2016/02/11 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > ティータイム。
魔術の訓練帰りに、蘭はカフェテラスに立ち寄ったのだった。

「こんにちは」

そう言って店内に入り、窓際の、日差しが当たる座席に腰掛ける。
日の出ている時間は徐々に長くなってきていて、太陽は次第に力を取り戻しつつあった。
…それでもまだまだ外は寒いし、日差しも、蘭が忌避するほど強くはない。

美澄 蘭 > 席に腰掛けると、コートを脱いで脇に置く。
その上にブリーフケースを置いた。
ちぐはぐに見えるが、軽く勉強もしたいと思ったので、荷物が下にあると不便だと思ったのである。

(何か面白いメニューないかな…)

ふと思い立って、何となくメニューを手に取ってみてみようとすると…

「…あ」

そこで、蘭はカフェテラスのバレンタインメニューと…バレンタインデーが近づいている事に気付いたのだった。

美澄 蘭 > (…バレンタインね…)

蘭にとっては、バレンタインは
「お世話になった大人の男性に日頃の感謝を込めて(母と一緒に)手作りしたお菓子を渡す日」
である。基本的には、父と祖父と、ピアノ関係でお世話になった人が対象だ。

(今年は…どうしようかなぁ…)

手作りする事は、あまり考えていない。
…そもそも、蘭が一人暮らしをしているアパートには、お菓子の手作りを出来るほど料理用の道具を充実させていないのだ。

(通販を通じてお父さんとおじいちゃんに送るのは………支払いとかを考えるとそろそろ間に合いそうにないし、そもそも送料とかで気を遣わせちゃうかしら?)

そんな事を考えつつも店員を呼び、

「すみません、シナモンアップルティーと、チョコレートケーキをお願いします」

自分はちゃっかりバレンタイン仕様のメニューを楽しむ事にしたのだった。

美澄 蘭 > 注文したものが届くのを待つ間、ブリーフケースから古典基礎のノートを取り出して、ぱらぱらと眺める。
夏休みに文法の自主学習に力を注いだ事もあり、講義をだいぶ余裕を持って聞けるようにはなってきていた。
古典常識などについてのメモも、大分充実している。

(学年末は…そこそこいけそうね。
…でも、バレンタインどうしようかしら。お父さんとおじいちゃんにはちょっと厳しそうだけど…)

ノートに目を通しながら、やっぱり頭の片隅でバレンタインの事を考えている。

蘭は、普通の女子にはあるだろう「同じ学校の生徒に送る」という経験が無い。
そこまで、男子と親しくなったことがなかったのだ。
この島に来て、連絡先を教えてもらっている男子生徒がいることなど、中学校時代の蘭からは考えられない事なのである(なお、祖父が若干複雑そうな顔をした)。

(…でも、急に送っちゃったら困らないかしら…?)

困ったように眉を寄せていたところで、頼んでいたお茶とケーキが届く。

「あ、ありがとうございます」

眉間の皺を取り払って礼を言い、テーブルに置いてもらった。
見ていたノートをブリーフケースの上に乗せる。