2015/07/27 のログ
ミウ > 鼻が焦げてしまう論外ビームに、思わず笑いだしそうになるが、
上品に口を押さえて堪える。
「そんなビームが目から出るなんて相手も思わないから、思わぬ奇襲となるかもしれないわね」
もちろん、自滅してまでやるべき事でもないが──。

「なるほどね、さすがは魔王だわ。
 次世代の担う存在を思う気持ち……。
 ──王の器ね」
こくこくと納得するかのように頷いて見せる。

そして、魔王の話が始まる。
その話を聞いて、なるほど、と言った感じで首を縦にふる。
「種族の長、というわけね。
 人と魔が平和に暮らす世界……というのも素敵なものだわ。
 魔族と人とは、この世界でいう一種の国家間の関係のようになっているのかしら?」
この魔王は、一人の王として考えていいだろうか。
征服や悪逆非道な行為を働く魔王ではない。
とても優しい王様なのだと──。

「生活上で異能を使っていれば、おのずと鍛錬になり、自然に扱えるようになるわね。
 もっとも、日常的に使える異能ではないと出来ない事だけれどね」
そう語ってみせる。

【前半】
 

ミウ > 「統治者としての王ね。
 つまり大事なのは、民衆や臣下の信頼という事になるわ。
 力の支配ではなく、あくまで民衆に支持されていくのね」
それはまさしく“王”であり、その立場にいる彼は、その王の器なのだろう。
「そうね。
 国や民衆があってこその王。
 それがなければ、王は王の意味をなくしてしまうわね」
“王”の意見に、そう返した。
「あなたの世界にはまだ“国”があり“民衆”がいるならば、あなたはまだ魔王……つまり“王”でいられるのではないかしら?
 それに、魔王の威厳を示すため、自身を魔王と思う事も大切だと思うわよ」
そう言って、優雅に微笑む。

どうやら、ミウが神である事を彼は信じてくれるようだ。
お互い“神”と“魔王”を信じるという事で、話がまとまる。
「世界を破壊しようとするなんて、困った神ね。
 でも、気紛れな神なら、気分次第で世界を破壊する事もありえるわね……」
その時は、人と魔が信頼しあい強力するという素晴らしい光景を見れそうでもある。

「そうね。
 泳ぐわよ」
手招きされると、魔王についていく。
そして、海に足をつけた。

ギルゲイオス > (愉快な顔になりかけているのを、なんだか楽しげに眺めているご様子)
思わぬ奇襲にはなるかもしれぬが、鼻が綺麗さっぱりなくなってしまうのである。
(自分の鼻の頭、それをちょんちょんと突く)

なんともこそばゆいのであるな。
とはいえ、神様の太鼓判とあれば、我も喜ばしいのである。
(胸を僅かに張ると、掌を当てるポーズ)

正確に言えば、その世界で一番大きな大陸の話であるがな。
まぁ余所も似たり寄ったりなのであるが。

魔族の国家と、人類の国家があると考えて貰ってよい。
やはり種族が違えば性質も違う故、長く月日が経っても互いに完全と理解しあうのはまだ遠いのだが。
相互に物流もあるし、境界――国境付近では、人と魔が共に暮らす地域も形成されておる。
そう言う意味では、この世界における国家の関係とそう大きくとは違わぬな。
(宙に線を引いたり、身振り手振り。
交わったり、離れてみたり、ぶつかったり。
そんな、とても『普通』な世界である)

我の異能では少々無理だの。
代わりに魔術を鍛錬すればよいのだが。
冷気は苦手なのである。
(両手の内、小さな炎が現れる)
……余計と暑いのである
(すぐに消した)

ギルゲイオス > 大体思ってた事と、言おうとした事をミウが言ってくれたのである。
流石は神様なのである。
(こくこくと、頷く。
少なくとも、やはりというべきか。
見た目そのものの歳ではないのは、間違いない)
文字通り『裸の王様』であるな。
であるからして、国や国民の為に統治をおこなっていたのであるが――
語っている間に、アチラの世界がいまどうなってるか心配になってきたの。
(目を細め、空を見やる。
照りつけるのは、此方の世界の太陽)

そうであるな、それにアチラの世界に帰ったはいいが、王としての威厳を失っていては問題である。
いずれまた王としての責務を果たすためにも、我は魔王を貫くとしよう!
(そう宣言すれば、また大げさなポーズをとり。
背後に、真っ黒なオーラを纏う。
重ねて言うが、無害である)

破壊神とか、そんな感じであるかな?
我がいた世界の神は、こう、もっと大人しい神であることを願うばかりである。
(人と魔が共に手を取りあい、大きな敵を相手にする。
素晴らしくはあるの、だが。
国は間違いなく荒れる故、統治者としては悩ましい限りである)

ふぅ……やはり、水の中に入ると、涼しくなるの。
…………
(Tシャツのままに、肩まで海に浸かればひとここち。
緩く息を吐いた後に、少々と考え間が出来て)

……えいっ
(両手で掬った水を、ミウに向かって投げかける)

ミウ > 「それは、鼻を鍛え上げるしかないわね」
どうやって? 知らない。
「そもそも、目から出るビームなんてある程度威力が小さいので十分なのよ」
威力調整は大事……。
失敗すると、鼻が吹っ飛ぶ。

「子供をも惹きつけるその器は、良きものだわ。
 あなたが本当に“王”であると感じさせるもの」
胸を張る魔王を神は微笑みながら、さらに褒める。

「国という事は、その大陸には魔族領と人間領があるのね。
 どこの世界でも、同じ種族の国同士ですら完全に理解し合うのは難しい状態だわ、そこは仕方がないわね。
 それでも平和に過ごしているというのは、素晴らしい事よ。
 魔族と人間、お互いの王の手腕がうかがえるわ」
異世界には、色んな世界がある。
中には、魔族と人間は永遠に敵対している国もあるだろう。
そんな中で、二種族ともお互いに踏み入ろうとしているのだ。
なんとも、良き事か。

「魔王だけに、魔術が得意なのね」
その時、魔王のてより炎が──。
こんな時に出されても、正直暑い。
「なるほどね、炎の魔術を扱えるのね。
 異能は、どういったものなのかしら?」
きょとんと首を傾げる。

ミウ > 「お褒めの言葉、感謝するわ」
そう言って、上品に笑う。
「それは王として、国は心配になるわね……。
 その気持ちは、とてもよく分かるわ。
 わたしも、あなたと同じような立場にあるわね。
 わたしも異世界から飛ばされてきた異邦人でもあるもの」
異邦人たる者、中には自分の世界を心配する者は大勢いる事だろう。
魔王もその一人であり、ミウもその一人だ。

「その意気込みよ、ギル君。
 あなたは偉大なる魔族の王、魔王よ
 元の世界に帰る方法もきっと見つかるわ」
神は魔王を鼓舞する。
そして付けたす。
「もっとも、わたしもうっかり門に吸い込まれてこの世界に来たまま、帰れなくなった上、元の世界に帰還する手掛かりもつかめないままでいるのだけれどね」
そう虚しく言い放つ。
魔王は漆黒のオーラを纏う。
相変わらず、そのオーラは魔王としての威厳を感じさせる。
それ意外の効果は、なにもないが……。

「破壊を司る神は、やはり世界を壊してしまうのでしょうね」
その破壊神の性質によるところもあるだろうけど。
 わたしはちょうど、破壊神とは相対した権能を司っているわね。
 わたしが司るのは、万物の創造よ」
そう笑顔で語ってみせる。
「あなたの世界の神が大人しい存在であると、このわたしも願っていてあげるわ」
魔と人が仲良くなろうとしている世界だ。
ミウがその世界の神ならば、温かい目で優しく見守っている事だろう。

「そうね。
 夏と言えばやはり、この冷たさだわ」
少しの間の後、神は魔王より水をかけられる。
「きゃっ!」
思わず、可愛らしい声を出してしまう。
「やったわね、おかえしよ!」
水鉄砲を創造する。
そして海水を蓄え、水鉄砲をギル君に発射!

ギルゲイオス > …………
(首をかしげて考える、鼻を鍛えるとは一体)
こう、鍛えた結果、魔女の如く伸びて余計巻き込まれやすくなる気が、するのである。
(手の動きで、ぬーっと前に伸びた鼻を示してみる)

ほめ過ぎなのである。
しかしもっと褒めるが良いのである。
(調子に乗る魔王様。
ただし、余り褒められ慣れていないのか、ややと頬が赤く見えなくもない)

かつての協定で、互いの住みやすい地域に住み別れ、領地としている。
という感じであるな。
そうだの、人同士よりも更に違いの大きい、人と魔の間柄であれば、尚更であろう。
(統治者として、様々な問題を見てきた者として。
深くと、頷き。彼女の言葉に同意する)

我や今の人王だけではなく、先代、先々代、かつての王達が積み上げて来たモノも大きいの。
更に言えば、良き世であるのは、民の努力が大きい事も、忘れてはならならぬな。
そして、その平和がいつまでも続くと願いたいのである。
(しみじみと、そう呟く)
いや、我らの手で続けねばならぬのだな。
(手を開いて、握る)

炎と、闇が得意であるな。
他の属性も、少々とは扱えるが。
(何となく魔王っぽいラインナップ)

本当に異能なのか、と言われると少々謎なのであるが。
此方に来て得た力が一つな。
<幻想魔城>と呼んでおる。
あちらの世界に有る城と、臣下を疑似的に形成。
相手をその作りだした世界に取り込む、切り札である。
ある意味、我が此方の世界において、魔王であると証明する手段の一つ、と言えなくもないが。
(ちゃぷちゃぷと水の中で浮かびながら、ざっくりとした説明を)
使用後は体力やら魔力やら根こそぎもっていかれるので、練習と称して気楽に使えぬのが難点である。

ギルゲイオス > まだまだやらなければならぬことも、沢山とある。
我は魔王である、魔王ギルゲイオス・ホッドケーテは国や臣民の為に、帰還せねばならぬのである!
(ぴしっと、虚空に指さす。
魔王が神に励まされるという、不思議な光景は此方)

うん、まぁ、先の言葉からそうなのであろうなとは思っていたのである。
神といえど、自由には行き来できぬ門、か。
難儀であるな。
我がもし方法を見つけたのならば、ミウにも教えるとしよう。
もっとも、それがミウの世界にも通ずるかは、分からぬが。
(僅かばかりと肩を落とせば、顔を横に振り。
オーラは相変わらずさっさと消えた)

万物、創造神、であるか。
壮大な話であるな……つまり元の世界では、天地をや生き物を創造したのであろうか?
となれば、我が子をそのままにして来てしまった、に等しいのであろうな。
(眉根を、僅かに寄せる。
立場そのものは違えど、互いに統治者である。
思い返せばきがかりになるのは、さもありなんか)

ふっふっふっふ、隙あり、なのである。
『きゃっ』であるか、神といえども、可愛らしいモノであるな。
(微妙に悪の魔王風味の口ぶりをわざとひねり出してみたが)
――って、ちょっ!
そういうの作りだすのは反則ぶはっ!!
(直撃。海水でびっしょびしょになると、無言で髪をかきあげ)

魔王の名の下に、負けぬのである!!
(神に反逆する魔王の図は此方。
ただし水のかけあい。
両手両腕を使い海水をかくと、大きな飛沫として放つ)

ミウ > 「鼻を伸ばすなんて、別の方向で鍛えられているわね……。
 そして、鼻を鍛えたらはたして伸びるのかしら?」
嘘をつきまくったら、伸びるかな?
むしろ、鼻を伸ばす必要なんて微塵もない。
折れたら痛そうだし……。

「さすがは魔王ね。
 中々に堂々とした発言ね」
やや頬が赤く見えなくもないが、違う方向で褒める。
「王の器がある者、それぐらいの神経でいた方がいいわね」

「領地の問題は、国間なら多いものだけれど、協定で安全に済ませられるのは何よりね。
 お互い、領域に手を出さないよう気配りが必要になるわ。
 それが出来ているあなたの世界は、やはり進んでいるものよ」
統治者たる王も、協定において苦労した事だろう。
住み別れ、という事は、自分の土地を一旦捨てなければならない者も出てきたはずだ。反対運動が起きた事も想像出来る。

歴代の王が積み上げ、そのバトンを受け取る。
それはとても偉大な事であり、同時にプレッシャーにもなる事だろう。
「平和は……そうね。
 一国の王だけでは、どうにもならない事もあるわね。
 人と和平を結んでも、どこかから攻めてくるかもしれないものね」
そうなれば、その時に必要な事も見えてくるだろう。
「でも、全員が平和を願う事はとても大切だと思うわ。
 わたしはそれを応援しているわね」
品良く笑いながら、言ってみせる。

「炎と闇……。
 まさしく魔王らしいわね。
 この二属性を混ぜれば、黒炎が出来そうだわ」
敵を焼き、闇で滅する……まさしく魔王だが。
この魔王は優しいから、そんな恐ろしい事する姿が想像し辛い。

魔王が、自身の異能について説明してくれる。
「疑似的に、魔城や家臣を形成するのね。
 それはもしかして、あなたが国の事を想っているからこそ目覚めた能力かしら?
 あなたが魔王である威厳を示しているかのようにも思えるわね」
城や家臣達が異能になるぐらいだ。
魔王の国を想う気持ちはとても強いのだろう。

ミウ > 「帰還できるといいわね」
優しく微笑みながら言う。
ここまで国を想う気持ちが強いと、門も応えてくれるのではないだろうか?
さすがに、門はそこまで気前良くはいかないだろうけど……。
神と魔王の奇妙な関係である。

「多くの人が門を通過して苦しめられているわね……。
 だけど、こちらの世界に来たのだから帰る方法もきっとあるはずなのよ」
今のところ、根拠はあまりない。
「わたしも元の世界に帰る方法は調べているけれど、分からないわね。
 でも、帰る方法を見つけた時、お互いに情報交換をし合いましょう。
 例え元の世界に通じなくても、なんらかの手掛かりにはなるかもしれないわ」
神と魔王の利害が一致するというわけだ。
お互い異世界から来たのだから、そんな事もあるだろう。

「そうよ。
 わたしは元いた世界を創りだしたわ。
 そして今、その我が“子”とも言える世界を残して、わたしはこの世界にいる……。
 心配なのよ……あの世界が」
最後は悲しく呟くように言う。
そんなミウの瞳は、どこか遠くを見据えていた。
神がいなくなった“子”にも相応しい世界がどうなっているか、心配ではないはずがない。

思わず可愛い声をもらしてしまうという失態を魔王に見せてしまった。
だが、仕返しはさせてもらおう。
水鉄砲で、魔王を射撃した。

神VS魔王 (水かけ)

「魔王、かかってきなさい!」
ギル君は、両腕を使って海水をかき、そして水飛沫をこちらに飛ばす。
「冷たっ!」
またもや、声をもらしてしまう。
腕でガードしようとするも、白いワンピースをずぶ濡れにしてしまうという結果となった。
体のラインがはっきりと見えそうになる。
「次はこちらの番よ!」
水鉄砲をもうひとつ創って、二丁拳銃。
二丁の水鉄砲に海水を含み、
そして二発同時に、第三の目に向けて反射する。
「これでどう!」

ギルゲイオス > 鍛える以前に、骨格から変わっておるの。
……下心があると、男は勝手に鼻の下が伸びるらしいが。
(べキッと折れる鼻を想像する、と手も痛そうで顔が渋い)

それは褒められているのであろうか?
(あれ?って顔をして、頭を右に左に)
まぁいいのである、魔王は寛大なのである。
(神経がズ太いと言われた気がしたが、許す魔王様)

そうせねば、互いに滅びかねないという危機感もあったからの。
問題もいくつか発生したが、補償等によって何とか収まった、という話は聞いておる。
(種族レベルでの、生存の為である。
多少強引な事もあっただろうが、仕方のない部分もある)

万が一に対する抑止力として、互いに軍は所持しておる。
人も魔も、『魔がさす』何てことが無いとは、言い切れぬからな。
平和を維持するための武力、とでも言うべきであろうか。
他所からの侵略については……そういえば、余り考えておらぬな。
大国故攻められる可能性は低いとみておったが、備えあれば憂いなしか
(神様の助言に従い考えを巡らせれば、帰還後の仕事が増えてゆく。
ムズカシイ問題ではあるものの、なんとなく、楽しげでも有る)

神様のご加護であるな。
国の者達に教えれば、きっと喜ぶのである。
そして、その応援を裏切らぬように、頑張らねばならぬな。
(両手を持ち上げれば、やる気を示すかのようにパタパタと揺らした)

肉体のみならず、魂さえ燃やし尽くす暗黒の炎であるな。
実際に使えるが……使った記憶は、ほぼ…いや、まったくないの。
(そもそも、魔王自体が出ていって、なんて状況。
起こった時点で国の一大事である。
危険性も自覚はしている故、使うとすれば本当に必要となった時か)

国を想っているのは間違いないのであるが、関係性については良く分からぬな。
我としても、気が付けば、という感じであったからの。
もっとも、国を想うが故、魔王としての威厳を示す為。
そういう力なのであれば、嬉しく誇らしく思う。
(唇で弧を描けば、双眸を細め。
深くと、頷いた)

ギルゲイオス > で、あるな……
(そっと、視線が遠くを見る。
此方の世界に愛着がない、という訳ではない。
が、自分は魔王であり、元のせかいで為さねばならぬ事があるのだ)

話を聞くだけでも、随分気まぐれに開いたり閉じたりしている様であるからな。
開いた瞬間を見つけて飛び込めば――いや、それでは別の世界にいってしまうの。
(考えても考えても、答えは欠片の一つも見つからない。
思わず、ため息さえ漏れてしまう)

そうであるな。
それに、神の力と魔王の力である。
合わせれば、こう。
上手い事門が開いたりするかも知れぬでな。
情報をやり取りすると言う意味でも、個人的にという意味でも。
連絡先があれば、教えてもらえると嬉しいのである。
(ここに生まれる、魔王と神の協力関係である。
奇妙ながらも、境遇は良く似た故、不思議ではない)

その気持ちは、我なりではあるが、分かるきがするのである。
とはいえ、今悲しんでも、仕方はないのである。
こうなってしまった以上、今はこの世界で生き。
前向きな気持ちで、帰還の方法を見つけるのが、一番だと思うのである。
先も話した通り、我も協力する故に。
(相手の様子に、思わずと此方も気が落ちかけるも。
声に張りを取り戻せば、神を励ます魔王の構図である)

(なんとも世界の命運を決めそうな大戦カードであるが、内容は凄く小さかった)

ふふふふふ、ははははは、あーっはっはっはは
(悪の三段笑いである)
魔王の力、思い知ったであ――
(調子こいてそんな事を言った直後。
思わず視線が釘付けとなる。
勿論、濡れて透けたワンピースと、それが示し出す体のラインである。
そして当然、隙が生まれる)

増え!
えっ、えぇと、ぼ、防御呪もに゛ゃーーー!!!
(わたわたとしている間、容赦なく襲い掛かるは二発)

目が、目がーーー!!
(塩水が思いっきり染みた目を両手で覆うと、壮絶な悲鳴を響かせて)

神の力、恐るべしで、あ、る……がくり
(ぷかーっと、水面に浮かぶ。
かくして、世紀の一戦は神に軍配が上がる事となった)

ミウ > 「そこで、骨格を変える異能を使えばいいのよ」
それはあまりにも限定的……と思いきや──。
骨を武器にしたり、飛ばしたりで応用すれば意外と、役に立つだろうか?
「男はそういう生き物よね」
そう言って苦笑してみせる。

「魔王。
 その寛大な部分も王の器だわ」
そう品よく微笑みながら、魔王に告げる。

「当時は、酷い環境だったわけね。
 協定も、生存のためというのはあったのね」
種族を長らく生き残させるのはとても大事な事だ。
そのためなら、ある程度強引でも仕方がないと言える。

「そうね……。
 平和の維持には確かに、軍は必要だわ。
 それがお互い、刃を向けないように気をつけなければいけないわね」
もし片方が刃を向けてしまえば、たちまち多くの血が流れる事になる。
「今だと、異世界からの攻撃もあるいは、視野に入れておく必要もあるかもしれないわ。
 なにせ、外界には数えきれない程の世界が存在するもの」
それは当然、ミウの世界でも同じ事。
外界の侵略は、創造神としてなんとしても阻止したい。
この命にかけてもだ。

「そうよ、これは神(わたし)の御加護なの。
 だからあなたも、いつしか元の世界に無事帰還して、頑張りなさい」
優しく微笑みながら言う。

黒炎は魂をも燃やす……。
なんとも、恐ろしい事だ。
「平和な世界では、あまり黒炎を出す必要はないものね。
 反逆者なんてものが現れれば、王より兵が動くかしら。
 王はあくまで、指揮系統になるわけね」
確かに、魔王自身が出陣したとなっては、相当な事が起きていると想像出来る。
平和な世の中、そのような事が起きない方がいいだろう。

「この世界に来てから、その異能に目覚めたのよね。
 関連性はどうであれ、王としては誇ってもいいと思うわ。
 城と家臣を疑似的にも完成させる異能だもの。
 家臣や民衆にも、随分と信頼されていたのでしょうね」
魔王の異能についてはよく分からない。
だが、この優しい魔王の異能が悪いもののはずがない。
 

ミウ > 「今はひとまず、お互いこの世界を楽しむ事にしようかしらね」
この世界はこの世界で楽しいものだ。
常世島では、色んな人達に出会う事ができた。
辛い事もあったが、楽しい事も面白い事も、たくさんあったものだ。

「そうよ、門は本当に迷惑な存在だわ……。
 どの門がどの世界に繋がっているか分からない以上、適当な門をくぐるのも危険ね。
 ただ、本当に脅威なのは門が完全に閉じたまま開かなくなった時かもしれないわ。
 元の世界に戻る手掛かりを完全に失ってしまうもの」
魔王につられて、こちらも溜息をこぼしてしまう。
門が完全に閉じたままになれば、強制的に転移される事件も減るだろう。
だが、既に転移されてしまった者達にとってはとり残されてしまう事になってしまう。

「神と魔王の力で門を無理やり開ける……というのも面白いわ」
軽く微笑んでみせる。
魔王と手を組めば、そのような奇跡を起こせてもおかしくない気もしてくる。
「了解したわ。
 では、連絡先の交換といきましょう」
そう言って、携帯を取り出す。
そして、連絡先を交換するであろう。
魔王と神が手を組む事になる!
もう何も怖くない。

魔王に励まされる神の姿。
この魔王は本当に優しい……。
「ありがとう……魔王。
 悲しんでいても、焦っても、仕方がないよね」
やはり、元の世界は心配になるものだが、そればかり考えていても仕方がない。
「いつかきっと、帰還する方法は見つかる……よね。
 それまでわたし達は、ここで元気に暮らさないといけないわ。
 協力ね。
 あなたのその言葉は、とても心強いわ」
魔王が味方なのだ。
それが、とても安心できる事である。

神と魔王の戦い!

みごとに、悪の三段高笑いを披露してみせる魔王。
実に見事なものだった。
まさしく、魔王の高笑いだと言っていい。
調子に乗っていた魔王だが、なぜか隙が出来る。
それがまさか、水に濡れた自身のワンピースが透けかけているから……という事には気付かず。
見事、二丁の水鉄砲は魔王の第三の目に命中させた。

そして『目がー』と叫ぶ魔王。
それはまさに、神が魔王を倒した瞬間であった。(水鉄砲で)
ミウは、魔王に歩み寄ろうとする。
その時、自分の体の状態に気づいてしまった。
「……!!」
なんと、ワンピースが透けかけて、体のラインが露わになっているのだ。
顔を赤らめながらも、すぐに大事な部分を両手で押さえる。
「み、見ないでっ!!」
そして、誰にも見られないようにその場でしゃがんだ。
 

ギルゲイオス > 欲しいと思って、そうホイホイと増えるモノではない気がするであるが。
いやま、異能の定義も実は我良く分からんが。
(ちょこんと、頭を横に傾け)
残念ながら、そういう生き物なのである。
(コクリと頷く。
魔王も男である、否定できない)

戦争末期には、人魔共に5割近く死滅した、とも言われておるからの。
まぁ、若干は盛られた部分もあるのだろうが。
(人口が半減、戦争の激しさも泥沼具合も、想像はつくところである。
そういういう意味では、和平も、しぶしぶであったとしても受け入れやすい状況ではあったし。
もう一つの選択、戦いを続けた場合、両者滅亡は目に見えていた)

かつての戦い、繰り返してはいけないのである。
命についてもであるが、築いてきた平和を壊してしまう事にもなるのでな。
異世界……そうか、そうであるな。
此方に来るだけの門、とは限らないのであるな。
(言われてはたと気がついて、三つの瞳が丸くと開く)
その場合、国と国、どころか、世界と世界、の戦いになりかねないのである。
人と魔が力を合わせるのは当然となるであろうが……うぅむ、起きぬ事を本気で願いたいのである。
(血みどろとなる世界、想像してしまっては顔を振る。
他の世界から、となれば。抑止力の効果も、怪しい)

大規模な賊が出た場合などは、軍が動く事もあるが。
現地指揮は将軍たちの仕事であるし、大まかな指示や方針を出す事はあれども、
我が直接出向く何てことはやはりそうそうと無いのである。
(逆に言えば、わざわざ国のトップが出ずに済む、国家運営の形態が出来上がってる、ともいえる)

此方の世界に来て、此方の世界の法則に影響を受けた、というのも一つかも知れんの。
その結果、我の想いと、臣下の想いが――なんてのは、ちょっとばかし良く考え過ぎであるかな?
信頼、であるか。
我は魔王として若輩ではあったが、臣下もよく仕え、働いてくれた。
民衆も、我が期待通りに国を良くとしてくれた。
これが信頼であるのならば、嬉しい限り、魔王冥利に尽きるのである。
(心からと笑みを零せば、少しとばかり空間に揺らぎが)
おっと、喜び過ぎてうっかり出そうになったのである。
今はまだ、休んでいるが良い。
必要な時に、また呼び出すのである。
(ないないと、仕舞っておく)

ギルゲイオス > で、あるな。
ここのような世界であれば、まだ次につなげる事も出来るが。
それこそ、地獄のような世界だったらどーしょーもないのである。
(お手上げのポーズ。
目の前の神なら兎も角かもしれないが、自分はもう生きるに精いっぱいになりそうだ)

それぞれの世界にとっては、むしろ閉じた方が平穏なのであろうがな。
此方に来てしまった異邦人にとっては、複雑な気持ちであるな。
理想といえば、全ての異邦人が元の世界に帰ってから――いや、そうも言い切れぬか。
(此方の世界で、恋人や家族を持つ異邦人もいるだろう。
何事も、都合よく済ませるのは、難しい)

その開ける方法を見つけねばならぬのが、問題ではあるが。
神様と一緒であれば、出来そうな気がするのである。
(妙に心強い、そりゃ神様であるから当然ともいえる)
それでは、よろしくと頼むのである。
(そして、ややと旧式の携帯を取り出すと連絡先の交換。
……神と魔王がメルアド交換、相変わらず妙な光景であり。
何か死亡フラグを感じたが気のせいであるか?)

先に励まされたからな、当然である。
それに、我の世界の臣下たちは優秀であった。
我がおらぬ間も、良くやってくれているであろう。
ミウの世界の者達も、きっと頑張っているのである。
主として、その者達の働きを信じるのも大切なのである。
(ポンポンと、自分の胸を叩き)
そしてその働きに報いる為に、我らも元気を保ち、また努力せねばならない
神と魔王が力を合わせれば、出来ぬ事はない。
きっと道は見つかるのである!
(ぐっと、握った拳を空に翳す)

(かくして、神の勝利に終わる――色々な理由も含めて)

(暫しと浮かんでいたのだが。
顔を掌で拭えば、両足を海底へと向けるようにして立ち直り)
やっぱり、神様は強いので……ある、な……
(此方にやってくる姿を見れば、視線が不自然に泳ぐ。
なんとも、落ち着かないご様子の魔王様)

え、えぇと、見てないのである、見てないのである!
(色々と見えてしまった気はするが、反射的にそう口にして。
ややと、オロオロとした後に)

あ、余り役に立たぬかも知れぬがっ
(来ているシャツを脱げば、一度絞ってミウに差出しつつ)
戻ればタオルも有る故、一度上がるとするか、の?
(なるべくと見ないようにしながら、片手を向ける)

ミウ > 「異能はそうね……。
 魔術よりも、その人独自の能力が多いものね。
 当然、狙った異能を扱えるようになるとは限らないわ」
魔術は魔術で才能がいる。
欲しい魔術の適正があるかは分からない話だ。
「あなたもそういった男なのね。
 呆れたわ……」
そして、ジト目で魔王を見据える。

「5割って……それが本当なら、かなり壮絶な戦争ね」
盛られているとしても、相当規模がでかい戦争である事は想像に難くない。
下手をすれば、お互い再起不能にすらなっていたかもしれない。
「そんな状態で、お互い振り下ろした腕を下げられたところはご立派だわ」

「その痛みが分かるなら、きっと同じ過ちは起こさないでしょうね。
 問題は、戦争の痛みを忘れてしまった時かしら。
 戦争の痛みを語り継ぐのも大事かもしれないわね」
戦争が起きてしまうのは、多くの世界でそうだろう。
ミウの世界でも、戦争はあった。
「異世界からの襲撃を考えると、世界間交流が大切となる時代も訪れるかしらね。
 そうなった時は、あなたの世界とわたしの世界が同盟を結ぶのもありかもしれないわ」
世界間の同盟はトップ同士で簡単に決められる事でもないだろうけれど。
同盟で連携するというのは、新たな抑止力となり得る。
そして、互いに利がある。

「そこまで安定して出来ているなら、国家としては優秀よね。
 すると治安の方は問題なさそうなのね。
 心おきなく、王は王としての責務を果たせるというものだわ」
その国の規模も巨大である事がうかがえる。
さすがは、魔王と呼ばれる者が統治する国だ。

「世界によっては、法則が異なるものよね。
 わたしもこの世界に来た時、神の力のほとんどを失ってしまったのよ。
 法則が関係あるかは分からないけど、門をくぐった時、何かしら不都合な事が起きてしまったのね。
 良く考えてもいいのではないかしら?
 想いが異能へと昇華させないとも限らないわ」
想いによる力が異能へと昇華させる。
なんとも美しく、素敵なものだろうか。
「臣下や民が王を支え、
 そして王は臣下や民の期待に応じる。
 あなたの国は、とても良い国なのね」
優しく微笑む。
その時、空間が歪む。
──なにごと!?
と一瞬思ったが、魔王の異能である事に気づく。
「機会があれば、あなたの臣下にもいつか会ってみたいわ」

ミウ > 「下手をすれば、くぐった世界で自然消滅……。
 なんて恐ろしい事も考えられるわ。
 なにもない空間の世界では、手掛かりすらないわね。
 生きるのに精一杯な地獄も嫌ね」
一応、大抵の空間で生きられる神だが、不愉快な世界は嫌なものだ。

「わたしも、向こうの世界に帰還できたとしても、再びこの世界には来たくなるわね。
 この世界には思い入れがあるわ。
 だけど、そんなわがままも言ってられない状況にはなってしまうかもしれないわね」
向こうの世界に帰還して、二度とこの世界にやってこれなくなる可能性は十二分に考えられる。
元の世界に帰るにあたって、この世界ともお別れしなければいけない覚悟もしなければいけないのだ。

「この島で学んでいれば、ふとした事で門の事に辿りつくかもしれないわ。
 神と魔王が組むのだもの、門のひとつやふたつぐらいどうって事ない事を見せてさしあげましょうよ」
実際、どうって事ない……なんて事はないだろうけど。
「こちらこそ、これからよろしくね」
神と魔王がメアド交換を済ませる。
確かに、死亡フラグと言えなくもない……。

魔王の言葉は、なんとも心にしみるものか。
「そう……よね。
 ギル君の家臣達は頑張っている。
 わたしの世界にいるあの子達を信じてあげるのも神の務めだわ。
 神であるわたしが、気にしているだけでなんていられるわけないわよね!」
これが王の器の持ち主……。
さすがのカリスマの持ち主だ。
「助かるわ、魔王。
 わたし達は、わたし達の出来る事をしないといけないわね。
 やるわよ、魔王ギル君!」
魔王につられるようにして、拳を天に翳す。
身長差で、翳した手は低い所にあるだろうけど……。

魔王は立ち上がる。
そして、魔王からの視線を感じる。
今のミウの状態は?
ずぶ濡れで透けた白いワンピースを着ているのだ。
これでは、下着が丸見えだ……。

「嘘っ! 絶対見たわっ!!」

さらに、顔を赤らめる。
その時、ギル君から来ているシャツを差しだされる。
それを一度見ると、素早く受け取った。
「……あ、ありがとう」
ひとまず、シャツを羽織るも、一度ギル君を睨む。
小さなミウにしてみれば、そのシャツはとても大きなものだった。
羽織るには十分すぎる。 
「そうね、上がりましょう」
殿方に、はしたない姿を見られてしまった……。
これは、屈辱だ…………。

ギルゲイオス > 本人の性質に合わせ、特異的に発現する能力。
異能はそんなイメージであるな。
(それ故、あれがいいなー、と思って都合よく手に入るモノではない。
そんな感じに考えている)

…………ま、魔王とはいえ男であるので。
少しは許して欲しいのである。
(視線がすっと、ジト目から逃げようとする)

当時の王達も、随分悩んだのは間違いないのであろうな。
ただ、その決断が後の、我が居た世界を生み出したともいえるな。
(それはとても、偉大な事であると思う。
遠く昔の事であるが、同じ王として誇らしいともいえる)

痛みを忘れる、であるか。
傷も癒えて、国も回復し、時が経って――そういう意味では、忘れ始めた時代、ともいえるかの。
国家同士のやり取りを密にし、傷を語り継ぎ、友好を更に深めてゆくのが大事なのかも知れぬ。
(流石の神、言われる事に納得しどうしであり、また今後の方針にもつながってゆく。
さっきから、頷いてばかりの魔王様)

おー、それは心強いのであるな。
我々が帰った後、門をある程度制御できるようになって、という前提は必要である。
その時は是非とお願いするのである。
それに、元の世界に戻ってからも、ミウと出会えるのは喜ばしい事である。
(かくして、異世界にて異世界同士の同盟、その発端が結ばれるかもしれない形になりつつあった。
しかも、神と魔王の間で。
それがいつになるかは、まだ分からないが)

我の魔術に関しても、元居た世界と法則の違いを修正して使っている状態であるからな。
滞在が長引く様なら、此方の世界用にもっと使いやすく変えていく必要も、ある。
うぅむ、創造神さえも、であるか。
もしや神以上の存在の力が働いて……門とは謎が多いのである。
(自分と相手を見比べた後に、ちょいと肩を竦める。
想像の遥か彼方のナニカ、そんなモノさえ思い描いてしまいそうになる)

良い国なのである、それは自信を持って言えるのである。
(ぽんっと、己の胸をうつ)
っとっと、失礼したのである。
そうであるな、出来れば、我の異能によって生み出された疑似ではなく。
本物達に、合わせてやりたいモノである。
我としても、ミウの創造した者達に、会ってみたいしの。
(きっと優しい世界なのではないか、そう思う)

……っと、なにやら今日は沢山話したの。
初めて会ったばかり、とは思えぬ内容であった。
魔王と神で通ずる所がったが故か、他に何かあるのかは分からぬがな。
(世界と国、違いはあれど主という立場。
その辺りは、大きな共通点、である)

ギルゲイオス > 恐ろし過ぎるのである。
そう言う意味では、この世界にやってきたのは、不幸中の幸いであるな。
(生存に問題はなく、むしろ居心地は良いと言ってもいい。
帰る方法を探す余裕も、十分とある)

長くいれば長くいるほど、帰り辛くはなるのであろうな。
(自分もまだ長い、と言うほどではないが。
彼女の言う事も、良くと分かる)
門を制御できるようになれば、ふと訪れる事も可能かもしれぬが。
出来たとしても、先の話であるな。
(どれぐらいかも、まだまだ想像は出来ない)

そう、その意気なのである!
えぇい、たかが門一つ!
神と魔王は伊達ではないのである!!
(巨大な石ころを押し返しそうなテンションで、声を張って空に吠える)

当然の事を言ったまでである。
信じる事も、行う事も。
我らにとっては、大切な勤めなのである。
そう、やるのである! 創造神ミウよ!
(えいえいおーと、神と魔王が揃って固い決意を示す)

(と、そんな事があった後)

っぐ……
(嘘と断言されて、思わず言いよどみ)
す、少し見えたのである、申しわないのである。
(少しと小さくなってしまう魔王さま。
非常に情けない光景である)

うぅむ、今できるせめてもの、という事でアイス二つ奢るから許して欲しいのである。
また何か罪滅ぼしが出来る事があれば、我に出来る限りするのである。
(女性の肌はそんな安いモノでないのは分かっているのだが、今すぐにと出来る事も無く。
神に許しを請う、魔王の姿が今ここに。
その後ちゃんと許してもらえたのかどうかは、神様次第ではあるが。
そんなこんなで、クソ熱い夏の浜辺、その時間が過ぎてゆくのである。
魔王が謝り通しだったのは、想像に難くない)

ミウ > 「そうね。
 魔術とは“技術”で、異能とは“超常”と述べる常世の教師もいたぐらいよ。
 それだけ、異能には特異性があるという事だわ」
よく言えば唯一の能力であると言えるが、悪く言えば選択肢なんてものはない。
異能とは、そんなものだろう。

訝しげな目で魔王を見つめる。
数秒そうした後、溜息をこぼした。
「……仕方がないわね、殿方は」
ひとまず、許してみせる。

「5割もの住民を失えば、後戻りなんて考えられなくなっても不思議ではないわ。
 そんな中で、かつての王はよく決断したものね」
相手を滅するまで続ければ、自分達も滅んでしまう。
それを理解するのが、完全に滅される前でよかったと言えるだろう。

「痛みを語り継ぐのも、そう簡単ではないわよね……。
 傷は傷として残し、国間の信頼も深めていく。
 その政策は、平和を維持する上で、とても大切になっていく事でしょうね」
ギル君の国、いや世界が平和のまま良き方法へと進んでいいく事を願う。

「同盟を結びにおいて、確かに門の制御は必要不可欠になるわね。
 もしそれが可能であれば、お互いの世界で連携を取り合いましょう。
 こちらこそ、その時はよろしくお願いするわ。
 そうね、元の世界に帰った後でも、わたし達がまた出会えればいいわね」
世界間同盟。
もちろん、今のところは結ばれるかどうかはまだ不明である。
なにせ、トップ同士が合意しても、まだまだ難題が多すぎるからだ。
だけど、今回の件が世界間同盟のきっかけになり得る事は間違いない。
神と魔王、トップとしては互いに違う色を出している。

「世界の法則の違いによる修正……。
 それは、大変だね。
 慣れていくまで、ある程度時間を要する事になるかしら。
 神以上の力が働いている……なんて考えたくはないけれど、それで当りかもしれないわね。
 門はとてつもなく強力な力だわ」
あるいは、ただの現象といったものの一つなのかもしれない。
いずれにしても、強い力である事は変わりないだろう。

「あなたが統治している国だものね。
 わたしも、本物の家臣に会ってみたいわね。
 いつか、ギル君の世界にいつか行ける事を楽しみにしているわ。
 わたしの世界にも、是非いらっしゃい。
 歓迎するわ」
もし帰る手段を見つけられたらの話。
だけど、お互いの世界を案内し合うのは、とても素敵な事だ。
 
「そうね、自分でもびっくりするぐらい話し込んでしまったわ。
 神と魔王であるけれど、わたし達はとても気が合ったのね。
 あなたとの話は、なんだか楽しめるもの」
異邦人である事から、国や世界の主である事まで共通点が多い。

ミウ > 「この世界でよかった……と確かに言えるわね。
 楽しい生活を過ごせて、帰る方法も探せる環境だもの。
 わたし達はまだ、幸せなのかもしれないわ」
不幸中の幸い……確かにその通りだ。
門に飛ばされた事で、さらに悲惨な目にあった人なんていくらでもいるはずだ。

「思い出もだんだん増えていくわ。
 中には、元の世界を見限る人も出てきているわ。
 わたし達の場合は、元の世界を見限れないような立場になるけれどね」
この世界に来てから数ヶ月。
まだそれだけしか経っていないのに、思い入れがある。
これが一年、十年、千年と経っていけば、どうなっていくだろうか……。
「門を制御できるようになる時代が訪れるなら、楽しみだわ。
 自由に、世界を行き来できるようになるものね。
 そうなれば、この世界にも未練を残さずに済みそうだわ」
今のところ、それは夢物語。
未来的には、どうなるのだろう?

魔王がテンションをあげる。
ミウを鼓舞してくれているのだ。
一度、ミウは優雅に笑ってみせる。
そして空に向かって叫ぶ。
「そうよ!
 門でもなんでも掛かってくるがいいわ。
 わたし達がそんなもの、突破してみせるもの!」
いつか絶対、門を突破して元の世界に帰ってみせる。
そして二人は、固い決意をしたのである。
えいえいおー、と。

そして──。

ギル君は言い淀んだ後、白状してみせた。
「や、やっぱり、見ていたのね!」
な、なんて事だ……。 なんて事だ……!
ギル君に少々殴りかかろうとするも、
一応シャツを貸してくれたりで優しいところもあったので上げていた腕をおろす。

アイスを二つ奢るという提案に、
「し、仕方がないわね……。
 ひとまず、それで機嫌をなおしてさしあげるわ」
それは口だけであり、まだ頬を膨らましている。
「いいわよ、罪滅ぼしなんて。
 そもそも、ワンピースなんかで海に入ったわたしも悪いわ」
自業自得という面もあり、ギル君を許してみせた。
それに、ギル君は悪い人じゃない。
その後も、ギル君とミウの二人で海を満喫する事だろう。
そうしていく内に、ミウの機嫌もだんだん戻っていく。

ご案内:「浜辺(海開き状態)」からギルゲイオスさんが去りました。
ご案内:「浜辺(海開き状態)」からミウさんが去りました。