2015/12/24 のログ
ご案内:「食堂」に藤林シンドリーさんが現れました。
藤林シンドリー > (食堂のメニュー欄を前にポケットに手を突っ込みながら立つ少年が一人。些か胸を張るように姿勢よく直立しているものの、目の前の看板に対しては鋭い視線をぶつけている。)

「限定メニュークリスマスケーキ、ね…。フン、全く何を浮かれているんだか。こんなの宗教的行事でもなんでもなく、ただの戦略商法じゃないか。」

(人気の少ない食堂で、誰に向けるでもなく一人呟く。孤独な少年は、特定の人々が浮かれ騒ぐイベントをなんの恨みもなく純粋に鬱陶しく思っているようだ。)

「…とはいえ、暇だ。」

(別に寂しいわけではないが、と付け足すように呟くと、茶を一杯取って隅の席に着いた。)

藤林シンドリー > 「…誰もいないし、試してみるか。」

(左手に持った紙コップに入ったお茶の水面をじっと見つめる。)

「行儀が悪いと分かってはいるが…。」

(一人呟くと、右手の人差し指をゆっくりとお茶の水面に第一関節まで沈めた。目を閉じ、精神を集中させる。約1分程その状態を保つと、ゆっくりと目を開けた。)

「…まあ、そうだろうな。辛抱したところで変わるとは思わない。やっぱり液体にこの異能は通用しないか。」

(溜め息一つ。胸ポケットからハンカチを取り出すと、濡れた指を拭いた。ぬるくなったお茶をすする。)

藤林シンドリー > (ふと、何気なく視線を投げた先の床に、やどりぎの飾りが落ちていることに気が付く。)

(重い腰をあげ、空になった紙コップを片手で乱暴に潰してゴミ箱に投げ捨てると、やどりぎの落ちている場所に向かった。)

「全く…こんなものに何の意味があるのか。」

(言いつつも気だるげに飾りを拾うと、すぐ近くの適当な壁の飾りを眺める。目についたのは、画鋲で留められた小さな靴下の飾り。その中にやどりぎを放り込んでみる。)

「…本当にただの子供騙しに過ぎない。昔はこんなのでも喜んでいたんだな。」

(ちらり、と外を見る。世間の恋人達はこんな飾りを眺めるだけでも嬉しいのだろうか。ぼうっと暫く思考を巡らす。考えたところで自分自身は何も変わりはしないのだが。)

藤林シンドリー > (どのくらいぼうっとしていただろう。はっとして食堂内の時計に視線を投げる。)

「なんだ、もうこんな時間か…。僕はこんなところで一人で何をしているんだろうな。」

(もう一度やどりぎの飾りを見つめる。もうこれは明日でしまわれてしまうのか。そう思うと少し寂しく感じられるような気もした。)

「…もう一杯だけ飲んだら帰るか。」

(今度はただで貰えるお茶ではなく、自販機に向かう。ポケットから財布を取りだして小銭を投入すると、落ちてきた暖かいココアを握り締めた。)

「あつっ…。」

(うっかり声に出してしまったことを何気に後悔する。そこそこ普段からかっこつけているだけにその表情には恥じらいがあった。)