2016/05/14 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > カフェテラスで資料を受け取ると、男は一礼して去っていく。
まぁ、非合法な探偵系の部活だ、あまりこういう人の多い所は好きではないのだろう。
烏丸は受け取ったUSBのデータを端末に移す。

伊都波 凛霞。
学園の二年生。生活委員会・保険課所属。
才色兼備で成績は常に上位、古流武術・伊都波を修め文武両道。先日は未確認ながらかのロストサインの『殺刃鬼』と戦闘も経験。

常世島出身であり、この島には長く住んでいる。異能はサイコメトリー

烏丸秀 > データには当たり障りの無い事がつらつらと書かれている。
まぁ、そんな所だろう。
人間の個人情報があっという間に調べられたら苦労はしない。

「まさに絵に描いた完璧超人。引っかかる所はなし、例の事件も全然載ってない――」

ふぅ、と溜息をひとつ。
どうやら恋人のような存在も居ないらしいし、彼女の周りの友人で最近おかしくなったというのも居ないらしい。

「うーん、手がかりゼロかなこれは」

烏丸秀 > 「あ、おねーさんボク水菓子ひとつと抹茶ラテ。
うんうん、今日もお綺麗だよね、一緒に座る?」

店員を軽薄そうにナンパしながら注文する。
まぁいい、続報を待つとしよう。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にルギウスさんが現れました。
ルギウス > カラコロと小気味良い音が鳴る。
来店したのは、白い司祭服の男性。サングラスがまぁ胡散臭い。
とりあえず、店を見渡し……烏丸を目に留めると ほう と小さく声を上げる。

「いやはや、珍しい方がいらっしゃることで」

張り付いた笑顔はそのままに、とりあえずは近くの席に陣取るとしようか。

「ダージリンをお願いします。ホットで砂糖もミルクも要りません」

烏丸秀 > 特に入ってきた司祭服の男は気にしない。
男にはとことん冷たい烏丸である。
抹茶ラテを飲みながら経歴をチェック……特に収穫無し。

「はぁ……」

溜息をひとつつくと、端末を別の情報に。
公安委員会、今期の成果を発表。
風紀委員会、メンバー募集。
生活委員会、節電を啓蒙。
図書委員会、魔術本を延滞レンタルした結社を襲撃、これを壊滅。
鉄道委員会、武装列車により鉄道テロ組織を殲滅。

「どこも物騒だねぇ」

なんかおかしな所が物騒であるが、それも気にせず。

ルギウス > 「物騒でもこれが常に平常運転……群雄劇にはいいですが。
 常に日常系漫画のような舞台は観客が飽きてしまいます」

求められてもいないだろうが、ついつい言葉を返してしまう。

「失礼。
 なにぶん、退屈していたものですので」

烏丸秀 > 「おや……」

烏丸も近くに居る男に気付く。
自分の和服もだが、司祭服というのもなかなかに目立つ。
――まぁ、何か話があるのだろう。

「よければどうぞ。
たった今、フラれたところだからね」

目の前の椅子をすすめる。

ルギウス > 「これはこれはご丁寧に」

店員に声をかけて席を移る。

「私が異性でなくて申し訳ありませんねぇ。
 せめて退屈しのぎ程度の話し相手になれれば幸いなのですが。」

大袈裟に肩を竦めた。

「さて、物騒だといえ治安そのものは安定しています。
 現状に置いては、各勢力のパワーバランスは安定しているのでしょう。
 彼らが演じる大きな舞台も幕が上がらず。
 ……しかたがないので、好みの役者の追っかけでもするか と思っていましてね」

烏丸秀 > 「うんうん、そういうのは期待してないからいいよ」

本当に、まったく期待していない声。
なにせ男である。期待ゼロである。

「そうだねぇ、まぁパワーゲームなんてして、何が面白いのか知らないけど。
女の子とイチャついてる方がボクは好みだなぁ。どうせ人間、死ねば灰になるだけなのに」

ふぅと溜息をつき、水菓子をひとつ口に運ぶ。
この退廃的で刹那的な姿もまた、烏丸の一面である。

ルギウス > 「生き様が絡み合うような舞台を見るのが趣味でしてねぇ……」

優雅に紅茶を口に含む。

「貴方が女性とイチャつくのと同じくらいの比重を権力を手にしたり、強さを求めるような方もいらっしゃるのでしょう。
 そのような方々を理解はできますが、共感はできかねますけれどねぇ」

茶請けに何か頼むべきだったかと思い至るが、まぁ仕方がない。
今から頼むと紅茶が足りない。

「女性と言えば……ある神童が立て続けに事件に巻き込まれたそうですねぇ」

烏丸秀 > 「悪趣味だね」

自分の事を棚に全力投球しながらのたまう。
本当、男には容赦しない。

「権力なんて墓場に持っていけないし、重いだけなのにねぇ。
それで……」

と、神童とやら聞けば。
なるほど、どこかから嗅ぎつけたか。

「事件なんて、いくらでも起こってるさ。
それに巻き込まれる人間もいくらでもいるね」

ルギウス > 「よく言われます。貴方も言われ慣れている言葉と思うのですがねぇ?」

表面上だけはにこやかな会話が続く。

「死ねばそれまでなのでしたら、生きてる間にイイ思いをする為の権力なのでしょう。
 手段が目的化してるような気もしますがね」

くくと笑い。

「ええ、どこも物騒で。
 そうそう物騒といえば、落第街で薬を嗜んでいた一部の学生が斬り殺された事件もあったそうです。
 被害者はそんなに多くなかったようですが」

首筋に指を当てる。

「綺麗な断面だったそうで。
 一人は抵抗しようとしたのでしょうかねぇ?両腕をばっさり」

烏丸秀 > 「うん、よく言われるね、男からは」

くっくっと笑いながらも否定しない。
が、これは趣味ではなく本性であり本能なのだ。
何と言われようが、やめるつもりはない。

「よくある話だね。正義感に駆られた能力者がクズを殺して自分の存在価値を確認する。
そんなヤツが自分を維持できなくなってクズになり、同じようなヤツに殺される。
そういう島じゃない、ここ」

シニカルに笑うと、続きを促す。

ルギウス > 「おや、女性からは言われてませんか?」

冗談とも本気ともつかない口調で言うのが この冗談のコツである。

「落第街に限れば、有り触れていて三文週刊誌も記事にしない内容ではあるんですがねぇ。
 その被害者の方、死ぬ前に色々と イタシテ いたようでして。
 その相手は有名人だったのではないか―――なんて噂もあるようなんです」

若いっていいですねぇ。等と枯れたようなことを口にして。

「その有名人の “家族構成” を掘り下げると……面白いネタが出てくるかもしれませんよ」

烏丸秀 > 「んー、最近はあんまり。
言われる前に壊しちゃうんだよね、ボク」

これまた冗談とも本気ともつかない声で。

「――なるほど、そういう情報の垂れ込みと。
悪趣味だねほんと、きみ」

ふんと鼻で笑いながら言う。
家族構成――たしか、両親と妹だったか。

ルギウス > 「それはいけませんねぇ。
 加減を覚えて長く遊ばないと」

咎める気は一切ない。
なぜって悪趣味だから。

「それ、褒め言葉でしょう?」

紅茶を飲み干してしまった。

「私は世間話をしているだけですよ。
 貴方が仕掛ける舞台は、悪趣味な私でも満足できそうな仕上がりになりそうですからねぇ」

くくくと嗤う。

「さて、飲み物がなくなってしまいました。
 私は観客席でゆっくりと見物させていただきますよ……私の出番がくるまでね」

烏丸秀 > 「愛に加減は出来ないんだ。それが人間ってものだよ」

目の前の男は人間かどうかも分からないが。
少なくとも烏丸は遊んでいない。愛し、愛でているのだ。

「好きに受け取りなよ。男への言葉にいちいち意味なんて込めないよ」

本当に扱いがぞんざいである。

「そりゃどうも。まぁ好きに動くといいけど、ボクの愛するものを獲ったらだめだよ。
ボクは人のモノを獲るのは大好きだけど、獲られるのは死んでも許せないんだ」

まったく自分本位の事だが、一応釘は刺しておく。

ルギウス > 「私は、舞台を見るのが何より好きなんですよ。
 その為には自分の命も惜しくないくらいに」

席を立つ。

「ええ、忘れるまでは覚えておきますよ。
 私以外の誰かに油揚げを攫われないようにご注意を」

優雅に一礼して、出て行った。

会計は払っていない。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からルギウスさんが去りました。
烏丸秀 > 「――ふぅん」

あれもまた、学園に潜む怪異のひとつだろう。
まったく、百鬼夜行だ。

烏丸は水菓子をもぐもぐとほおばりながら考える。
家族構成。考えられるのは――

「妹、ねぇ――」

まぁ、探ってみる価値があるとの事だ。
メールで調査対象を妹へと切り替えるよう指示を出す。

烏丸秀 > しばらくすると、結果が出てくる。
もちろん、細かいデータは無いが……

「――これといった特徴無し?」

成績、普通。目立った噂も無し。
地味な子。報告すべき事柄無し。

そんな文字列が目に入る。
あの凛霞の妹が?

「ふむ……」

烏丸は顎に手を当て、少しの間考え込む

烏丸秀 > しばらくすると烏丸は会計して立ち去る。
その貌にどんな表情を浮かべていたかは――

ご案内:「カフェテラス「橘」」から烏丸秀さんが去りました。