2018/02/15 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
鈴ヶ森 綾 > 夕方の店内は授業が終わった後の学生達で大いに賑わいを見せていた。
店に入ってすぐの所には満席である事を示すボードが置かれており、名前と人数を書く用紙がそえられている。

「あら、困ったわね。」

店に入って開口一番、そんな呟きを一つ。
外からでも混雑具合は見て取れたが、まさかこれ程とは思わなかった。
名前を書いて待つか、それとも今日は出直すか迷っていると、
店員がやってきて後で相席になるかもしれない席であればすぐに案内できると言った。
それを承諾し、通されたのは4人掛けのテーブル席だった。

鈴ヶ森 綾 > 鞄と脱いだコートを隣に置いて席につくと、
メニューは取らずにお冷と手拭きを並べる店員にすぐに注文を伝える。

「フェアでやってるパフェと、ブレンドコーヒーをお願いします。」

店員は注文を受けると忙しく足早に厨房へと消えた。
それを見届けてから鞄から文庫本を取り出すと、暫し時間を潰す。

そうこうする内にやってきたのは、苺がふんだんに使われた大きなパフェ。
ソースとアイスにも苺が使われており、上には小さく砕いたホワイトチョコレートが振りかけられ、実に見目麗しい。
チョコは前日にたっぷり食べたが、そのパフェの見た目は些かも食欲を衰えさせず、思わず頬が緩みそうになってしまう。

鈴ヶ森 綾 > パフェ用の長いスプーンで赤いソースが掛かった生クリームをひとすくい取って口へ運ぶ。
まろやかな甘さに苺の風味、酸味が加わりなんとも堪えられない。

「はぁ…。」

その下に連なる赤と白、二色のアイスにしても、こんな季節に暖かい部屋で冷たい甘味を食せるとは、
まったくいい時代になったものだ。

時折手を止め、じっくりと口の中で味わいを噛み締め、またスプーンを容器と口とを往復させる。
チョコ、苺、クリーム、アイスと満遍なく食し、そうやって少しずつ甘味の地層を掘り進んでゆく。

鈴ヶ森 綾 > 程なくしてカップとパフェの容器は空となり、後には満足げな顔をした少女が一人残るばかり。

「期間中にもう一度来るべきね、これは…。」

いたく気に入ったのか、そんな呟きを漏らして荷物を手に席を立つと、
支払いを済ませて少しずつ混雑の解消され始めた店を後にした。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。