2016/01/04 のログ
ご案内:「浜辺」に蔵田 怡与さんが現れました。
蔵田 怡与 > (三が日も過ぎた静かな浜辺。風は強く、潮の匂いはなお濃い。)
(一人の女生徒が、浜辺を踏みしめて歩いている。黒髪が潮風にめちゃくちゃに吹き散らされることも全く気にせず、やがて汀の一点で足を止める。)

……やっぱり海はいいな。感覚が違う。

(ぽつりと呟くと、鞄を探って中から目当てのものを取り出した)
(カラフルな折り紙の束だ)

蔵田 怡与 > (首から提げた簡素な画板のような板を台にして、吹きすさぶ風を物ともせずに素早く手を動かし、折り紙を折っていく)
(出来上がったのは…紙飛行機)

行け。零式艦上戦闘機。

(その声とともに、折りあがった紙飛行機は姿を変える。濃い緑色の体。そこに染め抜かれた赤い日の丸。かつて大空を切り裂いた無敵の戦闘機である。)
(零式艦上戦闘機は、女生徒の手のひらの上から飛び立つ。強い風を受け、あっという間に高く舞い上がる。)

蔵田 怡与 > (一機目のZEKEを見送ると、女生徒は再び手を動かす。折りあがったのはまた同じ紙飛行機。そしてその紙飛行機は、また零式艦上戦闘機へと姿を変える。)
(紙飛行機と同じ大きさのその戦闘機は、まるで模型のようだ。キラリと光る濃いグレイの腹。しかし、風に流されるだけの紙飛行機と違い、飛び立ったそれらの飛行機は、意思持つもののように、風を受け、風に逆らい、かつて「三羽烏」がしてみせたように宙返りなんかもこなしている。)

蔵田 怡与 > (飛行機は次々に増える。女生徒が折る紙飛行機の数だけ、零式艦上戦闘機…ZEKEは空へと飛び立っていく。)

(5機が10機に。10機が15機に。15機が20機に…)

(やがてトンボのごとく飛び回る飛行機の編隊は、女生徒の周りを大きく円を描くように回り始める。)

蔵田 怡与 > ……、……!

(女生徒は左手を軽く掲げ、ハンドサインを出す。)
(すると、今まで周りを回るばかりだった飛行機の群れが、V字編隊を組んで彼女の頭上に展開する。)
(直掩機、零式艦上戦闘機。かつての空を制した格闘機でもある。20機の機体が発するエンジンの音が低く辺りに響き渡る。)

蔵田 怡与 > (再び左手を挙げ、サインを送る。飛行機は編隊を解き、再び彼女の頭上に輪を描き始める。)
(飛行機を展開したまま、女生徒はゆっくりと浜辺に腰を下ろした。)

ZEKEならどのくらい持つかと思ったけど、案外悪くない。
燃費の向上じゃなくてそもそもの機体構造を改めればよかったのか。

(鞄から取り出したノートになにやら書き込み始める。その間も、飛行機は風を切って飛び回っている。)

蔵田 怡与 > ……
でもやっぱりお腹は空くな……
これで増槽なんかつけたらたまったものじゃない…絶対運用できない。

(ノートに書く手を止め、低く呻く。飛行機は変わりなく飛び回っているものの、顔色がみるみる悪くなっていく。)

蔵田 怡与 > ……でも、今日は今の限界を試しに来たんだから……
少しくらいは…我慢しないと…だ。

(オエ、と空えずきを飲み込みながらも、鞄の中から折り紙を取り出す。)
(先ほどとは違う緩慢な仕草で紙を折ろうとするが…)

…増やすのは無理か。

(手が止まる。)

蔵田 怡与 > (浜辺に腰を下ろしたまま、目を閉じ、眉間に力を籠めるように念じる…)

(すると、規則正しく飛んでいた飛行機たちの動きが変わる。)
(急上昇、急降下、急加速して別の機体の後ろを取る。翼を機体にぶつけようとし、それをかわして機体をひねる。)
(彼女の周囲は、同士討ちの様相を呈し始めた…)

……ゼロファイト。やっぱり20機でやると、厳しい。

蔵田 怡与 > (薄暗い浜辺に、エンジンから吹き上がる炎と火花がちらちらと瞬く。)
(しばし続いた膠着状態を打ち破るように、一機が翼で機体に切り込まれ、撃ち落とされる。)

……

(炎を引きながら墜落する飛行機。その機体は、浜辺に落ちる頃には、焼け焦げた折り紙の姿に変化している)

蔵田 怡与 > (それを皮切りに、飛行機たちは次々と墜落していく。煙と炎を引いて落ちていくその姿は、小さな隕石にも流れ星にも見える。)

(残ったのは満身創痍の一機。女生徒が掲げた手のひらに降り立つ。…が、飛行機の姿を保つことができず、手のひらの上でくしゃくしゃによれた折り紙に変わる。)

……
疲れた……

蔵田 怡与 > (女生徒の鼻孔から鼻血が落ちる…)

あ。やべ。ちょっと……疲れすぎた……かも。

蔵田 怡与 > (一瞬体がぐらつくが、なんとか踏みとどまり、鞄の中から取り出したハンカチで顔を押さえる。)

(片手で顔を抑えたまま、もう片手で折り紙を取り出し、ゆっくりと降り始める。)
(先ほどよりもやや大ぶりの折り紙だ。幾分か、紙質もしっかりしている。)

ご案内:「浜辺」に真乃 真さんが現れました。
蔵田 怡与 > (再び飛行機が飛び立つ。濃い緑の機体。尾翼の近くと、翼の裏に、特徴的な赤い日の丸が染め抜かれている。)

…紫電。

(紫電、と呼ばれた飛行機は、一機だけで彼女の頭上をゆっくりと回り始める。)

真乃 真 > 長いタオルを靡かせながら短距離走のような速度で走る男。
ペース配分というものを知らないのか全力疾走で限界まで走り回復したらすぐ全力を出すという
効率も頭も悪そうな走り方をしている。
そんな風に砂浜を走っていると以前見かけた少女がいる。
飛んでいるのはラジコンだろうか?

「蔵田さんあけおめ!なにやってんの?ラジコン?」

離れた位置からでも聞こえるだろう大声で声をかける。
次から次へと戦闘機が撃ち落とされる様子を見て衝撃を受ける

「本当に何やってるの!?」

また新しい飛行機を出してそれが飛び上がったあの戦闘機は異能だろうか?
それなら異能の練習かもしれない。

蔵田 怡与 > (突然かかった声に、びくりと肩を跳ね上げ、慌てて砂を払って立ち上がる。)

あ……真乃さん。あの、あけましておめでとう。
…久しぶり。

(見知った相手であったことにホッとしたように眉間から力を抜き、手を振る。)

…ラジコン? ラジコン…では、ない。かな。
これ、私の異能。
…驚かせてごめん。大丈夫。悪さ、しないよ。
(飛び立たせたばかりの紫電を、急いではるか上空へと退避させる。攻撃の意思がないことを示しているようだ。)

真乃 真 > 「小さい戦闘機?飛行機?を飛ばす異能?カッコいいね!」

上空を飛ぶ緑の飛行機を見上げて言う。
良く出来てるように見える。

「異能の練習かな?確かにこの時間帯は演習場も込み合ってるだろうしね。」

確かにこの異能は広い場所でもなければ練習も出来ないだろう。
そうなればこの浜辺はベストチョイスだろう。
この時期は人もあまりいないし。

蔵田 怡与 > 「カッコいい? …私も、実は、そう思う。ありがとう。嬉しい」

(相手の言葉に、本当に嬉しそうに微笑んで見せる)

「あれ。紫電、って、いうの。昔、大きな戦争があった。そのときに、すごく、活躍した。
 私の異能は、折り紙を、戦闘機に変えること。この異能、すごく、体力を使う。お腹も、空く…んだ。
 だから、練習。」

(言いながら、改めて相手の姿を見る。前にも見覚えがある長いタオルを身に着けている。)

「真乃さんは…何、してたの? ……訓練?」

真乃 真 > 「ああ、だから前も折り紙を持ってたんだね。なるほど、確かにそれは大事だ。
その異能なら長く使えたら色々なことに使えそうだしね!」

さっき見た時は凄い数の飛行機が同時に飛んでいた確かにあれだけ同時に操るのなら
あれだけの食欲も納得がいく?納得いくかな?

「僕はうん、トレーニングだね。何事も体力が資本だからね!」

特にあまり魔法を使えない真のようなタイプは体力が無ければ話にならない。

蔵田 怡与 > 「うん。私は…まだ未熟だから、その場で折り紙を折らないと、ダメで。
 いつも、たくさん、持ち歩いてる」

(以前大量の折り紙をぶちまけ、拾ってもらったことを思い出して気恥ずかしそうに頭を掻き)

「トレーニング…してるんだ。偉いね。砂浜、走りづらいから、いい訓練に、なる。と思う」

(しげしげと相手の様子を眺める。体力づくり、という発想はなかった。確かに肉体を鍛えるのはいいことだ。役に立つかもしれない、と思う。)

「あの。真乃さん、普段どんなトレーニング、してる?
 …私も、やってみたい。教えて、くれない?」

真乃 真 > 「いちいち折らないといけないのか…それは時間がかかるね。でも、別に戦うでもないしそこまで急ぐ必要もないと思うけどね。」

確かに戦闘中は折り紙を折るなんて余裕はなさそうだけれど日常生活で使う分には問題なさそうだ。

「そ、そう、砂浜は走りづらいからね!」

まったく意識してなかった道理で走りづらい訳だ。
今度からは意識して砂浜走ろう!

「僕はえーと、学校まで走っていくとか?あと筋トレとかかな?
あんまり大したことはやってないよ。
あっ演習場にトレーニングできる道具とかあって安く使えるよ!」

授業があるときは少し遠回りしつつ学校まで毎朝走って行っている。
あとは筋トレ。それぐらい

蔵田 怡与 > 「うん。本当は…こう、あらかじめ、たくさん折って、持っておいて、好きなタイミングで飛行機にできるように、したい。
 戦うこと…ない、かな。万が一に備えて…少し、訓練、したくて
 …真乃さんも、異能、持ち? どんな…異能?」

(自分の能力のことを人に話したのは初めてだった。そのため、やや高揚気味の口調になる。
つい相手の能力のことまで訊いてしまったが、訊いてからしまったと内心苦い顔をする。あまりに突っ込んで訊きすぎた。答えがなくても、それはそれで問題ない、と思う)

「うん。でも、真乃さん、足、速いね。砂浜なのに。…訓練の、成果かな。
 学校まで、走って…筋トレ…。
 演習場に、トレーニング道具…」
(教えてもらったことを急いでノートにメモする。肉体のトレーニングなどは一度もやったことがない。きんとれ…とメモする)
「…筋トレ、の、やり方。図書館とかで、調べられる、かな?」

真乃 真 > 「確かにそっちの方が便利だよね。そっちの方がカッコいいし。」

こう懐とかから折り紙を指の間とかに挟んで出して…
みたいな想像を膨らます。

「確かに、ある程度の自衛の必要はあるよね…。危ない人もいるし。」

力を持ったらそれを人に向けて使う人も出てくる。
そういう人から身を守る最低限の力も必要だろう。

「僕の異能?ああ地味だけどそれでいいなら。一瞬だから瞬きしないでね。3、2、1、はい。」

そう言って右腕を前に突き出す。左腕は体の横に
はい という言葉の瞬間に出されていた右腕は体の横にあり。
左腕が代わりに前に出ていた。
瞬きしてなくてもしていたとしてもその姿勢が変わる瞬間を見ることは出来ないだろう。

「これが僕の異能だよ。自分のポーズを変える異能。実はこれまでもちょっと使ってたんだよ。」

普通のテンションで説明する。
日常の動作の一つとして自然に異能を使う。ある意味凄いのかもしれない。

「僕は我流でトレーニングしてるからね。もし良さそうな本があったら教えてくれたらありがたいよ。」

蔵田 怡与 > 「うん。私も、そう思う。…折り紙、折ってるとこ、狙われたら…大変、だし。
 この学園のこと、まだ、わからない。でも、危ないこと、ある、って、聞いた。から、あんまり、弱いと、いけないような気が、して。」

(うんうん、と同意するように頷き、言葉を続ける。
異能を使う生徒たちの中にいる以上、彼らと対立する可能性がゼロになるわけではない、ということを言いたいらしい。)

「……お、おお~。すごい。早変わり。だね。手品、みたい。
 変わった、異能。だね。でも、カッコいい」

(瞬時にポーズを変える相手に、瞬きをしてぱちぱちと拍手を送る。
 咄嗟の防御や回避などの役に立ちそうだ、と思う)

「あ、うん。わかった。本、見つけたら、教えるね。
 …言い忘れてた。家、見つかったよ。大家さん、親切にしてくれた。
 よかったら、いつでも、遊びに来て。家具、なんにも、ないから、寂しい、部屋だけど」

真乃 真 > 「異能とか魔法相手に戦うのはかなり怖いからね。一人で練習してたら想像もつかない異能とか魔法とかあるしね。
それにいざって時は逃げたり助けを呼べばいいしね。近くにいたら僕も助けるしね!」

鍛えてもどうしようもない相手もこの島にはいる。
そんな相手の場合逃げてもどうしようもないことも多いのだが…。

「確かに手品でしかないよね。そう、かっこいい?
いやーそれほどでもないと思うけどそう?」

自分の異能が褒められて喜ぶ。
この島に来てから初めて褒められたかもしれない。地味だし。

「ちょっと分かりにくい場所だよね。今度遊びに行くよ。
何かお土産とかもって!」

一人暮らしの女子の部屋に男子を上げるのはいかがなものかと思うが
真乃真にそんな発想はない。
お土産はどこのお菓子にしようか考えるくらいの思考しかない。

蔵田 怡与 > (うんうん、と真剣な顔で頷き)

「魔法、っていうのも、よくわからない。わからないものは、少し、怖い。異能も、そうだけど。
 …ありがとう。心強い。一人じゃ、ないって、いいね」

(相手の親切な申し出に、思わず顔をほころばせる)

「うん。カッコいいよ。子どもとかに、人気、出そう。
 それに、使い方に、センスが求められる。と思う。使いこなしてる、真乃さんは、すごい」

(真剣な面持ちでそんなことを言う。初めて見た異能に驚嘆する気持ちも大いにあった。
何より、どことなく相手の人柄に合っているような気がする。)

「うん。いつでも遊びに来て。
 …案内、させるから」

(言葉と同時に、上空から紫電が急降下してくる。勢いよく降りてくる機体は、女生徒にぶつかる手前で折り紙に変わる。
その折り紙を空中でキャッチし)

「…長く訓練してたら、少し疲れた。
 今日は、もう帰ろうかな。
 真乃さんと話せて、よかった。あの、今年も、よろしく。ね」