2017/08/01 のログ
中条 薫 > 今日もレジにてバイトに勤しむ。
今は二階の清掃中だ。お客が使った机の清掃、椅子の並べ直し、飲み残し回収箱のチェック。

ふと窓際席に座る男子学生(推測)に目がつく。何やら真剣な表情で学生通りを見下ろしている。

(誰か監視でもしてるのかな・・・?)

怪しむ目で見ていたを察したのか、誤魔化すような作り笑いを返される。
なーんか面白そう、そう思ったら行動は早い。

窓際席の相手の側に近づき、
「何か外に気になるものでもありましたか?良ければ聞かせて下さいな。」

接客用の営業スマイルで声をかける。多分目は笑っていなかっただろう。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > (取り合えず、仕事とか鍛錬思考を少し何とかしないとな…ワーカーホリックみたいで嫌だし)

と、内心で溜息を零しながらアイスコーヒーをズズズ、と飲んでいたらいきなり声を掛けられた。
え?という表情でアイスコーヒーを飲む手を止めてそちらを席に座ったまま見上げる形に。

ああ、先ほどのアルバイト店員さんだ。さっきは愛想笑いで誤魔化したのだけれど。

「あ、いやいや特に何も。不審に思われたならすいません」

と、苦笑いで軽く頭を下げようと。実際、仕事の癖が出てしまっただけで何か本当にあった訳じゃない。
とはいえ、光の無い死んだ瞳で窓の外を凝視してたら、そりゃ不審に思われても仕方ないかもしれないが。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に飛鷹与一さんが現れました。
中条 薫 > 何もないらしい。まあ窓際に座ったら外の様子を見るのは当たり前だろう、私だってそーする。
まあ声をかけたのは私の暇つぶしのためなんだけどね。

「いえいえ、それよりどこかお疲れの様ですが何かあったんですか?」

と相手の話を聞くために、声を続けながらさり気なく対面の席に座り、両腕を机の上にゴトンッと置いた。

胸には『研修中』と書かれたプレートがぶら下がっている。

飛鷹与一 > (…あれ?冷静に見ると何でこの人…紫色の篭手っぽいの付けてるんだろう?)

アルバイト店員さんにしては地味に物騒な装備な気がするのは自分の気のせいだろうか?
しかも、何かさりげなく対面の席に座られたかと思えばそのガントレット付きの両腕を机の上に…ゴトンッ!重量感のある音が響いた。

「あ、えーと…自分、一応風紀委員会の所属なので。ほら、巡回警備とか色々仕事が連日ありますので。幸い今日は非番なんですが…。」

と、答えつつフと相手の胸元辺りのプレートが目に留まる。研修中。成る程…本採用ではないのか。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に飛鷹与一さんが現れました。
中条 薫 > 「へぇ~、風紀委員の方でしたか!それはそれはお疲れ様です。」

そういえば風紀委員の人には初めて会ったなぁ。
学園パンフによると毎日交代制で本島の見回り等で秩序を保つために働いてるのだとか書いてあったな。それは疲れても仕方がない事だね。ある意味仕事と言っても過言では無いくらいだ、お給料貰ってるのかな?

「申し遅れました、私、アルバイトの中条 薫と申します。学園の生徒の一年生ですので今後よろしくお願います。」

姿勢を正し、一礼。仕事中なので丁寧な応対で自己紹介する。普段初対面でこんな丁寧な挨拶はしないんだけどね。

飛鷹与一 > 「あはは、いえいえ。俺なんてまだ1年も所属してない新米みたいなものですので」

と、苦笑いで手をヒラヒラと左右に振ってみせる。ちなみに給料はちゃんと出る。
とはいえ、少年の場合は平行して普通のアルバイトなどもしているのだけれど。

「あ、これはどうもご丁寧に。俺は2年生の飛鷹与一といいます。中条さんは…研修中という事はまだアルバイトを初めて間もない感じですか?」

と、互いに自己紹介をしてからそんな質問を。こういう接客業は、確か採用されてから1週間か2週間はお試しの意味も兼ねて研修期間だった気がする。

ただ、仕事中だからか礼儀正しいのは分かるが…ちょっと窮屈そうな気もして。

「あ、ええと普通の口調で構いませんよ?俺の方は敬語が癖になってるので崩すのは難しいですが」

中条 薫 > 「よろしくお願いしますね、飛鷹先輩。」

それにしても、目に光がないなぁ。元からなのか何か副業でこうなってしまったのか、まあ私も覇気がないとは言われるけど・・・あんまりやる気が無いからねぇ。

「あら、そうですか?では遠慮なく・・・。」

堅苦しいという指摘を受け、営業スマイルを解き、前傾姿勢になる。垂れ目具合がなんともダルそうな表情だろう。

「ココに務め始めてまだ一週間も経ってないくらいだけど、接客云々はだいたい把握できたかなぁ。しかも暇な時はトコトン暇だし、結構楽な仕事かもね。」

ニヤァっと口元を歪ませた。

飛鷹与一 > 「ハイ、こちらこそよろしくお願いします」

覇気や生気が無い、どちらかといえば人形じみた無機質な瞳だが…。
その態度はむしろ社交的で穏やかである。目に光が無いが、人格とはまた別らしい。
ちなみに、この目付きは生まれつきである。少年自身も自覚はあるがどうしようもない。
最近は異能の副作用の可能性も疑っているが、どのみち目付きは赤子の頃から変わらないのだ。

「えぇ、遠慮なくどうぞ(…って、急激に雰囲気変わったなぁ)」

彼女の営業スマイルや接客態度が解除されれば、何と言うか気だるそうなイメージが強く出てくる。
とはいえ、どちらかといえば素で接してくれる方がこちらとしても有り難い。

「あー…込むとしたらまぁ、昼食時や夕方から夜に掛けてですからね。それ以外の時間帯は割と空いてるかと」

ここ以外にもニルヤカナヤという行きつけのファミレスがあるが、そちらでも同じ感じだった気がする。
ちなみに、今の時間帯も空いてるからか店員の彼女がこうしていても誰も気が付く様子は無いだろう。

「…と、いうか凄いさっきから気になってたんですが。何でまた篭手…えぇとガントレットを?」

しかも、手袋で指先まで覆っている。何か事情があるのだろうとは思うがつい気になってしまい。

中条 薫 > 「やっぱり気になる?」

そりゃ気になるだろう、店員は誰も着けてない。というか外観に合わな過ぎる。当の本人は全く気にしていないが。

「これ、私の身を守る武器で・・・、幼いときからずっと着けてるんだ、おはようからおやすみまで。あ、お風呂の時と寝る時は外すけどね。」

フフーンと自慢気に話す。彼女はこれをとても気に入っている様子。

「そういえば、飛鷹先輩は非番っていうのにあんまりリラックス出来てなさそうな顔してたけど、何か悩みでも?相談ならいくらでも乗りますよ?」

話すと楽になるよ!とない胸を張った。

飛鷹与一 > 「ええ、まぁこの島は異邦人の方を含めて割と何でもありな感じですけど…流石にこの店でガントレットをしてる方は初めて見ますね」

まぁ、普通接客業中には付けてないよなぁ、と思いつつ素直な感想を述べる。
ただ、彼女の説明を聞く限り…昔からずっとこうしているらしい。
と、いうより風呂と就寝時以外はずっと付けているとか筋金入りではないだろうか?

無論、それに苦言を呈したり馬鹿にする事はしない。彼女のこだわりに口出すつもりはない。
だってそれは個人の自由なのだから。少なくとも、周囲に無闇に被害が及ばなければ問題は無い。

「あー…ちょっと我ながら訓練とか諸々で根をつめ過ぎてるかな、と。
こう、今日もアルバイトをわざわざ休んでゆっくりしてたんですが、つい仕事の事とかあれこれ考えてしまうんですよね。
ワーカーホリック、とまでは行きませんが…こう、息抜きの仕方が我ながら下手というか」

と、そんな事をつらつらと話しながら苦笑い気味に肩をすくめようか。

中条 薫 > 「あぁ~なるほど、それで難しそうな顔してたのかぁ。真面目な責任感を持った人は大変だなぁ。」

彼女はそこまで思いつめるようなことは無く、ゆったりと日々を過ごしているため、彼の辛さは理解できないだろう。以前にもよく物事を考え込んでいる人が居たっけ。

「そういう時は人通りの少ない場所とかいいですよ?遠くまで広がる海とか、下界を見下ろせる山頂とか、逆に狭い個室のカラオケで歌うとか・・・。」

彼女なりに解決策を提案する。辛い思いをしている人はやっぱり楽になってほしいものだ。

「あ、せっかくなら今度どこか行きません?先輩がリラックスできそうな場所!」

そう言って左手のガントレットを差し出した。連絡先を交換しようと言うことらしい。
ウィーンと側面部がスライドし、液晶が顔を覗かせた。

飛鷹与一 > 「…最近知り合った同級生の男子にも真面目君扱いされましたよえぇ…。
いや、まぁそこは自覚あるんですけどもう性分といいますか…。」

実際、ガチガチの堅物では決してないが生真面目な方ではある。
ついでに、余計な事もつい背負い込みがちな苦労人気質でもあったりする。

「あー…自然に触れると良いって事でしょうか?…独りカラオケは流石にちょっと」

うん、そもそもカラオケに行った経験が殆ど無いし。ただ、解決策の提示は素直にありがたく思う。

「…え?あ、ハイ仕事が無い時なら俺は構いませんけど…」

と、いきなりの提案に戸惑いつつも頷いて。取り合えずこちらもスマホを取り出す。
と、いうか地味にハイテクだなそのガントレット!何か側面がスライドしたかと思えば液晶画面が。
もしかしてスマホ機能も内蔵しているのだろうか?ともあれ、連絡先交換はしておこう。

中条 薫 > 「独りカラオケを気にするなんてナンセンスですよ!」
もしかして、ほとんど行ったこと無いな?と感じ、ニヤッと笑う。

「これで・・・よしっと。じゃ、もしリラックスしたいなぁって感じたら連絡ください。仕事のことなんか忘れさせてやりますよ!じゃあ私は仕事に戻りますので、どうぞごゆっくり~。」

席を立つ時には元の営業スマイルに戻り、姿勢良くその場を後にする。



一階へ降りようとすると他の店員が来て彼女に、戻ってくるのが遅い、と注意した。対する彼女は申し訳なさそうにぺこぺこしてからそそくさと階段を降りていった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から中条 薫さんが去りました。
飛鷹与一 > 「そ、そうですかね?」

あ、看破されてるなこれ。ニヤッと笑う彼女にうぬぬ…と、思いつつも事実だからしょうがないね。

「あ、ハイ了解しました。お仕事の方頑張ってくださいねー?」

連絡先を交換しつつ、どうやら彼女は仕事に戻るらしい。その後姿を会釈しつつ見送り。
少年はといえば、アイスコーヒーの残りをグイッと飲み干して一息。

唐突な出会いだったが、多少なり気分転換になったと思う。
ともあれ、もう少しまったりしてから少年もやがて席を立って店を後にしただろう。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から飛鷹与一さんが去りました。