2017/09/25 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 「………。」
秋の放課後。
店の中ほどのテーブル席に腰掛けて、微妙な顔で文庫本のページをめくっている、オッドアイの女子学生。
テーブルの上には、少しだけグラスに汗をかいたアイスティー。
■美澄 蘭 > 「………。」
区切りのいいところまで読んだのか、蘭は重い、重い溜息とともに文庫本を閉じると…そのまま、ブリーフケースに納めてしまった。もう、この場で読む気はないらしい。
「………。」
微妙な顔をしたまま、ストローでグラスの中をゆるくかき混ぜて…それから、アイスティーを少し飲んだ。
■美澄 蘭 > 誰とも知らぬ人間の言葉を、同性だというだけでおいそれと借りられると思ったのが間違いだったのだろう。
先日図書館で借りた女性作家の短編集は、肉体に対する捉え方が違い過ぎて、肌に合わない上に気力をごっそりと持っていかれる羽目になったのである。
まあ、勉強にはなった。
読書は好きだが、「恋愛小説」というべきジャンルには縁の薄い人生を送ってきた。
当然、このジャンルの名手は、名前くらいしか知らない。
そのため、次は女性作家の「恋」にまつわる短編を集めたアンソロジーを借りてみたのだが…
「…………はぁ」
その冒頭が、高齢処女を主人公にしたものだったのである。重い。
目を沈痛に伏せて、もう一度深い…深い溜息を吐くと、アイスティーをすすった。