2015/08/02 のログ
ご案内:「浜辺(海開き状態)」に松渓つばめさんが現れました。
松渓つばめ > 聞こえてくるのは波の音だろうか、虫の声だろうか。
「少し気が早いわね」と言いつつ、誰もいない浜の脇に生えていた草を踏む。
いや、この時期から鳴く虫でもいただろうか?まあ、そんなことはどうでも良かった。

松渓つばめ > 「いやー、当たり当たり大当たり。意外と外のが涼しいものね」
自宅に帰ったら、相当寝苦しかったので抜けだして来たのである。
住宅街の外れにある彼女のアパートには空調などというものはない。風通しの微妙な部屋に扇風機が一台あるだけだ。

「潮風ってことも、ないか。大丈夫」
適当な木の陰に座り込む。部屋が涼しくなるまで外にいようという魂胆だった。

松渓つばめ > 座って星空を眺めてみる。風呂あがりの髪に風を含ませたりしながら、首を回す。
日課のストレッチなら狭いお風呂の中で頑張ってやってきた。

「ん…………ふぅ」
珍しく何をする気にもならない。いや、何もせずにいられる。
携帯はポケットから一度出したけど、見るのは止めて横すわりに座った脚の上で。

松渓つばめ > 傍らには乾電池でダイオードが光るカンテラ。こちらも今は電源を切って。
住宅街や学生街、歓楽区などでは星も見えないわけなので。
本を読もうかと思っていたが、これはこれで飽きの来ないことだった。

何かを思いついて。

両手を顔の前に。ボディソープのCMのような感じにして。

「―――ふぅーっ」

異能で作り出された粉塵。一息に空に向かって吹き飛ばしてみる。
「おぉ、思ったより」
夏のダイヤモンドダストか。海の反射光がさらに粉塵で反射して、結構綺麗だ。
思わず口端が緩む。子供っぽく、何度か遊んでしまう

松渓つばめ > ふあ、とあくび。あれがカエル座、あれがICBM座……などとやっている間に、星も少し動いていた。
さすがにこのまま寝落ちとなると、危険だろうなあ、と朧に思う。

「……猫?」
しばらく全く音を立てなかったからだろう。気づかなかった小動物がいつの間にか近くにいて。振り返った声に身を固くしていた。

「………」ゆっくりと視線を外す。かつお節とか、フィッシュアーモンドとか。その手のものは持っていない。

松渓つばめ > 「よい、せ、と」
近くに樹の枝が落ちていたので、少し体を伸ばして砂浜にマルを描いてみる。

中に入るかと思ってやってみたのだが、猫は驚いたのか何処かへ歩いていってしまった。
「ああ、ノリの悪いったら」舌打ち。

しかたないな、と言いながら、また海を見て、何もしないでいる。

松渓つばめ > ピピッ、ピピッ。携帯からコール。
「あ、OK?」

携帯には、部屋においてきた温度計から、室温がちょうどよくなったことが告げられていた。インターネットオブシングス。狭いニーズでお役に立ちます。

「じゃあ、ま、外でぼけっとしてないで寝ますかね」
木を背にしたまま立ち上がり、頭を1,2回まわした。

松渓つばめ > 見ると先ほどの黒猫がまた近くに来ていた。
ついてくるようならコンビニで牛乳でも買って少しあげようか、などと思いながら、特に構うでもなく家路についた。

ご案内:「浜辺(海開き状態)」から松渓つばめさんが去りました。