2015/08/18 のログ
ギルゲイオス > それでもまぁ、常人に比べれば十分速いのであるがな。
また、食事を魔力に変換して充填する事も出来るが……効率が悪い……大怪我した日には食費が怖い。
(そして働けない。
恐ろしい想像に、思わずちょっと顔が蒼くなる)

笑われた!?
(擬音が出そうなほどに、ガビーンと驚愕する)
おのれ貴様……これでも我が国では、それなりに慕われた王であったのだぞッ
(ぎーりぎーりと歯ぎしりの音)
それはそれで仕方ないのである!
絵画やら硬貨やら、民衆の前に出る表情で接客なんて出来んのである。
(ぷいと、顔を横に逸らした)

この世界に?
(両手を広げる。
なんという詭弁)
作った飯食えるんで、ウィンウィンであるよ。
くっ、そう来たか。
ならばよい食材に相応しい腕を振るう事を期待しよう……
(魔王スマイル。
挑発的に乗る)

いや、お主の国にも文字はあったであろうし、文字を使って色々教わったであろうに。
喋りだけでは足りぬ事も多いし、教師になりたいのならばやはり必須であるよ。
(何を今さら、とでも言いたげな呆れ面を晒しつつ)
うむ、精進するがよい。
とりあえず騎士、であれば。
剣術やら戦闘技術を教えるのが一番手っ取り早いのではないか?
(下げてから、上げる。
一番わかりやすい担当科目を提示してみる)

……何やら凄く嫌な予感がするのである。
が、ちょっとおもしろそうだと我の中で何かがささやいておる。
よろしい、やってみるがよい。
(といいつつ、座ったままで腕を構えて軽い防御姿勢)

ダナエ > 「食事を魔力に変えられるのか。
 食糧を手に入れる金さえあれば、恐ろしいほどの力を得られそうだな」
魔族の金持ち=強い、という判断基準ができた。
蒼くなる顔に笑いそうになるが、
赤貧生活を支えているのは健康であることは己も知っているため笑わない。

「いや、すまない。本当に、私が悪かった!」
まだ口元を隠しながら謝罪。
「貴公は親切だし環境への適応も早い。優秀で立派な王だ」
フォロー。

この世界に、というぐうの音も出ない返しに言葉に詰まる。
「そ、それは……ぐぬぬ」
食材の話には、
「よし。
 では私にとっては最高に旨いが、異国の者にはそうではないかもしれない郷土料理で勝負だ」
なぜか勝負。
何のための何の話か、よく分からなくなっている。

「いや、まったくその通りだ。
 教師になるということを、学園に所属し給金を得る手段としか考えていなかったようだ」
肝心の授業内容というものがすっぽり抜け落ちていた。
相手の呆れ顔に気まずくなりつつ、
「そ、そうだな。
 防御の技術や防御魔法なら自信がある。
 文字を覚えたら、今度はその方向で行ってみるか……」
上げられて少し胸を張る。

相手の防御姿勢と言葉にむっとする。
「無礼な!
 守って斬るだけの騎士と思うなよ、魔法も問題なく使えるのだぞ。
 確かに水の魔法はこちらに来てから覚えたが……
 まあいい、ぽたぽたの滴を細い水流にする感じだな」
目を細め、絶対に大量に出さず適量で見返してやる!と集中。

────出ない。

「む……おかしいな」
さらに目を細め、集中。背後に高波がじわじわと盛り上がる。
滴はむしろ止まってしまった。高波は崖のような高さまでそびえ、
「変だぞ。これだけ集中しているの、に────!?」
高波が太陽の光を遮り、驚いて振り返った時には既に遅く。


崖のような高波が、辺り一面へざぶううぅぅんと襲い来る──!

ギルゲイオス > 元の世界であれば、わざわざそんな事する必要もないのでは、あるがな。
個人の魔力キャパシティ差も有る故、食えば食った分だけともいかぬが……
(強いヤツ程地位を築いているので、あながちと間違いでもない訳だが。
サキュバスインキュバスの類は、弱いけどその特性で上手く稼いでいる――という話は置いといて)

ぐぬぬぬ……まぁ良いのである。
此方の世界で、威厳がダダ下がりしているのは否定できんのである。
(自分で思い出しておいて、ちょいと肩が落ちる)
良い、許す。
(パタパタと手を振った。
そう言われて、悪い気はしない)

何故そんな微妙な感じに!?
というか勝負なのであるか!?
いやま、他の世界の料理、というのも興味はあるが。
ひとまず、気が向いたら馳走してやるのである。
(色々と釈然といかない流れに首をかしげる魔王様)

専門分野ごとに教える教師が担当しておるからの。
得意分野があれば、それでよい。
……その前に、文字であるがな。
(くくっと、喉を小さくと鳴らした。
結局、そこをクリアせねば話にならない)

いやぁ、この流れからすると、普通気を付けるであろう。
ほら、こっち来てからとか言っておるし。
ちょっと間違えると恐ろしい事が起こるのが魔術故な、油断ならんのだよ。
(自身がどちらかと言えば術士系であるため、なんだか恐る恐る様子を伺い)

うむ、飲み水位の感じでな。
……出ぬか?
(相変わらず防御態勢をとったままに、相手の様子じっと眺め)
ふむ、術式が可笑しいのか、あるいは根本的に――おい、ちょっと待つのである。
なんかすんごい嫌な気配と、音がするのであるが……
(ごごごごごごご、背後から迫る危機の予兆。
くるっと、首だけで振り向いた、その直後に)

ぎにゃーーーーーーーー!!!
(ざぱーんと、高波にさらわれる魔王様。
悲鳴だけが虚しく鳴り響く)

ダナエ > 「そうか、無尽蔵に食べて増やせるわけではないのだな」
それほど簡単な話ではないようだ。
「ギル殿の世界もなかなか面白そうだ」
怖いから行ってみたくはない、が、とても覗いてみたい世界。

「辛い料理はお好きかな?
 酢の利いた料理も好き嫌いが別れるが、魔王殿は如何か?」
急にニコニコと、相手の嗜好を探り出す。
もちろん得た情報は逆方向に使う予定。

「文字か……。
 まさかこの年で、読み書きで苦労することになるとはな」
ため息。


高波ざばーん。
重い重い鎧が、高波の圧に負けて後ずさり踵が海中で砂にめり込む。
「くっ!」
一歩、二歩──よろめいて転ぶ。あっという間に波に飲まれ、
「ごぶぶぶ……!!」
転がってバランスが取れず苦戦し、海水を飲みながらもがく。
少しして、何とか無事ざばぁっと立ち上がる。

「ギル殿、どこだ!?」

口の中の砂をベッと吐き、辺りを見回す。
高波が一気に砂浜に広がって、一般客の「わー!」だの「キャー!」だのという悲鳴が響いている。

ぼたぼたと海水を垂らしながら振り返ると、
焼きそば、浮き輪、缶ビール、ビニールシート、
テント、魔王様、その他諸々を道連れにして高波が引いていく。
「ギル殿ー!!」
高波に浚われた姫君ならぬ陛下を救出するべく、必死で追う。
追う。
追う。
追う。
追いつけない。

「ギル殿ーーーー!!!!」

水の魔法を使う、という発想はもう頭からすっ飛んでいる。

ギルゲイオス > 魔族といえど、底なしに魔力を溜めれる訳でもないのでな。
何時ぞやになるかはまだ分からぬが、帰還する為の門を開く研究もしておるのでな。
成功の暁には、是非来るが良い。
その時には、王らしく招待するとしよう。
(唇に弧を描く。
驚かせる気満々である)

なんか悪い事考えている気配をビンビンと感じるのである。
まぁ良いか。
余程極端な味付けではない限り、何でも食えるぞ。
……先に言っておくが、我の食えないようなモノつくったら食材費請求するからな。
本来の目的を忘れるなよ?
(ややとジト目を向ければ、胸元に仮想の釘をグサグサと突き立てておく)

ぬぉぉおっ!!
――ごぼぼぼぼぼぼ……
(長身が波に巻き込まれ、体勢を崩し、上下を失い。
そして、引き波。
荒れ狂う海流の中、あっちこっちと行方が定まらず、海岸から沖の方角にへと流されていく)

(『ぬぅ、不味いのであるな。方向感覚が掴めん、上は何処だ』
水中でもつれるような状況のままに、脳裏の中に思考が過る。
呼吸は、暫くともつ。
術式詠唱、問題なし)
[1d6→1=1]4以上で海面へ
ギルゲイオス > (水中にて、風の術式を展開。
飛行の推進力にするのと同様に、噴射により定めた方向へと。
未だ残る海流の乱れに、進行は随分と難儀をしている、ようだが……)

っ!
(もみくちゃにされながら、眼前に見えてくる――海底。
『不味い、逆か』
内心に舌打ちを一つ、底を蹴ると次こそはと水面に向かう)

ダナエ > 「門? 門とは何だ?」
島に来たばかり、おまけに教師でも学生でもないので知識が薄い。
門というと城門のイメージしかない。
「…………その門とやらから、そっと覗かせてもらおう」
面白そうでも魔族の世界。
しかも、この世界でも脅かしてくる人のホームグラウンド。
足を踏み入れてはならない気配。


「本来の目的……?」
少し考えて、
「空腹で困っている私の腹を満たすこと、だったか」
魔王様の親切心のところまで遡ってみる。
合ってるけど合ってない。


浮かんでこない魔王様。
「まずいぞ、ええと、どうすれば……!?」
ようやく水の魔法に思い至る。
大剣をかざし意識を集中、切っ先を海の中、砂へザクッと突き刺す。
「どこだ!」
十戒のように、とは行かずとも細く海が割れた。
溺れかけた犬がいたので抱き上げ、浜辺の方へと離す。

だが魔王様は見つからない。
「どこだ、ギル殿!!」

ギルゲイオス > ん?あぁ、知らないのか。
此方の世界と、別の世界が急につながって、コッチ側に人、物、建物、その他もろもろが流れ込んでくることがあるのだ。
そのように世界と世界がつながる状況が、『門』と呼ばれておる。
我もソレから落っこちてきたのだがな、お主も恐らくそうではないのかな?
(疑問符交えて首をかしげた)
……別に怖い所ではないのだがな……

微妙に合ってるけど、なんか間違えておるな。
お主が食べるに困った時、お主が料理やら洗たくをするかわりに、その作った料理で腹を満たして良い、という事だな。
言ってみれば交換条件である故、我に悪さしたら蹴り出すのであるぞ……
(親切に悪さで返されると、流石に魔王様も許せぬ模様)


(やがて迫ってきた光を掴むように、両手で海を大きくとかき)

ぷっ、はっ!!
ふぃー、酷い目にあったのである。
というか、随分流されたであるなぁ。
(大きくと息を吸い込めば、濡れて張り付いた前髪を掻き上げ。
一度海底までいってしまったのが拙かったようで、先ほどいた海岸はかなり遠く。
泳いで戻るには、骨が折れる。
もっとも飛べばそこまで苦労はしないであろうが)

……予想はしていたが、酷い有様であるな。
(そしてその砂浜の姿も、有体に言って大惨事である。
海面に浮かぶのは、テントやらビーチグッズの残骸たち。
自分の事はさておいて、コレ大丈夫かなーってツラしてる)

っと、おーいここだここだ!
(割れた海からちょいと離れた位置、手を振り上げると自己主張する魔王様)
ほほう、海が割れるか、中々興味深い。
(更に自分の事はさておいて、そちらが気になってシカタナイ様だ。
案外、というか結構大丈夫そう)

ダナエ > 「異世界の、門……。
 た、確かに私も空から海へ落ちてきたが、
 てっきり召喚魔法のせいだと……」
混乱。少し考えて、
「では私の落ちて来た空に、見えないだけで今も門はあるのだろうか?
 そして何かの拍子にまた繋がったりするのだろうか」
帰れる期待に、興奮しながら。

分かりやすい解説に、
「む。そうだったか? 労働と対価か……」
都合の悪いことは忘れる脳。色々悩む。


「何ということだ、
 素直に店で水を分けてもらえば良かった……!
 ギル殿は泳げるのか!?」
焦りながら先程の魔法剣で小さく海を割り、魔王様探し。
だが人物には当たらず。
高波から距離があったのが幸いして、一般客はびしょびしょにはなっても浚われてはいないようだ。

その時、声が聞こえた。
沖の方を見れば、高波に浚われた陛下のお姿が。
「おおおおお……!!!!」
ゆっくりゆっくり、沖の方へと出迎えに行く。

「よよよ、良かった……!!!!」
兜から海藻を垂らしながら、涙と鼻水も垂らしながら無事の生還を喜ぶ。
「あ、あやうく、無辜の者の命を奪うところだったぞ……
 す、すまなかった……!」
相手が魔王様で良かった、並みの人間だったら本当に危なかったかもしれない。

ギルゲイオス > 空から落ちるとも限らんのだが……流行ってるんだろうか、このパターン。
(門の雑な呼び寄せ方に、思わずと眉が寄る。
対象と場所によっては、呼ばれた直後にお亡くなりになりかねん)

どちらかと断定は出来ぬが、この島にいる異邦人の恐らく大半以上は門経由であるからして。
恐らくは、ダナエも同じく門から来た、のではないかと思うのだが。
(直接目にしたのであれば、術式か何かで分かるだろうが。
そうでもないので決めきれない、が、可能性は門の方が高そうではある)

開いてるのか、閉じているのか、有るのか、無いのか。
それも全部含めて全て謎である。
一つ言えるのは、現状帰る手段を持つ者は極々少数、という事だな。
運よく、という事も否定は出来ぬが、まぁ期待できるモノではないよ。
(興奮に水を差すようで非常に悪いが、現実は現実である。
自分も同じ身であれば、小さなため息混ざりに顔を横に振った)

ま、そういう事である。
真面目にやれば、ちゃんとそれには応じる故な。
(つまり、逆も然り)

(多少は泳げるが、魔術で対処するのが手っ取り早かった、というお話。
ぷかぷかと浮かびながら、さーてどーすっかなーと考えていた頃合いに)

うぉ!?
って、声の割にゆっくりだなっ
(大きな声に一瞬と驚くも、動きは平常運転らしい。
やってくるのを、とりあえずその場で待ち、つつ)

これでも魔王であるからな。
高波にさらわれた位で死にはしな――大変な事にっ!
(主に顔が。壮絶にズルズルな状況。
喉元で小さく笑うと、垂れた海藻を引っ張って落としたり、ぐちゃぐちゃになった顔をぬぐってやろうと手を伸ばしてみたり)

驚きはしたが、構わんのであるよ。
我以外に人的被害も無いようであるしな。
だから言ったであろう? 魔術は危ないとな。
まー、流石に我もこれほどまで大規模になるとは予想もしておらんかったが。
もっと、しっかり扱えるように、これも勉強せねばならんだろうな。
(ちょいと肩を竦めてから、相手の額を人差し指でペイっと押そうとする)

ダナエ > 目を輝かせて話を聞いていたが、現実は非情である。
話が進むに連れて目の輝きは消え失せる。
「…………そうか。
 ……まあ、一度繋がったのだから、二度目だって有り得るはずだ。
 そうだとも、きっといつかは……」
かすれ声で独り言。


「これでも最高速度のつもりだぞ。
 この間のように風の神の祝福でもない限りは、これが限界だ」
陸の上ではゆっくり、海の中ではさらにゆっくりゆっくりな歩み。
海藻をズルズル落としてもらい、顔を拭われれば子どものようで恥ずかしくなり、自分で出来る!と手甲のままごしごし擦る。
結果、顔は赤くなる。ヒリヒリ。

「犬が、犬が危なかった。
 ──本当に、本当に魔法は恐ろしいものなのだな……。
 しかし私には本来、ここまでの魔力はないはずなのだが……?」
恐ろしい。
鎧の中なので見えないが、格好悪いことに膝はガクガク。
呪いの力で魔力がぱわーあっぷしている上に、ここは鎧に憑いている亡者達のホーム、海。
そこで水の魔法を使えば、何が起きてもおかしくないのだ。多分。

ペイっと押されてもびくともしない、安定の重量感。
「べ、勉強か……。
 私はむしろ、教師より学生になるべきなのかも知れないな」
しょんぼりと、押された額を押さえながら。
呪われる以前は魔法の制御力>>>魔力、の人間だったので、魔法の制御が出来ないということが感覚的に理解できず、何の対応も出来ない。
「……すまなかったな。ギル殿、浜辺へ戻ろう」
海の中にいると恐怖感がある。
返事も待たずに浜辺へ歩き出す。

ギルゲイオス > 隠しても仕方のない事であるからな。
それに、魔王どころか、神でさえ帰る手立てのない状況なのでな。
うむ、無いとは言い切れない。
島で言えば『転移荒野』という場所に『門』が開きやすい様でな。
可能性でいえば、そこが一番高そう、ではあるが。
(片目を閉じて、顎を指で撫でる。
とはいえ、随分と分の悪い話だ)

風の祝福ならぬ、水の祝福を自分で得ればいいのではないか?
もっとも、今のさっきでアレであるから、少々怖くもあるが……
(ものっすごい水流で吹っ飛んでいくダナエが見えた。
ちょっと笑いかけて、堪える)

(代わりにズルズルになった手を海水で洗いつつ)
……ガントレットは外せんのか、いや外したら落とすか……
(真っ赤になった状況に、そう納得した)

犬か、まぁ無事であったなら何よりであるな。
初心者が調子に乗って大爆発で大怪我、なんてのは良く有る話であるからな。
ふむ……本人の力、でないとすれば。他の要因。
一番可能性のありそうなのは、その呪われた鎧、であるが。
(ごっつい鎧を、じっと見る。
呪われているだけあって、妙な気配を感じるのは、確か、だが)
……その鎧や、呪いの内容について詳しく聞いてみたくもあるが、とりあえず今は置いておくか。

ぬぅ、流石の重装備である……
(押してみたがとても重い)
金銭的な問題もあるが、生徒も中々悪くとないぞ?
この世界の事を、色々と勉強できるでな。
文化的にも技術的にも高度であるから、持ち帰れば我が国の為にもなるしの。
(それも選択の一つと、提示しておく。
魔王様の魔術能力なら先生も可能だったが、敢えて生徒になったのもこの辺が大きい)

そう、であるな。
流石にこのままとはいくまいて。
(簡易魔術で水面ギリギリ辺りまで浮かび上がると、傍らについて砂浜まで飛んでいく)

ダナエ > 「か、神でさえ……」
神でも魔王でも無理とは、絶望的な話だった。
それでも転移荒野に門が開きやすいと聞き、少し覇気を取り戻す。
「ほう、転移荒野、か。
 可能性は低くとも、何もしないで待つよりずっとましだ。
 貴重な情報、感謝するぞ」
己の両手の拳をゴヅンとぶつけ、転移荒野での門探しへ気合いを入れる。

「なるほど、水の神の祝福か」
やってみようと海面に目を落とすが、先程の惨劇がフラッシュバック。
「きょ、今日は止めておこう……。
 ……ん、今笑ったか?」
笑いかけたのを察知し、鋭い視線。

「外すのが面倒だったり忘れたりするだけで、
 兜と手甲はいつでも外せるぞ。
 水の中なら鎧も外せ、る……」
そうだった、全身水の中なら鎧も外せたのだった。
外して探した方が早かったか、と少し後悔しながらも何食わぬ顔。
涙はともかく、鼻水まで付いてしまった相手の手をチラ見。
「ギル殿は、魔王なのに人柄が良いな……」
非常に申し訳ない気持ちでいっぱい。

釣られて鎧を見下ろし。
「ああそうか。
 亡者達の分だけ、魔力が増えているのかもしれないな」
全く嬉しくない顔。
魔力など要らないから速度を返して欲しい騎士。

「ははあ、それがあるから異世界の魔王殿が生徒なんぞをやっているわけか。
 確かに、この世界に慣れるには教師より生徒の方が……しかし……むむむむむ……」
頭から湯気が出そうな苦悶の表情。

全身の筋力を総動員して一歩一歩踏み出す横で、ふわふわ軽快な魔王様。
「ず……」
狡い、と言い掛けて止める。意地。

ギルゲイオス > その神と魔王で帰る方法を探してはおるのだが……結果は将来にご期待してくださいとしか。
(そっと、視線が横に流れた)
ただし、門が開きやすいということは、やってくる存在も多いと言う事。
危険も多いのでな、探すのに必死になり過ぎて、注意を怠らんようにな。
(ヤル気をみなぎらせる姿に、ちょいとばかりのアドバイスを)

……それが良いのである。
(ふかーく、頷く。
二度あることは三度ある、ともいう)
気のせいであるよ、ふふ
(小さな笑い声、で先の笑いを誤魔化してみる構え)

水中なら外せるのか、ほう……ほほう?
(何かに気が付いた様だ。
暫し真剣な表情で考えた後に、両手を打ちあわせる)
外せる状況が存在するの、ならば、だ。
呪いの根源になっている亡者を騙す事で、一時的にではあるが陸でも鎧を外せる、可能性はあるな。
まー出来たとしても、そう長時間の維持は無理であろうが。
(術士気質がにょきにょきと芽を出す。
チラ見される横で、真面目な顔をしている魔王様)
我の世界は、人も魔も共存しておる世界だからな。
歴代の魔王も、別段悪人であった訳でもないし。
魔王なのに、というのはやはり世界の違いを感じるな。
(こちらといえば、特にコレと気にした様子もなく。
小さく、肩を揺らしている)

分析してみないと分からぬが、怨念というのはかなり力を持つからな。
そして厄介なのは……今見た通りだが、自分の魔力ではないから、考慮に入れて力を使わないと予想以上の出力が出たりする、という事かの。
(そして砂浜に近づくと、よりはっきり見える惨状。
この騎士風の人物があの津波を起こしたとは思われまいし、そっとしておけば、大丈夫、だろうか?
幸い人的被害も無いに等しいし、妙に高い波が来た、で落着しそうだが)

そーゆー事であるなー。
読み書きについても、我は魔術で頭に突っ込んでる故、不自由はないしな。
得るべきものが多い故に、今の状況にいる訳である。
(人に教える立場だと、自分が学ぶ時間がない。
苦労は増えるが、悪い選択ではない)
まー、簡単には決められぬかもしれんしな。
またゆっくりと考えてみるがよい。

(のっそのっそ歩くのを片目に、ふわふわスイスイな魔王様)
ふっふっふ……羨ましかろう?
(にやっと、悪い笑みを浮かべた後に)
とりあえず、今日の所はサービスしておくのである。
(鎧の襟首辺りをひっつかみ、浮遊と推進の魔術を掛ける、心算。
ならば、すぐに砂浜までたどり着く事になるとは、思うのだが)

ダナエ > 「門のことで何か分かったら、ぜひ私にも教えてくれ。
 頼む」
必死。
「なるほど、危険と隣り合わせの場所なのだな。
 進言痛み入る、注意しよう」

気のせいと言われれば、じろりと視線を相手に向けたまま。
「……」
無言。
「………………」
ひたすら無言の圧力。

亡者を騙すという発想に驚き、目をくりくりさせる。
「亡者達を騙す、か。
 そんなことができるのか?
 いや、亡者達とて元は人間。工夫によっては、或いは……?」
とはいえ自分には無理だろう。
風の神の祝福を受けた時の解放感を思い出し、
「一時的にでも、あの爽快感は忘れられん。
 魔王殿は魔法が得意だったな、
 いい方法を思いついたら教えてくれ」
本日二回目の教えてくれ。

「ふうむ。
 ギル殿の世界に住む人間は、魔王を恐れはしないのか?
 何事も慣れなのだろうか」
と、相手の耳や額の線(正しくは閉じた目)をじろじろ。

魔力についての分かりやすい説明に、目を丸く。
「なるほど。
 自分のものではないから、こんなに扱いにくいのだな。
 ……ギル殿、今からでも教師になったらどうだ?」
ちなみに腐っても騎士、高波の後始末はどれだけ掛かっても一人でやり終えてから帰宅する算段。

「そうだな……。
 ひらがなカタカナを覚えてからでも遅くはあるまい」
空に指で『ほりゆう』と書いてみる。教師か生徒か、ひとまず保留。

「べ別に、羨んでなど!
 鳥には鳥の、亀には亀の移動方法があるだけ、だッ!?」
襟首を捕まれたと思ったら、ざぱぁっと海中から引き揚げられ。
そのままスイーッと海面スレスレに運ばれるのだろう。
「う、ひゃああああぁぁあああ!?!?」
初めて空を飛ぶ浮遊感に、足をバタバタゴツゴツ。
浜辺に着けば、そのまま勢い余ってべしゃりと砂に突っ伏すだろう。
「な、な、な…………!!」
何をするんだ、と言いたい。

ギルゲイオス > 構わぬよ。
どちらにせよ、成果が上がれば必要な者に解放するのも考えてはおるからな。
携帯…は持っておらぬかもしれにぬし、住所でも後で教えてくれ。
(手紙で対応するつもり、らしい)

……
(スッと視線を逸らして)
…………
(無言の圧に無言で耐える魔王様)

亡者というのは、恨めしい、怨念、そんな感情で同じ方向ばーっか見ておるからな。
上手くさえいけば、案外なんとかなるモノである。
ま、そのうち時間が経てばバレるがの。
(顔を緩くと横に振る。
完全に除去するには、解呪等の専門家を見つけるしかあるまい)

ある程度は頭に出来ておるが、実物の鎧と照らし合わせてみないと上手くいかんからな。
では、もう少し纏まった時に、連絡でも入れるとしよう。
(二度ほど、頷きを返す。
成功するか失敗するかは別として、こういう新たな開拓は、やはり術士として楽しい)

そりゃま、人間にも魔族を恐れる感情は残っておるし、その王となれば当然であろうな。
だが逆に、魔族からしても同じである。
かつて、大昔は両者共倒れの一歩手前まで戦った仲であるからな。
ま、慣れと言えば慣れかの、平和が続けば時が解決してくれよう。
(なんかめっちゃ見られている感覚に、お返しとばかりに相手をじろじろ観察してみる)

個人的な頼みで教えるのは構わぬが、学園の教師になるのはまだ早いの。
我も来てから数か月しか経っておらんのでな、先に語った目的を果たすために、早くとも一年は学生であったほうが良いとは思っているのだが……
(ぬぅ、と小さく喉元で唸る。
よしみというか何というか、多分手伝う魔王様もその辺に)

それはそうではあるが、この調子だとたどり着くまで暫く掛かりそうであるしなー。
(掴んだまま海から引きずり上げると、スイーっと、水面を滑るように移動して)
ははは、どうであるかな?
鳥というには低い位置であるが、中々面白い感じであろう?
(悲鳴混ざりの声に、楽しげと笑い声をあげて。
やがて岸にたどり着けば、そのままとおろし。
自分も地面に足をつけた)
あとは、ま、反応が面白そう、という期待もあった。
(口の端を上げれば、なんだか悪い笑みである)

ダナエ > 「済まないな、助かるぞ」
そう言って教えた住所は前回の不動産屋で決まった、格安アパート。

「…………」
まだ見てる。しつこい。

亡者を騙す。
自分にはない発想に目から鱗、少しウキウキしている。
「何から何まで世話になる。
 ……鎧が爆発して中身が散解、などということはないな?」
楽しみだが、少し怖い。

「ふむ。
 異種族が友好的に交流できるまでには、長い時間が必要なのだな」
じろじろ見てたらじろじろ見られた。
顔しか露出していないものの、気まずい。
「…………私の顔に何か付いているだろうか!?」
軽くキレながら。

「何というか、現実派……堅実なのだな」
まずは生徒として慣れて、それから教師になることも視野に入れるという堅実な魔王様。
その物事の進め方は正しく、無駄がない。
文字も書けないのに教師になろうとしていた自分と、
何という違いだろうか。


「お、お、お…………」
面白くない!!!!と浜辺に響き渡る絶叫。
高波のことがなかったら斬りかかっていたところ。
「まったく、人がいいのか悪いのか……」
わからん、と立ち上がると、プールから上がった時のような体の重さ。
「……今日は、とんでもないことに巻き込んですまなかったな。
 ギル殿が無事で良かった。
 また後日、改めて詫びさせてもらう」
ぼたぼたと海水を垂らしながら、一礼。

ギルゲイオス > …………
(無言の戦いが繰り広げられる。
ある意味、根競べ)

怨霊自体を無理やり剥す訳ではないし、そこまでにはならん筈だがの。
無論、しっかりと下調べを行ってからであるし、危険そうならすぐに止めるしな
まぁ無茶をするつもりはない故、そこまで心配せんでも良い。
鎧を取り、ゆっくり風呂に入るとかそう言う事でも考えておればよいさ。
(ややとにこやかな笑みを浮かべつつ、手をパタパタとさせる)

かつてのわだかまりも有るし、そもそも生活やら姿、習性が違うからの。
ムズカシイモノだよ。
その時間が解決してくれるのを、ちょっとでも早くするのが我の仕事でもあるのだが。
(などと語りつつ、じーっと見返していると)
やり返してみたらまさかの半ギレであるか!?
いや、別に何もついてはおらぬが。
強いて言えば、綺麗な瞳をしておるなと。
そいういえば、この前とは色が違う様な……
(確かあの時は、夕暮れ辺りだったか)

そりゃ、夢見てるだけでは、王様なんてやってられんからの。
王様の仕事は夢どころか超シビアである、頭痛のするレベルである。
(あれやこれれや、あっちをやればこっちが立たず。
思い出してうっすらと顔が濁る)

うぅおっと!!
(大声量に両耳を防ぐも、頭蓋の内側にキーンっとした音が響く)
実害が無い程度に、人が悪いと言っておくかの。
(はぐらかすような笑みと共に、立てた人差し指を左右に振る)
詫びなんぞは特にと要らぬが、お主の気持ちとして後日受け取るとしよう。
さて、それじゃ、……
(ちょいと周囲を見回して)
海に浮かんでる分が我が飛んで拾ってくる故、とりあえず砂浜での回収を頼む。
(片手をヒラヒラとさせた後、再度浮遊開始)

(その後暫く、掃除にいそしむ魔王様と騎士がいた、かもしれない)

ダナエ > 「…………」
まだなお見てる。
でももう考えてるのは別のこと。
魔王様の世界の魔族は皆こんなデザインなんだろうか、とかこの肌の色は日焼けなんだろうか地黒なんだろうか、とか。

「鎧が取れたら……ああああ、何をしよう?
 うむ、温泉もいいな。広い広いバスタブ……
 人間らしいことをしたいものだ。
 そう長くはない時間だろうからな……あああ、どうしたら!」
単純。楽しみ過ぎて少しテンパる。

「魔族と人間の橋渡しか、大変そうだ。
 しかし、世界が変われば王の仕事も変わるのだな……」
物珍しげに。
綺麗な目との言葉に、自分にもまだお世辞でも綺麗と言われるようなパーツが残っていたかと驚く。
「あ、ああ、そうなのだ、目の色がコロコロ変わる。
 これも呪いを掛けられてからだ。不気味なものだ。
 今は海の色だろう、これが元々の色だ」
と、相手の朱い瞳を眉間に皺を寄せながら見返す。照れ隠し。

「くくく、どこの国王も苦労が絶えんな。
 だがまあ、そのお陰で我々の暮らしは快適なのだろう。
 民のためにも早く帰ってやらんとな」
笑ったのち、ため息。

「おお、ギル殿!
 貴公は被害者であるからして、帰ってもらって構わんぞ!」
飛んでいく魔王様に叫ぶが、結局手伝ってもらう流れ。
腰痛になりながら途方もない時間を掛けて、後始末を終えたことだろう。

ご案内:「浜辺(海開き状態)」からギルゲイオスさんが去りました。
ご案内:「浜辺(海開き状態)」からダナエさんが去りました。