2016/05/02 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に園刃華霧さんが現れました。
園刃華霧 > 「あー……今日も働いたネー。ご飯が旨いナ」
呵呵と笑いながら、テーブルいっぱいの食事に舌鼓を打つ少女が一人。
まあ働いた、とは言っているが彼女なりに、でしかない。
同僚が聞いたら目をむいて怒るかもしれない。

「うン……値段の割に結構いけるンだよナ。いいことダ。はハ」

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にバラルさんが現れました。
園刃華霧 > 「夜は鍋で米も無し、だっケ……?
 いや、ちがったカ。マ、いいヤ。アタシがのんびりしてらレるなら、それが一番サ」

なんだか微妙に間違った古語を口にしつつ、彼女はのんべんだらりと過ごすのであった。

バラル >  ――華霧が食事に舌鼓を打っていると。
 段々と、あるいは元からだろうか。
 和気藹々とした店内の賑わいを耳や目で察する事が出来るだろう。

 要するに、混んできた。混んでいる。
 店員の一人が貴方のもとへやってきて、"ご相席をお願いしても宜しいですか"と声を掛ける。
 既に案内するつもりなのだろう。店員の後ろには紫髪の少女の姿をした、見覚えのある誰かが控えている――

園刃華霧 > せっかくの食事中に店員が声をかけてくる。
相席にしろ、だということらしい。確かに人が混んできてるのは分かる。

「ァ?んー、まア……今日の華霧さんハ機嫌がいいから相席くら、イ……」
そこまで言いかけて、ふと、控えている相手を一瞥する。
どこまで見た顔……どころではない。
自分にとってはある意味因縁の相手である。
そこまで確認した瞬間、口がなめらかに動き一言発した。

「チェンジで」

この間、実に1ミリ秒であった。

バラル >  結果、店員がものすごく困っている。泣きそうだ。
 ……おそらく、新人なのだろう。混雑で混乱の果てを極めているのかもしれない。

 一方のバラルは呆れ混じりに肩を竦めている。
 狼狽している店員にも、何らかの言葉を掛けている。魔法の類ではなさそうだ。

園刃華霧 > 「んー……」
なんか泣きそうだな、コイツ。と腹の中で思う。
そういえば、あまりみない顔だから新人だろうか。
なるほど、面倒そうな客を押し付けられたと見える。
実にアワレだ。だが、同情はしない。強く生きろ、若者よ。

……に、しても。何話してるんだ、あの魔王?

バラル >  聞こえてくる言葉は至極真っ当なものであった。

 "クレーム付けたりしないから安心しなさい。"
 "きっと風紀委員さんも虫の居所が悪かったのよ。"

 など、関係性を棚に上げた事以外は普通の言葉だ。
 意外とまとも――ちょっとだけ身なりが悪くなっている気もするが。

(……煽って意地で相席させる事を狙ってももいいのだけれど、
 しくじって問題起こして出禁になるのも癪ね。)

 ……一瞬だけ、華霧を横目に見て思案げにするものの、すぐに視線を離した。

園刃華霧 > 「む……」
別に自分の評判がどうなろうと気にはしない。
そんなことで不良風紀はやっていけないのだ。

しかし……だからこそ、だ。
この魔王に正論っぽく擁護されるのはそれはなんか妙に悔しい。

「あーアーあー、わーッタ。わーったヨ。
 いいよ、席くらイ。空いてルんだしサ。」

これも相手の計算のうちだろうか。だとしたら、コイツはとんでもない女狐だ。
いや、魔王だっけ。まあいいや。
とにかくロクデモナイやつだ。

バラル >  破顔する店員。
 何度も何度も華霧に頭を下げた後、危なっかしい速度で立ち去った。

「……即答でチェンジとぶつける割りには懐が広いじゃない。
 ま、感謝しておこうかしら。」

 やけに殊勝にそう述べてから店員を呼び直す。
 ドリアとドリンクバーを頼んで、メニューの冊子を閉じた。

園刃華霧 > 「ハ。華霧サンの懐はひろーく出来テるのサ。
 ついでに胃袋もネ。」
ケケケ、と笑い。

「で。また妙におとなシいけれど、なんダ。
 変なモンでも食べたカ? 拾い食いでもしタ?
 それともあの従者にとうとう襲われたカ?」

バラル > 「後は勤勉さね。
 うちの従者と合体してくれたらいいんじゃないかしら?」

 平然と危なっかしい事を言い終えれば立ち上がり、
 ドリンクバーから野菜ジュースを注いで席に戻る。

「――金欠よ。」

 バラルの表情や声色に怒りや哀しみの色はない。
 表情を変えず、そう告げた。

園刃華霧 > 「あッレー、おかしいナ。アタシの売りは情熱やら頭脳やら気品やら優雅さやら勤勉さなんだけどナー?
 ってカ、合体……って、悪魔合体とかそんな感じのアレか?
 アレとは……ちと勘弁願いたいネ」

ヘラヘラと。スラスラと。適当な言葉を並べ立てる。
よし、舌は回る。調子が出てきたじゃないか。
しかし……

「は?金欠?オマエが?」

続く言葉に、思わず口の回転が止まる。
なにそれまじで?

「ダッサ」

思わず言葉が漏れる

バラル > 「知ってたわ。」

 私も勘弁だもの、と、ため息交じりに野菜ジュースを啜る。
 ドリアが来るまでは、ちびちびと啜っているだろう。
 ちゃんとストローをグラスに刺して啜っている辺り、仕草そのものは上品だ。

「ええ、ダサいでしょう。もっとダサい話を聞かせてあげる。
 私の城の財宝とか、魔力とか大分売り払ってしまったのよ。
 本当、困っちゃうわ。」

 ――わざとらしく、グラスを手に持って直接飲み干す。
 ――わざとらしく、グラスで口元を隠した。

園刃華霧 > 「そもそモ、あの変態性を持ったナニカ、が爆誕するト、割と目も当てられない気がするゾ、アタシ」

この辺は、流石に意見が合うトコロである。
まあ、意見が一致しないほうが逆に怖いのだが。

そんなことを思いながら、ようやく目の前のステーキにかぶりつく。
うん、旨い。やや硬いが、まあ贅沢はいえまい。
こちらはお世辞にも上品とはいえないが、最低限の品だけは確保していた。

「アー……?何、同情でも引こウって算段?
 そこまデ堕ちたン?
 てか、仮にも世界をどうこうしようってマオウサマが、なにコノザマしてンのサ」

さきほどの軽口とまったく変わらない調子で言葉をつなぐ。
まったくの平常運転だ。

バラル > 「風紀委員が崩壊してくれても好いのだけど。」

 くすくす、と薄く笑ってみせた後に届いたドリアを頬張る。
 不味くはないのだろう。そのまま食べ進めた。

「言ってなさい。魔王でもゲームに負ける事はあるのよ。
 でも、お陰様で少し楽しみなの。何でか、分かるかしら?」

 ――意地悪そうに口元を緩め、挑発交じりの表情を向けた。
 魔王でなければ女狐か。そう思わせる程には意地悪で妖艶だ。

園刃華霧 > 「アー……ンー………
 いやー、そりゃ相手次第だナ。」

一瞬、くそ真面目に思案をした顔になってから妙に真顔で答えた。

「ゲーム、ねー。
 なんだ。カジノでスッたりでもしたのかネ。
 だとしたらゴシューショーサマ。」

ちっとも同情していない口調で肩をすくめる。

「なに? どん底から這い上がル楽しミ?
 それとも、やり返して見返そうって腹?
 どっちもマー、オススメできるかわからんけどサ」

バラル >  
「だって、魔王の財宝に魔王の魔力よ。
 ――売り払われたそれらがどう使われるのか、本当に楽しみだわ。
 店員さん、ちゃんと目利き出ているかしら。

 力を与える代償として視界に入ったものを斬り捨てさせる妖刀とか、魔法の機関銃とか、
 ああ、そうね。闇の眷属を蘇生・復活・全快させるスクロールもあったかしら。
 ウソがばれなくなる宝珠なんかもあったわね……」

 怪しげなマジックアイテムをあれこれ述べた後、
 "こればかりは不幸中の不幸中ね。"と、愉快そうに言ってみせた。

「それにしてもここのご飯、おいしいわね。そう思わない?」

園刃華霧 > 「アー……」

一瞬、天を仰ぐ。
コイツ、転んでもただでは起きないどころか、転んで色んな物ぶちまけてやがる。

「スマン。そーいヤ、一応マジで魔王だったんだっけナ。
 あンまり情けなイから、一瞬忘れるトコロだったワ。
 つーか、そんなモン、普通の店に売ったのカ?」

やれやれ、と溜息を付き。
無駄とは思いつつも、一応聞いてみる。
少しでも何かの足しになればよし、くらいの心意気だ。
完スルーしてもいいが、流石にそうもいかない。

バラル >  
「色々な所に売ったわね。
 範囲は広い方は良いし、お金も欲しかったから、ある程度はちゃんとやったわ。」

 そこまで言って中身が空っぽになっているグラスに口を付ける。
 飲み干してしまった事を忘れていた故ではあるが、不満そうにグラスを戻した。

「ま、少しぐらいは働いた方が健康よ。
 働かなくてもいいけど、忙しくなるかもしれないわね。」

 そこまで言ってから立ち上がる。
 伝票を手に取った所で、思案してみせて――

「――ああそうそう、伝票をもってくれる気はないかしら。
 そうすれば、お金が浮くのよ。この指輪を売らずに済むかもしれないわね。どう?」

 脅しのつもりなのだろうか。
 古びた指輪――真鍮や鉄のような、一見大したことのなさそうな金属で出来た指輪とポケットから取り出してちらつかせる。
 状態も悪く、外装もない。単純な装飾品としては食事代になれば良い方の値打ちだろう。

園刃華霧 > 「オマエ、バッカだロ。そういうのハ、価値が分かって高く売れルとこに売れヨー。
 変なところで世間ズレすんナ。」

なんだか微妙にピントずれな説教をする。
しかし、わかってる連中に売られたほうが此方としてもやりやすいはやりやすいのだ。
言ってからヤケのように残った肉を口にする。
既に味などわからない。クソ、だから同席はやだったんだ。

「今直ぐ、オマエを何処かにブチ込んだほうが楽で良い気がするヨ。ったく。」

やれやれ、と肩をすくめる。
まあ実際にやる気はない。
そもそも適正な理由はないのだ。いや、色々と小汚いことをすれば出来なくはないのだろうが。

「ウワー、露骨にタカリに来たよこの魔王。
 恥とか知らないのかネ。」

うへー、と大仰に妙な声を上げる。
とはいえ、この世の正義と平和とかには興味が無い自分でも放置しておけば面倒になる案件なのは分かっているので、
どうしたもんかと考える。

「しゃーないナ、コスズルい魔王サマ。
 払うから、そのかわりその指輪オイテケ。
 あと、あの変態を24時間労働とかサせて小銭くらい稼がせロ」

心底面倒そうな声でそういった。
どことなく、ダルそうにも見える。

バラル >  
「ふふ、ある程度馬鹿の方が愉しいと思わない?
 私はとても楽しいわ。美味しいドリアも食べる事が出来て、言う事なしね。」

 意地悪に笑ってみせてから、肉を平らげる華霧を見下ろす。
 指輪を置いていけ、と言われればそのままテーブルに置き――
 
「やれるものならやってみなさい。貴方が不眠不休で一月ぐらい頑張れば、
 もしかすれば正当な理由でぶちこめるかもしれないわ。大変でしょうけれど。」

 実際にそうする気はないのだろう。 
 故に、希望をちらつかせるような形でやらないことをからかうように言葉で煽る。
 だが――

「――この指輪をご所望? 屈しても諦めず、抜け目なく駆け引きを狙う所は知性のある人間の強さもの。
 良いわ。置いていきましょう。あの変態はどうしましょうかね。変な事されても困るのよ。所属が所属だもの。」

 すんなりと指輪を置く。
 そして、その場から歩きだし――

「では、また会いましょう。」

バラル >  
 何もせずに立ち去った。

 ……テーブルの上に置かれた指輪はただの指輪だ。魔法も呪いもなにもない。

 但し、風紀委員本部など然るべきところで調べれば、
 それは古美術品としてはそこそこの価値を持つ事がわかる。
 紀元前1000年辺りの指輪を精巧に模したレプリカとして――

 
 ――然るべき所で売った場合、売値で三万円ぐらいのお値段だ。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からバラルさんが去りました。
園刃華霧 > 「へーへー、そうでショーともサ。
 頭空っぽのホーが夢を詰め込めるらしーシ?
 あーあー、ヤダヤダ。こうなるって分かってたんだヨ、モー」

あーあ、と天を仰ぐ。
だからといって何かが変わるわけでもないのだが……

「やだネ、メンドクサイ。
 アタシは、出来るだけ仕事をシないで生きるンだヨ」

どん底から這い上がって、犬のように生きる。
そんなことが単純に出来るなら、どれだけ気楽なんだろうか。
不良をするのもこれはこれで大変なのだ。

「タダ飯喰らいされるなンて、たまったモンじゃないからナ。
 アタシが奢るのは、アタシが気に入ったやつだけだヨ」

そういって指輪を手に取り……口に入れる。
どうせ呪いとかはないだろう。
魔法とかそういうのには疎いが、なんとなく予想はつく。

「ジャーな。出来れば二度と会いたくないケド」

ひらひら、と手を振る。
それはもう、いい加減に手を振った。

そして、バラルが立ち去ったのを確認して
盛大に溜息をつく。

「アー……飯がまずくなった。」

そしてさらなる注文をするのであった。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から園刃華霧さんが去りました。