2015/09/24 のログ
ご案内:「その他」にサヤさんが現れました。
サヤ > すっかり夜の帳が下りて、少し肌寒い中、サヤは女子寮の玄関前の階段に座って、空を見上げていた。

サヤは空を見るのが好きだ。青空も、曇り空も、雨空もそれぞれの良さがあるが、取り分け夜空が一番だ。
空を埋め尽くすように輝く数々の星を見るのが、毎日の楽しみだった。
最近、色々と思い悩むことが多いので、気分を変えようとわざわざ部屋から出てきたのである。

サヤ > しかし、こちらの世界はどうも星が少ないようだ。元の世界のサヤが住んでいた国、ク・ラトールの夜空は満天の星空であった、星座がどこにあるかわからないほど、星が空を埋め尽くしていたものだった。
星座も、当たり前だが違う。まだサヤはこの世界の星座を知らない。
星の海で勇壮に剣を振り上げる戦士座も、熱狂的はさみ尺マニアの天文学者が作ったはさみ尺座も、当然見当たらない。

自分が知らないだけだが、ただのまばらな光の点にすぎない夜空は、どこか寂しく見えた。
「……。」あまり気分は晴れない。失敗だったかもしれない、先に星座を調べて来るべきだった。

サヤ > 「はぁ……。」思わず、ため息が出た。
見上げる首が疲れて来て、力なく下を向く。
余計に気分が落ち込んできた、これなら部屋で勉強していればよかった。
襲いかかる後悔が更に気分を落ち込ませる。

ご案内:「その他」に蘆 迅鯨さんが現れました。
蘆 迅鯨 > この日、蘆迅鯨<ルー・シュンジン>は碌に授業にも出ず、昼間から歓楽街をうろついていた。
そうして夜になってからこの女子寮へ戻ってきたのだったが、
玄関前の階段に座り込み俯く少女の姿を見れば。

「(……あいつ、何やってんだ?ンな所で)」

そんな思いが生じる。その心の声は迅鯨の異能により、
力なく俯いたままの少女にもテレパシーとして伝わるであろうか。
玄関に入らんとすれば、必然的に少女の方にも歩み寄ることとなり。

「……よォ。お前なんでこんなトコに一人で座ってたンだ?今日は寒いだろ」

そんな風に、声をかけてみる。

サヤ > 「あえっ?」耳ではなく、心に直接響く声。
心で話すのは慣れているが、石蒜のものではない声に、驚いて顔を上げる。
一瞬、固まる。で、デカい……畝傍さんと同等だ、何を食べたらそんなに大きくなるのだろうか……。


そして、今度は同じ声が、普通に耳に響く。独り言の声を勘違いしたのだろうか?
気を取り直して、質問に答える。
「あ、ええと…星を見ていたんですけど、星座とかわからなくて……星も少ないし、それでなんだか…落ち込んでしまいまして。」
両手の指先を合わせ、弄りながら答える。
自分が落ち込んでいることを説明するのはなんだか恥ずかしい。