2017/10/14 のログ
和元月香 > 「...うーん...。
...自分で考えると欠点しか思いつかない...」

決してネガティブでは無いのだが。
これも日本人の性かなぁ、と肩を軽く竦めてみせる。

「おんなだよ!
なんなら胸か股触ってみる!?」

何故か慌てて、セクハラまがいの事を叫んでしまう。
見た目からでも、言うほどではないが胸の膨らみは認識出来るだろう。
月香は一応、紛うことなき女である。

「やったぜ...、えーっと。
あーん?」

差し出されたフォークを目の前に逡巡する。
少し考えた後、何を思ったか口をぱかりと開けた。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そんなこと言わないで?
 きっと何かしら素敵な部分が在るはずよ。気づいてないだけ」

決してネガティブな印象は感じさせない彼女だが、
思いつかないとなるとやはり、なんというか、自分の事をあまりよく知らないのかな?なんて思う。

「あ、えっと、ごめん…別に疑ってるわけじゃないんだよ?
 でもほら、そんな話されちゃったらちょっと不安になるでしょう?」

慌てた様子で飛んでもないことを言い始める彼女。
周囲の視線が一挙に集まるのがわかる。
顔を真っ赤にしながら、そんな彼女を落ち着かせようと必死だ。
そもそも、体つきで言えば私なんかより彼女のほうがよっぽど女の子らしい。主に胸元が。

「はい、あーん…」

口を大きく開ける彼女に、まるで子供に食べ物を与える母親のようにケーキを食べさせてあげる。
そのまま彼女が咀嚼を始めれば、「どう?美味しい?」と聞いてみて>

和元月香 > 「...んー、そうかなぁ?
まぁ私だからね!まだまだいい所はいっぱいあるだろうさ」

曖昧な返事を返したものの、
考え直したのか、根拠は無いが極めて前向きなことを言う。
むふーんと胸を張る月香は、少なくとも凄くポジティブであった。

「私に性別変えて利益とか特に無いからね!
うん、今は」

何故か慌ててしまった事をちょっぴり恥ずかしく思いながら、
周囲の目はガン無視する月香。完全バリアである。
誤魔化し、とも言う。

「んー、んく、
.....おいひぃ.....」

ぱくり、とケーキを口の中に入れ。
もぐもぐと咀嚼した後、ふにゃりと表情を緩める。
同時に、___これがバブみ...!と戦慄していたり。

「じゃ、あーん」

周囲の目が更に集まる。
妙に静寂に包まれた空気の中で、月香は笑ってモンブランを一口刺したフォークを差し出した。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ふふ、いつか自分で気づけるときがきっと来るわ」

彼女の前向きな言葉を聞いて、少し安心したというか、なんというか。

「…? 今じゃなければ、性別を変えて利益があるの?」

彼女の妙な言い回しに首をかしげて、不思議そうな目を向ける。
美味しそうにケーキを食べる彼女に、思わずこちらも笑みがこぼれてしまう。
が、周囲の目が我々に集まっていることに気づくと、
あれ、私たち何かマズいことでもしたかな?と不安になる…

「え?あっと、うん……あ、あーん…」

そして月香がモンブランを刺したフォークをさしだしてくる。
しかしなぜだろうか。先ほどまで賑やかだったのに、店内が妙に静かだ。
ちょっと恥ずかしいな…と思いながらも、口を開けてモンブランをパクリ>

和元月香 > 「...そう願ってる!」

____考えてみればみるほど、欠点しか思い浮かばない。
そう心中は苦笑しながらも、相手にはニッと笑い返す。

「何か楽しそうじゃん、性転換とか。
そういう魔術使って、知り合いに知らない人装って絡みたい。
んでもってからかいたい。という欲が出てきてしまってね」

キリッとキメ顔でそう言い放つ月香は、確実にアホであった。
どうあがいても愉悦的な楽しさを求めるためにはぶれないのである。
もぐもぐとケーキを頬張る月香は、周囲の事は気にならない。
...仮にも高いレベルの容姿の少女が2人、あーんし合っている光景に周囲は釘付けであった。

「美味しい?」

手ずから食べさせたモンブランの感想を、
輝かんばかりの笑顔で尋ねる月香。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ふふ、わたしもそう願ってるわ。

 えーっと、まぁ、楽しそうっていうのはわからなくもないかな?
 月香が男の子になるのかぁ。想像できないような、できるような……
 でもきっと美男だと思うなぁ」

キリっとした表情で飛んでもないことを言う彼女だが、別に驚くような様子はない。
でも、わざわざ性転換の魔術をつかってまでやることかと言われれば、ちょっと微妙だ。
男になってみたいと思ったことが無いわけじゃないけれど。

「…うん、すごく美味しい」

美味しいかと問われれば、もちろん美味しい。でも周囲の目が集まってしまっているのは、ちょっと落ち着かない。
それでも、彼女は周りのことなんて気にする様子がない。正直うらやましいなぁと思う。
もっと堂々と生きていきたいなぁと。そういう意味では、彼女にはあこがれのようなものがあるかもしれない>

和元月香 > 「私基本、興味と楽しさだけで動く人間だから。
楽しいことのためなら何でもするんだよ!」

相手が少し戸惑っているのを察し、さらりとそう宣う月香。
嘘偽りない、本当の言葉だ。

「美男か...。中身は変わらないから絶対残念だね」

月香も想像してみたが、
大量の甘味を頬張る姿しか思いつかない。
残念でしかないイメージに、何だか笑えてきてしまう。

「そっか!」

嬉しそうに微笑んだ月香は、
また上機嫌にモンブランを食べる。

憧れを抱かれていることなど、知る由もない。
知っていたら「やめとけ」とまるで第三者かのように忠告しただろう。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「月香はとても実行力のある人なのね。それだけでとても誇れることだと思うわ?」

きっと、楽しいことのために何でもするというのは本当だと思う。
さらりとそんなことを言えるのだ、きっとそうだ。

「残念美男ね、それはなんとなく想像できるかもしれない…」

男になった彼女は想像しにくいのに、残念美男は容易に想像できるのはなぜだろう。
クスクスと笑う彼女と一緒に、私まで笑ってしまう。

「あら、気づいたらこんな時間…私はそろそろ帰るわ。
 とっても楽しかった。モンブランも、ありがとう」

ふと店の時計を見ると、結構な時間がたっていることに気づいた。
そしてタイミングよく、ケーキとコーヒーも食べ終わった。
すっと立ち上がって、嘘偽りのない、いつもの困ったような笑顔とは違う笑顔で、彼女にお礼を言えば、そのまま彼女の分の会計も済ませて、店を後にした>

ご案内:「カフェテラス「橘」」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。
和元月香 > 「...そうかな?」

先程の言葉を、もう1度繰り返す。
しかしながら一瞬、彼女の顔から笑顔が消えて、
無表情になった事に相手は気付けただろうか。

「まぁ、私だからね!」

これも、先程と同じ。
しかしながら顔に浮かぶのは、満面の笑み。
無表情など想像出来ない笑顔で、月香は相手と笑った。

「うん、またね」

去っていく彼女に手を振ると。
ふぅ、と小さく息を吐いて笑みを浮かべたまま呟いた。
満ち足りた虚ろな声で。


「ここまで沢山肯定されると、おかしくなりそうだなぁ」

ご案内:「カフェテラス「橘」」から和元月香さんが去りました。