2017/10/13 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「こんなお店があったなんて、もっと早く知っていれば良かった……」

週末の夜、表の通りはこんな時間になっても賑やかで、カフェの中もまた同様だった。
カウンター席に案内されれば、メニューを見て何を注文しようかと悩む。
こうして悩んでいる時間もまた、楽しみが広がってわくわくする。

「じゃあ、コーヒーとこのショートケーキを…
 砂糖はいらないわ、ええ、ブラックでお願い…」

ウェイターに一通りの注文を済ませると、改めて店の中を一瞥する。
少し古めかしい雰囲気だが、決して悪い印象はない。
むしろ落ち着き払った印象の店内は、ある種の安心感がある。
どうしてこんなお店があるということを、今まで知らずに生活していたんだろう。
そんな思いが少なからずあった>

ご案内:「カフェテラス「橘」」に和元月香さんが現れました。
和元月香 > 「ふんふーんふふーん」

鼻唄を歌いながら、月香は楽しみのひとつである喫茶店の扉を開ける。
すっかり馴染みになった扉の側にいた店員に、
挨拶代わりの笑顔を向けて。
つい先日、ちょっとした不愉快なことがあったのを忘れたかのようだ。

「お?」
(綺麗な子だなー...)

ご機嫌な視界に、見覚えの無い少女が映り込む。
日本人離れした風体と、独特の雰囲気に
この好奇心旺盛の女子高生は興味を抱いた。

「っ、と。
こんにちは!お隣宜しいですか、おじょーさん」

ひょい、と隣に立ち笑顔で少女の顔を覗きこみながら、
一応礼儀として気安く語りかける月香。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……わぁ、ありがとう、じゃあいただきます」

店内が賑やかなのは良いことだが、
あまり人が多い環境が苦手な身としては、今の店内は少し落ち着かなかった。
しかしそれでも、コーヒーとケーキが運ばれてくればそんなことはどうでもいいと思えた。
真っ黒で、まだ入れたばかりのコーヒーと純白のクリームと真っ赤なイチゴが乗ったそれは、
見ただけで心を高ぶらせるのに十分な代物だった。

「えっと…ええ、別に…」

フォークを手に取って、ケーキに入れようとした矢先、隣に誰か座って、声をかけてきた。
少し身構えて、その声が聞こえた方に視線を移すと、同い年くらいの少女。
知り合いではないと気づけばなおさら困ってしまって、素っ気ない感じで答えてしまう>

和元月香 > 「じゃあ失礼しまーす」

素っ気ない相手の口振りは全く気にせず、
椅子を引いて座り込んだ。

にっこにっこと通常の三割増しぐらいの笑顔で、
すぐさま呼びつけた店員にはメニューも見ずに、
「栗モンブランとコーヒーで!」と注文する。

スイーツをワクワクしながら待ちながらも、
隣の相手には気安い雰囲気で話しかける。

「君、見ない顔だねぇ。
もしかして、最近来た子?」

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「えっと、これでも二年生よ。
 まぁ、この店には初めて来たんだけど…」

それに日本に来てからすこし引きこもりがちだった。まさかそんなこと言わないけれど。
隣に座って、快活な雰囲気で注文をする彼女を、チラチラと横目に見ながら、話をする。
昨日はなした男の子もそうだけど、どうにも活発で明るい子と話すことが多い気がする。


気のせいかもしれないけど。


彼女が注文をしている間に、ケーキを一口食べる。
柔らかい食感と甘さが、口全体に広がれば、多幸感に包まれたような感じに、思わず表情が緩んで>

和元月香 > 「あっ、一応先輩なんだね。
敬語とか気にするタイプ?」

自分が1年生だと暗に言う。
快活とはよく言われるし、今日は特別饒舌だ。
正直鬱陶しいぐらいに花を飛ばしているのはご機嫌である証拠だ。

「銀髪とか何だかんだ何回かしか見たことないなぁ。
凄く綺麗だね、どこから来たの?」

島にはそれこそ、世界中の人が集まる。
まだまだ知らない世界から沢山。
月香はその事実に幼子のように興奮しつつ、そう聞いてみる。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「いいえ、プライベートでは別に上下関係は気にしないわ」

今の会話で、彼女が一年生だと察した。
軍隊にいた頃なら上下関係はかなり気にしていたが、ここでは別に軍隊にいるわけじゃない。
だから、別に敬語とか、そういうのは気にしなかった。
むしろ彼女の快活さに押されてこちらが敬語を使ってしまいそうなレベルだ。

「私は欧州のフィンランドから来たの。あまり料理がおいしくないことで有名ね。
 この島では、そんなに銀髪は珍しいの?もっと珍しい見てくれの人がたくさんいるって聞いたんだけど」

すごく綺麗、と言われると、少し俯いて恥ずかしそうにする。
あまり褒められることになれていないためか、コーヒーを飲んで顔を隠してしまう。
たとえお世辞だとしても、純粋にうれしいし、恥ずかしい>

和元月香 > 「ならよかった!」

へらっと笑い、よろしく、とひらひら手を振り。
普段の馴れ馴れしさに更に拍車を掛けつつあるが、
大抵はいつも通りだ。

「フィンランド!そりゃまぁ随分遠いところから。
自然がいっぱいだよねぇ、あの辺。湖とか綺麗でさ。

...うーん、多分いるんだろうけれどわたしが見たこと少ないだけだと思うわ...。銀髪美少女はもっと見てみたい...。

この島には本当に色んなのいるからねぇー。見た目完全に人間じゃないやつとかもたっくさん」

サラーっと女の子を赤面させながらも、ペラペラと喋り尽くす。
島の話をする時は、なぜだか誇らしげに、かつワクワクしているような表情だ。

「あ、あと私和元月香って言います!よろしく!」

唐突に自己紹介をしながらも、楽しげに笑いかけた。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そうね、自然が豊かなところなのは間違いないわ。
 そう、でもまぁ、この島なら多少は目立ってしまっても仕方ないわね。
 普通っていうものがないんですもの。逆に考えればみな珍しいわ」

見た目が完全に人間とは別の存在も、何度か見たことがある。
でもああいう人たちから見れば、わたしたちもまためずらしい存在として目に映るのだろう。

「あ、ええっと、私はラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン。
 この国だと長いから、普通にラウラって呼んでちょうだい…」

この島の話をいろいろしてくれる彼女は、とても楽しそうだ。この島のことが好きなのだろうか。
そして唐突に自己紹介されれば、思い出したようにこちらも自己紹介。
この国にきてわかったが、私の名前はどうにも長いらしい>

和元月香 > 「珍しいってことがこの島じゃ普通なんだもんねー。
逆に外じゃ普通って言われてる人が目立つかも」

と、言って「...あれ?私って然程この島じゃ目立って無くないか...?」
なんて呟いて、何故か真剣な表情とポーズで考え込む。
まだまだ自分を普通だと思っていたようだ。

「うん!長いね!じゃあ、ラウラって呼ばせてもらうよ。
私は月香でもなんでもいいよ」

無遠慮に頷く。
良くも悪くも素直なのだ。仕方ないと言えば仕方ない。

すると、店奥からようやくモンブランが運ばれてきた。
湯気を立てるコーヒーと共にテーブルに置かれ、
月香はきらきらと目を輝かせる。

「ちょっと待ってね...いただきます!」

一応話しかけてきた身として、相手に断りを入れてから
フォークを慎重に差し込む。

ぱくり、と食べた途端は正しく周囲に花が一斉に咲いたような
酷く恍惚に蕩けた、至福の表情だった。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そうね、普通じゃないのが普通だものね。
 そういう意味では私はあまり目立たないかも……」

「え、あなたは結構目立つ方だと思うけれど…」

突然自分が目立っていないのではないかと考え込んでしまう彼女に、少し真剣な顔でツッコミを入れてしまう。
彼女の快活さは目立つのには十分すぎると思う。私からしたらすごくうらやましいのだけれど。

「じゃあ私は月香って呼ぶね。
 なんだかんだ言って、女の子の友達は少ないから、ちょっと嬉しいな」

長いといって、うんと頷かれると少し複雑な気持ちになるが、
そういう人なのだろうと納得させる。
そして気づけば彼女が注文したモンブランが運ばれてくる。
それを一口食べる彼女の表情は、さっきまでの私と似ていてとても幸せそうだ。
モンブラン、すごく美味しそう…
ハッとして、自身のショートケーキにフォークをさして、パクリ。
この幸せな感じは、国を超えても変わらない>

和元月香 > 「えっ、まじか」

果たしてこの島では地味だからこそという意味なのか。
逆に、どこでも目立つよと言われたのか。
どちらにしても、何故か少し衝撃である。

「わたしも男子友達の方が多いかも...。
女の子とも沢山話したいんだけどなぁ」

同意するように、うんうんと頷く。
しかもさり気にネジ1本か2本か3本か
外れてしまったような輩が大半を占めているのは気のせいではない。
それに月香も入るだろう、というツッコミは置いといて。

ふたりして幸せそうに甘味を頬張る。
月香はうっとりと噛み締めながら、呟く。

「やっぱり甘いものは至福だよねぇ...」

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……うん、月香ちゃん、元気いっぱいだし。
 もちろん悪い意味じゃなくて、良い意味で目立つと思うよ?」

彼女が目立つ存在なのかははっきり自信を持って言えないが、
それでもやっぱり彼女は目立つと思う。

「男の子なのか女の子なのかわからない子もいるし…本当にこの島は普通っていうのがよくわからないわね
 でも女の子のお友達は欲しいかな…」

自分はあまり目立つのが好きではない。だから、目立たないように生きてきた。
でもこの島だと逆に目立ってしまうかもしれないと思うと、生きるのが大変なのではないかと、
今更不安になったりもする。

「ふふ、モンブラン食べてる時の月香ちゃん、すごく幸せそうだね
 ……こっちも食べてみる?」

甘味を頬張っては幸せそうにする彼女をみて、思わず笑みがこぼれれてしまう。
そんな彼女をもう少し見てみたいと、ショートケーキを食べるか尋ねてみて>

和元月香 > 「あ、そう!?...へへ、
まぁ、元気なのだけが私の取り柄だしね!」

単純なことにあっという間に上機嫌になり、
更にきらきらしい笑顔を浮かべてぐっと親指を立てる。

「分かる分かる。
私はイケメン王子様ただし女の子だ、に会ったことある。
噂によると、ちょっと前に男子寮に美少女にしか見えない奴が一時期いたりしたらしいよー。

普通ってなんなんだろうね?本当に。
この島じゃ常識なんてろくに仕事しないし。

私はそういうのが面白いから、この島が好きなんだけど」

途中までは完全同意するように、しみじみとしていたが。
最後には、不安になる相手とは逆に薄らと不敵な笑みを浮かべる。
目立ちたくないわけではないけれど、この島は月香にとって本当に楽しい場所だ。

こんなにも普通から歪に乖離した場所は、ずっと無かったから。

「!!いいの!?
...じゃあこっちと交換ね!あ、一口ずつね。まずは」

相手の提案にぱぁっと笑顔を輝かせる。
実は気になっていたショートケーキのお裾分け。
それのお返しに、満面の笑みと共にモンブランを差し出す。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「元気だけって、外にもあるでしょう?」

上機嫌にそんなことを言う彼女に、つられるようにして笑いながらそんなことを言う。

「ええ…?そんな人までいるの?
 えっと、月香ちゃんは女の子、だよね?」

彼女が今話した事が本当なら、見た目は本当にあてにならないということだ。
となると、真っ先に心配したのは、今目の前にいる彼女が、本当に女の子か?ということ。

「え?本当に…?じゃあ、遠慮せずにもらおうかな…
 まずはお先にどうぞ?」

交換でモンブランをくれるという彼女に、目を輝かせる。
そうと決まれば、お先にと言って、
ショートケーキを一口分フォークで切って、「はい、どうぞ?」と彼女に口を開けるよう言う>