2015/06/02 のログ
ご案内:「常世寮/男子寮」に食堂儀 シェスタさんが現れました。
食堂儀 シェスタ > 入り口から中を覗いてから堂々と入ってくる。勝手知ったるといった感じだ
真っ直ぐに男子寮備え付けのキッチンへと足を踏み込むと、勝手にフライパンを取り出して火に掛け始める
背負っていたずた袋を地面に下ろし、そこから何かの動物の肉を取り出すと、懐のナイフで捌き始めた

食堂儀 シェスタ > 鉄のフライパンから煙が出る頃に脂を引き、ぶつ切りにした肉を焼き始める
あまりに粗野な調理は調理というには乱暴が過ぎると言ってもいい
ただ肉を切って焼く、そのために火力が必要ということで、たまにこうして調理場を(無断で)借りていた
風紀委員や公安委員に何度も注意されているが、特に問題を起こすわけでもないので注意まででとどまっている
今回は見つからないうちに調理を終えられるかもしれない?と一人肉を焼きながらクールに微笑む

食堂儀 シェスタ > 肉の脂が、鉄のフライパンの上で弾ける音が響く
鼻先から胸の中で味わいたいと思えるような肉の焼ける匂いと僅かな香辛料の薫りが漂っている
肉を焼く調理器具からの熱に煽られて、細首に小さな汗が浮かんだ
シェスタは表情こそ変わらないが、調理もまた狩猟と同じくらいには重労働だと感じている
女性のシェフが名を響かせないのは、偏にその調理自体に大きな腕力を必要とするからだとも
ただ、自分で食べる分くらいは自分で焼いた方が美味しいとも思っていた

食堂儀 シェスタ > 肉を一つずつ裏返す。肉自身から出た脂で表面がカリッとした状態になっていた
また肉自身から旨味として流れでて肉の上に溜まっていた肉汁が、裏返されたことでフライパンの表面に触れ、一層の匂いが立ち込める
その焼き具合を満足気に見た後、再び僅かにフライパンを火から浮かせ、細かに振る
パチ、パチという水分が抜けて旨味が凝縮されていく音が一層食欲をそそる

食堂儀 シェスタ > 肉だけでは寂しいかしら、と気づいた顔をする
自分の食材袋の中から何かないかと探せば、お腹の足しにくらいはなるかしらねと取って置いた野草がある
火を通すべきではあるのだが、元々癖の強い肉を焼いているのだ、またその青臭さが合うかもしれないと軽く水洗いをする
ざくり、ざくりと一口大に切り、皿の上に盛る
水分の多い野草なので、口の中の肉の匂いを洗うのにも役立つかもしれない

食堂儀 シェスタ > 肉の匂いを洗う、で思い出す。確か葡萄酒があったはずだ。保管に気を使っていないために酸化していなければいいけれど
袋の中から取り出し、コルクを抜く、匂いを嗅いだが安い葡萄の薫りしかしない
思いつきでそれを肉の上に垂らし、軽くアルコールを飛ばす
癖の強い肉の匂いが葡萄酒の匂いと混ざり、なんとも言えない薫りとなる
そこに匙で調味料を混ぜると、一変して粗野な料理がもてなしの料理へと姿を変える
元々他者に食べさせる気はないが、小洒落た様相になり、表情を変えないまま鼻歌を歌った

食堂儀 シェスタ > ……できた。
満足気に両手で皿を持ち、掲げる。嬉しいからだ。
嬉しさを表現したあと、キッチンに皿を置き、先に片付けに入る
立つ鳥跡を濁してはいけない、本格的に取り締まられたら死んでしまうからだ
来たとき以上に綺麗に片付け終え、焼いた肉を盛った皿と、葡萄酒を入れたグラスを並べた

ご案内:「常世寮/男子寮」に『室長補佐代理』さんが現れました。
『室長補佐代理』 > そうして、晩餐の準備が全て整った直後、その男は現れた。
物陰から、闇から染み出すかのように現れ笑っている。
「御馳走だな。こんな深夜に精がでることだ」
ざんばらの黒髪を揺らしながら、ニタニタと笑うその男の腕をみれば……そこにあるのは公安委員会の腕章。
「一人で食べるには量が多いんじゃないか?」

食堂儀 シェスタ > 箸で肉を持ち上げたところで声が掛かり、美麗な顔がそちらを見た
鼻から溜息、乱入はいつもこのタイミングだ
「……毎度ご苦労なことね、貴方達も」
「鼻が効くのは犬だからかしら」
相手の立場を揶揄して諦めたように笑い顔を作った
どうやら今晩も楽しい晩餐とはいかないようだ。一旦箸を置く
「ご心配なく。私が作る料理はいつも一人前だもの」
「それとも、ご一緒していただけるのかしら?晩餐に手土産もなしにとは不躾ではありませんこと……?」

『室長補佐代理』 > 「特に血と肉の臭いには仕事柄、敏感でね」
犬の揶揄に対してそうおどけて返し、銀の指輪が目立つ左手だけで肩をすくめる。
右手はポケットから一度も出さない。
「一品加えたくらいで同席させてくれるならそうしたいが、一人前ならそうもいかないんだろう? どうぞ、俺は気にせずに食事を続けてくれ」
そういって、対面に座る。
一度も目は逸らさない。
「ただ、そうだな。晩酌くらいは付き合わせてもらおうか。毎度の事ながらな」
そういって、空のグラスを差し出す。
不法侵入に関しては黙っててやるから一杯よこせと暗に言っているのだ。
毎度のことであった。

食堂儀 シェスタ > 「浅ましい。四つの足で歩くべきじゃないかしら」
呆れたように鼻から息を零して男に視線を送る
グラスを差し出してくる様子を見て、コルクを開けた葡萄酒を見る
「私は自分で狩ることが出来る生き物は食べ物くらいは自分で手に入れるべきだと思ってるわ」
「だから自分の獲物は他人に分けてあげないの」
「でも、今獲物が私であるということに気づけないほど鈍感でもないわ」
癪であるということを隠さずに葡萄酒を相手のグラスに傾けた
血のように赤いワインが注がれる
「私のような小悪党を前に毎度いい気なものね」
「公安が暇を潰せるほどここが平和だと喜べばいいの?それとも葡萄酒片手の私との食卓がそんなに癖に?」

『室長補佐代理』 > 「癖になったのかもしれないな。一般的な感性でいえば、いい女と酒を共にすることは男の至上の歓びらしいからな」
嘯くようにいって、乾杯もせずにグラスに口を付ける。
舐めるように一口啜り、笑みを零す。
男の仕事は監視であった。
調査部に所属する彼の仕事は多くあるが、その多くある仕事の一つが違反学生『食堂儀 シェスタ』の監視任務である。
不法侵入と器物損壊の二つだけで枚挙に暇がないほど罪状を持つ彼女は常に公安と風紀にマークされている。
そのマークの1人が、目前の男。
公安委員会直轄第二特別教室調査部別室所属調査員。
通称、『室長補佐代理』である。
公安の中でも調査部の人間はその性質上、名を明かすことはない。
そのため、このように役職名なりなんなりで常に呼ばれることになるのだ。
「小悪党らしく軽犯罪以外には相変わらず手を染めていないらしいな。司法取引でどうにでもなる事だけをしている間は此方としても都合がいい」
そういって、『司法取引』に使われたグラスを掲げる。

食堂儀 シェスタ > 「小洒落た手土産の一つもあれば、貴方に付き合わないといけない可哀想な誰かはもっと喜ぶかもしれないわね」
目の前の名前も知らない男を気にせず、肉にフォークを通す
それを口に運びながら、目線を送らないようにして聞く
「小悪党だもの。それ以上のことはしないわよ」
「いい加減貴方達も理解出来ていると思っていたのだけれど」
「公安委員会の方は皆、弱味を握って女を屈服させることが趣味なのかしら。犬がするマウンティングみたいね」
昼に瀬名翔一と話したときとは違う食事中の話相手に溜息を吐いて笑う
「……そんなに私のお尻が魅力的だったかしらね」
「何を嗅ぎつけたかは知らないけれど、私は犬と違って、簡単に尻尾を見せたりはしないつもりだけれど?」

『室長補佐代理』 > 「何も嗅ぎ付けちゃいないさ。だからこそ、俺みたいなのがただ監視をするに留まり、いちいち報告書を書くのが面倒なことは司法取引で解決している。世は全て事も無しだ」
目を逸らされても、変わらず男は相手の目を見る。
この男はいつもそうだ。相手から目を逸らさない。
左手の指輪がグラスにあたるたび、カチカチと音を鳴らす。
そのたびに、グラス越しに男の薄笑いが歪む。
「むしろ、嗅ぎつける為に監視の必要がある。同時に抑止にもなる……アンタにする場合は、それ以外の利点もあるが……まぁそれはいっても書いても検閲されるだけだ」
公安委員会がシェスタを監視する理由はいくつかある。
そのすべてが明かされることは、恐らくないだろう。
この男が知っているかどうかも怪しい所だ。
「そう、邪険にするなよ。こっちは軽犯罪者に軽い司法取引だけで情状酌量を与えている善良な法の番人だぜ? お互い仲良くしようじゃないか」

食堂儀 シェスタ > 「職権濫用。小悪党のグラスを交わす相手は小悪党、というわけね……」
軽い溜息が出る
視線に居心地の悪さを感じながら食事を進める
食事を面白がられるのには慣れている
「やりにくい人ね。毎度のことこれだもの、忍び込み甲斐がないわ」
「その検閲される部分にはせめて美人と書いてあることを願うわ」
食器を置く。山ほどあった肉は全て胃の中に収められていた
口元を吹きながら相手の目を見返す。青色の瞳が男の目と合う
「そうね。お友達から、というのは良い口説き文句だと思うわ」
「でもごめんなさい。私、親愛を込めてお友達は出来れば名前で呼びたいの」
「もしそのお首の輪に名前が書かれたときに、改めて誘っていただけるかしら。楽しみに待っているわね」
グラスを手に持ち立ち上がり、相手のグラスに当てて鳴らし、それを流し込むように飲んだ
失礼するわね、と残して男子寮からどこか掴みどころのない女は立ち去っていった

ご案内:「常世寮/男子寮」から食堂儀 シェスタさんが去りました。
『室長補佐代理』 > 青い瞳に、黒い深淵のような瞳が絡む。
目を細めながら言葉毎受け取り、笑う。
「仕事柄、仇名以外で呼び合う関係ってのは苦手でね」
立ち去っていく女を見送りながら、グラスを傾け、飲み干す。
そのまま、真紅の滴を一滴残らず舐めとるように飲み込み、立ち上がる。
「何にせよ、女の尻を追いかけるのも仕事のうちだ。好かれるまでトライを続けるさ」
独白するように背に投げかけて、自分も立ち去る。
先ほどまで二人の男女が食卓を囲んでいたとは思えないほど綺麗にテーブルは片付いていた。

ご案内:「常世寮/男子寮」から『室長補佐代理』さんが去りました。