2016/02/16 のログ
ご案内:「浜辺」にセシルさんが現れました。
セシル > 夕闇色に染まる浜辺を、セシルが走る。
ランニングのトレーニング中だ。

「バレンタイン」という行事はピークを過ぎたようで、周囲を漂うチョコレートの匂いは、少しずつ和らぎつつある。
もう少ししたら勉学にも身が入るだろうか…などと考えながらも、セシルはまだ寮から離れての訓練を、授業以外の生活の主軸に据えていた。

セシル > 砂浜などの砂地は反発力が低い分、より力を入れて運動する事が要求される。
「砂地トレーニング」というものも存在するくらい、砂地での適切な運動は下半身の筋力や、体幹を鍛えるのに効果的だ。
自認はともかく肉体は女性であるセシルは、筋力強化を出来るようなトレーニングを余分に積むくらいでないと、剣術「のみ」で男性に伍するのは難しかった。
身長にそれなりに恵まれたのは救いだが、やはり技術には、それを支えるための身体能力が必要なのである。
ランニングのコースに砂浜を組み込むのは、うってつけの訓練だった。

軽く勢いのある呼吸をしながら、砂浜を駆けて行く。

セシル > (…この世界でも、夕陽の色は変わらんな…)

走りながらも、時折暗くなっていく海と空の方を見る。

故郷のこと。
故郷にいる家族のこと。
はぐれてしまった、演習を共にしていた同期の安否。

少しずつ適応は出来ているが、まだ先の見えないこの島での生活。

走っている間、様々な心配事が頭の中にちらついては消える。

セシル > (…いかんな、思考に隙が出来ると後ろ向きな事ばかり考えてしまう)

走るペースは落とさずに、軽く頭を振って後ろ向きな考えを頭から追い出そうとする。

(それよりは、こちらでの今後を考えねば。
委員会だとか…勉学のこととか)

こちらで経済的に自立するためには、委員会に所属するのが手っ取り早い。
来年から始まる本格的な授業についていくための準備は…少なくとも1科目、追いついていない。

(…少し、ペースを上げるとするか。
寮内のチョコレートの匂いも薄れつつあるだろうし…余計な事を考える余裕があるのならば、勉強のための時間を作らねば)

セシルの走る速度が、少し上がる。
そのまま、砂浜を少し走ったセシルは、居住区の方に向けて走り去っていった。

ご案内:「浜辺」からセシルさんが去りました。