2015/08/13 のログ
ご案内:「浜辺(海開き状態)」にアルワルドさんが現れました。
■アルワルド > (今僕が居る所は常世島と云う名の島であるらしい。
そして島であるという事は陸地の果には空が広がっている筈で
何処か遠いこの世界の空を、身近に感じようと思った僕が島の端に足を向けるのは
何も、不自然な事ではないと俯瞰した思考が浮かぶ。
――問題は陸端より視える光景が、僕からすれば不自然極まった事で)
……………………なんだこれ。
(こうして水際の砂地に立ち尽くしてしまったりすることなのだけど。)
ご案内:「浜辺(海開き状態)」に昼奈さんが現れました。
■昼奈 > (嗚呼、世の中には理不尽が溢れている………
異能も、異邦人も、この島の存在でさえも………
いちいち理由を求めていては時が幾らあっても足りない。
そう、近所のスーパーで68円で売っていたトウモロコシを
ただ海で焼いただけで値段が8倍になるのもまた、理不尽………)
っつぁー! あっつぁーっ!!!
………うぇえ、くっそ熱い………何これ、食べ物? 武器?
(穏やかな潮騒の響き。鮮やかな青と青。
そんな中響き渡る、少女の絶叫。熱いこれ。
焼きとうもろこしを手に砂浜に降りれば、そこに立ち尽くす青年が見える。)
………何してんの? 青春?
(首を傾げて、クッソどうでもいいことを呟いて問いかける。
まさか、海そのものに驚いているなんて思うはずもない。)
■アルワルド > (水、圧倒的水、視界の限りまで広大な水溜りが続いて空との境界に混ざり二色の青を織り成している。
空気は殊更に粘るように濃く、息を飲むのに些か苦労した。)
島と言うからには全域がこうなのか……?だとすれば恐るべき水質資源だと云わざるを得ない……けど
(風に幾許か奇妙な匂いが混ざっていて、それは馴染み無くて僕の顔を顰めさせるのに十分が過ぎた。
風に水自体が靡いているのか、木々の梢が擦れ合うのにも似た音は僕の思考を乱すのに十分が過ぎた。
ただ、その中に頓狂な、悲鳴にも似た声が混じると乱れた思考は一先ずは消えた。きっと水の中へ。)
……青春……いえ、違います。
(何時の間にか背後に独りの少女が居た。見るからに闊達そうな印象を与えがちで
気易な問いからもそれは窺い知れた。どう答えたものか、と数拍の沈黙をし
結局の所は苦笑交じりに否定。)
貴方の方こそ悲鳴を上げたりして、どうしたんですか?
何か困りごとでも……と、いって道迷いとかは僕も困ってしまいますが。
(その後は首を傾げて質問を返す。
よもや、熱い物を口にしただけなんて思いもしない。)
■昼奈 > ふぅん、……ま、海に来るとじーっと見つめたくなる気持ちはわかんなくもないけどねー。
(振り向けば、視線が合う。
アオザイ姿の眼鏡な青年の、穏やかそうな萌黄色の瞳と。
気だるそうな表情ながら、どこか斜めに構えた少女の赤い瞳。
………少しだけ視線が混じって、ケケケ、と笑う。
笑い方は特徴的で、片方の頬だけを持ち上げて、見るからに悪そうな笑顔。)
んー? あー、これこれ。これ食べたんだけどさ。
噛み付かれたみたいに、って奴?
(しかめっ面をしながら、その熱々のトウモロコシを困った顔で見つめる。
木の棒が刺さっているから、持っているだけで絶叫はしないけれど。)
………食べてみる?
(ほれ、と差し出してみる。ちょっと一口食べてはいるけど、気にした素振りもなく。)
■アルワルド > 見ていると不安になってきますよ。こうして背にして水音を聴くのも、少し落ち着かない。
(少女の先程の印象からは少し外れるような、軋むような笑いも何処か落ち着かない。
しかし彼女の悲鳴の由縁には眼鏡が落ちて着きそうになったから、弦を押し上げておいた。)
食べる前に確かめようとは思わないんですか……あと、折角ですが遠慮をしておきます。
(一歩前に出て、身を屈めてトウモロコシを視る。見知った作物の存在は現況を一先ずとして
和むものを感じなくはないけれど、流石に食いさしを頂くのは憚られようもので)
それと……ああ、そうだ。一つお尋ねしたいのですが、この島は全域がこのような感じなのですか?
(食え食わないの押し問答になる可能性を鑑み、背後の巨大な水溜りを指差して訊ねてみた。)
■昼奈 > そう? ………あー。
(一つ首を傾げかけたところで、
何かに納得したかのような声を漏らし、ぽん、と手を打つ。
どんな出自かは兎も角、海に不慣れなのだろう。
それくらいを理解せぬほど脳筋ではない。)
あっついのを食べるのが美味しいんじゃん。
流石に口の中に噛み付いてくるとは思わなかっただけでさ。
……ぁ、関節キスは嫌だったぁー?
まー、私みたいな美少女とだと、緊張しちゃうのも分かんなくないけどさー?
(ふっふん、と鼻を鳴らして。また先程と同じ悪そうな笑顔。
絶対違うことは分かっているけれども、言わずにはいられない!
ぺろり、と舌を出して挑発(っぽい何か)をしながら、唇を舐めて。
自分の人差し指を立ててそこにKiss。ウィンクもおまけでつけちゃう。)
…? あー、そだよ。 全部見て回ったわけじゃないけど、
こういう水の中にぽこんって浮かんでるのがこの島だね。
(小悪魔的な表情は一瞬で投げ捨てて、だるそうに戻る。
手の中でひゅるんひゅるんと焼きとうもろこしを回しながら質問に答える。冷めろー。)
■アルワルド > そうです……って妖精みたいな素振りはどうかと思いますよ。
(稚気に満ちて芝居がかった少女の所作に、露骨に顔を顰めるのも已む無しとしたい。
尚、カエルーンにおける妖精とは精霊としての振る舞いを止め、好奇心の赴くままに物質界に来てしまった存在を指す。
本来は現象としての、群体としての精霊特有の価値観や感情を持っていたとされるが
人間に合わせた感情を構築した所為で、大抵の場合……非常に子供っぽい精神性として顕れる。
……つまり『妖精みたいな人ですね』なんて言葉は僕の基準では、余り良い方向性には使われない。)
ともあれ……そうですか、水の中に陸が浮かんで島なのか……参ったな、、どうも空は本当に遠い。
(閑話休題。教えて頂けた事に当惑を隠せず頭を掻き、思考の整理を行う。
その折に、視界の隅でトウモロコシを振り回されるとなると、少し、落ち着かない訳で。)
あの、冷まそうとしているなら手早く冷まして差し上げましょうか。
(お礼と言う訳ではありませんが、と前置いて手を向ける
渡してくれるなら言葉の通りにしてみせるのはそれこそ言うまでもない。)
■昼奈 > 妖精みたいな素振り? なぁに、褒めてくれてんの?
(露骨に顔をしかめていることから、単純な褒め言葉ではないであろうことは気がついている。
気がついていながらも、特に習性したり問いただしたりはせずに、自分にとって都合のいい方のニュアンスで受け取って、笑う。)
まー仕方ないかなー、一般人の中では輝いちゃうもんね。
その眩さっての? わかるわー、自分が輝いちゃうと自分では分かんないけどわかるわー。
(己の胸にぽん、と手をおいて、えっへんとばかりにその胸を張って堂々とここまで突っ走る。
相手の反応が大体分かっていてのこの暴挙。)
………空が、遠い?
(はて、変なことを言う人だな。と空をこちらは見上げながら。応援団のバトンのようにトウモロコシがひゅんひゅんと回転し、それがぴたりと止まる。)
あ、冷ましてくれんの? さんきゅー。……あっついから気をつけてね。
(ほい、と突き出すわけにもいかずに、よいしょ、っとその手をにぎるようにして手渡し。)
■アルワルド > 残念ですが褒めてません。……つい口から出てしまいました、すいません。
(輝かしいばかりに自信満々な様子を見せ付ける目の前の少女に
瞳を細めてしまうのはその実眩しいからかもしれない。
或いは後ろめたいからかもしれない。)
ええ、空が遠いのです。僕にはとても……ありがとうございます。
(雑談を交え、トウモロコシを受け取り、その頂点に人差し指を向ける。
すると、手にしたトウモロコシの頂点に被さるようにして
小さな――正四角形を二つ重ね合わせたような魔法陣が顕れる。)
冷 却
――Cymryd Gwres
(それは白く煌めく光のワイヤーフレームで構築され、互い違いにくるくると回転しあう小魔法陣。
言葉を受けるとその色彩を青色に変え、その央にトウモロコシを通過させるようにゆっくりと下がり
全て通過し終えると音も無く粒子状の光に解けて消えた。)
はい、どうぞ。恐らく丁度良いかとは思いますよ。
(少女にトウモロコシを……どう返そうか一瞬悩んだ。
悩んだが、この地での風習やマナーを良く知らない身の上であるから
結局は自分がされたように、少女の手を握るようにして手渡し。)
■昼奈 > なーんでそういうところで褒めたままにしとかないかなぁ。せっかく勘違いできそーだったのに。
(全くもー、と腰に手を当ててぷんすか、と怒った素振り。ちっちゃいツインテールもぴょこぴょこと揺れて自己主張。
とはいえ、本気で怒っていないことはよく分かるか。
すぐにその不満そうな表情は消えて、空が遠い、という言葉に首を傾げる。
トウモロコシを手渡してしまえば、何をするのか見つめていて。)
………わ、ぁおっ……!? こういうの初めて見たかも………。
(目の前で展開される魔法の姿に、思わず目を見開いてぼうっと見入る。
おおーぅ、っと視線が上下に揺れて、犬か猫のよう。)
あ、うんっ! ありがとっ!
(えっへへー、っと笑顔でそれを受け取りながら、指と指が触れ合って。)
…やん。
(頬を赤くしながら照れた。ざーとらしく照れた。こういうことしないといられないらしい。)
■アルワルド > 勘違いは事故の元、ですから……と、そうなんですか?
此方の世界にも魔術の類はあると聞いていたけど……案外そうでも無いのかな。
(怒った素振りには苦笑を返し、感嘆の声には当惑を返し、礼には口端を緩ませて見せた。)
いえ、礼には及びませんよ。何かをして頂いたならお返しをしなければなりませんし。
僕は僕の基準に則って……ってあれ?いや顔を赤らめる所ですかこれ?
(そのまま姿勢が緩んでずっこけそうになる。いやいや、いやいやいや
貴方さっき、自分から手を握りましたよね!?的に首が傾いで傾いで
危うく真横に成りかかる所でびよんと戻って、咳払い一つ。)
……失礼、不調法を致しました。
(手を離し、一歩離れて視線が揺れる。揺れた先には屋台が幾つか視えた。)
そ、そうだ。立ち話もなんですし、宜しければ如何ですか?ベンチもあるみたいですし。
(屋台の品目までは良く視えないけれど、一休みは出来るだろう。
話の転回も図れるだろうと思惑を巡らせて提案。)
■昼奈 > あー、まあ私は偶然ね、機会が無くてさ。
(軽い口調でそうやって言葉を返す。真っ当な人生経験そのものが短い、ということには触れぬまま。)
……? 何かしたっけ?
(トウモロコシを受け取りながら、はて、と首を傾げる少女。自覚は無かった。)
(ずっこけそうになりながらもなんとか立ち上がって。こほん、と咳をしながら距離を取る姿に、くつ、くつと笑い声。)
まぁっじめー。
(後ろに跳ねて小さく言葉を漏らす姿に、ケケケ、っとまたあの笑みを返してやり。)
………あ、いーよー。折角だし、氷でも買おうよ。
(さくさくとトウモロコシを口に運びながら、ハムスターのように頬をふくらませる少女。ぱたぱたと歩きながら、屋台の方へと歩いて行って。)
■アルワルド > 先程「島」について教えて頂きましたよ。後、からかわれました。
(首を傾げたり、意地悪く口端を歪めたりする少女を流すように見遣り嘆息を一つ。
真面目と言われたら更に嘆息を一つ、序に若干項垂れもした。)
あ、ちょっと……本当、妖精みたいな人だなあ。
(そうしている内に相手がちゃっちゃと屋台に向かってしまったものだから此方も慌ててその後ろへ続く。
何処と無く涼しげな雰囲気の絵に、この世界の物と思われる文字が描かれた看板は白と青のコントラストに赤い文字が映えて綺麗だと思えた。)
ブルーハワイ
屋台で氷菓子だなんて恐ろしい所だ……ええと、幾らなんだろう、足りるかな……と、とりあえず僕はこの青い奴をください。
(注文を受けて店主と思しき男性が氷を不可思議な形の台座にセットし、ハンドルをぐるぐると回す。
するとどうだろう、受け皿として置かれた紙製の器に細かく砕かれた氷が盛られて行くではないか。
知れず感嘆の声とてあがろうもので、削り終えた氷の上に鮮やか過ぎる程に青い液体がかけられると
圧倒的涼感とも言えるものが感じられた。
異世界もそう、悪くないのかもしれない。)
■昼奈 > あー。
(ぽん、と手を打って理解。あまりにも当たり前過ぎて何かをした感覚が薄れるってこと、あるよね。)
からかってなんか無いってば。私はいつだって真面目だし?
嘘とか冗談とか生まれてこの方一度も口にしたこと無い美少女だし?
(先に歩きながら、くるり、っと回転をしてこちらを向きながら話す。
後ろ向きに歩いているけれど、まるで後ろに目があるかのように段差をひょい、と乗り越える。
……まあ、身体の後ろに回した掌に、本当に目があるとは思うまい。
ケケケっと、相変わらず悪辣そうな笑顔だけれど、無邪気……なのかなあ。
屋台にたどり着けば、するりとそれは消えてしまう。)
……昼奈、お金お兄ちゃんに出してもらうのー。
(ひな、と名乗る少女は、イチゴのシロップのかかったかき氷を指さしながら、少年のアオザイの袖を握る。
シロップ顔負けのあまったるぅい声を出しながら、えへへ、なんてあざとい笑顔を見せて………。)
名前なんだっけ。
(声を唐突に戻して見上げる。台無しである。)
■アルワルド > え、僕なの!?
(鮮やかな青と立ち上がる冷気を、きっと一心に眺めていたからかもしれない。
不意に手を引かれて支払いを促されて、つい頓狂な声が出てしまった。
すると店主の男性にも「お兄ちゃんなら妹の分くれえだしてやんな!」
とか言われてしまう始末で、致し方なく二人分の氷の代価を払う。
その代金は僕の予想よりは遥かに低く、内心驚きを隠せなかった。)
……君、結構油断が出来ないね?
(それから。ベンチに二人並んで座った所で態度を鮮やかに切り替えた少女を少し、怨ずるように視る。
ただ、さもおいしそうに氷を食べていたものだから、そんな目線は直ぐに消えてしまうのだけど。)
そういえばまだ名乗っていませんでした。僕はアルワルド、アルワルド・ザフラ・ジャッラールと言います。
所謂異世界人と言う奴で、こちら側は色々と新鮮に思っている所ですよ。
(「新鮮に思っている所」を殊更強調するのはヒナと言う少女に対する言外の当て付けだ。
氷でも食べて、その甘く爽やかな食味で少しクールダウンが必要かもしれない。そんな俯瞰思考が一つ。)
■昼奈 > んっふふ、ありがとー!
(無邪気に両手を振り上げて、わぁい、なんて声をあげてしまう。猫被りもいいところ。
子供らしく左右に身体が揺れてせわしない仕草といい、どうも慣れているようだ。)
………んぅー? なぁんのことか、ひなわっかんなぁい。
……この島は、一癖も二癖もある奴がたぁくさん、いるってさ。
(ケッケッケ、と、本日一番凶悪な笑顔を見せる。ゲス顔。
でも、しゃくしゃくと氷をかき混ぜながら口に運ぶ姿は、確かに幸せそうで。)
………なんて呼べばいーよ。私はひなでも昼奈様でもお姉さまでも好きに呼べばいいからさ。
ふぅん、ま、海が新鮮だっていうなら、私みたいな眩しい太陽で目が眩むのも仕方ないかね。
異世界ねぇ………飛ばされた派?
(足を大きく組んで、片方の掌を上に向けて尋ねる。もうすでに姿勢からしておとなしい少女ではない。
そしてこの堂々とした己への自信は、終始一貫しているらしい。半ば冗談だと自覚している節もあるが。)
■アルワルド > 一癖も二癖も、或いはもっとかどうかが判らない。そう判断させて頂きます。
(悪党のような顔を綻ばせる。なんて二律背反を器用にやってのけるヒナ。
そんな彼女に向けるのは呆れ顔。やれやれ、と肩を竦めもしてみせようかな、わざとらしくさ。)
呼びは……そうですね。ではアルワルド、と。故郷の先輩方には一人前になってからも「アル坊」なんて言われて
些か困ったりもしましたっけ。
(呼称については氷を食みながら、空を見上げて暫し考えた末に簡潔に。)
ともあれ君はヒナだね、宜しく?
(妖精めいた物言いについては空の彼方に放り投げるようにした。)
あと僕の世界は…んーと、空に陸地が浮いている世界なんですよ。
ですから島々の端は当然空で、あんな巨大な水溜りは無かったんです。
(問いの答えには頷いてみせて、多分笑ったんだと思う。
『つい先日飛ばされてきたばかりで、この世界の人とこう会話するのは始めてでして』と
面映さもあって誤魔化すように氷を掻きこむと、不意に頭が痛んで俯く事にもなってしまうのだけど)
■昼奈 > じゃあアル坊、よろしくね?
(即座に判断、取捨選択して、綺麗にその言葉を打ち返す。顔面めがけてだけど。
一癖も二癖もある少女は、にっこりとした笑顔でそう返すのだ。よぉく見ると口の端に邪悪が出てるけど。)
ん、よろしく。………ふぅん、不便な世界に聞こえちゃうけどね。
海はまだ物が浮くからさ、そのまま移動も考えられるけど、空だったら落ちてっちゃうじゃん?
(言いながら、がーっと氷をかきこむ。
慣れているのか、まるで痛みを感じないかのように食べきってしまえば、にっしっし、と痛みを堪える姿をいじわるに見つめてくるのだけれど。)
……ってーことは、空飛べるわけだ? さっきの魔法……かな?
(片膝を持ち上げてあぐらをかくようにして、その膝の上に肘を置き、更にその上に顎を乗せる。
とっても偉そうな姿勢のまま、相手のことを少しだけ探るような。)
■アルワルド > ア・ル・ワ・ル・ド!
(頭痛を振り払い、打ち返された言葉は眼鏡に跳ね返って氷の中へ落ち、そのまま噛み砕いてやった。
平時の僕を知る人が見たら、歯を剥いて怒鳴っている事に違和感をきっと覚えただろう。
もう、そんな人は何処にも居ないのだけど。)
まったく……ああ僕は……カエルーンの民はほぼ全員が飛行魔術が使えるんですよ。
此方では無駄に目立つので、僕は余り使わないようにしていますが……ええ、先程のは魔法です。
と、言っても僕の本分は魔術師では無くて騎士なのですが。
(居丈高なヒナの物言い自体には慣れたのか、言及する事無く、氷をざらりと平らげて舌なめずりを一つ。
そんな些かの行儀悪をしながらの説明時間。)
これでも故郷では魔導騎士としてそこそこ有名だったんですよ……まあ、此処では遠い話なんだけど。
(ベンチの背凭れに背を預けて軋ませながら空を視た。でも言葉が飛ぶことは無くて
熱せられた砂の上に転がってしまう。)
■昼奈 > のひゃぅっ!?
(全力で主張された名前が、耳の中にどーん、っと突き刺さる。
手のひらを見せて、わかったわかった、まあまあまあまあ、と宥めて。冷や汗一つ、珍しく悪辣な笑顔は鳴りを潜める。)
………ふぅん、カメルーンって国だとみんな飛べるんだ。すげーな……。
(すげーなアフリカ。意地悪でも無く素ボケだった。)
まー、確かに空を自由自在に飛び回ってたら、そいつぁ目立つけどさあ。
………そっちが海を新鮮だと思うのと同じように、騎士、ってのは本の中の世界でしかわかんねーから、ちょーっと……
(わかりづらい? なんて肩をすくめて見せて。)
………んで、結局飛ばされてきたから戻ることもできずに困ってしまってる、と。
…大変だねぇ。
(にっしし、と笑顔でそう返し。皮肉でも嫌味でもなく、自然の表情なのだろう。肩をぽん、っと叩いて。)