2015/08/02 のログ
ご案内:「ロビー」に切野真智さんが現れました。
切野真智 > 大量に買ってきたカップラーメンを脇に置いて、ソファーにどかりと座り込む。
何気なくみたテレビの中では、アイドル農家と一般農家がネギについて話し込んでいる。
この番組は、日曜7時からの例の番組か、とわかると同時に、彼に無慈悲な現実が突きつけられる。

(あと12時間で学校かよぉ…。)

一般生徒が夏休みを謳歌している間も、落し物や犯罪が消滅する訳ではない。月曜日にはまたシフトが入っているのだ。

買物で疲れ、力なくテレビを眺めていた彼の顔から、魂が抜けていくように見える。

切野真智 > (せめて給料とか出ればなぁ。)

自分のあこがれたはずの風紀委員会は、悪い生徒をばったばったと検挙し、陰ながら、ではなく表舞台に立って人の役に立つ正義のヒーローのはずだった。

まさか、窓口に座って、電話と応対を繰り返す日々になるとは思いもしなかった。
そんな生活も早1年を終え、大分慣れてきたはずだが

(休日の終わりってなんでこんなに辛いんだ。)
と頭を抱えていた。

切野真智 > 他の席に座り、テレビを見ていた生徒たちがどよめきたつ。

テレビに映るのは、今を彩る人気女優の…ナントカさんだ。
あまりテレビを見る時間のない彼にはわからなかったが、なるほど確かに可愛い。
整った顔立ち、すらりと伸びた背、そして大きな…いや、なんでもない。

「あんな彼女と付き合いて―・・・」
ついつい欲望が口から溢れてしまう。

切野真智 > 恥ずかしい台詞を吐いてしまったが、気にすることは無い。
どうせ周りも大体似たようなもんなのだから。
多くの学生が一人暮らしをしているというのに、こんな時間にこんな所に居るやつなんてどうせ…。
と、自らの傷口を抉り広げていく。

これ以上傷口が塞がる前に、と彼が取った行動は
(全部風紀委員のせいだ。)
自分の容姿や性格を棚に上げて、仕事に全責任を押し付けることだった。

切野真智 > 自分にはこれから部屋に帰ってもカップラーメンくらいしか楽しみは無いというのに“奴ら”は彼女お手製の夜ご飯を食った上、お楽しみまで控えているのだろう。憎い。
と彼の中で、轟々と嫉妬の炎が燃え盛る。

これならば、自分にはもっと相応しい組織があるような気がしてしまう。

切野真智 > 考え事をして、下がってしまった頭を上げ、気を取り直す。
危うく嫉妬の波動に精神を飲まれるところだった。

とりあえずTCBの入団は先送りにしよう。
二つの団体を掛け持ちできる程自分が器用でないことは知っている。

再びテレビの方へ目を向ける。
先程の人気女優がクイズに答えているようだ。
(悩む姿も可愛いなぁ)
と思いながら、ぼぅっとテレビを眺めるのだった。

ご案内:「ロビー」から切野真智さんが去りました。