2015/07/23 のログ
ご案内:「浜辺(海開き状態)」に三枝あかりさんが現れました。
■三枝あかり > 夜の浜辺。昼間にできなかった掃除を終えて大きく伸びをする。
昼間は人が多すぎて海浜清掃どころではなかった。
それが夜になればどうだ。
人がいない。それだけで捗る掃除の気持ちよさといったら。
別に人嫌いではない彼女にとっても、夜の浜辺はとても心地良いものだった。
そして、星を愛する心が自然と異能を発動させる。
夜空を見上げて。
■三枝あかり > 彼女の視界に広がる、満天の星空。
それは彼女の異能を介して煌きを増して。
異能『星空の観測者(スターゲイザー)』。
彼女曰く、ただ目が良いだけの異能。
ただそれだけの異能が、こうも美しい星空を三枝あかりに見せてくれる。
あの星のひとつひとつが既に滅んだ星の光であっても。
砂浜に立っているだけで、その輝きが彼女の心を慰めた。
■三枝あかり > 自分の異能がもっと強ければ。
私がもっと強ければ。
そう思ったことは何度もある。
でも今はいい。
兄のことも、両親のことも、星空を見上げている間は忘れていられる。
こんなに美しい星の下にあって、人が争いの只中にあることを一時忘れる。
人は私のことを弱さから逃げていると笑うだろうか……?
それでも、私は星空の美しさから目を逸らせない……
■三枝あかり > ふと、異能を切って周囲を見た。
闇夜がどこまでも広がっている。
恐怖を感じた。
どうして自分は、こんな暗闇に一人でいるのだろう。
瞼の裏の安寧をも脅かす暗闇の中で。
どうして楽しそうに笑っているのだろう。
きっと、私は狂い女(くるひめ)なのだ。
感情すら麻痺した……ただの物狂い。
そう思えば自分が砂浜でただ一人笑っている理由もつくというものだ。
仮面を見て仮面の裏側を想像する者がいないように。
自分を見て自分の心を察する人間など存在しないだろうが、自分に言い訳をする。
星はどこまでも冷徹に自分を見下ろすだけだ。
■三枝あかり > 星空を見上げる。
麦星のアークトゥルス。スピカ。デネボラ……
星は果てなく、空は空想の余地を許さない冷たさを含んでいて。
ふと、涙が流れた。
何故泣いているかはわからない。
自分の境遇に? バカな……
『親殺し』が自分のしでかしたことで泣いていいはずがない。
罪人が背負うは咎のみ。
感傷など持っていいはずがない。絶対に…絶対に許されない。