2016/03/23 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 寒暖揺れ動きつつも、徐々に日差しが暖かさを増しつつある放課後。
蘭は、カフェテラスを訪れていた。
「こんにちは」
店に入ってそう声をかけると、窓際の席に腰掛ける。
■美澄 蘭 > メニューをぱらぱらと眺めて…そして、店員を呼び注文。
「ホットのキャラメルティーにミルクをつけて…あと、焼き菓子のセットをお願いします」
店員が奥に引っ込んでいくのに伴いブリーフケースから取り出すのは、勉強道具ではなくて手帳だ。
そして、横にスマートフォン型の端末を並べる。
■美澄 蘭 > 前期若干振るわなかった講義も成績が伸び、後期の試験の結果は蘭にとって概ね満足出来るものだった。
来年も更に自分の知識を、能力を拡張すべく、時間割を組もうという算段である。
端末を操作し、シラバスのサイトを呼び出したところで…注文した品が届いた。
「ありがとうございます」
礼を言って、少しだけスペースを空けて置く場所を作る。
いつもほど幅の取るものは置いていないので、作業にもほぼ支障はなかった。
■美澄 蘭 > まずはキャラメルティーを、その香りを楽しみながらストレートで一口。
その後、ミルクを入れてかき混ぜながら、思案する。
(今年取らなくて、魔術に役立ちそうな生物と物理は絶対取るとして…)
(大学に進むことを考えると、英語はもうちょっとやっておきたいし…)
(あ、第二外国語も楽しそうよね。何が良いかしら?)
かき混ぜたミルクティーを口に運び…ふと、思い至る。
(…あ、その魔術のコマを考えるの忘れてたわ)
ティーカップをソーサーの上に置き直すと、シャープペンシルを手に取ってメモ帳の白紙のページを広げる。
■美澄 蘭 > (いい加減治癒魔術も講義でしっかり勉強したいし…)
(あ、概論も続き取りたいなぁ)
(あと、くくる先生の魔方陣学も取りたいから、それに合わせて数学も受けて…)
「………」
メモ帳の上を走らせていた、シャープペンの手が止まる。
(………流石に、これ全部は厳しくない?
獅南先生の講義は結構予習復習の時間取るし)
コマ数は常識的だが、難易度が随分飛んでしまったような気がしていた。
とりあえず、固まってしまった思考をほぐすのを兼ねて、フィナンシェを1つ頬張る。
■美澄 蘭 > フィナンシェを食べ終えて、ミルクティーを一口。
(…第二外国語は、まだチャンスがあるだろうからまた今度かな…
その分、くくる先生の魔方陣学についていくための講義を1つ入れて…)
くくる先生の魔方陣学の講義は、幾何学もだが確率物理学も前提としているらしい。
シラバスの情報を確認して、蘭は履修予定科目のリストを書き換える。
(…何か、随分理系よりのカリキュラムになった気がするわ…
魔術を理論的に理解するってこういうことだから、仕方ないんだろうけど)
別に、蘭は理系科目が嫌いではない。
ただ、この学年で早くも「偏っている」ことが気になっただけだ。
「………」
リストを眺めて、しばし思案する。
■美澄 蘭 > (…何か、負担が軽めの講義を1つくらい取ってみようかな。
コマ数は第二外国語を切る前と同じになるけど、教養科目みたいなのなら何とかなる…かも?)
時間が空くならば、自分なりに本を読んだりして偏りを補えば良いのだが、この時の蘭は、シラバスの情報量に中てられたのかその思考が頭から抜けていた。
「単位数は決まっている」「4年『しか』いられない」とかつて言っていたのは、他ならぬ蘭自身なのだが。
(…ちょっと、探してみよう)
シラバスの「人文科学」「社会科学」の項目をざっと眺め始める。
■美澄 蘭 > とあるページで、端末をいじる蘭の手が止まる。
(あ、文化人類学面白そう。
この先生担当の講義なら出席と2回のレポートで単位が出るみたいだし、そこまで負担にもならないわね)
そんな感じで、メモ帳に文化人類学、の項目が書き足され、蘭の来年の時間割がほぼ固まった。
「ピアノ」の授業も、しっかりとリストには残っている。
(…来年も、頑張らなくちゃ)
満足感に表情を緩め、お茶とお菓子を楽しむ。
そうして、ゆったりと時間を過ごしてから、会計を済ませて店を去ったのだった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から美澄 蘭さんが去りました。