2015/08/29 のログ
ご案内:「部屋」に倉光はたたさんが現れました。
倉光はたた > 病院で預かられていた倉光はたたの荷物はすべてはたたへ返却された。
倉光はたたという女生徒が使っていた寮の個室。
その部屋の鍵ももちろん含まれている。

教えてもらった通りのやり方で、鍵を差し込んで回す。
そうして乱暴に開き――扉を開きっぱなしのまま、入る。

きれいに掃除された倉光はたたの部屋だ。
家族の手によって整えられていたらしい。

倉光はたた > 持たされた書類をテーブルの上に放る。

無事に退院とは相成ったが、今後も定期的に検査は続けていくらしい。
今後は所定の日に病院――ではなく、研究区の施設に足を運ぶように、
とのこと。

学校は、色々あったためにしばらくは休学扱いになるらしい。
落ち着いた頃合いを見計らって、復学できるように準備を整える――
とのこと。

そう、学校。
学校に行かなくてはならないのが倉光はたたなのだ。

倉光はたた > クローゼットを開ける。
掛けられた上下の制服が目に入る。

「…………」

すぐに興味を失って、カーペットに身を投げる。
学校。
学校とはどういうことをするところなのだろう。
かんがえてしてみたけどわからない。そうぞうもつかない。

壊れたおもちゃのように手足をバタバタと動かす。

学校。
にんげんの子供がかようところ。
雷はかようのだろうか?

寝転がったまま、手を頭上に掲げる。
指の間で電気がぱちぱちと鳴った。

「…………」

人間であることを続ければ、
いつかははたたは“はたた”となってしまうのだろうか?

倉光はたた > 「……」
放電とともに思索を止める。

今は寮にかつての同居人――ユキヱはいない。
わかったこと――何もわかっていない、ということを――
彼女には伝えなければいけない。

けれどもう少し後でもいいだろう、
そう考えてはたたは、自室を後にする。

ご案内:「部屋」から倉光はたたさんが去りました。