2015/09/16 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に黄泉 雪さんが現れました。
■黄泉 雪 > ファミレスの喫煙席、ドリンクバーのコーヒーと机上のノートパソコン。
むやみに良い姿勢で画面とにらめっこしているのはおっさん臭い行為にそぐわぬ、1人のメイド。
時折干したカップに飲み物を継ぎ足す以外はキーボードを叩き、入力しては消しての繰り返し。
1度、大きくため息をつくとパソコンを押しのけてメニューを手に取る。
「……進みませんね。先に何か胃に物を入れておきましょうか……」
こんな時間からあまり重い物を食べても身体に障るだろう。軽食のページを中心にぱらぱらとめくる。
■黄泉 雪 > 後に響かずそこそこ腹に溜まりそうで、尚且つ手軽な物。
ど定番たるサンドイッチ様を注文すると、品が届くまでの間に一息つけるべく紙巻に火をつけた。
ふと思い返す、研究棟のおっさん達の影響だろう。成人後、気付けば自分も喫煙所メンバーの仲間入りを果たしていた。
金銭的な負担、身体能力の低下、どれだけ考えてもデメリットが多すぎるのだが習慣づいてしまったのだ、仕方がない。
煙を燻らせながら、パッケージに描かれた先住民族のイラストを軽く小突く。
■黄泉 雪 > 研究所での雑な服装に白衣な時ならともかく、メイド服でこれは如何なものか、なんて考えても仕方がない。
ファミレスでレポートの推敲をしている時点で手遅れなのだ。
灰皿に押し付けて火種を揉み潰すと、サンドイッチ片手に実験データを漁り直す。
先行研究の文献と比較し、差異を洗い出す。
たまには触ってみろ、と押し付けられた専門とは全く関係ない分野のデータ。
頭に明確なビジョンが浮かばず四苦八苦。
ああでもない、こうでもない、と得られたデータを元に計算を繰り返す。
気分を入れ替える為とはいえ話を聞ける相手がいない場所に出てくるのではなかった、と後悔しても時は既に遅く。
■黄泉 雪 > あの野郎これが仕上がったら押し付けたことと生まれてきたことを後悔させてやる、なんて物騒な考えが頭の中を占め始めた頃。
漸く求めていた波形をグラフ上で捕まえた。
「やっと……1つ進む……!」
目を血走らせて画面を睨めつける悪鬼の如き様相も一瞬。
咳払いとともにリセットをかけて再び仮面を被り直す。