2017/09/26 のログ
■美澄 蘭 > 別に、蘭は焦って処女を捨てたいとか、そういう人種ではない。
「大人になりたい」という願いはあるけれど、心性が変わらないまま大人の真似事をして、何の意味があるだろうかとも思っているし…何より、そういった行為には「リスク」がつきものだ。
(先日借りた短編集は、その部分があまりにも軽んじられていて、読んでいて辛かった)
…ただ、愛を、恋を望み、欲望を持ちながら。
関係性を持つ機会を奪われ続け、そうしているうちに、それらの感情や欲望が「社会」に絡めとられていく姿に、胸が詰まるほどの重苦しさを感じずにはいられない。
■美澄 蘭 > 「………ぁ」
少し間の抜けた声を零し、視線を上げる。
「お嫁さんにするなら文句なし」と言われて、あんまり嬉しくなかった理由の…大きな1つは、そこに眠っているような気がしたのだ。
■美澄 蘭 > (…私の気持ちは、私のもの。
たとえ形が掴めなくても…まだ言葉に出来なくても、私のもの。
私のこの気持ちは…社会のためじゃなくて、あなた「だけ」のためのもの)
そんな風に頭の中で唱えると…まだまだ形に出来ない心でも、頑張ることがあれば脇に追いやられがちな気持ちでも、抱えておく分には卑下する必要はない気がしてきた。
…抱えておく分には、だが。
■美澄 蘭 > そうして、後ろ向きな気持ちをある程度払拭出来た蘭は、アイスティーの残りをさっと飲みきってしまうと、勘定を済ませてカフェテラスを出て行った。
返却期限までに返せれば、本は急いで読みきらなくてもいいだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から美澄 蘭さんが去りました。