2015/12/18 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 「う…寒っ。
そろそろもう少し厚手のコートを出さないとダメかしら…」

放課後。
蘭はコートの襟元を手できゅっと寄せながら、やや早足で「橘」に飛び込む。
そして、窓際の席に腰掛けた。
日差しはかつての強さを失っており、色素の薄い蘭とはいえ、寧ろ陽の明かりが恋しくなっているのだ。

「えーっと、ホットのキャラメルティーと、焼き菓子のセットをお願いします」

軽く注文を済ませてしまうと、テーブルの上に勉強道具を広げる。

美澄 蘭 > そろそろ、冬休みが近い。
蘭が受講している「数学基礎」は、発展的な内容を扱わないとはいえ1年で数学ⅠAからⅡBまで終わらせてしまうという狂気のカリキュラムだ。
そのため、冬休み前には微分・積分も終わらせてしまうということになっている。

(…まあ、ややこしい考え方が色々出てきたから、いい加減慣れてきたけどね)

そんなことを考えながら、講義ノートと課題のプリントの間で視線を往復させて内容を確認していると、頼んだお茶と焼き菓子が運ばれてきた。

「あ、ありがとうございます」

そう言って、勉強道具を押しのけてお茶とお菓子を置くスペースを作る。

美澄 蘭 > まずはティーカップを手に取り、紅茶を一口。
キャラメルの甘く温かい香気が、寒さで縮こまった身体をほぐすように染み渡る。

「………」

ほう、と1つ幸せそうな息を吐き…少しの間余韻を楽しんだ後、蘭は改めて課題に向き直った。

美澄 蘭 > 黙々と課題を解き進めていく。
時折、ペンを動かすのに疲れた手を暖めて癒すかのようにティーカップに手を伸ばしてはしばしキャラメルティーを少し楽しんで、また課題のプリントに向き直る。

その繰り返しを15分ほど続けたところで、焼き菓子に手を伸ばした。
小振りなフィナンシェを、半分ほど口に入れる。甘いものを口にするささやかな幸福感に頬を緩めて、もう一口で食べきる。

「…おいし」

満足そうにそう漏らすと、再び課題に向かう。

美澄 蘭 > と、黙々と課題を進めていた手が止まる。
ティーカップを手に取って紅茶を一口飲んでから、講義ノートを確認する。
公式か何かを確認しているようだった。

「えーっと…」

ほっそりとした白い指で公式をメモした部分をなぞる。
納得したのか、軽く頷いてまた問題を解き進め始めた。

美澄 蘭 > (…そういえば、まだ年末年始の帰省の連絡実家にしてないなぁ…)

実家の周辺の所々ではあまり印象の良くない蘭ではあるが、少なくとも表向きは全員が敵というわけではないし、何より家族仲は良好だ。
去年までクリスマスはずっと家族と過ごしてきた蘭だけに、クリスマスに間に合うように帰省するか否かはそれなりに重要な問題だった。

(1人でケーキ食べても、面白くないしねー…)

そんなことを考えつつ、手はしっかり課題を進めている。
文字式の整理に苦手意識が無いので、やり方さえ掴んでしまえば他の考え事をしながらでも計算の手が動くのだ。

美澄 蘭 > (今度、この島でやるクリスマス関係のイベント調べてみようかなー…)

そんなことを蘭が考えながらティーカップに口を付け、焼き菓子を口に運ぶ。
魔法も異能も、何でもアリのこの島だ。
宗教的に衝突する人はいるかもしれないが、お祭りが出来るならば、本土の比でなくきらびやかで、夢のようなことが出来るに違いないのだから。

美澄 蘭 > そんなこんなで、お茶とお菓子を少しぶりに楽しみ、課題を進めて。

蘭はきりのいいところで席を立って勘定を済ませると、「橘」を後にしたのだった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から美澄 蘭さんが去りました。