2016/04/26 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > もはや冬の名残もすっかり吹き飛んで久しい放課後。
蘭は、やや疲れた足取りで店内に入った。
「こんにちは…」
やや力なく、窓際のテーブル席に腰掛ける。
■美澄 蘭 > 勉強道具を取り出すでもなく、先にメニューを開く。
「苺の季節かー…」
そんなことをぽつりと呟いてから、店員を呼び
「すみません、ストロベリーチーズケーキと、ホットのダージリンをお願いします」
と、注文をする。
■美澄 蘭 > 注文をした後、一つ息をついて取り出すのは、数学の教科書。
それでも、本腰を入れて勉強する気はないのか、ぱらぱらと眺めているだけだ。
(…やっぱり、ちょっと無茶しちゃったかしら?)
去年で数学基礎の内容は殆ど理解することが出来たし、優秀な成績を修めることも出来た。
早く魔術を習得したい思いで、今年もかなり魔術関連の教養科目を詰め込んだ。
………その結果、理系教科が急激に高度になり過ぎたため、流石の蘭もちょっと参り気味なのだった。
■美澄 蘭 > それでも、気力の減退した中教科書を眺めるのは、少しでも定着を図ろうという悪あがきである。
ぱらぱらとめくるくらいなら、そこまで苦ではなかった。寧ろ、勉強が身につかない方が蘭にとっては大問題である。
蘭は、「一人暮らしをしながら勉強の習慣をつける」ということをきっちり成し遂げた去年の自分に、少し感謝していた。
■美澄 蘭 > そうこうしているうちに、頼んだ紅茶とデザートが届く。
「ありがとうございます」
そう言って教科書を脇に置き、頼んだ物をテーブルに置いてもらう。
店員が立ち去ったところで、早速ティーカップに手を伸ばし、育ちの良さそうな所作で一口。
「………」
疲労感、ストレスを一気に身体の外に押し出すかのように深い息を一つついた。
■美澄 蘭 > 紅茶の香りが、デザートの柔らかさ、甘さが蘭の身体に染み渡る。
身体を巡り、脳にエネルギーがもたらされ、萎えかけた心に活力が戻ってくる。
「………お茶したら、ちょっとピアノ弾きに行こう」
ぽつりと、そう零す。
気力を充填して、気分転換をしたら。
また、頑張れる気がした。
■美澄 蘭 > ゆったりとくつろいで、一息をついて。
ケーキを食べ終え、紅茶を飲み干すと、蘭は席を立って会計を済ませ、店を出る。
それから、学園地区の、教室棟の方に再度足を向けたのだった。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から美澄 蘭さんが去りました。