2016/06/06 のログ
ご案内:「ロビー」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
那岐夜車丸汀 > 夜が大分落ち着いてきた頃合い 女子寮のロビーの隅っこで
ごそごそと作業をする一つの人影。ソファとテーブルを占領してまでやっている事は。

バイオリンの弦の張替えだった。弦はいつぞや専門の店を教わってから行ってみて入手したとも。

「…普通の弦なんですが 仕方ないですね。こう特別製の…自ら手に入れよ、でしょうか」

G線から緩めて しゅるしゅると楽器から弦を抜き始めた。
全て弾く抜くのに時間は大して掛からない。

那岐夜車丸汀 > 購入してきた紙袋から 指先と打刻して貰った点字でどの線かを把握してから、
全ての弦を引き抜いて弦が無い楽器を持ち上げて、抱え直すと一本一本手馴れた手つきで弦を張ってゆく。

糸巻きを閉めて入ったり 緩めたりとある程度まで張り終えると、楽器を膝の上に置き、
テーブルの上に置いていたケースの中をごそごそと探す…音叉だ、手触りと爪で弾けば
金属の音を発したから それを握り一旦テーブルの上に置こう。

「弓の毛替えはさすがに 頼まなければ為りません。今日のところは調弦だけをして、」

背筋を伸ばし楽器だけの構えをすると ピッチカートと音叉による調弦をし始めた。
余り音は出せないが 致し方ない。暫し我慢していただこう。

那岐夜車丸汀 > 「こんなものでしょうか。張ったばかりですから 暫くしたら狂うでしょうけど。」

都度 調弦をしてゆけば問題なし、とばかりに或る程度調節した弦の張り具合を指と耳で確かめる様にやり終えると

撤収とお片付け、とばかりに 張り終えた弦を購入してからになった新しい弦が入っていた袋へと入れていく。
音叉は元の場所にしまい、楽器を専用の拭き布で拭う。それから楽器をケースの中へとしまい

舌打ちによる異能をして 忘れ物が無いかを確かめ終えると

「お仕舞い。 では 撤収致しましょう。」

ケースを持ち上げて 自身の部屋へと戻っていくのでありました。

ご案内:「ロビー」から那岐夜車丸汀さんが去りました。