボロボロである。
面甲は上げているので顔は確認できる。
女性のようだ。
魔女帽子を深く被っていた『ウィザード』は、顔を上げてダナエの姿を確認する。
「ああ。構わぬぞ。
それにしても、この町中でその鎧姿は目立つな。
どこかの騎士か何かか?
マントがボロボロなのも少々気になる所だ」
深く被っている魔女帽子でダナエからはその表情を確認し辛いだろう。
■ダナエ > 構わぬぞ、との言葉にあからさまにほっとして、
「そうか、すまない」
相席したくないと思われても仕方のないこの身なり。
安心して椅子を引き、だが座らず、立ったまま。
「ああ、重騎士だ。ここではない国のな。
マントは……長旅で、擦り切れてしまったのだ」
あいにく繕いものは苦手で、と答えて、少女の服装を見下ろす。
相手の表情が確認できないので言葉を選びながら、
「そういう貴公も、なかなかに……目立つ格好ではないか?
魔術の使い手と見受けるが、如何か」
■『ウィザード』 > ダナエは鎧の騎士。
されぞ『ウィザード』も魔女衣装の魔術師。
まるでどこかのファンタジーから飛び出たかのような光景にもなりそうだ。
目立つ格好というのは、お互い様であるかもしれない。
「他の国、ヨーロッパあたりか。
あるいは、異世界という事になるな。
重騎士という事は、祖国の君主に忠誠を誓っている立場か」
臣下の前で君主を殺してみるのも面白いものがある。
恋人を目の前で虐殺する快感に似ているだろうか。
「長旅で擦り切って尚新しいマントに変えぬという事は、何か思い入れでもある物なのか?」
ボロボロなら、繕い物が苦手でも新しい物を買えばいい。
それをしないという事は、何か理由があるのだろうか?
「私はこの服装が気に入っているのでな。
見ての通り、魔術は得意分野だ。
貴様が重騎士なら、私はご覧の通り魔術師と言ってもいいだろう」
■ダナエ > 少女の言葉に頷き、
「その通りだ、異世界から『門』でここへ来たのだ。
もちろん、国王陛下と陛下に連なる御方々には忠誠を誓っている。
主君のいない騎士など騎士ではない」
まさか少女にそんな残酷なアイデアを練られているとは、
露ほども疑わず胸を張る。
マントを引っ張り、軽く少女に背中を見せるようにして。
ぼろぼろのマントには、
色褪せてはいるが騎士団の紋章が縫い付けられている。
「……これは私の騎士団の紋章なのだ。
そうそう買い換えられるものではない」
「やはりそうか、魔女というわけだな。
……ひょっとして、貴公も異邦人だろうか?」
帽子の下から覗く髪の色を見て、尋ねてみる。
立ったままメニュー表を睨み、たっぷり悩む。
チラリと少女の手元のりんごジュースを見やり、
「美味そうだな。それは何という飲み物だ?」
■『ウィザード』 > 「異文化的な雰囲気は漂わせているとは思ったが、やはり貴様は異世界の住民だったか。
私は、主君のいない騎士を知っているぞ。
貴様の言い分によると、そいつは騎士の定義には当てはまらぬという事だな」
七英霊の一人『ナイト』の顔を思い出しながら少しずつ口が歪み、ダナエの話を聞いて声も出さずに嘲笑う。
「その忠誠を誓った陛下のために、この地まで遥々遠征か?
もしそうなのだとすれば、ご苦労な話だ」
背中を向けるダナエに、『ウィザード』はやや顔を上げてその瞳を見せる。
そこには、何らかの紋章が縫い付けられていた。
「貴様の所属する組織の紋章か。
分からぬな……そんな物に拘る必要がどこにある?
紋章が刻まれていても、今やそれはただのボロい布切れでしかない。
新しい物に買い替えた方が、幾分合理的だろう?」
『ウィザード』に騎士道や忠誠心、帰属意識なんてものはなかった。
異邦人かどうかと聞かれると、再び表情が見えない位置まで視線を下げる。
「異邦人か、そうなるな。
だから私は、この世界についてあまり知らないのだ。
だが、これから知っていこうと思ってな」
半分嘘が混じっている。
『ウィザード』はこの世界についての情報はかなり把握している。
情報収集が捗っているという事だ。
だが知る事を求めるのは事実であり、異邦人である事も真実だ。
「突っ立っていないで貴様も座ったらどうだ」
立ってるままのダナエにそう提案する。
「この飲み物か、りんごジュースというものだ。
りんごという果物は知っているな?
それをジュースにした飲み物になる」
異邦人という事で彼女はこの世界について知る事も少ないかもしれない。
なので、りんごジュースの説明も付け加えた。
■ダナエ > 「主君のいない騎士?
ほう、興味深いな。
主君を亡くしたということだろうか。
それでも国は残りそうなものだが……
国も滅びたのか?」
同じ騎士として興味をそそられる。
「私が好き好んでこの地に来たのではない。
この地が、あの忌々しい『門』が、私を呼んだのだ」
力強く主張する。
「ボロ……、っ!
こ、これは合理性の問題ではない、
騎士としての信念の問題なのだ!
貴公にも一つくらい、思い入れのある物はあるだろう?」
ボロいと言われ一瞬絶句。若干怒りながら。
この世界についてあまり知らない、
これから知ろうと思うという言葉を鵜呑みにして共感。
「その気持ち、分かるぞ。私も同じだ。
……私はダナエ。今は学園に通う生徒だ。
貴公の名を聞かせてもらえるか?」
のん気に微笑み、自己紹介。
着席を勧められ、手を軽く振る。
「ああ、この鎧は重すぎるのでな。椅子を壊しかねん」
りんごジュースの説明には真剣に聞き入り、
「なるほど。丁寧な説明、感謝する」
さっそく、と通りがかった店員を呼び止めたところ、
一瞬だけだがぎょっとした顔をされてしまう。
内心傷つきながらも普通に注文。
「……りんごジュースを一つ頼む」