2018/08/06 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に古城 桜虎さんが現れました。
古城 桜虎 >   
考えることは皆同じ──。
 
「うっへ、混んでますねえ……。」

遅めの夕飯時。
急遽降り出した通り雨。
雨が過ぎるまで待つ店内の客。
雨宿りにと店内へ駆け込む新たな客。

混まない筈が無いのだ。
──この少女も例に漏れず、入口付近で順番待ち真っ只中──。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に一色 白羽さんが現れました。
一色 白羽 > 「まいったな…んっ…」

買い物帰りに遭遇した通り雨。
やり過ごすために近所のファミレスへと向かったが…
ひどい混みようだ。
男女問わずごちゃごちゃと…入り口は混み合っており現場店にも入れず
軒下で雨をやり過ごすのがやっとと言った様相。
両手に買い物袋を下げたまま急いで軒下へ潜り込むが、被害は甚大だ。

古城 桜虎 >  
「ふー……」

 それから十数分ほどの時間が過ぎる。
 業を煮やした者や迎えがきたらしき者が動き始め、少しずつだが席が空く。そして──。

『ご合席でも宜しいでしょうか?』

 店員と思わしきウェイトレスが、黒い髪の青年と濃茶髪の少女へと声を掛けた。白羽と桜子だ。


「あ、ええ。私は構いませんが──。」

一色 白羽 > 「あ、はい」

ウェイトレスに声をかけられると、少しばかり間の抜けた返事。
相席。そうか、今は学生も帰りの時間。
その殆どが友達と一緒に帰宅やら遊んでいるという様相。
一人の客というのはそんなにいない。
回転率を考えれば当然か…。しかし…少女か。少しばかり気まずい。
ウェイトレスにつれられて席に着くも、ほとんど濡れ鼠な自分と相席では
相手も少しばかり扱いに困るだろう。

「とりあえず、拭くものがあれば…」

古城 桜虎 >  
「使います?」

 呟きを聞いたのだろう。
 白羽へ向け、当たり前のように白いハンドタオルが差し出される。
 携行している鞄から出したのだろう。

 ……まっすぐに白羽を見つめ、反応を待っている。

一色 白羽 > 「あ、いや。いいですいいです。
むしろ後で使うかも知れませんし、女の子のタオルを使わせてもらうのも
なんだか申し訳ないというか…」

善意から声をかけてくれたのはわかっている。
だが、女性の立場からして、ハンドタオルを使う機会は多いだろう。
運良くここはファミレス。
おしぼりでもいくつか頼めばなんとかなるだろう。

古城 桜虎 >  
「あや、そうですか……。」

 押し付けることはせずさっくりと仕舞う。
 殿方としてのプライドもあるのかもしれないとも思ったものの、
 心の片隅に置いておくことにした。

 一先ずメニューを手に取り、ざっくりと眺める。

(チキンソテーのセットと……
 ……そうですね。たまにはお好み焼きを食べてみましょう。)

一色 白羽 > プライドとかはむしろまったくない方なのだ。
ただ、普通に後で彼女が使うときになって濡れていたら困るだろうという配慮でしかない。
だが、相手がどう思ったかも知らないのであえていう必要もない。
しかし、まいった。
雨宿り先にと選んだはいいが…買い物袋に今日の夕飯の食材は買い込んである。
特になにか食べたいというわけでもない。

「えーっと、決まりましたか?」

彼女がメニューに目を通しているのを見れば、暫くまってから呼び出しボタンに手を伸ばす。

古城 桜虎 >  そんな思考のずれはさておき、問われれば顔を上げる。
 頷きを以って肯定を返しつつ、メニューを閉じて置く。

「ええ。私は決まりました。
 ですので、お兄さんが決まったら押しちゃってくださいな。」

一色 白羽 > 「それじゃ」

ぽちっとボタンを押せば、程なくウェイトレスがやってくるだろう。
とりあえず自分は…

「ホットコーヒー一つお願いします」

メニューを見る必要もなかったのでサラッと注文。
しかし、この状況で女性だけが食事を頼むというのも
なんか恥をかかせることにならないだろうか?
いや、そこまで深く考える必要もないだろう。
少しばかり彼女の様子を伺いつつ。

古城 桜虎 >  
「ぁ、チキンソテーのAセットとミニお好み焼きを一つ。
 飲み物は烏龍茶をお願いします。」

 当たり前と言わんばかりにしっかりとしたメニューを注文する。
 何かを気にしている素振りは全くない。

 注文を終えれば店員は厨房へと下がる。
 再び二人きりだ。

「……」

 濡れっぱなしで大丈夫だろうか。
 濡れたままであろう白羽と視線が注がれる。

一色 白羽 > 「あ…」

そういえばおしぼりを頼んでいなかった。
去っていくウェイトレスに声をかけそびれてしまった。

「……」

もう一回ボタンポチ。

古城 桜虎 > ぴんぽーん。

呼び出し音の後、再びやってくる店員。
桜子は"私ではなく彼です"、と、視線を以って誘導するだろうか。
 

一色 白羽 > 「あ、ははは…えーと、なにか拭くもの…あったらお願いします」

気まずい。
明らかに気まずい。
コーヒー一杯で図々しいというか、あきらかに
『雨宿りに来ました』感満載。

「………あと、ミートドリアを追加で…」

流石にいたたまれなくなった。

古城 桜虎 >  
愛想よく、それでいながら淡々とメニューを復唱し受理する店員さん。
一度下がった後、すぐに業務用のフェイスタオルらしきものを持ってくれば白羽へと渡す。
立地的にもよくあることなのかもしれない。

程なくすれば別の店員がコーヒーと烏龍茶を二人へと配膳する。
食事の提供にはもう少し掛かりそうだ。

一色 白羽 > 「ありがとうございます」

メガネを外して髪と顔を適当に拭う。
肩やら服やらの水気もとって、ようやくひと心地といったところか。
ペーパーナプキンでメガネも拭けば、見た目的には問題はなくなるだろう。

コーヒーが運ばれてくれば、もう一度礼を言いつつ
砂糖いくつかとミルクを少しばかり足して一口。
どうしても気まずさが拭えないのは、相席という性質上どうしても付きまとうものなので仕方ないとして…

外の様子を見れば、まだ雨は降っている。
ゲリラ豪雨…というほど強くもないが、通り雨で流せるほど短時間では終わらなさそうな予感。
このまま雨が続くのも困ってしまう。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から一色 白羽さんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に一色 白羽さんが現れました。
古城 桜虎 > 拭き終えたと見れば小さく安堵の息。
烏龍茶に口を付けながら食事を待つ。

「……それにしても、お互いに災難でしたねえ。」

さしたる理由はないものの、
なんとなく、世間話の体で話を振ってみることにした。

一色 白羽 > 「そうですね…蒸し暑くもなってしまいますし…
今日の夜は少し過ごしづらそうですね。
このまま止んでしまうと」

かといって、止んで貰わないと帰ることすら面倒くさいことになるのだが。
返事を返しつつコーヒーを一口。
世間話を振ってくる彼女に気を使わせているようで、なんとなく申し訳がない。
だが、どうしたらいいものか。
この後続く話題が思いつかない。
一歩退く、目立たないようにするということならば得意なのだが…。

「あー…学生さんで?」

古城 桜虎 >  
「ええ全く。湿気も物凄いことになりそうで。
 髪の毛が変に跳ねちゃうのから困っちゃいますねえ……」

 ぼやいた辺りで食事が届き、適切に供される。
 チキンソテー、セットのライスとサラダ、ミニお好み焼き。
 そして追加オーダーのドリア。暖かそうだ。

「先生に見えます?」

 くすっと笑ってみせたような、冗談めかした問いが返ってくる。
 

一色 白羽 > 髪を気にするあたり、女子らしい。
うちの妹…特にスミレあたりの髪が跳ねたら
他の兄や姉に直させるものだから…。
その妹も今や寮生活。一人で大丈夫だろうか?

「はは、僕なんかはこんなですし、気にしても仕方ないですが…
髪の長い方は大変でしょうね」

ぼやく彼女に合わせるように、笑って切り返す。
するとやってきたオーダー。
まぁ、ドリア一つで夕飯が食べられなくなるほど繊細な胃袋ではないので
いただきますと、一礼してから食べ始め。

「…みえませんね」

若くみえるどころではない。
どうみても、先生には見えない。
コーヒーを飲みつつ頷き。

古城 桜虎 > 「良かったです♪」

 おどけてみせながらお好み焼きを齧る。
 鰹節とソースの良い匂いが辺りへと漂った。

「そう言えばお兄さんの髪……
 ファッション、と言う訳ではない、ですよね。」

 思い出してみれば少し引っかかるものがあった。
 そういわんばかりに髪の黒くない部分、白い部分を見つめる。

一色 白羽 > 「ははは…」

どうやらハズレはひかなかったようだ。
もし、『見えます』だの『若く見えます』だの言った日には
気まずさは最高潮に達していただろう。

「僕の髪…ですか?
あー、これはちょっと…やっぱり白髪染めでも使ったほうがいいですかね?」

どうしても違和感が出てしまうので、染めたくはなかったのだか…。
やはり目立つだろうか?
いや、目立たないはずもないのだが…。

古城 桜虎 > 「うーん。そのままでも良いんじゃないんです?
 ほら、その手のファッションもよくありますし、気にしすぎなくとも。」


 会話に興じながらもチキンソテーを切り分ければ口に運ぶ。
 食べ方そのものは下品ではないが、食べるペースは速い。

「それに……"ここ"だと外からやってきた方も多いですから、
 そっちの意味でもそこまで気にすることもないと思いますよ?」

一色 白羽 > 「そうですか…」

ファッション。
自分の服を見下ろす。
量販店で買った地味なシャツ。
髪型とあわせてみると、ファッション格差があるというか。
服もそういう方向に寄せた方がいいだろうか?
ドリアももはや三分の一と言ったところ。
彼女との会話がぎこちないこともあって、会話そのものが食事に支障をきたさない程度におさまっているのだろう。

「ならいいんですけどね。
変なのに絡まれると面倒ですから…」

力なく笑って、自分の白い髪をつまんで見る。

古城 桜虎 >     
「私とか、です?」

 ほんのちょっとだけ身を乗り出し、
 からかうように、"にっ"、と、笑ってみせた。
 

一色 白羽 > 「まさか」

それをあしらうように笑い返す。
ここでいう面倒なのと言うのは
そこらのチンピラやら、血の気の多いやからのことだ。
彼女は別に髪色に因縁つけてきているわけでもないのだし。

古城 桜虎 > 「ふふっ」

 笑ってあしらわれれば満足そうに座り直す。
 そのまま食べかけの食事を箸でつまみ、食べ切る。

(……意外と自信家さんな気がします。要チェックでしょうか。
 少なくとも、"自信しかない"手合いではないでしょう。ええ。)

 内心でそんな事を考えながら烏龍茶も飲み干し、ほっと一息。

一色 白羽 > 「雨、どうでしょうね…」

微笑む彼女には苦笑を返しつつ
再び窓の外を見る。
ちょうど彼女が食べ終わる頃にはこちらのドリアもなくなっているだろう。
彼女の思惑には気づかぬままに、コーヒーを。

「止んでればいいんですがね」

古城 桜虎 >  
「そうですねえ……」

 身体を捻り、手ごろな窓から外の様子を伺う。
 ……さっきよりはマシな小雨、と言った具合だ。

「"さっきよりはマシ"みたいですから、私は走り抜けちゃおうと思います。お兄さんはどうします?]
 

一色 白羽 > 「僕もそうしましょうか。
あまり遅くなると、夕飯の支度も遅れてしまいますから…」

妹と同居人がお腹をすかしてしまう。
文句を言われるのは流石にごめんだ。
そもそも異能を使えば雨に濡れることなど無いのだが…
流石に人前で異能をさらけ出すような真似はしたくない。
学校側に偽っているからこそ余計に。

古城 桜虎 > 「なるほど。」

「それならお互いにさっくり会計を済ませて、
 ぱぱっと帰っちゃいましょう。」

 支度に遅れることを気にする辺り、同居人が居るのだろうか。
 よく見れば地味めだがそれなりに整っている気がしないでもない。
 いや、先ほどの言動から察するに"敢えて目立たないようにしている"のだろうか?

 そんなことを考えながら伝票をレジへと運び
 そのまま自身の分の会計を済ませる。

「では私はこれにて。
 また会いましょうね、お兄さん。」

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から古城 桜虎さんが去りました。
一色 白羽 > 「はい、さようなら。
お付き合いくださりありがとうございました」

会計を終える彼女を見送る。
実際、相席でもなければ暫くはたってまたざるをえなかっただろうし
彼女が積極的に話してくれたおかげで、なんとか間も持ったようだし
感謝を述べつつもひらりと手を振り。

「はぁ…無駄な出費が…」

会計を終えれば、自分も店から出ていく。
先程よりましではあるが…途中で雨脚が戻らないことを祈りつつ走り出す。

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から一色 白羽さんが去りました。