2015/09/06 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にやなぎさんが現れました。
やなぎ > 疲れた様子の青年がファミレスへ来店する。
中は多少混んでいたが、
運よく端の席が空いていたのでそこへ向かった。

「…ううん。」

メニューを開き、中指でアンダーリム眼鏡をくいっとあげる。
メニュー欄の文字はすばやく、くっきりはっきり読むことができた。

「うーむむ…」

空腹ではあったがあまり食欲はわかず、
何か軽めで尚且つ腹に溜まりそうなものを探す。

やなぎ > 肉料理は食べたくなかった。
それは落第街である少女に聞いたことが頭にひっかかってるからだ。

店員を呼び、コーンスープと、パンとサラダ、
そしてあたたかいコーヒーを頼む。

それを終えると、メニューをテーブルの端にしまい、
ぼうっと物思いにふけるはじめた。


―昼に行った路地裏には、目立ったものは見つからなかった。
あれはあれで昼の顔と夜の顔があるのだろうか?

やなぎ > まるまる太ったカラス。
あれについてはそこらじゅうに捨ててあったゴミをつついていたからだろう。
ただ…それを捕まえて食べ物にするほど貧困しているのかあの街は。
もしそうなら、あの時買った焼き鳥が妙に高かったの頷ける。

学生地区まで行けばこんなに食べ物があるのに。

同じ常世島の中なのに、どうしてあんなに落差があるのだろうか…
などと考えてるうちに、料理が運ばれてきた。

やなぎ > 一旦思考をやめて料理をゆっくりと口に運びはじめる。
スープは温かく、濃厚で甘かった。
妙にほっとして、小さく溜息をついた。

食べているうちは暗いことは考えないようにしよう。

そう思い、スープだけを平らげた。
次にサラダに手をつける。

ああ、そういえば、学校はいつから入れるんだったかな?

確認しておかねばならない案件の一つだ。
常世学園への入学手続きをしっかりしてきたのだから、
初日から遅刻なんてありえない。

食べる手を止め、学校案内のパンフレットを開いて読みはじめる。

やなぎ > 「―ん。」

そういえば言われたっけ。
ええと確か、もうそろそろ、だったかな…。

パンフレットをしまい、残りを黙々と食べ始めた。

学生としての道を選んだことは緊張したが、
きっと良い経験になると思う。
だから、教科書やらいろいろ買って準備も始めなければならない。
学生地区になら売ってるだろう。

やなぎ > 学生になってしまえば、今まで通りの生活はできなくなるだろう。
"軍"にいた頃よりもゆったりとしているが、その生活に慣れてしまえば怠惰してしまう。
気を引き締めていかないと。

サラダとパンを食べ終えた。

苦いコーヒーをちびちびと飲みつつ、次に思い浮かべることは――

「…少佐、どうなったかな…」

あれ以来、自首をしたらしいという事以外はなんの連絡も情報も入ってこなかった。
今も刑務所かなにかにつかまっているのだろうか。
最後に見たのは――

真っ黒い龍のような姿。

やなぎ > 軍の上官が機械で殺人未遂の犯人、そして炎につつまれた謎の龍になった。
さて、今もそんな姿なのだろうか。

「(いや、普通はありえない)」

奇想天外なことが次々起こるのがここ、常世島なのだ。
最初こそ驚いてばかりだったが、いずれ慣れていく。
多種族の住むこの島だからいろんなことが起こる。

狭いようで、広い世界なのだ―――


「あっつ!!?」

そろそろ思考が壮大になってきたころ、まだまださめていないコーヒーを零してしまった。

やなぎ > すぐさま来た店員を手伝いながらかたし、平謝りして。
なんだかいたたまれなくなってきて、すぐ金を払って帰って行った…

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からやなぎさんが去りました。