2018/04/21 のログ
ご案内:「ロビー」に椰月文霞さんが現れました。
■椰月文霞 > 「うぅぅ……。喉乾きました。」
目は瞑っているようにしか見えないくらいにしか開いておらず、両手を前にフラフラさせながら歩く姿は端から見ればまるで夢遊病。しかし壁にぶつかることもなく器用に歩いていく。
白地に水玉のパジャマ姿のまま向かうはドリンクの自動販売機。
程なくして自販機の前に到着した。自販機から発せられる眩い光に一度ぎゅっと強く目を閉じて、しかし次第に慣れてきて意識も覚醒させられる。
徐々に目を開けて直視できるようになるまで約30秒。若干まだぼやけた視界の中、ようやくパジャマのポケットから硬貨を取り出しコイン投入口に入れていく。
「お水で良いんです。ええっと……」
■椰月文霞 > 視界に広がる選択肢の数々。口では"水"と宣言したものの、いくつもの色鮮やかなパッケージが私を選んでと主張してくる。
きょろきょろと辺りを見回して誰もいないのを確認すると、1回目の考慮時間に入った。
「水でも良いんですが。何故だか負けた気分になっちゃうかもですし。なんで100円もするんでしょう。これなんて20円しか違わないのに。」
若干ピーチ味の甘ったるいジュースが気になってきて視線が外せなくなる。そんな風にんー、んー、と考えてまた1分。
誰かが適当に後ろから押したら、素直にそれを飲んでしまいそうなほどに散らばった正解(?)の選択肢。その中から、最適解を見つけ出すには時間がかかりすぎる。
「じゃあ、お水か、これ。どちらでしょうっ。」
ピッと両方のボタンを同時に押して運試し。
奇数:水
偶数:ピーチ味の飲み物
■椰月文霞 > ランダム指名 > 椰月文霞 [3d6→1+1+3=5]
■椰月文霞 > 「…………へぇ。」
反応したのは水のボタン。
瞬間、寝起きの耳には少々煩い音と共に出てきた水のペットボトル。
ほんの少し遅れて硬貨がお釣りの取り出し口に落ちてくる音が2回。
何にも言葉が出てこない。だって最初から買おうとしたものだから。
「この時間、なんだったんでしょうね。」
貴重なお休みの始まりである土曜日の、貴重な夜明け前の時間。
それをこんな風に無駄にする人って他にあまりいない。
そんなことを思いながら取り出した冷えたペットボトルを見つめる、なんでもないただの日常。
とりあえず落ち着いて飲もうとテーブルのある椅子に座った。
■椰月文霞 > キャップを開けて目を閉じてコク、コクと2口飲み込む。
ふぁ、と息を吐いた。喉を通ってお腹の中が冷たくなるのを感じる。
改めて先ほどの自分の行動を振り返り、何やってるんだろうと恥ずかしくなった。
「だ、誰もいませんでしたよね?」
シン……と静まり返ったその空間。返事をするものなど誰もいないと思いたい。
けれども気になってつい口からこぼれた。
■椰月文霞 > 「で、ですよね、良かったぁ……。」
ふぅぅ、と安堵の溜息。
一瞬の緊張に疲れた体にもう一度水を摂り入れる。優しい何の味もしない液体が喉を通り抜けた。
なんだかまた眠気がやってきたのを感じる。もう一度寝たい。
寝てすべて忘れ、今の一瞬の出来事をすべて水に流そう。
善は急げとばかりに彼女はそそくさと自室に戻っていった。
ご案内:「ロビー」から椰月文霞さんが去りました。