2015/07/09 のログ
ジブリール > 【――見覚えの無い構えは続々と飛び出してくる。まるで手品師のように繰り広げられる彼の動き。
 その手の動作を追いかける。なるほど、カウンターの技術か。無駄の無いしっかりとした、重厚な挙動。そう見えるのも、彼が、ひときわ大きいからだろう。】

【なおも、女は大人であろうとした。女は子ども扱いされれば多少は立腹してしまうほどには、彼ほど精神がしっかりしているわけでもない。
 もっとも、彼のようなゼンを理解すれば、それも足りえるのだろうか。何事にも興味は尽きない。
 朝に四速歩行をするそれは、朝まで三本足が立っているなら大層なものだろう。その意味では、小柄という点はそこそこ合致するのやもしれない。老人は得てして小柄になるもの。という偏見。】

「――見えずとも、見えておりますよ」

【その目がありうる先の、ひときわ輝いて観える場所を眺める。少し首が痛い。しかしそんなことは気にしない。
 彼が目を見せることはしない。それでも彼の輪郭の色ははっきりと見えるものだから、その位置を特定するのは造作も無い。
 互いは互いに見えていないのに理解している。】

「いつもこの時間に、ここにいらっしゃるのですか?」

狛江 蒼狗 > 体重を右脚に移し爪先を内側に、身体は左方向に体幹の力を利用して捻る。
右手は掌を内に向けて右から左へ顔の前を払い、左手を手首へ軽く添えてそのまま反時計回り。
体重を右足に、回した両手が顔の高さまできたら、右手を鈎手(親指を中心に三指を合わせて手首を曲げる形)とする。
身体を大きく左後方へ回し、左脚を北東へ一歩進めて右手は形を維持、添えられていた左手を左肩前に押し出した。

体勢の入れ替わりで、少女の風貌が漸く目に入った。
小柄の銀髪がそよ風に煽られて数房浮かぶように流れ、さらさらと落ちる。
その瞳は包帯で覆われている。それは一時的な怪我というふうでもない。
「わかる」
蒼狗の瞳は蒼白と青みがかったグレー。吸い込まれるような輝き。
太陽が燦々と降る中でも抜けるように蒼く見える。まるで、星のような。
少女の瞳は見えない。

「ここにはたまに。……普段は寮の裏手が修行場だ」
両掌を上に向けて、左手を前方に右手を後方に大きく広げ、体重を右足に乗せ、徐々に身体の中心へ重心を移す。
右手を大きく頭上から左掌の上に移動し、左右の掌を向かい合わせる。
蚊を叩く寸前のような、締りのない格好だがその身体は一寸のぶれもない。
「……ここは、良い場所だ」
左爪先を内側に、腰を右に捻って南へ向き直る。両手は上体の動きに伴う。
体重を左脚に、左手は右耳の近くに、右手は掌を上に向けて右足の前に長く伸ばす。
「流れがある」
海の流れ、風の流れ、砂の流れ。
それが渾然一体となった場所。
その流れに、ずっと、添いながら蒼狗は運動をしている。

ジブリール > 【一見してそれは少林寺の動きにも見えた。友人に見せられた少年漫画でみたものを何となく想起してみただけの、齧ったにしては薄いし、覚えがうすらっとあるものということくらいの事柄。】

「……」

【薄く唇を開いて微笑んでいた。風にさらわれる長い髪。彼の姿をようやく見ることが出来た。待望したわけではないけど、それでもその背中の持ち主が、どんな人物なのか、少なからず気になるものであり。
 そして見えた、魅了されるよに綺麗なグレー。無骨な見た目とちがってそれは、鋭くも美しくて――。
 一方的に見る、という行為。こちらの目は隠れて真意すら測りづらい。そうでなくても、彼ならば理解できそうな気がすると思うのは、高望みが過ぎるだろうか。
 柔らかに、愛想よく。女は友好的な色を示していた。】

「なるほど――確かにここはとても良い場所ですわ。静かですし、広々としている。そしてとても涼やかですもの」

【"見えなくても見えている"この空間はとても広いし静かだ。漣の音ばかりで気を養うには十全とした環境。】

「……水流とはまた異なる流れでしょうか」

【それでも聞こうとするのは、少なからずの好奇と興味があるから。
 女はゆるやかに動く彼から"目"を離さない。】

「……とても不思議なものですわ。傍にいるだけでも、身が引き締まる思いですわ」

狛江 蒼狗 > 右足を踏みなおして踵をつけ、左脚を一歩勧めて肩幅と同じ間隔で右足と平行にし、直立する。
左手を上から下へ、右手は左手の外側を通って額の高さまで上がる。

不思議な色に染まった瞳は、透視能力も読心能力もない。
ただ緩められた口元が“目”ほどにモノを言う。少なくとも敵意は持たれていないようだ。

「水流もまた流れだ」
答えともつかぬことを言う。
身体を左に捻り、体重は左脚に、右手を左方向に突き出し、右足の踵を外側に押し出す。
左手を伸ばして円を描き右手の位置まで上げ、掌を上に向ける。
右手は掌を上にして左腕に添える。“左亮翅”。
「俺も、あなたも流れだ」
答えの補足は余計に話をややこしく、哲学的なものへこじれさせている。
数万、数億のタイムスケールで流動する宇宙と比べればヒトの一生は一瞬巻き起こった流れの一つに過ぎない。
けれども、そんな本意がそうそう伝わるわけもない。
「…………不思議ではないのだ。ただ、流れを感じ、自らの流れを整調して世界へ適合させるというか……。
 上手く言葉にはできんが、まぁ、見ていたらそう感じるのも、なんとなくわかる」
狛江蒼狗は正直であった。
套路は続く。左、から右へ同様に“右亮翅”と動作を続け、また体勢を入れ替える。
身体を左方向に転じて東へ見返り、左脚を爪先立ちにし、緩やかに繰り出される掌打と共に歩行する。それを3度繰り返した。

ジブリール > 【目は口ほどにものを言うなんて言いますが、今回ばかりは逆のよう。
 色素の薄い唇は、なおも言葉を続ける。】

「流れ……」

【要領を得ない。禅問答めいたゆるりとした答え。
 何となく杖を持つ手を横に振るう。風の流れは細い腕を包む。左手で空気を掴まんとする動き。それもまた"物理的な流れ"が生じる。】

「わたくしも……あなたも?」

【ことりと首を傾けた。まるでそう、真に哲学へ至るかのような、心理的解答。心理の奥に潜む"真理"が、世界の一端が語られますよう。
 その感覚は、昔神話の物語を聞かされた感覚に似ていた。子供心に――未熟な知能で、何とかして理解しようとするあの感覚。
 けれどそれに理解は必要ない。神話の時代に語られたものが"そうあれかし"とあるならば、そうあるのだから。この『流れ』とて、考えても答えは出るはずが無い。】

「……世界と一体になる。世界は我々の一部であり、我々も世界の一部」

【矮躯とて、長躯とて、その流れであるならば、一定方向に動く。そうしてたどり着くのは。】

「まるで海のように、広大な1つの流れを作る」

狛江 蒼狗 > 「その通り」
右に身体を捻り、体重を右足に。左手を立掌として顔の前に上げて、右掌は左肘に軽く添える。
蒼白の瞳は爛々として、少女の包帯越し数ミリ向こうにあるものを見詰めている。
「大袈裟に言ってしまえば、そのようなものだ」
左脚の爪先を外側に、北東方向を向いて右手を左肘から胸の高さで押出はじめ、右足を左脚に引きつける。
右手を押出、左手を捻り掌を外側上方へ向けて太陽の光で顔のあたりに陰を作る。
「小宇宙から、大宇宙へ。……俺もまだ、よくは理解できていない。修行中の身なのだがね」
嘆息する。両掌を拳にし、左拳を頭上から打ち下ろし、左脚を一歩勧め右拳を腰だめに。左拳は突き出す。
右拳で前方を突いた。速度こそないもの、重く風を纏って空気から大地に響くような勢いで。
「武道的に言えば、流れを感じるとは“動きを読む”ということだ。
 自分の身体がどう動き、相手の身体がどう動き、環境はどう動くのか……」
一旦動きを止める。
「…………変なことばかり話している気がする。……俺は3年、狛江蒼狗。公安委員会“特雑”だ。
 あなたは?」
唐突に自己紹介。
なんとなく、こうして、お互い名乗らずに哲学に及んだ話をしているのが気恥ずかしくなった。
心乱れて、“調心”が崩れた。修行不足である。

ジブリール > 【正解――とはまた異なるものだろう。これはひとつの答え《真理》に過ぎない。必ずしもすべてがそうあるわけではないのだから。
 ――包帯越しに見えるのは更に閉じられた瞼。うすらと鈍い色を示すエメラルドの色。光を決して映さないし、輝かせもしない、くすんだ色。】

「……とても難しいお話ですわ」

【きっとそれを子供が理解するのは難しい。未熟、未発達。それでもなお真理にたどり着けるのは60億の時間をかけなければならない。何かの宗教ではそんな途方も無い数字を見据えなければならないとあった気がする。
 陰影のくっきりとした顔の彼はさらに続ける。】

「頭が良くても理解は出来ない。きっとそれを理解するのはもっとずっと大変なことなのでしょうね」

【しっかりとした、武術の構え。拳を突き出す、イメージのしやすい武道の構え。かと思えばやはり難しい話が続けられる。
彼は寡黙ながらはっきりとした意思を持つ。世界と一体となろうとしても、彼は彼というひとつの光をしっかりと握り締めているように見えた。】

「……2年生のジブリール・ナヴァ・アルですわ」

【小首を傾ける。両の手を合わせて口元を緩ませた。気恥ずかしそうにする彼の気心に、介入はしない。
 調子を外したのは女の所為か、はたまた……。】

「先輩は公安の御方でしたか。道理でとても厳粛なお方だと」

狛江 蒼狗 > 武道の真髄は型を正しく最後までなぞることにはない。
途中でやめようと、また再開しようと、その本質に違いはない筈だ。
跣で砂を踏みしめて、腕を組む。指先にまで血が通っていて、身が滾っている感じがする。
「何十年やって、きっとようやくだ。……有名なカンフー映画にも『考えるな、感じるんだ』とある。頭だけで考えようとしなければ良いのだろう」
気温も上がってきた。
海が近いからか風は涼やかだが陽を阻むものもなく、白い砂は日光をよく反射している。
額に汗の玉が浮かんでいた。手の甲で拭う。
少女は風貌に見合う名前をしていた。どこの国の出身かいまいち判然としないが、ともかく、エキゾチックである。
「ジブリール。うん。憶えておく。…………公安は誰もがイカメしく過ごしているわけではない。
 風紀の手に負えない部分を我々が担当している、というだけだ。本質はあそこと変わらない」
腹の裡は読めないが。
ぐっ、と伸びをする。両手を組んで空へ。そのまま軽く左右に身体を揺らす。
さらに、組んだ両手を返して地面へ向かって下ろしていき、脚を伸ばしたまま前屈をする。
巨躯は柔らかく折り曲げられた。

ジブリール > 「ですが人間は思考する生き物ですわ」

【フィーリングを理解するのもまた人間だけど、それは動物らのほうも同様だと思う。何となく、本当に何となく。
 それすらもまた、本質を理解するのはきっと難しい。理屈で動く女であれば尚更である。】

「よろしくお願いしますわ、狛江先輩」

【様々な言語、それとは異なる容姿。とにもかくにも女は何ぞ思われたところで、やはり気にすることは無い。珍しがられるのもよくあることだった。】

「サポート、さらに手を伸ばす機関。具体的な活動については私達一般生徒には伝わらないものですから、お話が聞けて嬉しいですわ」

【今、ようやく理解を示したよな。違いについてもきっと、他の一般性とも似たような感覚でいるのかもしれない。
 委員会は委員会と、その関係者だけで行われるものを、一般に理解してもらうには中々、難しいことである。】

「……カタそうで、柔らかい」

【ふつふつと呟いて、おかしそうに口元を緩ませた。
 彼の誠実な対応。年長であるのもあるだろうが、とても誠実に観える。多彩な人間であることが伺えた。】

狛江 蒼狗 > 「人間はFOXP2遺伝子の獲得とともに言語を習得し、その瞬間から“思考”は記録し、伝え聞けるものへ飛躍した。
 ……という話を聞いたことがある。
 思考は人間に与えられた使命のようなものだとするのならば、『感じ、思考せよ』が案外正しかったりするのかもしれない」
狛江蒼狗は基本的に寡黙であるが時に多弁となる。このように武道に思いを馳せる時など。
議論の終着点は遠い。そこへ行き着くための道を選ぶのにすら、苦労である。
さておき。

「………………うん、よろしく」
先輩、先輩。なんだか、最近先輩とばかり呼ばれているような気がする。
3年と言えば上級生グループに入るものだし、当たり前と言えば当たり前だが。
(敬われるような存在でもないのだがな)と、蒼狗自身は未だ下級生の心持ちである。
“抜筋骨”──要するに、ストレッチを終えて調息する。
「ああ、そうだ。“公安”というお堅い殻の中に居るだけで、公安委員は流動的で柔軟なものだったりするのだ、たいていは」
言われた事に少々の誤解を発生させつつ、腕を回す。
さくさくと砂浜に足跡をつけながら歩く。街道方面へ。
体重移動のスムーズさからか、足跡は綺麗である。
「俺はそろそろ帰る。……ではな、ジブリール。また機会があれば会おう」
常世島は広いから、これが最後となるかもしれないし、そうでもないかもしれない。
それはそれとして出会いに感謝しつつ、彼女へ軽く手を振って帰路へつくのであった。

ご案内:「浜辺(海開き状態)」から狛江 蒼狗さんが去りました。
ジブリール > 【存外、彼は博識でもあるらしい。ひとつの理論を理解し、そこから推論も立てる。体育会系とは異なる不思議な雰囲気を纏う人間だった。
 思考とは問題解決や推理、理解などの事柄の解決を行うものであり、それを感覚的に研ぎ澄ましたのはケモノ。無論、人間に近しい生物は――】

「――はい、それではまたお会いしましょう」

【閑話休題。深い話をしすぎても頭が混乱するだけだった。
 女は彼が説明する公安についての物事に、少々首をかしげた。疑問を思ってばかりだけれど、それもひとつの考えとしてすぐに処理を終えた。
 こういった切り替えは大事だ。何をおいても。】

「……またよき出会いがありますように」

【腰を柔らかく、ゆったりとした反動の無い動作。彼が去った後、その姿が見えなくなるまでは漣を耳にしていた。
 女は杖で砂を掻く。既にどこに何があるのか、イマイチ分からなくなりそうだけれど。彼の辿った足跡はまだ残っていた。
 彼とは異なる拙い足取りで、ゆっくりゆっくりと帰路へつく。
 ――海の開かれた早朝の空は、すっかり明るくなりつつあった。】

ご案内:「浜辺(海開き状態)」からジブリールさんが去りました。
ご案内:「浜辺(海開き状態)」に桜井 雄二さんが現れました。
桜井 雄二 > 夏だ。海だ。水着だ。というわけで。
桜井雄二も青い海パンを装備して浜辺に来ている。
意味もなく仁王立ちだ。ビーチサンダルを履いて海を眺めている。

ご案内:「浜辺(海開き状態)」に三千歳 泪さんが現れました。
ご案内:「浜辺(海開き状態)」にスズさんが現れました。
スズ > 「海です〜」(パタパタと走って行って海に入る 他人が見てるなんて御構い無しだ)
スズ > 「あ…」(人がいると気づいた時には既に時遅し もう肩まで浸かって人魚に変化したあとだった)
三千歳 泪 > 夏空は抜けるような青一色に染まって、砂浜は波に洗われてキラキラと輝く。
私の姿はといえば、定番のビキニにホットパンツとビーサンをあわせただけ。でもただの水着じゃないんだなーこれが!
右胸には白い星たちが散りばめられて、左の胸とボトムスには赤白のストライプが目にもまぶしくきらめいてる。
いわゆるスターズアンドストライプス。星条旗ビキニだよ!!

「うーーーーーーーーーーーーん!! 気持ちいいなぁ! 絶好のレジャー日和だね桜井くん!!!」

桜井 雄二 > 女の子が海に入るのが見えた。その足が変化したように見えて。
「………に、人魚……!?」
目を疑う。一体、どういう現象なのだろう。

すぐに声が聞こえて振り返る。
「泪………来たか」
その姿を見て拳を振り上げる。
「ゴッド!!(神)」
「あ………いや、すまない。水着、似合っているぞ、泪」
一度本能がスパークした男の悲しい取り繕い方であった。
だって星条旗ビキニだよ? テンション上がるだろう?

スズ > 「バレたです〜…」(気の抜けるような声で言うが水の中に隠れる だが、青の混ざった緑の長い髪のせいで見失うことはないだろう)
「(うぅ… もう少し人目を気にしないとです…)」(とか思いながら泳ぐ)

三千歳 泪 > 「うわっ人魚だ! 実在したんだねー。UMA研究会のみんなにも教えてあげないと」
「人魚の肉をたべたものは不老不死になるのだ!!って民俗学の先生が言ってたよ! ほんとかなー」

まごうことなき人魚である。カメラ機能を呼び出してタブレットを向ける。

「…あっ隠れちゃった!? 動かないで! シャッターチャンスが!!」
「ふふふ。神いわゆるゴッド。まさかほんとに着る日がくるなんて思ってもみなかったよ!」
「見れば見るほどおバカだよね。桜井くんも今度着てみるといいよ」

こういう時は開き直るしかないよね。恥ずかしそうにしてる方が恥ずかしいんだ。
思いっきり伸びをして、身体を動かすたびにステイツの旗が持ち上がったり揺れたりもして。

「泳ぐんでしょ? まずは準備運動からかな!」

スズ > (たまにひょっこり顔を水から出したり、尾びれで水面を打つ)
「2人も入るんです〜?」(話を聞いたのかそう聞いてくる)

桜井 雄二 > 「人魚だな………UMA研究会もきっと喜ぶ」
「……不老不死って魅力的には思えないし、あの子の肉を食べたいかと言われれば断じていいえなんだが」
自分も完全防水のカメラを持ってきている。
何故って? 泪との海でのデートだからだ。
とりあえずスズをカメラで追う。

「いやー、似合ってるから大丈夫だ、泪」
「バカっぽい以上に可愛いから……あと俺が着たら変態だろ」

伸びをする泪の胸に目が行く。
すぐに自分の顔を拳で殴りつけた。がつん。

「そ、そうだな……準備運動からだ」
「アキレス腱を伸ばすことを忘れないようにな、泪」
準備運動を始める男の顔がちょっと腫れた。

三千歳 泪 > 「人魚とタイマン張れるUMAはなかなかいないよ。最近のトレンドはとっしーだよね! UMA研究会が威信をかけて探してるんだ」
「この島では昔から神さま扱いされてて、目撃例もたくさんあるんだってさ。誰が呼んだか常世島近海のヌシ。それがとっしーなのだ!!」

わかりやすく人魚人魚してるところを写真におさめてみる。

「とにかくさ、着てるだけで恥ずかしいってなかなかないよ!! いいシュミしてるよね桜井くんは」
「いえーす! 私たちも泳ぐつもり。準備運動なら私にまかせて! こう見えてラジオ体操全部おぼえちゃってる人だからさっ」
「おばーちゃんが毎朝早起きでさー。よく一緒にやってたんだ。るいは先生になれるね!っていっつも言われてたんだから」

耳を澄ませば蘇る。かすかにきこえてくる感じ。ラジオ体操第一。はじめっ!!

スズ > (写真は撮られても別に気にしない まぁ、本来人の耳だったところは変化してるが)
「はーい わかりましたです〜」(思いっきり気の抜ける声 2人が入ってくるまでは、なんか適当に泳いだりジャンプしてるだろうか)

桜井 雄二 > 「とっしー………?」
首を傾げて泪の話を聞く。
「常世島近海に主なんていたのか……常世だから、とっしー」

自分もスズの写真を………撮ろうとしてやめた。
なんか女性相手だし、男がやったら盗撮みたいじゃあないか。

「悪かったよ泪……でも俺はあのとき選んだ水着の中じゃ一番それが好きなんだ」
「……それじゃ、泪にラジオ体操の音頭をとってもらうとして」
ラジオ体操を始める。体を伸ばしたり、曲げたり。
ラジオ体操は不思議だ。何となくだが、童心に帰る。

スズに向かってひらひらと手を振る。
「俺たちも泳ぐよ、だけどまずは準備運動だ」
「それにしても……人魚もいるとは、不思議だな常世は」

三千歳 泪 > 「あははは、知ってるってば。それってさ、好きなものをちゃんと好きって言える様になったってことでしょ?」
「会ったばかりの頃には想像もできなかったよね。みんなびっくりするんじゃないかなー」
「タスキか何かかけとこっか? パーティグッズみたいなの。「桜井くんが選んでくれました!!」ってさ」

一式終えると、ぐっと身体がほぐれて動きやすくなる。
タブレットから何から身につけているものをどんどん外して身軽になっていく。

「ちょっと待ってよ桜井くん! なにか忘れてない? はいっ出ましたUVカットクリームお徳用!!」

大きなチューブ入りのクリームを渡してホットパンツに手をかける。片脚ずつ抜いて、レジャーシートに寝転がって背を向けた。

「てきとーに塗ってくれるかな。こんがり小麦色の肌が好きならほんの少しだけ。白いほうがいいならたっぷりと!」
「これも大事なお役目だよ!! お手並み拝見ですなー」

桜井 雄二 > 「……俺も変われたってことかな………友達とか、増えたしな」
「やめてくれ!? それじゃ俺が人に星条旗ビキニを勧めたみたいじゃないか!!」
いや、勧めたんだけどね。
星条旗ビキニにタスキをかけたら本格的にビールの広告みたいだ。

ラジオ体操を終えると空を仰いだ。
青空。どこまでも続く、空。今の自分は…ん?
なんか今UVカットクリームって言った? 言ったよね?

「な…………っ!!」
渡されたものは、確かにクリームだ。
これはまさか……!? 噂に聞く、あの!
女性に日焼け止めを塗るという展開なのか!?
「………る、泪…!」
ウィリー・トムスン。湖城惣一。安室冥路。そして、川添孝一。
俺、やるよ。男になる。

「それじゃたっぷりと塗らせてもらおう」
右手にクリームを広げると、泪の背中に触れた。
いいのか!? これ! 本当にいいのか!?

三千歳 泪 > 「はやくはやくー! 夏の太陽は待ってくれないんだよ桜井くん!!」

謎の感動もいいけど泳ぐ前に日が暮れちゃうよ! 足をぱたぱたさせて待ってると、いきなり冷たい感触があって。

「ひゃんっ!?……や、やっぱりすーすーするね!! そっかー桜井くんは白いほうが好きなんだ。つまりいつもの私だね!」
「………これっ…ね、はじめに塗っとけば…あはっ! あはははは!! 水に入っても落ちない!! スグレモノっ…なんだってさ!」
「ふ、っん…ぅ……くっ、くくく…わた、私の分が終わったら!……んんん!!…お次は桜井くんの番だよ!」
「ちゃんと塗っとかないと……さぁ!? あとで、あとでね…あはははっ!! 真っ赤になったりヒリヒリしてっ! 大変…なんだから」
「はー……はー…こういう時は遠慮しないの! 私も…く、はぁっ!…やりかえしたいしさ!!」

「はぁ………はぁ…ふにゃぁ。脚もおねがい…。あははは…はぁ……。日焼け…しそうなとこ。うぅ…首と肩と、腕とおなかも…?」
「……水着の中とかどーするんだろう…。全部塗るのかな。桜井くん知ってる??」

笑いすぎて力が抜けたまま桜井くんの顔を見上げる。こんなにくすぐったがりだったなんて。

桜井 雄二 > 「…………!?」
ひゃんって。声が。聞こえて。くるよ。
そうか……これが、命……俺が生まれてきたことの意味………
「わ、悪いな泪。俺にできることは、早く終わらせることくらいだ」
「……遠慮しなくていいのか? そ、それじゃ…足も」
泪の色白な足を撫で回すようにクリームを塗っていく。
渡辺慧ッ! クラスカッ! 岡部先生ッ!! 俺、女子に日焼け止めクリーム塗ってます!!
脱力しながら俺を見上げる彼女は、とても可愛かった。
「……水着がズレたらそこが日焼けするだろうし、自分で塗ってくれ…」
節度。節度とは一体。日焼け止めクリームを渡して背中を向けた。
「次は俺の番だな……頼んだ、泪」

三千歳 泪 > 「うぁー…くすぐったかったー…ありがと。けっこうなお点前で! えと、じゃあちょっと待っててくれる?」

手と足と、ふとももなんかをなぞってみれば、だいたい満遍なく塗ってもらってそうな感じ。
桜井くんが背を向けているあいだにクリームを手にのばして水着の下の肌に揉みこむ。

「よしよし、これで準備はばっちりのはず! お待たせー。じゃあ遠慮なく!!」

チューブの中身を桜井くんの背中にぼたぼたと垂らして、お尻のあたりに馬乗りになって。
白い薬液に両手をついてマッサージするみたいに肌に伸ばしていく。

「んーお客さん凝ってますねー? ていうか桜井くん地味にいいカラダしてるよね!!」

同じ感じでクリームの残りを身体じゅうにすりこんで、ぺしっと背中をたたいた。

「上向いてくれる? あとはおなかだけ!! さっさと塗っちゃって泳ぐよ桜井くん!!」

桜井 雄二 > 「いえいえ、粗茶ですが」
一体何を言っているのだろう。
ビバ、夏。ありがとうユナイテッドステイツ。

それではとうつ伏せになると三千歳泪が乗ってくる。
「えっ……!!」
そんなのもありなんですか!?という表情で振り向く。
泪の太ももの感触。わからない、ここは一体どこの楽園なんだ。
「……鍛えてるからな、怪異対策室三課は戦闘も仕事のうちだ」
「あいてっ」
背中を叩かれると慌てて泪を背中から降ろして顔を左右に振る。
「だ、大丈夫だ! 腹は自分で塗れる!! 泳ごう、泪!!」
慌ててクリームを自分の腹に塗ると、海に向けて走っていく。
ドキドキしているが。何か。

三千歳 泪 > 桜井くんは恥ずかしがって海に向かって一目散。遠慮しなくていいって言ったのに!

「むっナイスバルク! おなかもちゃんと割れてるんだねー。見なおしたぞ桜井くん!!」

ちらりと見えた腹筋はたしかになかなかのもの。ヒーローは鍛え方からして違うのだ。

「ほんものの海だー! 遠野のヨウスコウカワイルカといわれた私の泳ぎ、とくと目に焼きつけるといいよ!!」
「ひゃーつめたい!! しょっぱい! 塩水だよ桜井くん!! 目開けてだいじょぶなのかなこれは!?」
「実はね!! 海で泳ぐのはじめてなんだ! あっ気をつけて!! ここいきなり深くなってるからーーー!!」

「あれ、桜井くん? どこどこ?? おーーーーーーーーーーーい!!」

人魚の子もどこかにいたはず。海中で目を開けてるとけっこう刺激が強くて、慣れるまで少し時間がかかるかも。

スズ > 「こっちですよ〜」(水中でも聞き取れる声がする たどっていけば桜井の近くにでるだろうか)
桜井 雄二 > 「……………」
見直したのはこっちのほうなのだが。
大変よい乳尻太ももです。だがそれを面と向かって言うことは紳士ではないッ!
あとその選択肢を選ぶにはステータスが足りない!!

「ヨウスコウカワイルカ……? よく知らないが、限定的すぎるだろ!」
「冷たいのもしょっぱいのも海だから当たり前だ……」
「……海で泳ぐの初めてなのか、泪…溺れたりするなよ」
立ち泳ぎをしながら泪のほうに手を振る。

スズが近くに出ると無表情に手を振って。
「やぁ、人魚。どこも混んでいるな、さすが海開きだ」
「ところで一人なのか? ええと……名前がわからないな、俺は桜井雄二、君は?」

スズ > 「そうですね 結構混んでます」(周りを見てそんな風に)
「私ですか〜? 私はスズです まぁ、もしかしたら陸で会うかもですけどね…?」(そんなことを言う まぁ、海に入る前は陸を走っていたので当然か)